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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん
┃ (けんさんの日中友好コーナー)
☆ その方面 ――――――――――――――――――――― 2003/07/16
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│「ところで中国はどうだった」
│
│私の悪友がこう尋ねるとき、彼は「改革開放経済」の成果に深い興味を持っ
│ている。
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そこで私が登小平亡き後の安定路線の現状について滔々と述べると、彼は鼻白
む。彼が興味を持っているのは「その方面」の開放だからだ。
「中国でいい人出来ました?」とご婦人が私に尋ねるときは、
「そのお年では無理でしょうね」といささか揶揄の響きがないでもない。
そこで「当人に直接お返事させましょう」とお誘いしてみるのだが、私の真意
をご理解頂けないのか成功したことがない。
一年も現地で暮らすと、それなりに私の悪友やご婦人方が興味を持たれる「そ
の方面」の伝聞はある。
この普遍的かつ一般的、そして健全な話題を堂々と正面から語れないのは、私
に些かの社会的事情があるからである。
それでもやはり聞きたい?
えい!喋れないならば書いてみよう。
もし、私の伝聞がリアルに過ぎたとしても、それは読み手の感受性と想像力の
豊かさを意味し、決して私にリアルな体験があったワケではない。
ーーこれはあくまでも伝聞である。
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┃言┃い訳めいた前置きが長くなった。
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人類の歴史と共に存在した職業は、ここ社会主義の国中国にも勿論ある。
問題はその開放度だ。
中国生活も半年を過ぎたあたりから、周囲の人が色々と特別に気を使ってくれ
る。「何かお困りのことがあったら、なんなりと相談して下さい」と。
そのご好意の多くは額面通りに受け取るべきだろう。しかし、料理屋の女主人
が同じ言葉を使って、更には携帯電話の番号まで教えてくれたとしたら、少し
意味が違う。もしその電話に、本当に困っているからといって繕い物の依頼で
もしようものなら、国際野暮天取締委員会に提訴されるかもしれない。この手
の店の主人は「妹」を何人か持っている。
北京の一流ホテルに行くと、一目でそれと分かるお姫さまが屯していて、日本
語で「2万円」と声を掛けて来る。供給があるということは需要がある証明だ
ろう。
瀋陽等東北の都市ではこのような風景は目にしなかった。需要がないとも思え
ないが、日本人を含め「外人」の絶対数が少ない。だから中国人相手となると
自然地味に、人目に付き難い場所に潜っているのだろうか。
反面、性病治療のポスターがやたらと目に付く。原因の方は深く静かに潜行し
ているが、結果は表通りに曝されているのだ。
因みに、中国のホテルは結婚証明書が無いと男女同じ部屋に泊まれない。しか
しこれも聞くところによると、中国人に対しては厳しいが、日本人を含め外国
人には、何の制約もないと言っていた。
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┃あ┃る日、その筋に強い影響力を持つ友人が、なにか身の上相談はないかと
┗━┛心配してくれた。
「自分と一緒なら何処へ行っても心配ないから」とも言う。
「特に困ったことはないが、旨い酒が飲みたい」と言ったら、彼はすぐ理解し
てくれた。
彼が案内してくれた場所は新開地風の、周りには取り壊された建物が多い場末
の仕舞屋。中は意外に広く、カラオケ設備もある。私達が通されたのはオンド
ル(床下暖房)のついた四畳半程の部屋。「中国風四畳半芸者遊び」と洒落込
んだ。とはいえここで都々逸というわけにもならない。
吉林省出身だという十九才、色白ぽっちゃりのお嬢さんが、文字通り体当たり
サービスをしてくれる。それをこちらも、ふり懸かる火の粉とばかり受け止め
る。
謎謎等トークサービスもしてくれるから、ここは楽しい中国語会話教室でもあ
る。
謎は例の「馬が東向きゃ尻尾はどっち」→「下」といった類のたあいのないも
の。彼女の豊満な体にぴったりとフィットしたチャイナドレスから連想して、
私が出題したのは「男式旗袍」旗袍はチャイナドレス。
「男のチャイナドレス?」彼女が首を傾げるから、実演してみせたらケラケラ
笑う。どうやらご理解頂いたらしい。
私はちょっと横を向いて、前のファスナーを外したのだ。答は、日本語で風流
に言うと「社会の窓」。
お粗末でした。
でもこれは正直バカ受けしたから、もし十年後の中日辞典に(男式旗袍)=「社
会の窓」と載っていたら、ここに著作権を宣言しておく。
酒の味はともかく、十分に楽しく満足した。お値段だが、料理が三皿に飲み物
込みで百五十元。チップ二人分二百元。併せて三百五十元(日本円約五千円)。
あと、お二階への特別料金は相場が中国人値段で二百元とみた。日本人なら恐
らく倍額?
