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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん
┃ (けんさんの日中友好コーナー)
☆ 何でもあり ―――――――――――――――――――― 2003/07/09
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│中国で買い物をして偽物を掴まされたとしても、誰も驚かない。
│物によっては、むしろ本物が手に入るほうが不思議なのだ。
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例えばあの銘酒茅台酒、一説によると生産量と市場に出回っている数量との間
に百倍以上の隔たりがあるという。こうなると確率的にも本物に出会える割合
は小さいし、ほとんどの人が本物を知らないので、なにが本物か極小数の専門
家以外には見分けがつかない。
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┃道┃端に並べられている電気製品も、日本の一流メーカーの商標がズラッと
┗━┛付けられている。しかし一見して偽物と分かる。
「どうしてこうも偽物が多いのだ」と私が慨嘆の声を上げると、中国の友人は
何故偽物だと分かる、となじるように言うから、「本物を見たことがあるか」
と反問すると首を横に振る。
本物を見慣れた目には、偽物にしてはよく出来ているなと言えるレベルまでも
いっていない。各部を論評するまでもなく偽物である。
しかしこの一年ほどの間に、カラーテレビの品質はぐっと良くなった。こうな
るともう自信があるのだろう。デパートにあるこの種の商品には、自国のメー
カーのラベルを付けて売っている。
本物に慣れて鑑識眼に自信のあるものはよいが、中国酒となると何を飲んでも
分からないのだから、大衆酒なら間違いはないだろうともっぱら北京の“二鍋
頭”「アルグオトウ」を愛飲している。有名な高級酒はいろいろあるが、私に
はそれほど違いがわからない。
ところがなんと!これにも偽物があると教えられて信ずるものが無くなった。
中国で生水は飲めない。そこで“鉱泉水”「ミネラルウォーター」を飲むのだ
が、銘水のラベルを張られた水が、何故かアパートの一室で大量生産されてい
ると聞くと、クレオソートは肌身離せないなと痛感するのである。
中国の友人が言う。
「中国では、母親以外は全て信ずることは出来ないよ」
「母親だってDNA鑑定が必要なのではないの」と言おうとしたが、この冗談
の恐ろしさが自分でもこわくなってやめておいた。
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┃最┃近では“自選市場”(直訳すると自分で選ぶ市場、スーパーマーケット
┗━┛のこと)が瀋陽にも珍しくない。買い物篭を下げ、レジで勘定をするの
は基本的に日本と同じだ。値段は一割ぐらい割高だが、商品がなんとなく信用
出来そうで私はよく利用する。
学校の生徒を連れていくと、先生に損害を与えてはいけないと気を使うのか、
実に細かく商品をチェックする。家内とスーパーマーケットに買い物に行くと
「奥の方が新しいの」とかいって、同じ魚でも奥から選り出すが、彼女達もそ
れに近い。一枚の皿を買うのにも、文字通りなめるように見渡した後、小さな
傷を発見して売り子に交換を要求する。このイッパシの主婦を気取った「チイ
ママ」達に、「ここに偽物はないよ」と私は鷹揚だったのだが、やはり彼女達
の方が正しかったと思い知らされることになった。
誰がティッシュペーパーを買うときに中身の数量までチェックするだろうか。
しかしそれが必要だった。
入れ物は花柄で日本のメーカー品にそっくり。見かけが似ていても本当は警戒
しなくてはいけなかったのだろうが、私は見かけに騙された。というより全く
無警戒だった。
使っているとなぜか一箱目がすぐ空になった。二箱目もすぐ空になった。よく
よく観察してみると、数枚のティッシュペーパーが箱の上面に張り付くように
あるだけで、中身は殆ど空。なんと上げ底なのだ。これには腹が立つより腹を
抱えて笑ってしまった。実に中国人はユーモアがある。
地区の貿易委員会の会合に呼ばれたときのこと。中国生活の中での経験から得
た、中国の悪い面を忌憚なく述べて欲しい、ということだったので、この件を
紹介したら、列席のお歴々をすっかり白けさせてしまった。民衆はユーモアが
あるが、偉い方々はユーモアを解されないらしい。
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┃テ┃ーブルタップが欲しいと思っていたら、道端で二元(三十円)で売って
┗━┛いる。値切る気もしない値段なのでそのまま買ってきたら、使えない。
