┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  迷子になったらここ!(^O^)  ━┓
┃
┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん                    (けんさんの日中友好コーナー)

☆ 春遊(ピクニック)―――――――――――――――― 2003/04/23
┌--------
│看護婦学校の生徒王丹が、
│「明日、学校で本渓へピクニックに行きますが先生も行きますか」
│と電話を呉れる。
└--------

実はこの話は以前小耳に挟んで、校長に「私も是非一緒に行きたい」とお願い
し、既に案内を頂いていた。しかしこうして、生徒が電話を呉れるところが嬉
しいではないか。
更に詳しく彼女に聞いたところによると、
┌--------

5月22日午後9時〜11時まで、学校で「交歓会」

5月23日午前2時半、バスで本渓へ出発、午前7時頃到着、遊び、
     午後6時頃帰着予定、
└--------
と言う。相当な強行軍だ。

22日当日は、夕方から小学生のように落ちつかない。王丹は何も準備は要ら
ないと言ったが、夜中は寒いかも知れないと思って、長袖のポロシャツを用意
する。他に、携帯用の碁盤、中国将棋、魔法瓶の水筒などを用意する。

「食べる物は彼女達から少しずつ頂くか..」と、私も図々しい。

それでも、冷蔵庫にソーセージが3本残っていたので、鞄に放り込む。
ナイロン紐、ビニール袋、ナイフ、救急医薬等、この種の小物は多年の経験か
らの必需品。ノートに筆記具と、小辞典も学究の徒(?)たる者肌身離せない。
カメラにフィルムは36枚撮りを2本用意した。

宿舎の従業員陳さんに「こんなものでいいかな」と準備について相談する。
彼曰く「大勢で行くのだから、何も心配は要りません。皆が貴方の世話をして
呉れます。」
┏━┓
┃九┃時前学校に着くと、校庭に舞台を囲むように、半円状に椅子が500程
┗━┛並べられ、カラオケも準備されてある。
交歓会の演芸が正に始まろうしている。

早速中央の正面席に案内された。各クラスが、歌や踊りの出し物をするのだが
現代舞踊は自分達で振り付けもするそうで、なかなか上手い。衣装も凝ってい
て、中にはあのなんといったか、最近流行のお臍を出した衣装で魅力を振りま
く組もある。

宴もたけなわの頃、飛び入りで一曲求められたのには弱った。おりしも満月、
「荒城の月」をご披露してお茶を濁したまではよかったが、アンコール曲なん
か用意していない。もう一曲と言われて、すっかり立ち往生していたら「では
踊れ」と催促される。

やむを得ず阿波踊りをやった。手を上に挙げて足を動かしただけだが、これが
バカ受けして、ぐっと友好の雰囲気が盛り上がった。

終わったのが十一時近く。生徒達は、まだトランプに興ずる者、グループで歌
を歌う者、校庭でディスコを踊る者、ビデオを見る者と夜を徹して遊ぶ。私も
トランプに誘われたが、少しでも寝る事にして校長室のソファーで横になる。

私の特技の一つは、何処ででも寝られること。周囲は音楽と嬌声の渦だが、三
時間はうとうとした。
┏━┓
┃八┃台のバスに分乗し出発したのが予定通り2時半。
┗━┛
さっきまであれ程元気だったお嬢さん達も、バスの灯が消えるとさすがにおと
なしい。誰かが言っていた。どんな美人も驚いてポカンと口を開けた顔は見ら
れないと。今日始めて口紅を付けた18才の乙女達も、ポカンと口を開けた寝
顔は、あどけないというか子供っぽいというか、悪いけれども美人には見えな
い。よっぽど写真に撮って後日冷やかしてやろうかと思ったがやめにした。

夜の高速道路は単調である。周りは緩やかな丘陵地帯。時折民家の灯が見える
以外は、只闇の中にエンジン音が響く。

私の席は一番前の最高の場所だった。しかし、何処からか風が入って冷える。
膝を擦っていたら、さっきのポカンと口をあけていた生徒が、

「先生どうしたのですか、寒いのですか」

と上着を脱いで膝の上に置いて呉れた。眠っていたと思ったのに、こんなに気
を遣って呉れているのだ。今度は彼女の顔が天使のように美しく見えた。

四時トイレ休憩。夜は既に白みかけている。五時行く手に朝日が昇った。上空
は良く晴れているのに、突然稲妻が走った。前方我々の目的地の辺りに厚い雨
雲が見える。

「本渓は雨だな」と運転手が呟くように言う。

六時、中国の朝は早い。子供達が登校している。畠には既に人影が見える。唐
黍だろうか、作付けも終わり直線の畝が整っている。

六時半、高速を下りて山道にさしかかろうとしたとき、急に車が動かなくなっ
た。運転手さん少しも騒がず、「何でもありません」とボンネットを開ける。
どうもレバーのピンが外れて、アクセルがエンジンまで伝達しないのだ。同行
のバスの運転手も下りてきて手伝い、五分もしないで修理出来た。横に座って
いた女性教師が私に

