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┃ 自虐史観の枷を解く ―――――――――― by gosakuさん
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☆ 甦れ!日本外交、頑張れ!外務省(討論編4)―――― 2005/01/14
野太郎さん、前回に引き続き懇切なご指摘を有り難う御座います。
(6)から(10)までの野太郎さんの疑問点に応えさせて頂きます。
▼ この答復文の元々の記事:
http://chinachips.fc2web.com/repo1/015076.html
http://chinachips.fc2web.com/repo1/015077.html
▼ この答復文の元になった野太郎さんのご意見:
http://chinachips.fc2web.com/repo1/015078.html
――「野太郎さんの反論:6."他に見あたらない"とは言えないのでは?」
たしかに現在、対外国家事業への国民の関心は、対中ODA問題よりも自衛隊
イラク派兵延長問題のほうへ向いています。けれど、優先順位でいうならば、
第一位に置かなければならないのは対北朝鮮戦略でしょう。
先日、ある政府要人がテレビ討論で語っていました。
「新法まで制定、多くの国に対する根回し、考えられないほどの準備を重ねた
イラクへの自衛隊派遣に費やした時間と努力を、遅過ぎたが、拉致被害邦人の
救出に費やす。今後は、拉致問題解決を対外国家事業の第一優先順位に置いて
強力に実行して行く」というものです。ことほど左様に、激変する国際情勢に
伴って、日本の対外国家事業の優先順位も常に流動しています。
自衛隊イラク派兵延長問題は「国民の間で反発の強い」とおっしゃいますが、
意識調査委員会が行った、昨年(2004年)12月15日のインターネットで
の呼びかけメールによる意識調査によると、回答率59.8%で下記のような
結果が出ています。
・賛成 ―――――58.5%
・反対 ―――――40.2%
・分からない ―― 1.3%
賛成理由としては:
・同じように、アメリカに国を廃墟にされ、そこから這い上がって繁栄を築い
た経験を持つ日本が、イラクを見捨てるわけにはいかない。イラクは国内が
混乱してる、危険がないわけではない。自衛隊に反感を持つ人もいるかもし
れない。それでも、自衛隊ならイラクのために働ける。民間人が同じ事をや
ろうしても危険に対処できない。
また、
・サマワには戦争ではなく復興支援に赴いている。戦争があり、危険なのは分
かっているが、リスクは当然であり、地元の方との交流もうまくいっている
ようで、少しは世界に貢献していると自覚すべきだ。日本が同盟国を支える
のは当然のこと、アメリカや日本の批判になると寄ってくるプロ市民に迎合
しない事が日本の独自の道を模索することになる。
というものです。
反対意見としては:
・自衛隊は、世界の他の国からすると立派な軍隊だ。人道支援とはいっても、
武器を持ち、アメリカを支持している以上、これからは今まで以上に危険が
及ぶのは確実だ。
また、
・イラク戦争そのものがアメリカの利益のための戦争であり、自衛隊派遣も、
人道援助などといっているが、アメリカに追随するための派遣であることが
明々白々である。サマワでも自衛隊の駐留が長引けば長引くほど、アメリカ
と一体とみなされ、攻撃の対象となるのは明らかである。犠牲者が出た時点
で撤退するのでは遅過ぎる。
日本がほんとの意味での人道支援を考えるならば、イラクを、自衛隊以外の
外交、NGO、民間企業などが腕をふるえる場所にする努力をするべきだと
思う。
今まで、長期政権を担当した内閣は、いずれも後半は支持率低下に陥っていま
す。小泉内閣も例外ではなく、現在支持率低下傾向に歯止めがかかりません。
理由は、自衛隊イラク派遣延長以外にも、郵政民営化や三位一体改革問題など
数多くあります。最近の内閣支持率は40%を保ち、歴代内閣に比べれば依然
として高水準です。
だが、就任して3年8ヶ月余、戦後の歴代首相の在任期間で第5位にまで上り
詰めた分、国民の中に政権への「飽き」がでてきているのは確かです。
――「7.外務省のサイトでは別の印象を受ける」について:
近年、急速にODA大綱見直しが進められています。
現在のODA大綱は、大きく分けて3つのことをいっています。
1つは、人道的見地、2つ目が、国際社会の相互依存関係、3つ目が、環境。
この3つを理由として、平和国家としての地位にふさわしい貢献をしていくと
