┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃
┃ 自虐史観の枷を解く ―――――――――― by gosakuさん
☆ 甦れ!日本外交、頑張れ!外務省(5) ―――――― 2004/12/10

―― 日本外交全体のなかでも、対中外交は最大の課題になりつつあります。

その対中外交の最大の柱は何かといえば、やはり中国への日本の公的資金の供
与でしょう。なにしろもう「総額6兆円」という天文学的な数字の資金が中国
に贈られているのです。日本の中国への公的資金の供与は、ODAと(旧)日本
輸出入銀行の資金による開発援助とが二本柱になっています。後者も、金利が
ODAよりも少し高いのと、返済期間もODAよりいくらか短いというだけで
実質は援助なのです。

最近のODAは有償でも、もう返済期間は三十年、四十年で金利が0.7%、
さらに最初の十年は支払わなくてもいいという条件ですから、限りなく贈与、
つまり無償援助に近いものなのです。

旧輸銀の開発援助は、借款ではありますが、返済が十五年、金利は1〜2%ぐ
らいで、商業融資とは根本から異なります。呼称は融資とか貸付となりますが
贈与性が極めて高く、実質は援助と呼ぶべき資金供与です。アンタイド・ロー
ンともよばれています。この資金の供与は、日本ではほとんど話題になりませ
ん。
この資金供与決定のプロセスは、財務省、つまり旧大蔵省系の人たちが主体で
密室で決めています。海南島のすごく立派な高速道路の建設に、突然、巨額な
資金がポーンと提供されたりするのです。具体的に誰がどういうプロセスで決
めるのか明らかになっていません。

ちょっと前の話になりますが、対中ODAの見直し作業が続いている2001
年4月、合計五百十億円もの対中アンタイド・ローンの供与が新たに決まりま
した。
内訳は、広東省の国際空港建設に四百三十八億円、湖北省の化繊プラント建設
に七十二億円でした。ところが日本は今、中国製化繊製品の洪水のような輸入
に見舞われ、中小企業の倒産が続出しているのです。窮状はとくに日本海側の
富山、石川、福井などの北陸地方で顕著なのです。であるのに、なぜ日本から
公的資金を中国の化繊工場に提供するのか。

この措置にたいしては、北陸三県の繊維協会から激しい抗議が起きました。

国会でこの問題を質問された平沼経済産業相は、この資金供与について事前に
知らされておらず、もし知らされていれば反対しただろうという驚くべき答弁
をしています。

日本はこれまで、中国に対しODAでは累計で3兆円。それ以外の旧輸銀援助
で3兆円と、合計6兆円を超える公的資金の援助を与えているのです。私見と
しては、対中ODAはこの際一度、全面停止するべきだと考えます。

しかし、実際の手続きとしては、これだけの規模の公的資金を継続的に投入し
ているのを、突然、全廃というわけにはいかないでしょう。そこでゼロベース
予算方式を導入することは如何でしょうか?
一度、前年度から継続の支出を一切止めてゼロ宣言をします。その上で、従来
の支出の項目を拾い上げ、詰め上げていく、というゼロベース予算方式で全面
的な出直しをすればよいのです。

現状では、対中ODAほど日本国民の間で反発の強い国家事業は他には見当た
りません。これを放っておくと「中国への援助。ODAはけしからん」という
ことから、ODA全体に対する国民の信頼性が失われていくでしょう。さらに
は、中国自体に対する反発も不必要に高まっていくでしょう。
ーー対中ODAは、いまやそうした進行性のガンのような毒性を持つに至って
いるのです。

しかし、問題は今の日本外交に、これを実施する能力ありや否やということで
しょう。歪みきった日中関係は是正すべきなのですが、中国に提供し続けるO
DAが既成事実になってしまっています。これを少しでも減らすことは悪だ、
日中関係を阻害する、と逆に突つかれる弱点になってしまっているのでないで
しょうか。

中国のことですから「今迄こんなに頂戴してきたのですから、減らすのは当然
です。これまでありがとうございました」とは絶対にならないでしょう。あく
まで中国に理屈で説いて、時間をかけてもODA削減をやらなければいけない
ことだと思いますが、中国と「腐れ縁のある政治家」が削減反対を主張するで
しょうし、事務当局やキチンとした政治家が性根を据えて、ODAの項目ごと
に精査して国民に筋道の通る説明ができる援助をする、という並々ならぬ決意
がいります。

中国の国民一般は、日本から援助を貰っている事実を知らない、と述べました
が、僕が中国の友人に接触した範囲では、むしろ「日本からカネをもらう必要
なんかないんじゃないの」と言う人が多かったのです。一般国民は実態を知ら
ないのです。

「日本は、戦争で侵略したことに対する賠償を払うのは当然だけれど、中国は
大国だから、日本から援助を貰うことはない」という意見がほとんどでした。
ちなみに、中国側は日本からの援助を「合作」と呼んでいます。合作は協力と
いう意味です。ーー援助を合作と呼べば、受ける側はますます援助を貰ってい
る感じを持たなくなります。

これは日本側にも責任があります。日本は、政府の用語でも経済援助を援助と
いわないで、経済協力という表現にしているからです。これは、相手の立場を
慮る日本流の思いやりですか?他者にカネを贈ることを誇らしげに示さないよ
う単に「協力」と呼ぶ、という発想でしょうか?

