┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  迷子になったらここ!(^O^)  ━┓
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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん                    (けんさんの日中友好コーナー)

☆ 没問題 ―――――――――――――――――――――― 2003/09/10

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│中国人が最初に覚える日本語のひとつに「大丈夫」というのがある。
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┃ひ┃とつには中国人が日常生活でよく使う言葉であること。
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もうひとつは「丈夫」は元々「夫」即ち亭主の意味で、大きな夫即ち頼り甲斐
のある亭主、という解釈が面白いからかもしれない。

そして「ダイジョウブ、ダイジョウブ、モンダイナイ」とすぐ言う。この言葉
を聞いた日本人はまず安心するだろう。これで大丈夫だと。

ところがどっこい。

中国人が「問題ありません」と言ったときは一番問題があるときなのである。

しかし全く悪気は無い。彼らが日常会話でよく使う「没問題」は、直訳したら
「問題ありません」だが、多くは「問題はあるが何とかなるでしょう」という
慰めに近い意味合いで使われる。

こちらをガッカリさせたら悪いと考える心優しい中国人は、少し難しいことで
も、正に問題だらけのことでも、まず「問題ありません」と答えるのである。

だから「大丈夫、問題ありません」と言ったら、日本人は100%出来ること
になると言うと中国人は困った顔をする。ましてやこれをもって問題が起こっ
たからといって「中国人は嘘つき」と言われるのは心外だろう。
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┃中┃国に進出した日本企業の人達の多くの人が、日本人同士の集まりになる
┗━┛と「中国人は信用できない」と言ってぼやく。

契約書もキチンと取り交わした。「没問題」という言葉も聞いた。それなのに
次から次と問題が出ると言うのである。

これは「没問題」に対する認識の違いだと思う。

因みに、他に比較的多い苦情は税金。法律上は納得できない税金が、条件が変
わったと言って次から次に出てくる。

ーー上有政策、下有対策ーー

「お上に政策があるならば、我々には対策がある」と言う中国人は、法律は犯
すためにある、と思っているのだろうか。犯さないまでも、法は常に都合よく
解釈される。

次が人件費。単価は確かに安いのだが不必要な人数の雇用を押し付けられる。
中に会議だけを仕事とする高級幹部を押し付けられ、全体の能率が下がる。
職場に政治が持ち込まれるのが、どうしても理解出来ないのだ。

もうひとつ多いのが、契約書を守らない。

人と人との関係を徹底的に重視する人治国家の中国人にとって、契約書はあま
り重視されていない節がある。トップが替わると往々にしてそれまでの契約も
反故になる。
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┃逆┃に中国人に言わせると、日本人は嘘つきとなる。
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これも残念且つ心外だが、やはり「問題」に対する認識の違いが引き起こして
いることが多い。

日本語の一つの特長は曖昧と婉曲である。例えば私達はこんな言い方をよくす
る。
「お申し出の趣旨はよくわかりました。私どもといたしましてもなおよく検討
し、問題がありましたら、後日改めてご連絡します。」

日本人が聞けば体よく断られたのが分るが、中国人に言わせると「何も連絡が
ないのは問題がないはずだろう」となる。

それも無理もない。この言葉を直訳したら、どこにも断りの言葉は無い。

ここで日本人のいう「問題」は「興味」である。だから「連絡しないというこ
とは興味がない」と婉曲に断ったつもりである。結局日本人は「そんな約束は
した覚えがない」とうろたえる仕儀になる。
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┃日┃本人が最初に覚える中国語の一つは初対面の決り文句は、
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「初次見面、請多々関照=始めまして、どうぞ宜しくお願いします」である。
「宜しく」と「お願いします」の間には実に色々な問題が含まれているのだが
具体的な意味は省略されている。

初対面なら「以後お見知りおきの程を」と入れるべきだろうか。

場合によっては「お引き回し」と言うべきかもしれないし「ご指導」かもしれ
ない。要するに日本語独特の曖昧表現である。殆どの場合はそれ程はっきりし
た意味もなく使う決まり文句である。

しかしこういう言い回しを使う習慣がない中国語では、ピッタリした訳語がな
い。「請多々関照」を直訳したら「差配を要請する」と、かなりはっきりした
意味がある。「全てお任せします」に近い。

だから「請多々関照」と言っておきながら「頼みもしないことを勝手にする」
と言うのは筋違いなのである。

中国人同士初対面の挨拶は、互いに名前を名乗り合うだけである。私の見ると
ころまず訪問者側が名乗るようだ。
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┃次┃に日本人が覚える中国語の一つが「ご迷惑を掛けました」。
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これも一種の決り文句、軽い感謝の気持ちを表す場合などに良く使う。しかし
元々はお詫びの言葉である。

かつて田中角栄が日中国交回復交渉で当時の周恩来首相に、この言葉を使って
「中国人民にご迷惑をお掛けしました」という表現をしたとたんに、周恩来が
色をなしたそうである。

「中国人民が受けた苦痛と損害は、そんなに軽いものではない」と。

日本人の感覚では、一国の首相が正式の場でこの言葉を使った場合、お愛想で
はない、お詫びの度合いは最大級のものである。

通訳の言葉が不足したのだろうか。あるいは海千山千の周恩来が、なにもかも
承知で交渉の主導権を得るため機先を制するパンチを出したのだろうか。真相
は私の知る由もない。この場の険悪な雰囲気は、毛沢東のとりなしで納まった
と聞いている。まさに「不打不成交=議論をしてこそ真の交わりは生まれる」

このような風俗習慣に基づく決まり文句は、微妙なニュアンスまで通訳するの
は難しい。

田中角栄首相はお詫びの気持ちが正しく伝わらず心外だったと思う。

私も正しく気持ちが伝わるよう、誤解を生むようなことがないよう、これから
も中国語をもっと勉強したいと思っている。

                        = この稿おわり =
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┃┃ 読後感アンケート結果。
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┃┃ コメントボードに頂きました感想。
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┌--------「ミカの赤い服さん」

ケンさん、こんにちは。
外国語を勉強するときは表面的な言葉の意味だけじゃなく、その国の習慣や考
え方も一緒に勉強しないといけない…その分かりやすい例ですね。
そこまで知らないと、相互理解なんて出来ないのでしょうか?

自信ないですよ。(^_^;) 

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┃┃ お便りで頂きました感想。
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┏━━━━━━━━━━「大地の子さん」男性@六十代@兵庫 2003/10/08

「没問題」をナルホドなあ、と読ませていただきました。
私も中国人と初めて仕事をした頃は、なんだかんだで本当に疲れました。
よく考えた契約書でも、間隙を狙った要求には参ったものでした。
食欲旺盛な私でも食欲がなくなるほどグッタリしていました。
(私の中国経験は少ないですが)

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