┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  迷子になったらここ!(^O^)  ━┓
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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん                    (けんさんの日中友好コーナー)

☆ 怪坂(奇怪な坂)――――――――――――――――― 2003/04/30
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│夕食を済ませ、少しアルコールが入ったまま遼寧棋院に行ったときだった。
│棋院の服務員のお嬢さん王小姐がまだ居た。
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彼女は18才、細身の美人で服のセンスが良い。去年の秋、茶色の飛行服みた
いな服が非常によく似合っていたので、写真に撮って上げたらこれがまた非常
に可愛いく撮れた。美人を鼻に掛けるところが全然無く、気さくな娘だ。例え
ば私が覚えたばかりの中国将棋で苦戦していたら、彼女横に座って応援して呉
れる。
この日は酒の勢いもあって、

「よっ!デートしょう」
と言ったら、意外にも二つ返事で

「いいですよ、何処へ行きます」
と言う。

とはいっても、若い娘さんと二人だけというのもかえって気が重い。
ちょうど囲碁友達の小趙が来たので、

「怪坂に行きたいのだけど、君も一緒に行こう」
と誘ったら、彼も

「明後日は私も休みですからいいですよ」
と言う。香港復帰を祝して、6月29日から7月1日まで私達の学校も休みに
なっている。
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┃彼┃は本来バスの運転手だが、囲碁の才能を買われて、少年少女にコーチを
┗━┛している。
25才。碁も強いが人間が非常に謙虚である。一般に碁が終わった後よく感想
等を述べ合うのだが、彼とは語るだけで楽しくなる雰囲気を持っている。
宿舎の留学生千葉君に

「可愛いい娘さんを紹介するよ」
と誘ったら、彼は行き先も聞かずにOKした。
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┃当┃日、小趙が約束の8時半より10分早く迎えに来る。千葉君はまだ寝て
┗━┛いる。たたき起こして、約束の場所遼寧棋院に着いたときは9時を少し
回っていた。

「どうしたの2分も遅れて。待ちくたびれたわ」
と、王小姐が飛び出して来る。

「みんなこいつが悪いのさ」
と、千葉君に謝らせたら、自己紹介を兼ねて弁解していた。

乗ってきたタクシーでそのまま「怪坂」へ向かう。
 「今日は君がガイドだよ」

 「ええ、いいわ」
とは言うものの、彼女肝心の「怪坂」が何処かさえ知らない。運ちゃんも大体
分かりますと頼りない。とにかく新城子の方角だと..私が一番詳しい。
このガイドさん、ときどき誰でもが知っているような、例えば瀋陽北駅などを
ガイド口調で説明して呉れるが、私が聞くことは何も知らない。

私:あの変わったアンテナは何?
王:なんですか?貴方の中国語は分かりません。
と、耳に手を当ててさも聞き取り難いような表情をしてとぼける。近頃は私も
とぼける術を覚えて、都合の悪いことには「私は中国語がよく分かりません」
と言う。そのお株をとられたのだ。

若い娘が横に乗っているだけで楽しい。タクシーのスプリングが悪いのも、道
路が酷いのも今日はかえってありがたい。赤のワンピースに麦藁帽、サンダル
履き。背中の小さなリュックは、近頃日本でもよく見かけるファッションだ。
彼女身体は細いが、おっぱいは相当なもので、ワンピースからはみ出さんばか
りの豊かな代物に、私の視線の行き先が時々乱れる。

「若い娘の言うことと、蛙の飛び先は分からない」と誰かが言っていた。話題
が定まらないという意味である。事実、王小姐の言うことも、確かポーカーが
話題だったと思うのだが、急に全然別のことを喋っている。小趙は勿論分かる
から楽しそうに笑っているが、私にはチンプンカンプン分からない。それでも
聞き取りの練習にはなる。

歌を歌おうと言う。小趙がテンポの早い曲をリズムよく歌う。では私が遅いの
をと王小姐が最近の流行歌だろうか、しっとりと聞かせて呉れる。私はリクエ
ストにより、「さくら、さくら」。千葉君は「上を向いて歩こう」を歌う。

「題名が上を向いて歩くなのに何故悲しい調べなのか」
と鋭い質問が来るから、涙を堪えていると説明したら、深く頷いていた。音楽
の感性は直接的なのだ。

運転手が、途中何回も道を尋ねながら行く。着きさえすれば良いと、私も鷹揚
である。「このまま着かなくてもいいや」という気持ちにさえなっていた。

こうして迷いながらも10時20分、出発後1時間20分で目的地の「怪坂」
に着いた。
観光地は、よく外人料金といって中国人料金と3倍位の差がある。心配だった
ので小趙に買って貰ったのだが、ここでそれはないようだ。入場料一人11元
=約160円。
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┃何┃故「怪坂=奇怪な坂」と言われるか。瀋陽市西北の郊外新城子の近くに
┗━┛一本の山坂がある。この坂は下りに労力を要し、登りには逆に労力が要
らない。自転車なら下りにペダルを踏み、登りは逆になにもしなくても自転車
が動く。自動車なら下りにアクセルを要し、登りはクラッチを切ったままで動
く。

