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┃
┃ 自虐史観の枷を解く ―――――――――― by gosakuさん
☆ 私見:台湾論(1) ――――――――――――――― 2004/04/16

┏━━━━━━━━━━「十八子松戸さんからのお便り」

こんにちは、十八子松戸です。

台湾についての見方は、私見として、歴史の変遷よりは文化、習慣のほうから
台湾民族は大陸民族と合致しているかの点を考察する必要があると思います。
所属国については、あくまでも力によって変動しているものです。

例えば、中国という国の概念は何ですか。

中央の国だと、その発祥地である黄河の中原地域、一寸広げれば中原地域南方
の長江地域も加えることが出来るが、あの異文化のウイグル、チベット、モン
ゴルはなんなんですか。

確かにそれらより台湾の方がうんと中華民族の一部だと堂々と言えるのです。
しかし、まだ支配していないからどうしょうもありません。
ただ、中国の主権主張には私も賛成です。

┗━━━━━━━━━━
 
┏━━━━━━━━━━「gosakuさんから」

十八子松戸さんのおっしゃる文化・習慣からみれば、当然中国大陸から流入し
た"南[ビンナン]語"を話す本省人(彼らは台湾人を自称しています)が主流で
しょう。数の上からでは、本省人は全人口の85%、外省人は13%で、それ
に2%を占める10万の(中国名)高山族と呼ばれる原住民がいます。

ーー彼らこそ台湾人ということになるのでしょうが、殆どが山際に追いやられ
てひっそりと暮らしています。
」の文字の意:1.中国の古代、東南地方に住んでいた種族の名。
  2.現在の福建省の古名。中国語発音=min_3∨

今、台湾の政局は本省人と外省人とが激しく対立して大きく揺れていますね。
選挙前は不利を伝えられた陳水偏氏が(得票率50.11%)を得て再選されま
した。
・・・台湾人にとっては、中国による武力統一こそ脅威の悪夢・・・

台湾人にとって、外省人主体の国民党勝利による連戦政権の誕生は、38年前
の「2・28事件」の思い出に繋がり、その後の白色テロと38年に及ぶ戒厳
令下の屈辱の歴史を思い起こさせるのでしょう。

┌──────────(注:白色テロとは)
│
│毛沢東の共産党による「赤色テロ」に対して、蒋介石の国民党によるテロを
│指す。
│第二次大戦後、毛沢東に追われた蒋介石軍200万人以上が台湾に流入。
│この、いわゆる「外省人」たちは、傍若無人な振る舞いを繰り返した。
│
│これに対し、遂に1947年2月28日、「本省人」たちの怒りが爆発。
│台湾全土にまたがる衝突に発展し、蒋介石はこれを武力により鎮圧した。
│これが2・28事件といわれるもので、1万とも2万ともいわれる犠牲者が
│出た。
│
│当時、「本省人」の人口は約450万人であったから、殺された人が2万人
│とすると、約0.5%。現在の日本で同じ比率だと約50万人。
│それ程大きな大弾圧事件であった。
│
│2・28事件以後も、「外省人」率いる国民党は徹底した政治的迫害「白色
│テロ」を続け、事件後に布かれた戒厳令は38年間も継続した。この「白色
│テロ」を通じて、特に親日の知識階級は徹底して抹殺された。
│
│台湾の人々は、このような苦難と悲しみを乗り越えて今日の繁栄を築いてき
│た。また、かつての親日派の指導層は殆ど抹殺されてしまったにも拘わらず
│多くの方々は親日の感情を抱かれている。この方々に日本政府は何をもって
│報いるというのか。「台湾人の心に残っている傷」より転載
└──────────

日本での台湾総統選挙の報道は、ほとんどが「陳水偏と連戦の一騎打ち」とし
ており、得票率でみると確かにそう見えます。しかし、それは表面的な見方で
実態は「台湾人と中国人の戦い」であったといえます。

具体的にいえば「台湾人と在台湾の中国人(いわゆる外省人)の戦いでした。

現在の台湾の人口は約2300万ですが、1994年の国連の発表では、台湾
人は人口の86%、「外省人」は14%となっています。概して「外省人」の
多くは台湾人に対して「優越感」を抱いており、台湾人と見なされる事に抵抗
が強く「中国人」としての意識が強いとされています。

