┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  迷子になったらここ!(^O^)  ━┓
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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん                    (けんさんの日中友好コーナー)

☆ 「瀋陽―北京」銀輪旅行記:魔の三日目 ――――― 2004/11/01

―― 2004年9月8日。盤錦〜凌海。68キロ。晴れ。

自転車旅行は、一般に三日目が疲れが出て一番きつい。

これを乗り切ると、だいたい惰性で行く。
気温も、昨日よりは高めで、昼から暑くなりそう。

福田さんの気圧計が、1041ヘクトパスカルと、異常な高さを示している。
大陸性高気圧は、山に例えたらヒマラヤ山脈ぐらいの高さだろうか。福田さん
のこれまでの経験にない高さだそうだ。

今日から、王隊長の計らいで、隊列を変更した。私が隊長のすぐ後ろの二番手
につける。ここは、グループで一番体力のない者が位置する。一般には女性が
占める場所だが、衆目の見るところ私が一番体力がないと判断された。

続いて、川本さん、高坂さん、福田さんの日本人お爺ちゃんグループ。その後
ろに女性グループ。中国人男性は殿(しんがり)である。
川本さんと高坂さんは、自転車の長距離旅行は始めて。意外といっては失礼だ
が結構体力がある。尻の皮が剥けるのは覚悟して貰っていたのだが、尻パット
を入れてそれもなさそう。ーー10才の年齢差は争えない。

風は意地悪く向かい風。

王隊長が、修道僧のように黙々とペタルを踏む。そのすぐ後ろを私が、やはり
無言で、何が楽しくてこんなことをしているのだという態度でペタルを踏む。
劉さんが、見かねたように横に並び話しかけて来た。私が疲れていると思って
励ましてくれているのだ。

俗にものも言えないほど疲れると言う。喋るのは結構体力を使う。それが証拠
に、喋りながら走ると自然に前から遅れる。それに、二列に並ぶのは時に危険
である。
私が仏頂面で黙っていると、何か不機嫌なことでもあるのかと、なおも心配し
てくれる。

「私は、疲れているのと違うよ。疲れるのが怖いから体力を維持しているだけ
だから心配しなくていいよ」と言ったらやっと理解したのか後ろへ下がった。

102号国道は、殆どの場所が四車線。それに、車道と同じ幅の路側帯があっ
てそこを自転車が走る。

車が一寸途切れたときだった。

女性4人が、一斉に前へ飛び出した。何事ならんと思ったら、何とレースを始
めたのだ。サドルから腰を浮かし、深い前傾姿勢をとり長髪をヘルメットから
靡かせて颯爽と走る様は、とても孫がいるお婆ちゃんには見えない。狙撃銃を
持たせたら、そのまま解放軍女性遊撃隊である。

結局誰が勝ったのかは知らないが、遥か前方で嬌声をあげ私達を待っていた。
こちらは、魔の三日目をフウフウいっているのに、お嬢さん方は余裕を見せて
下さる。

宿捜しもこの日は手こずった。

凌海市政府弁公室の招待所が満員で泊まれない。申し訳ないから、無料で旅館
をお世話しましょうと、市政府が面倒を見てくれたのは有り難かった。ところ
が、窓のない部屋。それはまだいい。便所が一つしかないのに弱った。

福田さんは痔が悪い。巨体で膝の負担も気になる。だから便所は人一倍気にな
るのだ。日記のメモを見せて貰ったら、最低の旅館と書いてある。
ーー私も輻輳が気になるから、夜中の3時に起きて用を足した..。

夜の食事の席にも魔物はいた。

李さんが、昼の酒を注意したのが、徐さん、張さん二人の気に入らなくて、宿
の手配はリーダーの責任だとごねる。それはなだめて終わった。が、
今度は趙さんが、李さんが外からわざわざ買って来た4リットル8元のスプラ
イトが高いとケチをつける。

「なら自分で買って来い」と李さん。

売り言葉に買い言葉。趙さんが買いに出たが、戻っても面白くない。口角泡を
飛ばしてなにやら怒鳴りあっている。
挙句李さんが、「ここから帰れ!」とやった。
趙さんも立ち上がり、「帰る!」とケツをまくる。

仕方がない。私が間延びのした中国語で
「腹減った。食ってからまたやってくれ」と言ったら、笑いと共に治まった。

悪いことは連鎖反応を起こす。

私の中国語は中国人が褒めてくれるレベル。本当に上手なら褒めてくれない。
ーーつまり下手ということ。しかし我流でなんとかこなしている。

それが、中国人9人日本人4人の間にあって、いつも一人で通訳しながら日本
語と中国語を喋っている。ーーこれは相当に疲れる。
高坂さんの求めに応じ、料理の説明を聞く。

劉さんが説明をしてくれるのだが、「分りますか?」と言うのに対して「分り
ます」とは答えたものの..どうも話が噛み合わない??「実は分りません..」
と言ったら、変なところでバカ受けしてドッと笑いが起こった。
高坂さんが、「何よ?」と再度通訳を求める。

経過を言ったら「分らんなら分らんと素直に言えばいいではないか」と言う。

これには私もカチン!ときた。

私はチビデブ、細目の団子鼻。一見温厚だが、実は人格非円満、気も長いほう
ではない。瞬間的にキレた。

「なんだと!お前は俺をパック旅行のガイドと間違えてないか!」
「お前とは何だ!」

「お前と言われたくなかったらものの言い方に気をつけろ!年だけでも10才
は違うだろう!」

川本さんがなだめに入る。

「山崎さんも、年の差を言うなら・・・」
みなまで言わせず私。

「俺に命令口調でものを言うな!」

文章にしても穏やかではない言葉だが、大声で怒鳴るのだからなおヒドイ。

ーー魔の三日目は大荒れである。前途は多難。

                        = この稿おわり =
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┃┃ お便りで頂きました感想。
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┏━━━━━━━━━━「気分は情報無限さん」――――――― 2004/11/11

大陸の民である中国の人達にしてみれば、口喧嘩なんかコミュニケーションの
一手段にしか過ぎないのでしょうか?
最近の日本では直ぐに暴力に訴える人間が世代を問わず広がっている様です。
あとに残らない喧嘩なら体力の許す限りすれば良いと思いますが、刑事事件に
発展する事もありますから難しいですね。

それにしても毎日自転車をこいで疲れている筈なのに、昼飯時に酒を飲むとは
中国人高齢者の気力体力には脱帽です。御婦人方のバイタリティーの関しては
コメント不能です。

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┏━━━━━━━━━━「けんさんから」

いつもご愛読有難う御座います。

私達は24時間、朝起きてから寝るまで、否寝ている間も一緒でした。私は寝
ている間も中国語で寝言を言っていたそうです。
まあ、50年連れ添った女房とも喧嘩ばかりしているのですから、たまに喧嘩
をしても、大目に見てください。

俗にいう、「不打不成交(喧嘩するほど仲がいい)」、又は(雨降って地固まる)
とも訳されているようです。聖人君子ならぬ生身の人間です、私達は。こんな
の日本人も、中国人も一緒ではないでしょうか?

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