述べています。
それで、見直しの基本方針の部分には何が書いてあるのかといいますと、
――こういった現行の大綱が掲げている理由というものは普遍的価値というこ
とが書いてありますけれど、コスモポリタン的といえば分かりにくいでしょう
か、どちらかといえば利他的といいますか、ODAというのが日本のためでは
なく他国のためにやっているんだという感じが強く出ているんじゃないか、
ーーという指摘があります。
決して人道的見地を否定するわけではないけれども、わが国にとっての安全と
繁栄、どちらかといえば"情けは人のためならず"という言葉がありますけど、
結局はODAも、巡り巡ってそれが日本自身の利益になるんだという考え方を
入れるべきである、というのが一つの基本方針です。
なお、ここには「国益」という言葉が使われておりませんけども、これは国益
という言葉を使うか使わないかについて、いろんな方々の意見を伺っている中
でも、いろいろ賛否両論があるということで、そこの表現をどうするかという
ことについてはこれから検討すべき課題だろうと思います。
とにかくそういう、自分たちのためにもなっているんだという要素を入れてい
くことが、基本理念のところでは一番大きな話題になっているかと思います。
――「8.他ならぬ日本が支援している"南南協力"」について:
「困った時はお互い様」という相互扶助で始まったのが「南南協力」だと聞い
ています。もっと具体的にいうと「南南協力( South-South Cooperation)」と
は、開発途上国が、お互いの優れた開発経験や技術を学習し、共有することに
よって開発を効果的に進めるための協力形態をいいます。
┌--------
☆歴史的背景:
1970年代、北から南への協力関係を補完する為、開発途上国間で水平協力
をしようという動きが高まった。従来、開発途上国の発展には先進諸国からの
資金・技術援助の提供に依存せざるを得ないとの考えが主流だったが、開発途
上国の多様化が進み、途上国相互の協力の重要性が認識されるようになった。
└--------
日本も、経済再建に苦しんでいた53年当時、アメリカやヨーロッパ先進国か
ら莫大な援助を受けて再建に成功した経緯があります。当時、苦しい中から、
タイ・インドネシアなどに援助をしています。そんな経験から、今もJICA
(日本国際協力事業団)は、技術協力を主に支援を行っています。
話を戻しますと、中国は毎年、500億から600億という巨額をアフリカ諸
国やパキスタンなどに供与しています。この背景は、北京オリンピックや上海
万博、台湾問題、アメリカ・西欧諸国から指摘されている人権問題に支持を取
り付ける為と思われます。また、先進国のODAに対抗してという事もありま
す。
しかしこれでは、「南南協力」という概念から遥かに外れて、明らかに自国の
国益のためということができます。そのような余裕がある国に、それを遥かに
超える、2000億近いODAを日本が提供しているのですから、なんともお
かしな現象というしかありません。
――「9.六歩三百歩」について:
僕は、日本の国会議員の北京詣では止めるべきだ、と述べています。そして野
太郎さんは、アメリカと置き換えても同じではないか、と指摘されています。
「一方的にODAを続けて累計6兆円の中国」
「アメリカの国債を買い続けて累計300兆」
ーーしかし、単純に比較できる問題でしょうか。
中国へのODAによって潤った日本企業があったのは事実でしょう。
日本経済にとって影響が少なく、国政の面からも何のプラスにもならなかった
アメリカ詣での国会議員が北京詣での国会議員にもまして多いのもまた事実で
しょう。ーーしかし、ワシントン詣での日本国会議員と、300兆のアメリカ
国債とは繋がりません。
戦後、奇跡ともいわれた復興を成し遂げた日本経済を支えたのは、対米輸出で
あったのはご存知の通りです。現在は、中国や東南アジアにその座を譲ってい
ますけれど、依然として第2位のお得意様はアメリカです。アメリカがクシャ
ミをすれば日本が風邪を引くといわれるぐらい、日米の経済依存度は密接なも
のになっています。
もしもアメリカ経済が破綻すれば、日本にとってどころか世界経済にとっても
恐ろしい状況になります。こうした諸々がアメリカ国債の買いに繋がっていま
す。
アメリカの景気浮揚策としての大型減税も、イラク戦争の戦費予算も、そのほ
とんどの部分で、日本の(アメリカ)国債買いによって支えられているのが米国
経済の現状でしょう。日本ばかりか中国も、アメリカ国債を大量に買い続けて
います。なぜか?
