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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん                    (けんさんの日中友好コーナー)

☆ 「瀋陽―北京」銀輪旅行記:還是中国好! ―――― 2004/12/27

―― 2004年9月16日。遷安〜豊潤。65キロ。曇り。

昨日泊まった野鶏*[tuo_2 土+它]は遷安市に属する。1975年あの大地震
があった唐山から近い。かつては、行政的にも唐山市の管轄に入っていた。

昨夜の雷雨で、道は更に悪いことが予想される。停電で早く寝たので、寝覚め
も早い。李さんと、王隊長が迎えに来たときは、私達四人は既に宿賃の支払い
も終わり、身支度を整え外で待っていた。この慣れないことをしたのが、今日
の大事件の伏線になる。

102号国道周辺整備工事とでもいうのだろうか。私達が通る近道は殆どの場
所が道路工事で、ガタガタか、ぬかるみのどちらかである。どこまで続くぬか
るみぞ。この悪路を再び戻る羽目になろうとは、そのときは思ってもいない。
ひたすら前進する。

距離の割りには時間が掛かり、目的地の豊潤に着いた時は四時を過ぎていた。
宿捜しは昨日で懲りているので、私達は多目に払っても構わないと王隊長に告
げる。
同じ旅館だが、中国人7元、私達は30元ということですぐ見つかった。

五時から食事ということで、荷物を片付けているときだった。Kさんが何やら
そわそわしている。
私は毎日、何かを探している。大事な物ほど仕舞い過ぎて分らなくする。

北戴河で、貴重品入れを探しあぐねて悲鳴を上げたときだった。「山崎さん、
まだ一箇所探していないところがありますよ」とFさんが教えてくれたのが、
小物入れの引き出し。
小銭入れを忘れて、李さんのチェックで出てきたこともある。

いつもは、李さんが枕の下まで忘れ物がないかチェックしてくれているのだが
今日はそのチェックを受けていない。自転車の鍵をかけ忘れ、徐さんのチェッ
クで大事には至らなかったこともある。スピードメーターは毎日外すよう注意
を受けているのだが、実際は劉さんが毎日外してくれる。

途中急用が出来て帰ったHさんも、パスポートを無くしたと大騒ぎをしたこと
がある。その日は土曜日で領事館も休み。途方に暮れていたら結局出てきた。

Kさんも似たような前科が何度かある。だから又かと誰も騒がない。

その点、FさんとTさんは一度も無かった。お二人は60才少し前である。
人間は還暦を越えると成長曲線に突然変異が生じるのか、個人差か。因みに、

・周さんが自転車の鍵が無いと騒いだのが一回。結局有った。
・趙さんがカメラを宿に忘れて取りに戻ったのが、一回。
・劉さんは、最後の日に老眼鏡を無くした。

しかし、Kさんの今度はどうも本物のようだ。

思い詰めたように「いつも首から掛けている、パスポート・財布・トラベラー
ズチェックを入れている袋がない」と言う。どうも、昨日の宿泊地に忘れたよ
うだと言う。幸い、電話番号の入ってナイロン袋があったので電話する。半分
諦め、それでも期待を込めて待つこと久し。

なんと「有りました!」と電話が掛かってきた。

さあ食事どころではない。王隊長、徐さん、張さん、それに私とKさんが早速
戻ることにする。徐さんと、張さんはこういうときは非常に頼りになる。中国
の職場には防衛隊という自衛組織がある。軍隊でもない、警察でもない、公安
でもない。日本でいえば警備保障がそれに近いだろうか。
しかしそれよりは職場の中で実権も持っているし、庶務的実務能力にも長けて
いる。二人ともその防衛隊員なのだ。

張さんが早速、白タクの小型バンを探してきた。130元というのを100元
に交渉している。
我ながらよくこんな道を来たものだと感心しながら、暗いガタガタの夜道を戻
る。

運転手が工事中の道を近道しようとしたことで再びピンチが訪れた。昨夜来の
雨で、農道はぬかるみを通り越し池になっているのだ。水陸両用車で車を乗り
入れるたびに緊張が走る。ここで、エンストしたら・・・、デフが空回りした
ら・・・一巻の終わりである。しかし運転手君の最高の技術でピンチを乗り切
る。

小さい集落を横切れば国道というそのときである。道一杯に三輪車がライトを
煌々と照らし、その横に一人の男が酔っ払った振りをして「通れるものなら、
通ってみろ」というように管を巻いている。後で知ったのだが、山賊の真似を
して通行税をせびっているのだ。

5元も払えば通れたのかもしれないが、さすがの徐さん、張さんも手の施しよ
うがないというように、また遠回りを余儀なくされる。結局、60キロの道を
2時間かけてやっと辿りついた。

昨夜の旅館の従業員は満面の笑みで迎えてくれた。感動したKさんが、紅包に
20元包んで手渡した。それを笑顔で、包みだけ受け取って謝意を示し、中身
はKさんに返した。
「還是中国好!(やはり中国は素晴らしい!)」Kさんが更に感激する。

帰りは少し遠回りでも、安全な道を通ったので、却って早かった。

豊潤に帰ったのが、10時。もう宿の近くの食堂は開いていない。すこし離れ
た駅まで行って食事をする。
タクシー代を払う段になって、多めに請求してくれというのに130元で納得
してくれた。一緒に食事をしようと誘ったのだが遠慮して来ない。「ではこれ
で食事をしてくれ」と別に10元をそっと握らせた。

ーー感動はその後にあった。

私達が食事を終わり、タクシーを捜そうとしたら、彼が腹をすかせたまま待っ
てくれていたのである。そして宿まで無料で送ってくれた。「還是中国好!」

                        = この稿おわり =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 

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