しかし、『中国人」が世界各国で疎まれていることは周知の通りであり、その
為もあってか「外省人」が中国以外の諸外国に入国するときには「台湾人」と
自称しているのが実情です。

―― 1945年10月17日、

国民党軍の先遣部隊が台湾に到着して、実質的な占領統治が始まりました。

日本の植民地であった台湾は「中華民国台湾省」と改められ、そして同月24
日、「台湾省行政長官」が米軍機で台湾に送られ、旧台湾総督府を行政長官公
署に改め、翌25日に最後の台湾総督兼台湾軍総司令官の安藤利吉将軍が行政
長官に投降する式典が行われました。

この日を国民党政府は「台湾光復節」と定め、在台湾の日本の公的・私的財産
を「敵産」として没収しました。

日本人の台湾引揚に際しては、一人につき現金千円までと、引揚途中の食料と
リュックサック2袋分の必需品のみの携行が許されただけで、50年間に亘る
投資と建設成果の殆どを残置して帰国しなければなりませんでした。

そしてこれらの没収された「敵産」は、全て国有または公有の財産となるべき
でしたが、国民党政府高官個人、及び国民党の所有とされました。
今日、2兆円の資産を有して世界一の「金満党」といわれる国民党や、外省人
高官の財産は「敵産」によるものなのです。

財産のみならず、武力を背景に権力も独占したことから、国民党の一党独裁と
「外省人」の優越性が確固たるものになったのは当然の帰結です。
そして国民党政権は、50年間の「日帝的奴隷化教育」「奴隷根性」が染み付
いているとして、台湾人を徹底的に差別しました。

たとえば、台湾の最高学府である台北帝国大学の出身者より、どことも知れな
い中国の「野鶏大学」を出た、あるいはそう称する「外省人」のほうが優位に
あり、様々な特権を享受してきました。
1990年に李登輝氏が、総統として積極的に「民主化」と「台湾化」を推進
するまで、このような「外省人」の優位性は著しいものがありました。

そして今日にいたるまでのどの選挙も、特権の温存を図る「外省人」と、その
解消を求める台湾人の戦いでした。
陳水偏氏が総統に再選された事は「外省人」の特権がますます減ることを意味
するでしょう。

そもそも、人口の86%を占める台湾人が、14%の外省人のおこぼれに甘ん
じているのには限界があります。台湾人の勢力が強まるのは必然であり、それ
だけに多数を支配する少数の「外省人」にとっては、選挙の度に危機感が募る
一方なのです。

                          =この稿つづく=
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
↓
│「私見:台湾論」を著すにあたり、以下の文献を参考にさせて頂きました。
│
│・台湾 朝鮮 満州日本の植民地の真実(黄 文雄)
│・「NO」と言える台湾 ――――――(黄 文雄)
│・台湾をもっと知ってほしい日本の友へ(張 超英)
│・一つの台湾一つの中国 ――――――(楊 中美)
│・台湾人と日本人 ―――――――――(謝 雅梅)
│・台湾は今日も日本晴れ ――――――(謝 雅梅)
│・日本論と台湾論 ―――――――――(謝 雅梅)
│・諸君2003年7月:台湾統治と朝鮮統治はどう違ったか(金 美麗)
└──────────
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┃┃ 読後感アンケート結果。
┗━┛
◇ このとおりだと思う --------------------------------- 28人  (80%)
◇ そうではないと思う ---------------------------------  2人  ( 6%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------  3人  ( 9%)
◇ よく分からない -------------------------------------  2人  ( 6%)

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┃┃ コメントボードに頂きました感想。
┗━┛
┌──────────「ミカの赤い服さん」

gosakuさん、こんにちは。

私の知識内では、この通りだと思います。
植民地支配していた日本人が去った後で「外省人」たちが来た時、「本省人」
達は次のように言ったと聞いています。
「(うるさい)犬が去って、(意地汚い)豚が来た」

外国人が支配するのは、どこの民もイヤだと思います。でも、日本人が植民地
支配していた時期は、法に基づいて公平に処理していたそうですね。

└──────────
 
┌──────────「gosakuさんから」

僕たち日本人は、台湾社会内部の集団的アイデンティティを「本省人」と「外
省人」に二分しますが、どうもそれは正しい表現ではないような気がします。

お便りでの「hazukiさん」のご指摘にもありましたが、現在ではこの「省籍」
意識はそれほど強くない..とりわけ「外省人」の半分を占める、台湾生まれの
若い世代の人たちの増加と共に、全く問題にしない世代がますます増える傾向
です。