「日本のバスは素晴らしいですよね」

と話しかけてくる。こんなときでは相槌の打ちようがないではないか。
わざと、とぼけて

「人によって違います」

と頓珍漢な返事をしたら、今度は別の人に

「テレビで見たのだけれど、日本は地下鉄もバスも全部空調があって、冬でも
 ミニスカートの人がいる」

と話しかけていた。続いて、

「日本のサラリーマンは、皆電車の中で新聞や雑誌を読むそうですね」

と私に問いかける。

「良く知ってますね〜」

今度は私もまともに受け答えをした。
┏━┓
┃七┃時本渓森林公園に到着。さっきまで雨が降っていたのか、冷え冷えとす
┗━┛る。宝探しをしていたら、また雨が降りだした。雨具の用意してなかっ
たのだが、生徒のひとりが、自分はジャンパーを着ているからと私にナイロン
カッパを貸して呉れた。カッパを着たので鞄が持ち難くなったら、別の生徒が
持って呉れる。中国は本当に年寄り天国だ。陳さんが皆で貴方の世話をして呉
れると言ったのは、間違いなかった。

バスの中で雨宿りがてら、ゲームをする。持参した碁盤、オセロ、中国将棋が
役に立った。実は課外授業で囲碁を教えているのだが、中に筋の良い子がいて
一局毎に強くなる。その子と少し真剣に打っていたら、昼前になって陽が射し
てきた。

「晴れた!晴れた!」

と、バスの中に一斉にソプラノの合唱がわき起こる。私達も囲碁どころではな
い。皆と一緒に外に飛び出した。

まず河原で撮影会。娘達が

「先生写して、写して」

と次々にポーズをとって私にせがむ。用意した36枚撮りの2本はアッという
間に無くなった。幸い公園に売店があった。
┏━┓
┃吊┃橋を渡り「環山路」という道標のある道を登る。山の名前は「小黄山」
┗━┛この「環」と「黄」の発音の区別が、私にとってめちゃ難しい。
「human」と「huang」。 発音記号で書くと、最後に「g」が一つ入るだけだが
聞いてよく聞き分けられない。だから言う方もはっきりしない。理屈は知って
いるのだが、感じが掴めない。「私達にとって、美容院と病院の区別が難しい
ようなものですね」と言いながら、何人かの生徒が教えて呉れる。今日は彼女
達が私の中国語の先生だ。

「大体いいです」

とは言って貰ったが、ついに満点は貰えなかった。

当然ながら、彼女達の中国語は素晴らしい。小鳥がさえずるような会話に聞き
ほれる。彼女達が私に向かって言う中国語は、比較的ゆっくり、そしてはっき
りと、易しい言葉で話して呉れるからよく分かる。しかし彼女ら同士楽しそう
に話す言葉は、何が話題になっているかも分からない。

小鳥といえば、全然さえずりも聞こえない。山は深いから人間と関わりのない
世界で、彼らの別天地を作っているのだろう。桧(ひのき)の植林がある。日本
ではポピュラーなこの樹を誰も知らない。

遼寧省は、全体的に見ると冷帯夏雨気候だが、ここ本渓は山岳地帯で局地的に
雨が多く、日本の温帯多雨気候と一部似ている。森林公園の風景も、日本の渓
谷に非常に良く似ている。桧は渓谷の日陰を好むから、ここは適地なのだ。多
分日本の企業と資本がここにも入っているのだろう。

雨に濡れた山道は滑りやすい。50メートルも登っただろうか、まだ先は遠い
ようだ。足でも捻挫してはいけないと、私だけお先に失礼することにした。
一人で下りられると強く辞退したのだが、二人の生徒が同道して呉れる。

バスには、かわいそうに一人の生徒が、当番で留守番しながらバスの掃除をし
ていた。彼女とおしゃべりをしながら学校が準備してくれた弁当を食べ、休息
する。

本渓には大規模な鍾乳洞がある。そこも行く予定だったのだが、途中雨が降っ
たりしたため予定がずれて時間が無い。時間も半端で少し早いが、1時に帰り
の車が出ることになった。私も少し疲れたので、早めに帰るのはありがたい。
鍾乳洞は心残りだがまた来ることにしょう。

小鼻に汗をかいている一人に「どう、疲れた」と尋ねたら、「少し眠たい」と
いうだけで、まだ遊び足りなさそうな様子。

これが若さか、はたまた中国発展のエネルギーか。

                           = つづく =
┏━┳━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┛
┃┃ お便りで頂きました感想。
┗━┛
┏━━━━━━━━━━「鈴木靖夫さん」男性@七十代@神奈川 2004/05/24

ウェブ索引「本渓」から読ませて頂きました。

小生も中国大好き人間。在満国民学校1〜6年まで本渓在住。
本渓湖会という仲間で訪中しています。

記事に出た本渓水洞は整備も整い(公園・トイレ・駐車場・・・)、特に9月に
本渓市から高速ができると15分で到達、洞窟入り口までは電動カート、中は
ボートですから足腰が衰えても大丈夫です。

こぎれいな(中国で)バンガローまで出来ていたのには驚きでした。
「温泉寺」の整備もされると快適なリゾート地になるでしょう。西欧ナイズ?