やめて欲しいのは、いかにも黒社会(やくざ)のお方とお見受けするお兄さんが
やたら目に付くことだ。あるいはこちらの気持ちにやましい点があるから、枯
れ木が尾花に見えるのかも知れないが、変な目つきで見られると、ここで行方
不明になったら遺体も出ませんぞと言われているみたいで、恐怖が理性を呼び
覚ます。
ここには、やはり一人で来る勇気は湧かない。
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┃瀋┃陽市の某所では、「洗頭館」の看板が交差点を夾んで十軒近く見える。
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素直に読めば、頭を洗う処。しかし料金五十元(約750円)は大学教授の月給
五百元に比べてべらぼうである。そこに十人あまりの小姐「お嬢さん」がいて
按摩をしてくれる。どこの頭を洗ってくれるのかなと、あらぬ想像もしたくな
るが、これが結構流行っていて時に順番待ちになる。
表の商売だけでも相当らしいが、チップ百元を要求されたこともあるから、体
当たりサービスも日常的に行われているとみるべきだろう。
大きな旅館には大抵サウナがある。サウナだけにも入れる。旅館でなくサウナ
の専門館もある。サウナ自体は健全営業だが、サウナの二階に湯浴み客がビー
ル等を飲む場所があり、ここにいわゆる小姐が按摩師として待機している。
ある日宿舎のボイラーが故障してサウナに行った。ちょうど昼時だったので客
は殆どいない。小柄な南方系の顔立ちをした小姐がミニスカートでいた。彼女
あきらかに私に、私が彼女にいだく好奇心以上に警戒心を持っている。誰かの
命令で私を偵察しているのかもしれない。
弁当を食べるかと私に薦めてくれる。彼女四川省出身だそうで、立膝でミニス
カートの魅力を惜しげもなく振り撒いた姿勢を十分に拝観しながら、四川料理
名物の特別辛い春雨の炒め物をご馳走になった。
中国語でミニスカートは(迷ニイ裙)「貴方を迷わせるスカート」。
言い得て妙なり。
少なからずクラクラしたので、
「別の部屋でゆっくりお話ししましょう」
と軽く冷やかしのジャブを送ったら、艶然たる笑みをたたえたまま首を横に振
られた。残念ながら彼女の警戒心を解くことが出来なかったらしい。
ある日旅行でホテルに泊まったときのこと。部屋に小姐から電話が掛かった。
「これからお部屋に、按摩に伺います」
「要らないよ、僕は肩はこらない方だから」
しまった!彼女の按摩は肩こりではないのだ、と気がついたときは既に遅し。
電話は切れていた。
この手のお誘いはエレベーターの中でもある。何故かは知らねど、こんなとき
に限って私の耳は補聴器が必要になる。
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┃私┃がタクシーに乗ると、自然に話題がそこに行く。
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他の人はあまり経験がないみたいだから、これはやはり私自身の不徳の致す所
なのだろう。そして運転手君は例外なく皆物分かりが良い。
「このような事は決して恥ずかしい事ではありません。私が国際問題解決の為
に協力しましょう」と我が事のように親身になってくれる。
更に辞書には載っていない「その方面」で必要な中国語を教えてくれて言う。
「貴方の中国語なら、こちらから日本人と名乗らない限り絶対にばれない」
お陰で私の中国語も、「その方面」で愛を語れるレベルにまで上達した。
瀋陽に「河畔花園」という高級住宅街がある。ある日、日本企業の友人をそこ
に訪ねての帰り、入り口で待っていたタクシーの運転手が女性だった。瀋陽で
も女性ドライバー自体は珍しくない。この美人ドライバーは下心を持ってこの
高級住宅街で網を張っていたのか、或いは私の人徳のしからしむる所か、例に
よって話題はそこに落ちついた。
「小姐(お嬢さん)を紹介しましょうか」
「そんなに簡単ではないだろう」
「簡単ですよ。どんな娘が好みです」
「君みたいな美人なら申し分ないね」
「では私で如何です」
清純派女優が酔いに身を任せたような眼差しで、ウットリと私を見つめる。
「駄目だよ!そんな目で僕を見つめちゃ」
私は冷静だ。しかしもう一人の分身、正真神明の日本男児が冒険心旺盛で、私
の心は葛藤に揺れる。私の心にお構いなく、車は交差点をわき道にそれた。
彼女はタクシードライバーのくせに運転が下手くそだ。暗い路地をゆっくりと
縫うように行く車の動きに、私の心は期待と不安が重なり、喉がひきつるよう
に渇く。
突然、闇を引き裂くようにパーンと大きな破裂音がした。
タイヤがパンクしたのだ。タイヤのパンクは程なく直った。
しかし私の下腹から抜けた空気は....ついに入らなかった。
= この稿おわり =
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┃★┃ 読後感アンケート結果。
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◇ 面白かった (^○^) -------------------------------- 37人 (93%)
◇ まあまあかな(゜.゜) -------------------------------- 3人 ( 8%)
◇ ツマラナかった(-_-) -------------------------------- 0人 ( 0%)
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┃★┃ コメントボードに頂きました感想。
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┌--------「ミカの赤い服さん」
あまり、こういった話は好きではないので…
すみません。−まあまあかな(゜.゜)
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▼
┌--------「けんさんから」
性の問題は微妙ですね。
私も古希が近いというのに、恥ずかしながら天命を知るどころか、
不惑の境地にも至れません。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。

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