まず貸し自転車(借り賃3元=約45円)で、右の緩い下り道を、ペダルを踏
んで行く。戻りは左の道。するとあら不思議、向こうからの登り坂を、自転車
が自然に動き、かなりのスピードで何もしなくても戻ってくる。自転車は全部
ブレーキを故意に壊しているのか、うろたえる位のスピードが出る。

勿論錯覚なのだが、さりげなく配置されている置物、例えば「怪坂」の石碑と
門が、向こうからは大きく視野に入り、階段を登るような錯覚を生むように置
かれている。これだけの区間でこれだけのスピードが出せるためには、少なく
とも二メートルの高度差、即ち5度の勾配が要ると思うのだが、その5度の勾
配を逆に見せ、二メートルの高度を隠す細工は、まさに芸術品だ。視野に入る
全てが、その錯覚形成に緻密に計算されている。

三国志で有名な諸葛孔明の「八陣図」もこのようなものか、あるいはもっと巧
妙な仕掛けがあったかもしれない。「八陣図」は河原にさりげなく石を積まれ
ただけだが、一度そこに足を踏み入れると、二度と抜け出さない迷路になって
いたという。
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┃こ┃こでタクシーを止めていたら、車が逆に動き出しそれで発見されたとい
┗━┛うのは勿論作られた伝説。第一タクシーが来るような場所ではない。

ここは、近くには2万坪ばかりの射撃場を含み、新しく(1994年)建てられ
た「鵬恩寺」、カラオケボックス、見せ物小屋、ホテル、食堂、釣橋、迷路等
がある、全体で30万坪ばかりの総合レジャー施設。「怪坂」はその中の目玉
商品なのだ。

丘を登ると、前方の谷に100メートル位の釣橋が架かっている。渡り賃2元
=約30円)。王小姐が欄干にしがみついていると、知らない若者が面白がっ
てロープを大きく揺する。王小姐が悲鳴を上げる。千葉君と小趙は、変に気を
きかしてして先へ渡ってしまった。そこでやむを得ず、このお年寄りが騎士役
を引き受け、彼女と腕を組む仕儀となった。

「鵬恩寺」は観覧料10元。案内のパンフレットによると敷地6000平米。
主要建造物は「大雄宝殿」を含め6座。遼寧省最大規模の仏教寺とある。更に
仏教協会から派遣された僧がお勤めをしているとあったが、境内の尼さん色っ
ぽすぎる。「こりゃ偽物だ」と思ったが偽の根拠は何処にもない。「怪坂」を
見て来た目には、何もかも疑わしく見える。
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┃ひ┃と回りしたら12時を過ぎていた。食事は瀋陽で日本料理を食べようと
┗━┛待たせていたタクシーに乗る。帰りは迷わなかったので、一時間足らず
で着いた。途中早口言葉等をして遊びながらだったので、これ位の時間はあっ
という間に過ぎた。

王小姐がオニギリを食べない。
「私塩辛いの駄目なの、甘いものならなんでも好き。もっと太りたいと思って
 甘いものを食べるのだけど全然」

「では今度“商貿”(瀋陽に新しくできたホテル)のケーキをご馳走して上げよ
 う」
「嬉しい!」

千葉君曰く「あの娘、先生に気があるよ」

--怪坂は、高低差の錯覚を見せて呉れた。
王小姐は、年齢差の錯覚を与えて呉れた。
                           = つづく =
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┃┃ 読後感アンケート結果。
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◇ ふつう   (゜.゜) --------------------------------  0人  ( 0%)
◇ ツマラナかった(-_-) --------------------------------  0人  ( 0%)

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┃┃ コメントボードに頂きました感想。
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┌--------「nomuさん」

今日の南日本の九州は雨です。
ぼ〜っとしながらコーヒーを飲みのみ読みました。
何だかホンワカとして色気を感じるストーリーで、のめり込みました(^o^)

怪坂に似た経験があります。長野県に行った時、りんご園の中のトンネルを潜
る時、行く時は坂道でエンジンを切っても自然と前進する。
帰りは下りなのにエンジンをかけないと前進しない、、怪坂と同じですね。
いや〜面白かったです。

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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 

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