それは、中国にとってもアメリカが最大の輸出国で、アメリカ経済の破綻は即
中国経済の破綻に繋がるからです。
以下は某経済新聞からの引用です。
┌--------「引用ここから」
日本政府の介入額は、昨年だけで20兆円に達した。アメリカが景気上昇を続
けたのは、政府が膨大な国債を発行し、1500億ドル(今年度)の減税を実施
したからだ。国債の主たる買い手は、日本や中国などの外国政府だった。日本
政府は、月によっては国債発行額の半分を買った。世界の民間投資家はドル安
を恐れてアメリカの国債を買おうとしない。
もし、日本政府がアメリカ国債を買わなければ、アメリカ政府は国債の金利を
引き上げるだろう。そうしなければ、国債は売れ残り、減税の原資が不足する
からだ。金利が上昇すれば、住宅や自動車の需要が減少し、設備投資が縮小す
る。つまり、アメリカの景気は悪化するのである。日本政府が、円高防止のた
めにアメリカの国債を購入しているので、アメリカの景気上昇が続いている。
円高を防止できれば日本の輸出が増える。またアメリカの景気が好調であれば
アメリカ市場は株高になり、それに引かれるように日本の株価が上がる。それ
と共に銀行所有の株式価格が上昇して銀行の経営は危機を克服できる。こうし
て日本経済は緩やかな上昇を保てるだろう。
└--------「引用終了」
―――― 二十一世紀最大の愚劣といわれる
正当性のない、アメリカのイラク戦争に追随してイラクに自衛隊を派遣し、ま
た派遣を延長した小泉政権に批判が強いのは当然です。しかし、派遣に反対す
る人たちの中にも、
「間違った戦争だが、多少アメリカにモノが言える立場を保つことが、やはり
国益に繋がるから協力したほうがよい」
消極的ながら小泉政権の自衛隊派遣延長を支持する人がいることも事実です。
外務省職員の奥氏の殉職は、ある政治勢力に抵抗したため抹殺されたという野
太郎さんの説には、常識的に考えて疑問を感じますが、常識では捉えられない
世界の出来事であり、僕にはなんともコメントできません。
曾根綾子さんの寄稿文は、2001年に外務省の不祥事が噴出したときのもの
です。奥氏らの殉職の事実を知れば「全く」とは言っていないと思われます。
―――― 総論として申し上げると、
野太郎さんのご意見は批判が目立ち、「では!」「どうすれば」という対案が
みられません。まず対案を示してからの論評なら、もっともっと説得力がある
と思いますが、如何でしょうか?
野太郎さんの明晰な頭脳の中には、具体的な素晴らしい対案が少なからずある
ように感じられます。
ーー今後のご意見は、先ず対案を示した上での論評を期待しております。
= この稿おわり:次の記事へ =
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┃●┃ お便りで頂きました激励と感想。
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┌──────────「4.5sakuまたは年金暮らしの老いぼれさん」
gosaku様、永い間お疲れさまでした。
重厚な投稿を毎週必ず。常人には簡単には出来ないことです。
とても勉強になった金曜日でしたが..本当に終わってしまったのですね。
これからも、単発でも結構ですから..お時間の許す限り寄稿下さるのを心待ち
しております。お体ご自愛の上、しばらくの充電をお楽しみ下さいませ。
ーー本当に有難う御座いました。
└──────────
▼
┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
さ〜て、、あのgosakuさんがそう簡単にくたばるものかどうか..?? (^O^)
でも、、、今週だけは、、、 OJIN のを読んでッっつ!!〜〜(○^ε^○)
└──────────
┌──────────「hideおじさん」
gosakuさん、長い間「現代日本」に対するお話、ありがとうございました。
大変失礼ではありますが、何故か私の祖父の話を聞いているようで懐かしさを
感じておりました。
特に、日本外交に対する取組みは大変ご苦労があったと思います。この問題は
切り口をどこに置くかで範囲が膨大になり、結局尻つぼみになりがちですが、
非常に纏ったものであったと敬服いたしております。
gosakuさんが、今回「外交」について言いたかったのは、
