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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん
┃ (けんさんの日中友好コーナー)
☆ 「瀋陽―北京」銀輪旅行記:究極の安宿 ――――― 2004/12/20
―― 9月15日。北戴河〜遷安。86キロ。小雨後曇り。
前夜からの雨がまだ降りやまず、かなりパラついている。今度の旅行で初めて
雨具を着用することになった。
北戴河から102号をそのまま走ると、天津を経由し、かなり遠回りになる。
そこで天津をショートカットするような形で近道を選んだのだが、国道を離れ
ると道は極端に悪くなる。おまけに昨夜の雨でぬかるみが酷い。
鉄道の下をくぐる道が、水溜りで池になっている。狭い歩道があるのだが荷物
を積んだ自転車を押して通るのは慎重の上にも慎重が要る。
300戸位の小農村の中を通る。集落の地名は確か桃園となっていた。集落の
中は交通量が多いからだろうか。外の農道より凹凸が酷く、却って通り難い。
レンガ造りの傾きが酷い民家の中にあって学校だけ立派で異彩を放っている。
一人っ子政策で、子供の身なりはここでも良い。かつての、青洟を垂らして、
しらくも頭の子は見かけない。
中国の心ある人は、明治維新を評価している。中でも教育制度の差が、日中の
近代化の差だと思っている人は多い。新中国になってからでも、筆談が出来な
い中国人は意外に多いのである。田舎の学校の充実は、中国の近代化に欠かせ
ない。そしてそれは、着実に目に見える形で進んでいる。
北京から近いからだろうか。こんな所にも、小奇麗な乗用車が往来して私達の
道を遮る。1992年、初めて中国に来たとき、車窓から一台も車が見えず、
それがむしろ新鮮に思えたのだが、今は、車が見えない風景はまず考えられな
い。
国道沿線と違い、集落の近くは、豌豆・生姜・茄子・落花生と作物の種類も多
い。ビニールハウスの中はキュウリ・トマトもあるはずだ。
真新しいダイハツの三輪トラックが、都市近郊の農村が恵まれていることを物
語っている。しかし、上海近郊の農家には遠く及ばない。あそこは、御殿が立
ち並んでいる。
途中、橋の付け替え工事で200メートルほどの橋が通行止めになっていた。
下を迂回すると、気が遠くなるほどのぬかるみの中を、車の飛沫を浴びながら
行かなくてはならない。ーーここは徐さんと張さんの出番である。
まず徐さんが、工事責任者の制止を強引に振り切って、私達を誘導する。身の
軽い張さんが、ぬかるみの中を先回りして通行止めの鉄条網の向こうへ回る。
後は、元人民解放軍の中隊長で野戦訓練を経験している徐さんにとって、こん
な鉄条網は目でない。グッと鉄条網ごと押し下げる。自転車を向こうの張さん
に手渡す。最後に徐さんの介助の下に人が越える。
ーー私達も、野戦に勝利したような快感で、思わず万歳をした。
野鶏?(tuo_2 土+它)という小鎮に着いた時は4時を回っていた。鎮は一番小
さな行政単位で、村とか町に当たる。
走行距離もこれまでの最高86キロに達している。これから先は道路工事で、
見通しが立たない。10キロ程戻れば少し大きな集落があるのだが、誰も戻る
のは気が進まない。仕方がない、ここで泊まることにする。
王隊長が、トラック運転手が泊まる安宿を交渉する。4元という事だった。
値段に惚れて早速交渉成立!ーーところがである。
いつ掃除したか分らない部屋、ガタガタのベットの上に..これも何日間敷きっ
放しなのか分らない真っ黒な布団が転がっている。テレビが2台あるが、どち
らも点かない?..点かないはずである..テレビとしてでなく、蚊取り線香の置
き台として使われている!?ーー宿の人間は掃除する気配もない。
王隊長が見かねて、自分で掃除をした後「どうですか?」と聞く。
どうこうもない。こういうときは、下手に言葉を使わないことである。無言で
目一杯不満の表情をする。中国語は、表情も感情も大事な文法だ。
張さんがもう少しましな部屋を見せてくれと言う。10元出せば有ると言う。
それにしようと見てみたら、内装は新しく一見奇麗だが、よく見ると布団は更
に酷い。周さんが臭いと顔をしかめる。
この臭いは何だ。堆肥?犬の毛を焼いた?大蒜=ニンニク?腐った魚のはらわ
た?ゴミ箱の中で腐った野菜?