しかし「党=国民党」「政府」「軍」「秘密警察・情報機関」等の中枢権力は
外省人の一世・二世が握っていて、またテレビや新聞といったマスメディアも
彼らが独占していました。するとどうなるかは、自虐史観に塗れた現代日本の
状況を考えてみれば想像がつくと思います。

それが「本省人」李登輝総統の出現によって、台湾人系の有線テレビや小出力
のラジオ放送局が各地に開設され、戒厳令下で禁じられていた新規の日刊新聞
の発行も可能になりました。なかでも注目されているのは「自由時報」の発行
で、「自由時報」は台湾優先、自由第一を掲げ、台湾の新興財閥である「聯邦
グループ」の会長の林栄三氏が創設したものです。

しかし、司法機関はまだ「外省人」により牛耳られているため、しばしばこれ
また幹部の殆どが外省人の検察の告訴により裁判沙汰になったいます。このよ
うに政府の中堅職員は「外省人」で占められているのが現実です。

今回2期目の陳水偏総統は、規定上も3期目はないことから、その任期中によ
り大胆な改革を推進することになるでしょう。そして「台湾共和国」に向かっ
て前進する台湾の動向を座視できない中国政府は、直接、または「外省人」を
通じて干渉するでしょう。ーー武力による威嚇も想像できます。

――台湾海峡は、今後さらに緊迫した状況が続きそうです。

└──────────
┌──────────「ブラジル人さん」

今回の台湾に関する記事を全面的に支持します。
私も数年前に台湾を仕事で訪問するまで、中国の一部と看為すような考えでし
たが、その後の勉強でこの記事の正しい事を知り、台湾の人たちに申し訳あり
ません。今では貪欲な大陸政府の発言に接する度に忌々しく思っています。

日本人はもっと台湾を理解し、台湾の独立性を支持すべきと思います。
麗しの島フォルモーザ台湾と、そこに住み日本を古くからの友人と遇してくれ
る人達を大切にすべきと思います。

└──────────
 
┌──────────「gosakuさんから」

「ブラジル人さん」ばかりでなく、日本人の殆どは台湾は中国の一つの省だと
認識していました。現在もそう思っている人が多いと思います。日本で発行さ
れている地図には全部そのように描かれています。

私も、今回台湾問題を書くにあたって多くの参考文献を検証して、台湾人=中
国人ではありません)の怨念と、中国人の偽善を実感しました。

台湾人は、日本からも中華民国からも、それぞれ半世紀にわたる植民地統治を
経験しています。そこで両者を比較してみれば、その統治方式がいかに異質で
あるかは極めてハッキリしています。

私はそれが、根源的に、日本文化と中国文化の相違からくるものではないかと
推測します。すなわち日本人は「法治社会」を教え、中国人は「人治社会」に
戻した、と!――日本型植民地と中国型植民地を比較してみると、明らかに大
きな相違がみられます。

例えば日本の台湾植民地経営は、それこそ鉄道、港湾、道路、上下水道、電力
教育などインフラの建設、殖産興業に狂奔し、巨大投資をしました。台湾の植
民地経営の初期は赤字で、台湾軍の給料の全ては日本の中央政府から支給され
ていました。ーーこのような採算に合わない植民地経営は、欧米各国の東南ア
ジア経営とは全く違っていました。

一方、中華民国の台湾植民地統治をみると、すべて台湾総督府の植民地遺産を
継承するだけでなく、日本人の私企業や個人財産まで「敵産」として接収し、
台湾人にたいする植民地的収奪は、スペイン人やポルトガル人の近世、近代の
初期植民地略奪を遥かに上回っています。

もちろんそれは台湾に対してだけでなく、海南島に対してもそうだったので、
「辺地」や「化外の地」の住民に対する収奪は、中国の文化伝統でしょうか。

日本の軍人や警察官は、植民地住民から略奪をしなかった。これは日本の伝統
的武士社会から引き継がれた誇りであるのに対し、中華民国の軍や警察が台湾
住民に対して恐喝や略奪を繰り返したのは、これも中国文化の伝統からくるも
のでしょうか。