ドライバーで分解してみたらなんと、中がブリキなのだ。
外枠が立派なだけに、こんなの偽物を作るほうが、金がかかるよと感心する。
売り子に見せたら、ぶつぶつ言いながら金を返そうとするから、大事な記念品
だからと返品しなかったら怪訝な顔をしていた。
この失敗は、宿舎の服務員のお嬢さん方をすっかり喜ばせてしまった。「二元
で良いものが買えるはずがないではないか。安物買いの銭失い!」というわけ
である。
それも尤もと、今度はこの地区一番の百貨店の電気部に行った。今回は彼女達
にバカにされないようにと七元五十銭也を奮発した。ところがである。挿入部
が曲がっていて上手くプラグが入らない。まあ運が悪かったともう一つ買って
来たら、今度は断線!している。私も遂にこれ以上のユーモアを受け入れられ
なくなっていた。
二つの不良品を手にして売り子に文句を言ったら、領収書を見せろと言う。そ
して顎でしゃくるような態度で返金しようとするから、私もついにカチンと来
た。 北京語言学院のカリキュラムはよく出来ていて、こういう場合の会話例
も教わった。実戦で応用する絶好のチャンス!とばかり、やくざっぽく凄んで
みせる。
「まさか金を返せばいいと思っているんではないだろうな。社長を出せ」
社長室は幸か不幸かすぐ隣だった。
「君達は客が何を求めてここに来るか分かっているのか」
とここでも私の舌は流暢である。
しかしいけない。社長は私の主張より別のことに興味を持ったようだ。
「貴方は何国人ですか」と不思議そうに聞く。
「へえーー、この人日本人だってよ。なかなか中国語が上手いじゃないか」
と、横の従業員と怪物でも見るように、珍しそうに語り合う。
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┃私┃は中国語を褒めて欲しくてここに来たのではないのだ。
┗━┛ちゃんと聞け!とばかり大声で
「しかし君達のサービスは日本人であれ中国人であれアメリカ人であれ同じで
あるべきだ!」と息巻いてみるが、変に腰を折られて私の態度もだいぶ腰砕け
になっている。
「もっともですとも」と調子を合わせる社長の態度に
「今日は私もいい中国語の勉強になった」とは始めの剣幕を何処へやら、全然
竜頭蛇尾になっちゃった。
まあいい。中国はなんでもありだ。
店の前で一人の男が呼び込みの声を張り上げている。
「さあさあー!当店はなんでもあるよー!いい偽物も揃ってるよー!」
= この稿おわり =
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┃★┃ 読後感アンケート結果。
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◇ ふつう (゜.゜) -------------------------------- 2人 ( 5%)
◇ ツマラナかった(-_-) -------------------------------- 0人 ( 0%)
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┃★┃ コメントボードに頂きました感想。
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┌--------「ミカの赤い服さん」
ひどいですね。日本でそんな商品を売ったことが知られたら、二度と商売でき
なくなると思います。ちょっと信じられないです。
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┌--------「けんさんから」
MADE IN JAPAN 昔は粗悪品の代名詞のように使われたそうですね。
今でもギャグでは、粗悪品として使われるそうです。
最近の中国の衣料品等を見る限り、彼の国の質の向上も市場への追従も、思っ
たより早いのではないでしょうか。
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┌--------「爺さん」
現地で活躍されている人たちは、けんさんも半華人さんも立派ですね。
現地に溶け込んでいらっしゃる。
現地の人に親身で接しておられるのでしょうね。
私なんかは日本国内ではクレームはつけますが、旅行一時滞在の場合は、
腹が立っても、泣き寝入り。
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┌--------「けんさんから」
私も、殆どの場合泣き寝入りです。
というより、騙されるのを楽しみにしている傾向があります。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。

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