「戦前の外交」が良くて「現在の外交」は良くない、という単純なことではな
く、明確な自己主張を避けている「今の外交」を憂いているのではないかと感
じております。また、外交を「日本」と置き換えても良いのではないでしょう
か。
良くも悪くも、戦前の日本は主義・主張がハッキリしていたことは事実です。
「主張すべきことはハッキリ主張する」これは今も昔も国際的な常識であるは
ず。外国とのビジネスをみても、「主張」を明確にしなければ相手の信頼を得
ることは出来ません。今の日本が「日本国」として「言いたいことを言ってい
る」のか甚だ疑問に思います。
日本には世界に誇る「平和憲法」があります。--自主憲法であるなしは別とし
て--これを遵守しようという気持ちは、読者の皆様をはじめ国民全てが賛成だ
と思います。しかし、憲法前文の
「人間相互の関係を支配する崇高な理想を深く自覚するのであって、平和を愛
する諸国民の公正と信義に信頼して、われらの安全と生存を保持しようと決意
した」ですが、
この「諸国民の公正と信義」は、日本の理解するものと同じとは限りません。
また、時代時代によってその「公正」も「信義」も変化することを忘れてはな
りません。相手を信じること、公正と信義を大切にすることは日本人の美徳で
す。しかし、だからといって「言わなくとも分ってくれる」は世界では通用し
ないことも理解しなければならないでしょう。
公正と信義は、与えられるものではなく、互いに主張し合うなかで新たに創り
出すもの、生まれるものではないでしょうか。
ーーgosakuさんが主張されたかったのはこういうことではなかったのか、と私
は理解しております。
改めて、gosakuさん、連載ご苦労さまでした。
また、お話を聞かせていただければ幸いです。
└──────────
▼
┌──────────「gosakuさんから」
hideおじさんの、先の「十八子松戸さん:焦らないで下さい、中国も民主国家
になります」へのコメントにしろ、今回の「情報無限さん」への反論にしろ、
実に適確に要点を指摘されていて、敬服いたします。論旨についても、非常に
親近感を覚えるのは僕だけではないでしょう。
失礼ですが、お祖父様は「hideおじさん」のお年から推察するとかなりの年齢
になられると思われますが、ご存命でしょうか?若し、ご存命ならば是非お話
をお伺いしたいものです。
「hideおじさん」ご指摘の通り、「戦前の外交」が全て良くて「現在の外交」
が悪いというものではありません。清廉潔白な人材を輩出した幕末から明治に
かけての時代と比較して、自己犠牲、献身の精神というものがほとんど存在し
ない戦後の土壌の中からでは、「国家のため、国民のために自分は一点の曇り
もなく、一生懸命尽くした」と胸をはって言える外交官が育たないのは致し方
ないのでしょうか!
外務官僚の頭の中は、「出世」「天下り」「組織温存」だけなのでしょうか?
明治の代表的な外交官に、陸奥宗光、小村寿太郎、牧野伸顕がいます。
陸奥宗光についてちょっと紹介しますと、当時の日本は、イギリス・フランス
・アメリカ・ロシア・ドイツなどと締結した不平等条約に苦しんでいました。
イギリス人が横浜で人を殺しても、イギリス大使館やイギリス租界へ逃げ込ん
でしまえば、日本の警察や治安部隊は為す術がありませんでした。
この不平等条約を撤廃しない限り日本の本当の独立はない、と、当時の政治家
たちは誰もが考えていました。その不平等条約の改正に命を捧げたのが、陸奥
宗光です。
舞台は、日清戦争終結のときの下関条約締結。清国からは全権大使、李鴻章、
日本からは伊藤博文と陸奥宗光が交渉に臨みました。この時、実質的に条約を
まとめ上げたのは、陸奥のほうだったと言われています。
実はそのとき、陸奥の娘が危篤状態にありました。陸奥はそれを隠して伊藤に
同行したのですが、何かの折に伊藤に知れ、娘の命のほうが条約締結より大事
だから帰れと言われたそうです。
ところが陸奥は一歩も引かず、下関条約がすべて成立するまでそこに留まり、
条約締結後も陸奥がまだ仕事をしていると、伊藤が「もう帰ってやれ」と声を
かけ、今度は陸奥も「閣下、ありがとうございます」といって家へ帰ったそう
です。ーーそして最愛の娘は息をひきとりました。
子供の命が風前の灯火であっても、それをおくびにも出さず、国家のため自己