韓国人も台湾人も、第二次大戦後、民族意識を育成するためズッと反日教育を
行ってきましたが、今日、「反日」の韓国人、「親日」の台湾人が多いのは何
故でしょうか。――この問題は稿を改めてまた述べさせて頂きます。

└──────────
┌──────────「気分は情報無限さん」

先頃実施された台湾総統選挙の結果に関しては、裏で色々取り沙汰されている
ので何とも言えません。
私の聞く限りでは、外省人も自らの特権や利権が失われかねないので、大陸と
の合併は本心では望まぬ人が増えているとの事。

そもそも「中国人は考えている事と言っている事とやっている事が全部違う!
?」という民族ですから当然かも知れません。
大陸の近代化を推進する為にも、チベットや台湾そして東北は独立させたほう
が好ましいと考えますが、今の北京政府には国家を分裂弱体化させる話なんで
しょうね。

└──────────
 
┌──────────「gosakuさんから」

戦争が終わって、日本人に代わって中国人が台湾にやってきました。
ーーそして日本文化の一掃を計りました。

しかし中国人は、日本文化にとってかわるべき新しい論理や価値観を提示する
ことができなかったので、社会は紊乱し、遂に台湾人の叛乱と弾圧の大虐殺を
招来する結果となりました(2・28事件)。

その後も中国人は、常に日本の悪業を論う(あげつらう)ような歴史教育を実施
してきたが、多くの台湾人は皮肉なことに、それを言うのが中国人であるが故
に信じようとしなかったという側面があります。

李登輝総統の登場による言論の自由化に伴って、それまで厳しいタブーとされ
てきた日本統治時代の肯定的評価が一気に噴出しました。これは誰が促進した
のでもない、民心の自由な発露であったとされています。一人一人が真実を語
ることができるようになれば、何が嘘かは自ずとハッキリしてくるものです。

ーー今、台湾が目指しているのは、そのような開かれた社会でしょう。

――「親日」も「反日」も関係ないのです。

└──────────
┌──────────「tombiさん」

今回のご意見の中で、小さなことですが以下の文面につきまして断定的に記載
されていることにつきましては、同意できません。

>『中国人」が世界各国で疎まれていることは周知の通りであり

疎まれているのは場所によってであり、たとえば現在イラクではアメリカ人・
イギリス人そして日本人は疎まれているでしょう。中国人が疎まれている国は
世界中にあるでしょうが、すべての国という表現は如何なものでしょうか。

└──────────
 
┌──────────「gosakuさんから」

「tombiさん」ご指摘の「世界各国で疎まれている中国人」という表現は確か
に不適切でした。

中国の人口13億、いや大中華圏といわれる華僑の人たちまで加えれば、さら
にもう1億、世界人口の5人に1人は中国人だと云われます。世界中のどこへ
旅行しても中国人経営の中国料理店がないところはありません。だから当然、
その土地に溶け込んでその国の人となって歓迎され、生活している方も数多く
いるでしょう。

僕も、数多くの在日中国人の友人・知人がおります。
一般的に皆真面目で勤勉な生活している人たちです。
中には、日本人より日本的だと思われる長期滞在の中国人もいます。
しかし一方、
これは来日してから日が浅い人が多いのですが、中国での生活習慣の延長なの
でしょうか?「旅の恥は掻き捨て」的感覚でしょうか?
ーー生活マナーを守らない。
約束を平気でスッポカス、時間にルーズ、等々、疎まれる理由は数え上げれば
キリがありません。

そして中国へ旅行して驚かされるのはコピー商品の氾濫です。

小はCDから家電・バイク・自動車に至るまで有名メーカーの偽モノ天国です
ね。全く罪の意識はないようです。
待ち時間の節約でしょうか列の割り込みは当たり前。
そして我慢できないのは、商品価格の出鱈目さです。

外国人旅行者にはビックリするほどの値段で、半分に値切ってもまだ通常価格
の2倍、3倍というのでは、知らずに正札で買った人はどうなるのでしょう?
当然そのお返しは中国人自身に還ってきます。

「中国ではもう買い物はしない」という知人もいます。「値切るのも買い物の
楽しみの一つだ」ということもありますが、僕のような気が弱い者は、いつも
買い物をして、他の店で同じ商品の値段を見て不愉快な気持ちになります。

ーーどうも話が飛んでしましました、ゴメンナサイ!

