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中国レポート ―――――――――― by 平野信幸さん
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☆ 2010年中国10大ニュース大予測?! ―――― 2004/02/20
大胆不遜にも、2010年の中国を予測
―― 1.上海万国博覧会の成功
2010年5月1日から10月31日まで開催された「上海万国博覧会」は、
当初の予測を上回り成功裏に閉幕をした。期間中の入場者は延べ約8000万
人に達し、上海万博開催による直接的経済効果は200億ドル以上と見込まれ
る。
この間、海外からの入国者は2000万人を超え、世界中に中国製品が紹介さ
れることになった。このことによって今後拡大すると予想される貿易の額は、
1000億ドル以上と推測される。この規模は、1990年代における中国の
年間貿易額にも匹敵する額である。
―― 2.中国私営企業による外資企業の買収相次ぐ
2010年末における中国の私営企業数は500万社を越えた。私営企業の総
生産高は、2002年には国営企業の半分にも過ぎなかったが、昨年はその4
倍にも達している。私営企業発展の中心的役割を果たしている人材は、海外留
学の経験者や、外資系企業での就業経験者である。彼等が学んだ、アメリカや
日本、そして欧州の文化や市場経済の概念は中国経済発展の原動力となってい
る。
また、数年前に新たに設立された株式市場によって、従来にない資金調達が可
能となり、技術や事業経営ノウハウを習得した私営企業の経営者は、市場から
の資金調達によって次々と外資系企業の買収を行い、その事業拡大の速度は留
まるところを知らない。
かつて100万社もあった中国進出の外資系企業は、10年末には50万社に
半減し、数年後には経営主導権を中国側が持ったものを除くと、20万社以下
になるであろうと思われる。2000年初頭における私営企業の貿易額は外資
企業の15%程度であったが、昨年は拮抗するところまできている。
1990年代の改革開放によって積極的な外資導入を行い、20年間もの間、
安定した成長を遂げた中国経済は、海外資本の支援を受けているといえども、
その中心的役割が中国の私営企業に移りつつあることは周知の事実となった。
―― 3.年間の車両生産台数1000万台を
2003年より中国自動車業界は年間10%以上の成長を持続し、昨年の生産
台数は1200万台を突破して、数年後にはアメリカに次ぐ世界第2位の自動
車市場になることは確実となった。
一昨年からは、アメリカや日本企業による本国への逆輸出も本格化した。また
国内資本企業の健闘も著しく、中国国内における「企業別販売台数トップ5」
に入ることもそれ程遠い話ではない。
―― 4.インターネット人口3億人を突破
2006年、アメリカを抜いて世界一となったインター人口は3億人を突破し
パーソナルコンピュターの普及台数も2億万台以上となった。
IT関連における経済成長は、過去10年間20%以上を継続し、特に07年
からの加速は大きく、この4年間で2.5倍にも達し、中国経済成長の一翼を
担っている。
―― 5.携帯電話の普及台数5億台を超える
2010年末現在、中国の携帯電話契約数は5億件を突破し、100人当たり
35台の計算となった。都市部における普及は100人当たり80台を越え、
アメリカや日本と同程度となった。
都市部のビジネスマンにおいては、ビジネス用とプライベート用に2台以上保
有するのも一般的となり、中には事業別にビジネス用として複数台使用してい
る事業家も珍しくない。
中国における携帯電話生産台数は約7億台以上で、世界市場の約70%以上は
中国で生産されていることになる。
―― 6.人民元切り上げ
2003年初頭より、デフレ輸出の元凶として「人民元の切り上げ圧力」が高
まり、過去2回に亘り変動幅の拡大によって20%以上の事実上の切り上げを
してきた。しかし、北京オリンピックと上海万博の成功により、更なる切り上
げは避けられない状況である。
―― 7.中国電力事情緩和
2003年夏の猛暑によって、電力供給不足が顕在化した中国では、05年か
ら開始された原子力発電所建設計画の完成によって著しく緩和された。しかし
ながら中国の経済発展は減速しながらも6%以上の成長が継続しており、状況
によっては再び電力不足の発生も予断を許さない状況である。
―― 8.年間貿易額2兆億ドルを突破
2010年の輸出入総額は2兆億ドルを突破し世界第2位の貿易国となった。
対日貿易額も、2000億ドルに達し、2001年には輸入:輸出の比率は、
2:1と大幅な輸入超であったが、2005年以降その差は急速に縮小し、2
010年には僅かながら貿易黒字を達成した。
―― 9.資金の流入の拡大
資本の一部自由化によって、中国民間企業に投資する海外からの資金流入が加
速した。これは、アメリカや日本の投資ファンドが、中国私営企業の成長に大
きな注目をして投資を拡大しているもので、直接的な企業投資を上回る規模に
なっている。
機関投資家による中国ファンドは、過去2回の人民元切り上げもあって、年間
20%以上の利回り実績を上げており、それがまた新たな投資を呼び込む状況
を生んでいる。
この大きな資金流入が、貿易黒字の拡大と共に「人民元切り上げ圧力」となっ
ている。過大な私営企業への投資は、更なる成長の促進の反面、一部ではバブ
ル的な要素も含まれており、今後、成長の減速によってはバブル崩壊も懸念さ
れる。
―― 10.中国経済成長の光と影
1990年初頭から始まった中国の経済成長は、改革開放と外資の導入によっ
て加速し私営企業の台頭によって継続されてきた。2001年、WTOの加盟
によって世界経済に参入を果たした中国は、世界の市場原理を受け入れて自由
競争の中での活躍を約束された。しかし、その反面、生産性の低い嘗ての国営
企業の淘汰によって生まれた失業者対策と、その不良資産の処理に大きな問題
を抱えている。
更に、過去数年間において分割・統合・再編の困難であった国営企業が未だに
残されており、現在に至っても「幻となった既得権益」に頼っている。これら
の組織の改革は、「もはや再生の道は閉ざされてしまった」状況である。
負の資産は、嘗て日本やアメリカが経験したように、「蓋をすると拡大、増殖
する」のは必定であり、時間を掛けた東洋(中国・漢方)医学ではなく、西洋的
医学の処方によって対処する必要に迫られている。
―――― 雑感
今回の「中国レポート」は、不遜とは感じつつも中国の「2010年、10大
ニュース」を予測してみました。
弊社は、中国で事業を始めて本年で10年となり、その間中国において多くの
経験をしてきました。この数年間の中国経済の発展は、1980年代の日本の
ような状況であると実感しております。
当時の日本との違いは、IT革命によって情報の流れが速くなり、事業展開・
発展の時間が短くなったことと、発展の指針(目標と出来るもの)が「アメリカ
や日本にあること、あったこと」ではないかと思います。
その二つの相乗効果によって、更に中国の経済発展は加速しており、その勢い
は少なくとも、上海万国博覧会が実施される2010年までは継続するものと
思われます。
この予測がどの程度当たるかは、「神のみぞ知る」ところですが、中国経済の
片隅に身を置く者として、2010年の中国の情勢を「是非、実体験したい」
と、念願しております。
= この稿おわり =
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上海平野(瑞穂)磁気有限公司
平野 信幸
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