とにかく、○○経済協力というと、両方が対等な立場でお金を出し合ってプロ
ジェクトをする合弁事業というふうな印象になります。まして「借款」などと
いう表現を使うと、どちらがどちらに資金を提供しているのか、わからなくな
ります。
ですから中国国民に「日本から多額のお金をもらって、中国は非常に助かって
いる」という意識などほとんどないのです。

―― 日本の対中ODAを止めるべき理由はいろいろあります。

まず第一に、
「ODA大綱」の四原則のうち、四つのすべてに違反しています。
┌--------「参考資料:四原則」
│
│日本がODAを供与するにあたっては、その対象国において四原則が守られ
│ることが必要である。
│
│1 開発と環境保護が両立されること。
│2 ODAが、軍事的用途や国際紛争助長のために使用されないこと。
│3 ODAが、大量破壊兵器やミサイルの開発製造、および武器の輸出入の
│  ために使用されないこと。
│4 ODA対象国において、民主化が促進され、市場型自由経済が発展し、
│  基本的人権および自由の保障がなされていること。
└--------
第二に、
中国自身が年間500億円、600億円という巨額な資金を他の諸国に援助と
して与えているのです。日本からもらう分の3分の1近い金額を、旧ユーゴス
ラビアやベトナム、カンボジア、ラオス、最近ではパキスタン、インドにまで
供与しています。これはどう見てもおかしな倒錯状態です。

第三に、
中国の外貨準備高が、日本に次いで世界第二の巨額に達することです。
対日貿易黒字は年間280億ドル、これは約3兆円になります。今までのほぼ
20年間にわたって日本が中国に供与したODAと同じ額の外貨を、一年にし
て彼らは稼ぐのです。外貨を潤沢に持っている国へ、援助の必要などありませ
ん。

第四は、
中国がいま商業ベースで資金を調達する能力が非常に高いということです。
中国政府は、北京国際空港のターミナルが日本のODAいよって完成した途端
に香港の株式市場に上場し、民営化という形で株を売っています。このこと自
体がこのプロジェクトの経費は民間資金で調達できるということの表れです。

日本のODAの大前提は、民間資金が調達できないプロジェクト、ということ
になっているのですから、中国へのODAというのは根本から異常なのです。
79年のODA出発時点で、当時の大平首相が述べた「なぜ援助のか」という
一番の理由は「友好関係の維持と発展」でした。中国の経済発展よりも先に、
この「友好」をあげました。

しかし、この友好という点では、どうみてもODAは効果を発揮しませんでし
た。日中関係を79年当時と現在を「友好」という観点で比較したら、今のほ
うがずっと悪いでしょう。
この点について、アメリカのデービット・アラセという学者が最近の学術論文
で「日本の対中ODAは、最大の目標を達成することに失敗した」という結論
をだしています。

このまま続けると、ODA全体に対する日本国民の信頼性が損なわれ、さらに
はODAを与えることで日本人の中国への嫌悪感がむしろ強くなる恐れがあり
ます。「こんなにおカネをまた上げて、それでもアレしろコレしろっていわれ
て、おかしいんじゃない?」という素朴な声がすでに満ち満ちています。

大平さんが「中国への友好関係の維持・発展」を冒頭にあげたのは、心の中で
戦後賠償を払わなかったことが負い目になっていたからでしょう。でも、三兆
円ぐらいでもう賠償分は済んだと割り切るべき時期です。

「外務省にはチャイナスクールというものがある」と先に触れました。

もともとチャイナスクールといわれるものは、中国語を第一語学とする人々の
ことを指しました。それ以上の意味はなかったのです。例外として元中国大使
の橋本恕さんがいます。彼は中国語は出来ませんでしたが中国グループの中心
として幅広い人望を集めていました。

チャイナスクールの中には、中国に対する心情的な思いいれを持つ人もいます
し、若くして北京で外交官としてスタートした以上は、将来は北京で大使をや
りたいというような、私的な動機を持つ人もいます。人間であり外交官である
以上、そういうことは自然なことでしょう。

大使になりたいという私情と「中国は重要だ」という認識が一緒になって、総
合的に事象を見ずに、短絡的に中国をサポートすることに傾斜してしまった人
がチャイナスクールの中にいたことは確かでしょう。今までも対中ODA支出
でチャイナスクールが少なからぬ発言力を持っていたところに、問題を歪ませ
る根源があったのです。

                  = この稿つづく:次の記事へ =
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃┃ 読後感アンケート結果。
┗━┛
◇ このとおりだと思う --------------------------------- 82人  (94%)
◇ そうではないと思う ---------------------------------  3人  ( 3%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------  1人  ( 1%)
◇ 知らなかった。そうだったのか〜 ---------------------  1人  ( 1%)

┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃┃ いただきました感想やご意見。
┗━┛

お寄せ頂きました感想やご意見が多く、またgosakuさんの答復も長くなりま
したのでページを改めました。――→ ここをクリックしてお進み下さい
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
自虐史観の枷を解くの目次に戻ります







SEO [PR] お金 ギフト  温泉めぐり わけあり商品 動画無料レンタルサーバー ブログ SEO