└──────────
┌──────────「wangyueさん」

私は台湾という島の真実を知りたく、ここ数年来閑を見つけては台湾各地を歩
いては台湾人と向かい合い、見聞を広めております。いまいえることは台湾は
中国との統一はありえない、この先は独立に向かう道しかないであろう。

中国政府に気を使う今の日本政府の外交のありかたを疑問視する。台湾に対し
中国はその昔主権を放棄した歴史的事実を認識すべきでは・・・。

私が台湾の人々と接するたびに感ずることは、古き良き日本の心と精神を継承
していることであり、今の日本人は見習うべきではないだろうか。

└──────────
 
┌──────────「gosakuさんから」

「wangyueさん」の台湾論は、僕のような付け焼刃ではないようですね。
一度じっくり、台湾問題をお聞きしたいですね。

よく耳にします、牛「台湾人」から見た犬「日本人」と豚「中国人」、台湾人
と中国人は、いったいどこがどう違うのか?
――また中国人は、一人では「龍」だが大勢集まると「豚」だ、と。

ある台湾人の話では、中国人が「龍」から「豚」になったのは、日常生活習慣
が不潔で、「牛」と違ってあまり働かず、世間知らずで非常識。
「豚に真珠」という諺にピッタリだったからだということです。

日本人が「犬」と称されるのは、非常に主人に忠実にして狡賢いからである。
その上、よく外で小便をするので、その行動は「犬」に似ているからだと貶し
ているのです。
「牛」は、台湾では昔から農耕用として田を耕し、牛車もひく、だから忍耐力
があって勤勉で、家畜としては他の動物以上に苦労し、いつも外来支配者から
使役されているシンボルだというのです。

└──────────
 
┌──────────「wangyue さん」―――――――――― 2004/04/25

―― 私見台湾論を読んで
┌--------
「wangyueさん」の台湾論は、僕のような付け焼刃ではないようですね。
一度じっくり、台湾問題をお聞きしたいですね。
└--------
私の台湾論ですか?
台湾に関するさまざまな著作を読みました。そこに書かれている事を鵜呑みに
したくない、実際に自分の目で見て、耳で聞いて感じたこと、体験をとおして
解かりえることしかありません。今はただそれだけです。

台湾問題・・・?。
私は政治家でも評論家でもないし、ましてや内政干渉的な言動をするつもりも
ありません。私は台湾島の歩んできた歴史に興味があり、そこに生きる台湾の
庶民が好きなのです。

私の目から見れば、原住民も含めて台湾島に生まれ育ち、また1945年以降
この島に移住し暮らす人々も、全て台湾人という認識でしかないのです。
本省人も外省人も区別する術は持ち合わせていません。

┌--------
「犬が去ってブタが来た」は、台湾で云われてきた言葉です。
└--------
そのようですね。当時の台湾人の間では囁かれていたと、台湾人の書いた書籍
で読んだことがあります。
私が知る限りでは、60代70代の台湾人と話す機会があっても、そんな話題
に振ること自体気が引けます。どこかから仕入れてきた古臭い喩えを、今殊更
のように取り上げる日本人の愚かさを問われるようで・・・。

おそらく意識の中にはあったのでしょうが、誰もそんな過去の忌まわしい喩え
をことさら話題にはしないでしょう。日本人が思うほど彼らは感傷的ではない
と思います。私は台湾人は逞しいと感じます。

┌--------
日本人が「犬」と称されるのは、非常に主人に忠実にして狡賢いからである。
その上、よく外で小便をするので、その行動は「犬」に似ているからだと貶し
ているのです。
└--------
人それぞれ捉え方は違うでしょうね。
私の解釈では「犬は吠えてうるさい(=日本統治政府の規律、秩序、整頓等の
厳しいコントロールがあった)が守ってくれる。しかし豚は(=賄賂を貪リ肥
るだけ)で何もしない」となります。

台湾人が牛という喩えも、初めて知りました。

――gosakuさんの「私見:台湾論」を読んで、厳しいことを書くようですが。

書かれてある文章は、台湾人の著者が書かれた書籍を全くそのまま書き写した
ものと察します。確かに「私見:台湾論」を著すにあたり、以下の文献を参考
にさせて頂きました、と但し書きが添えられてあります。