漢語は、ラジオ学習3年で「時々正確・・・」の記事をみて発憤しています。
私共の会は30年になるそうで、昨年、記念事業で現地に桜の植樹を行い無事
終えました。――そのときのホームページを担当しました。

もう終わったもので失礼ですが、ご参考までに見て頂けると幸甚です。
http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Oasis/5015/

会では「太子河」「本渓湖物語」などを記念出版しました。図書館などでお目
にふれますと嬉しいかぎりです。

同じ大陸に想いを寄せることに、嬉しく打たせて頂きました。
というわけで、これからも読ませて頂きます。

┗━━━━━━━━━━
 
┏━━━━━━━━━━「けんさんから」

本渓は鉄鋼の町でしたか?ーー旧満鉄の方が多かったと伺っています。

私は1997年からご縁が出来て時々行きます。
満州族の自治区で、良いところですね。

桜を植える事業、素晴らしいことと敬服します。
これをご縁に、宜しくお願い致します。

┗━━━━━━━━━━
 
┏━━━━━━━━━━「岡崎溪子さん」―――――――――― 2004/05/28

「本溪湖会」の鈴木靖夫さん、浜松の岡崎溪子です。

私の名前を見て頂ければばお分かりでしょうか?
そうです、私の「溪」は本溪から採られたのです。
父が本溪の満鉄病院で死にました。その後生まれたじゃじゃ馬娘に「溪子」と
長兄がつけてくれました。

―― 本溪には2度行きました。

最初は日中国交が成った直後で、まだ未開放地区でしたので遼寧省と交渉して
外国人許可証を貰い日帰りで訪問しました。
瀋陽から黒塗りの高級ハイヤー『上海号』を雇い、女性のガイドつきでした。
運転手は飛ばす、飛ばす。車は人民解放軍のトラックだけ、アッ、荷車もあり
ました。

信号は無しでしたが、途中で一度だけ停止しました。
ーー道路を羊の大群が塞いでいたので…。

―― 本溪にはホテルがなく、招待所で食事をすることになりました。

そこで私は料理長を呼び、
「ここで作れる最高の料理をじゃんじゃん持ってきてください。お酒もビール
 白酒(ぱいちゅう)、紹興酒なんでも持ってきてね」

とお願いしたのです。

『女一人でこんなに注文して、よほど大食いで、大酒飲みなのだろうか?』

いえいえ、瀋陽のガイド、本溪のガイド、運転手、料理長と私の5人で大宴会
を催したのです。ーーお勘定は、もちろん私の支払いです。
お役所勤めの人の1年間分の金額を、日本の女一人の昼食代で使ったのです。

私の本心は「観光は儲かる」ことを遼寧省の役人に教えたかったからです。
「未解放地区」が少なくなれば、私が行きたい秘境にも行けますからね〜。

帰りは運転手の酒酔い運転で大変でしたが、その後直ぐに「本溪」はだれでも
行けるようになりました。
私は父の死地の「旧満鉄病院」が職業訓練所になっていたのを写真に撮りまし
た。ーーでも内部に立ち入ることはできませんでした。

―― さてそれからおよそ15年。姉にねだられて「本溪」を再訪しました。

私をガイドにして無理難題を言う姉はケチでおまけに中国旅行は初めてです。

「本溪」の変貌振りに驚きました。
ホテルも3軒ありましたが、まあ、1階でカラオケを大音響でやっており、と
てもうるさくてロビーで紅茶も飲めません。

「旧満鉄病院」はさすがに古ぼけていましたが、なんと「宿屋」に変身してお
り、今度は宿の人のご好意で2階まで上がり、細部まで見学できました。
ベッドが病院用のものであることを発見し、父が横たわっていた姿を想像し、
感無量でした。ーーお庭でお線香をあげさせていただきました。

父のお骨のない日本のお墓にお参りするよりも実感が湧きました。

―― さあ、その帰りが大変でした。

なんと高速道路ができており、瀋陽までこれまたノンストップです。
しかし、その運転の乱暴なこと、無茶苦茶です。車の運転をしない姉は嬉しそ
うでしたが、運転歴30年の私はただ『恐怖』のみ。
150キロの猛スピードで、走行車線からいきなり追い越し車線の車をS字型
で追い越すのには驚きました。

ときたま住民が高速道路を横切ります。ハラハラして目を閉じて、

「どうか事故の起きませんように…」と仏様にお祈りする始末。
「2度と中国の高速道路は使用しないぞ!」と覚悟を決めたのです。

――『太子河』は愛読しております。

『本溪湖物語』は静岡の図書館にはないかもしれません。探してみましょう。
私の「シベリア決死行」(アルファポリス社刊)にも本溪のことを書きました。

ーーこれからも、温かく見守っていきたい街です。

∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
 岡崎けい子のホームページ http://www12.ocn.ne.jp/~okazaki8/

  岡崎 けい子       okazaki88@mocha.ocn.ne.jp
∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽∽
┗━━━━━━━━━━
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 

中国への熱い思線 ライターはこんな人 アジアの街角から CHINACHIPS 総合トップ




SEO お金 無料レンタルサーバー ブログ SEO