を擲[なげう]って仕事をする、そんな高潔、崇高、自己犠牲の姿を陸奥宗光に
みることができます。
また、日本の国家国民のために一生を捧げた小村寿太郎の生きかたも、まさに
ノーブレス・オブリージュ。(ノーブレス・オブリージュ=高い地位に伴う、
道徳的・精神的義務)小村寿太郎の外交手腕によって、日本はさまざまな恩恵
に浴したのですが、なかでも印象的なのは日露戦争終結のときです。
当時のロシアの国力は、日本の約十倍。陸軍はもちろん、バルチック艦隊を擁
する海軍を含めて、軍隊は世界最強。ヨーロッパ全部が一丸となって戦っても
ロシアには敵わない、といわれていました。
そのうえ当時のロシアには資産があり、世界有数の富裕な国でした。日露戦争
が始まり、奉天でロシア軍に勝った児玉源太郎は、そんな国力の国とこれ以上
戦ったらどんなことになるか分かっていました。
先に進めば、ロシアの奥深くまで引きずり込まれ冬将軍にやられたナポレオン
軍の二の舞になることは分かっていましたから、「先に進め!」という内地の
参謀本部の命令に簡単に従う気になれませんでした。それは小村寿太郎も同じ
気持ちでした。ロシア皇帝ニコライ二世に勝てるとは、とうてい考えられませ
んでした。
それでもとにかく、勝ち続けているうちにセオドア・ルーズベルトの仲介や、
日英同盟の助けもあってなんとか戦争終結にもっていくことができました。
ーーそんな、日本中が戦勝気分のなかで進められたのが、ポーツマス講和条約
でした。「勝った!」「勝った!」とロシアを殲滅したようなつもりになって
いた国民は、次に「賠償金をとれ!」のシュプレヒコールをあげるようになり
ます。ところがロシアの代表ウイッテは、賠償金は払うことはできないという
態度に出てきました。
ロシアに大勝したわけではなく、たまたま戦争終結時に勝っていただけなのだ
という本当の状況を熟知していた日本の代表小村寿太郎は、賠償金を取ること
は難しいと判断し、講和条約の締結を最優先課題と考え、絶妙のタイミングで
賠償金の要求を取り下げました。まさに引く事の妙を知り尽くしていたといえ
ます。
こうして条約批准を遂げて帰って来た小村を待っていたのは「なぜ賠償金を取
らない!」といって石を投げつける国民でした。小村はそれにジッと耐えまし
た。ーーもし小村が賠償金に執着して、講和条約が締結されずに、ズルズルと
ロシアと戦争を続けていたら、果たしてどんな結果になっていたでしょうか。
大久保利通の子である牧野伸顕も、岩倉具視に随いてアメリカに留学した後、
文部大臣や外務大臣などを歴任した政治家です。1919年のパリ講和条約で
は西園寺公望と共に日本全権代表、国際連盟基礎委員として会議に臨みます。
このとき牧野は、世界各国の代表を前にして「人間は皮膚の色によって差別さ
れてはならない」と堂々と人間平等論を展開し、当時はまだ人種差別を是認し
ていた欧米各国の代表たちは、牧野に畏敬の念を持ったばかりではなく、日本
は人種差別のない素晴らしい民主主義が徹底された国とみなしたのです。
ーー彼もまた、勇気のある正々堂々とした外交官の一人でした。
彼らのような人材が、なぜ今の日本に存在しないのか?ひとりひとりの外交で
の業績を辿ってみれば、その理由は自ずと明らかになるでしょう。現在日本に
は、かつてのようなノーブレス・オブリージュの精神が欠如しているのでしょ
うか。ーーこの志こそ、日本の外務官僚たちに今こそ学んで欲しいものです。
└──────────
▼
┌──────────「hideおじさん」
gosakuさん、お返事ありがとうございました。
私の祖父は明治32年生まれだったはずですが、10年ほど前に95歳でこの
世を去りました。反発した時期もありましたが、今から思えばもっと話しを聞
いておけば良かったと後悔しております。
良くも悪くも明治の人であり、変人・奇人でもありましたが、何故か在日の方
や中国の友人が多く、とにかく不思議なじいさんでした。
子供の頃から私が見聞きしたものを取り纏めておりますので、近々ご紹介出来
るかと思います。
ーーまだまだ寒い日が続いています。ご自愛下さいませ。
└──────────
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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