引用した文に対してのgosakuさんの私見というものが感じられませんでした。

しかし、このような台湾人の書かれた文を読んで、そのまま『このとおりだと
思う』『そうではないと思う』などとアンケートにクリックするには、疑問を
感じました。ーー文頭10行の点に対するアンケートなのだろうか・・・。

└──────────
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┃┃ お便りで頂きましたご意見・感想。
┗━┛
┌──────────「hazukiさん」

一台湾人の家庭に溶け込んでいる私の、あくまで個人的な意見ですが、

ーー今回は、やはり陳氏か連氏かという問題なのだと思います。

連氏の応援側は、ただ単に過去4年間の陳総統時代がいいものではなかったか
ら、と言う人も多いのです。
票の再確認を求めているのは、無効票を合わせると連氏の当選になるという話
もあるし、開票に問題があったという話もあり、その辺をハッキリさせたいと
いうところでしょう。

ーーまあ、もちろんそれらは負けた側の言い分ですから、全部を鵜呑みに出来
るわけではないのですけれど。

デモストレーションに関しては、最初の要求は票の再確認がメインだったと思
います。それが時間がたつにつれ、話が大きくなるにつれ、他の問題も取り合
わされてきて....今じゃあ、何のデモなんだか、私にはわかりません(;^_^A

確かにお国柄、夫婦で支持政党が違えば喧嘩になる人たちも多いです(笑)

でも今じゃ、本土中国からのお嫁さんも多く、外省人台湾人間の結婚も当たり
前です。私の周りでの話ですが、それが結婚の障害になったという人を聞いた
ことがないぐらいです。
皆さんが考えてらっしゃる程、外省人台湾人という確執はないと思いますよ。

「台湾独立論」が交わされるのも、政治討論会か、酒飲んだ時などに、酔って
話題がそっちへずれた時ぐらいですね。(^_^)

ーー台湾の今の雰囲気をお伝えできたらなと思いメールしました。

最後に、重要ではないので詳細は書きませんが、台湾の原住民は大きく9つに
分かれます。それぞれ文化も違います。

└──────────
 
┌──────────「gosakuさんから」

hazukiさんの主張は一般老百姓=一般庶民)の側からの雰囲気を伝える貴重な
ご意見として参考にさせて頂きます。
おっしゃるとおり、現在の若い世代の方たちには本省人とか外省人とかいった
特別な認識はないでしょう。

しかしこれは、僕の知人である高雄在住の台湾人に問い合わせた結果ですが、
本省人の年配の方々の殆どは国民党に対する不信感が根強く残っていて、選挙
がくると、たとえ立候補者の出身が本省人でも、国民党がその候補者を推薦し
ているのなら絶対彼を応援しないと言っていました。

僕たちはあくまで限られたニュースソースからの、限られた小さい窓から見え
る台湾は日々のマスコミ報道以外、例えば国民党恐怖政権の圧政で日本に避難
してきた人(金美麗さん、黄文雄さん等)、また、逃れてきた人ではありません
が、国民党独裁政権のもとで良き日本統治時代を懐かしむ父母をもつ謝雅梅さ
ん等々、どうしても外省人と本省人の対立が強いという印象を受けます。

数年前、李登輝総統が登場し、省籍による対立を解消するため「身分証」から
「籍貫」という項目を削除して以来、本人の戸籍を調べなければ「本省人か外
省人かは「身分証」を見ても判断できないようになったということです。

それ迄は、先祖が戦前台湾に移り住んでいた人ならば「身分証」に「台湾省」
と書かれ、戦後に台湾にやってきた人なら大陸の省が記入されていた、それに
よって「本省人」と「外省人」がハッキリと区別できたといわれています。

1987年7月、人類史上最も長いといわれた台湾の戒厳令が廃止されるまで
の、38年間におよぶ外省人主体の国民党政権は、数多くの「民主運動家」を
拘束し、弾圧を繰り返してきました。
それも、台湾の最大の貿易相手国であり、また最大の武器供給国であるアメリ
カの圧力によるものでした。