なんでもいい。これまで経験して知っている一番臭いものを、アンモニアに浸
したと思えばいい。普通嗅覚は麻痺し易い感覚だが、この臭いは益々鼻に染み
付く。
布団を交換すると言うが、交換する気配はない。交換する布団があれば、こん
なことはしていないだろう。交換してもよくなる保証は無い。
ーー決定的だったのは、便所である。
屋外の中庭を30メートルほど歩いた隅に、レンガ作りの小屋みたいなアバラ
屋があり、そこに四角い穴を開けただけのトイレがある。おまけに糞尿の番を
するように..すぐ側に犬が繋いである。
!これは絶対に駄目だ..。張さんが、「10元の部屋は高いだけで、なおボロ
いではないか!」と言っているのに対し、「嫌なら出て行け〜」と宿の主人が
怒鳴っている。
こんな宿には、頼まれても泊まれない。
Fさんに、「本当は私が辛抱できないのだけど、貴方の身体を理由に断らせて
下さい」と言ったら、「私も辛抱できない、どうぞどうぞ」と言って貰った。
「金額の問題ではない。これでは安全に着くための体力が持たない」と宿替え
を申し出る。
ほどなく「40元ですがいいですか」と、王隊長が風呂屋の一室を見つけてき
てくれた。究極の安宿からみたら、どこでも高級ホテルだ。
中国人の皆さんも、5元で、もう少しましな宿を見つけたようだ。
Tさんが、「友好という立場から、別々でいいのですか?」と正論で異議を挟
む。
「安全第一です。この問題は多数決でも譲り合いでも決められません」と強引
に独裁者を通させて貰った。
ーーその晩は激しい雷雨で停電になる。
あの豪雨の中をどうやって便所に行くのか?‥想像しただけでもゾッとする。
私が思った究極の安宿は、多分本当の究極の安宿からみたら、まだ高級ホテル
なのかもしれない、・・・一応..布団があったのだから・・・。
= この稿おわり =
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┃★┃ お便りで頂きました感想。
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┌──────────「気分は情報無限さん」
今回の銀輪旅行に、わたし自身の参加を見合わせて正解でした。
情けない話ですが、清潔な生活環境に慣れた私には..到底耐えられない環境で
す。 OJIN さんやgosakuさんが聞いたら笑われるでしょうが、これが私の現実
です。そんな所に泊まったら、物理的な原因ではなくて精神的な問題で「じん
ましん」になってしまいます。
まるで「うら若き女性」のようですが、どうしてもこれは生理的に受け付けま
せん。
真剣に「遺伝子レベル(?)」での文化の壁を感じてしまいます。何しろ中国の
人達は全然平気だったりする訳ですから・・・・・・。
話は変わりますが、教育に関する事柄は同感です。
先日「JOBカフェ大阪」という施設のセミナーに参加したのですが、貴重な
体験をしました。この施設は、本来は若年者の就職を支援する為のものなので
すが、私としては後学の為にととりあえず行ってみたのです。そこで出会った
自分より僅か十歳程度若いだけの学生さん達の印象は今でも忘れる事が出来ま
せん。
遊び感覚で来ていて余裕タップリな人もいるのですが、明らかに少数であり、
もの凄く怯えて不安そうな人が多かったように感じました。
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┌──────────「けんさんから」
気分は情報無限さん。いつも貴重なご意見を有難うございます。
ところで、あなたの潔癖を承知の上で意地悪な質問。
便器があります。しかし奇麗に洗われていて、勿論ウンコなんかついていませ
ん。
――それに大好物のご馳走が盛られています。
――さあ、これで食事をすることできますか?
ーー私は、その場になってみないとなんとも言えません。
しかし中国人なら、なんのためらいもないと思います。食べると思います。
世界的にも、抵抗を感じる日本人のほうが少数派らしいです。
実は今回、川本さんが潔癖だったのですが..なんとかやってました。
あなただった大丈夫ですよ。来年行きましょう!
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。

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