1985年8月、時のレーガン米大統領が国民党政権に対し「米国が保護して
いる台湾に戒厳令は無用」と強硬に台湾の民主化を勧告し、このような状況下
台湾人の政党である民進党が結成され、そして蒋経国総統の死後、後を引き継
いだ李登輝総統の手で、民主化と台湾化「主権在民」政策が進められてきまし
た。

このような現象は、裏を返せば「外省人」の優越性や特権が脅かされることを
意味しています。それだけに「外省人」の抵抗も強く、このたびの選挙の激戦
ぶりと、選挙後の混乱ぶりにも反映されている、というのが私の見方です。

└──────────
┌──────────「名古屋育ちさん」男性@六十代@愛知

最近、キム・ワンソプの「親日派のための弁明」を読み、感激しました。

彼は、韓国に対する日本の統治は「民衆を抑圧する旧体制を清算・・・近代的
な法の統治を実現させ・・・(国民は)より人間らしい暮らしを享受できた・・
・」(P24)と書いています。
ーーー日本人としては、こそべったくなるような賛辞です。

しかしどうでしょうか。立場をかえて、日本が韓国の植民地だったとしたら。

もし韓国の友人に「昔、植民地にして申し訳ない」と言われたら、私は笑顔で
「そんな過去を振り返るよりも、これからのことを考えましょうよ」と必ず言
うと思います。
しかし、そう言いつつも腹の中の不愉快感は消えないでしょう。

どの民族でも、理由はどうであれ、他国に支配されたという記憶は不愉快なこ
とでしょう。
台湾(本省人)は非常に親日的であるようですが、日本人もその情況に甘えてい
ては駄目だと思います。

└──────────
 
┌──────────「gosakuさんから」

「台湾人が親日、韓国人が反日なのはなぜか」

台湾人にとって中国による武力統一こそ脅威の悪夢です。台湾の「本省人」に
限っていえば、南北朝鮮の場合のような「分断国家の悲劇」も「離散家族涙の
再会」も、全く無縁の話ということを一般の日本人はほとんど理解していない
ようです。

70年代の終わりから80年代の半ばにかけて、数多くの政治事件が台湾各地
に陸続と発生し、その結果アメリカの圧力により、遂に世界記録であった38
年間の戒厳令の解除となり、台湾における言論の自由化が実現しました。

―― その頃から、日本人の間で台湾人親日論がしきりに言われ出しました。
その背景には、次第に激化していた中国・韓国の執拗な対日批判があります。

その引き金になったのが「侵略」を「進出」に書き換えたとされる「教科書訂
正誤報事件」です。このバカのように下らない「事件」が揉めに揉め、拗れに
拗れた背景には、これを拡大再生産しようとした日本の一部勢力の策動があっ
たことは誰の目にもミエミエでした。

中国語で新聞記者をからかう言葉に「唯恐天下不乱」(ただ天下の乱れざるを
恐れる)という表現があります。当時の一部マスコミの振る舞いは、正にこの
言葉を地でいく醜悪なもので、火のないところにムリヤリ煙を立て、中国や韓
国に出向いては“ご注進”を繰り返し、教科書に加えて従軍慰安婦・靖国参拝
・南京虐殺・強制連行・・と、これでもかこれでもかと煽り立てていました。

中国側は、内政上の思惑からこの日本の一部勢力の“そそのかし”に便乗し、
どうせ日本の与党の一部首脳も反省と恭順を繰り返していることだし、「中国
にとって損な話ではない」と踏んだのでしょう。
ーー「天安門事件」後の民心の不満を日本に振り向け、その日本から経済制裁
の解除をいち早く勝ち取り、事件後の難局をうまく乗り切ったのです。

韓国はといえば、日本の一部勢力の折角の“好意”と慫慂を無碍にするのも付
き合いが悪いし、中国に遅れをとるのは男がスタルしで、ある種の朝鮮的美学
から日本批判の陣営に加わった感があります。

それに、戦後一貫して日本と厳しく対立してきた北朝鮮への対抗意識も、この
ことに与って大いに力があったものと想像されます。日本に対してどれだけ厳
しく対応できるかということが、朝鮮民族主義の度合いを測るバロメーターと
なっていて、韓国と北朝鮮が対日強硬姿勢において互いに張り合わなければな
らない状況は、日本にとって本当に不幸なことです。

しかし、これは日本外交の拙劣さと、一部マスコミの不見識が自ら招いた災難
だという面があることを忘れてはなりません。

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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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