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┃ :中国への熱い思線: ――――――――――― by けんさん
┃ (けんさんの日中友好コーナー)
☆ 「看護婦学校」――――――――――――――――――― 2003/04/09
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│瀋陽市看護婦学校は、瀋陽市(旧称奉天)の西南、鉄西区にある。
│昔は飛行場だった所で、その名も騰飛街にある。鉄西区一帯は工業地帯だが
│その中にあってこの辺は新興の住宅地帯でもある。
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瀋陽市看護婦学校:
1986年、瀋陽市立高等学校相当の看護婦専門学校として設立。
敷地 10000平米
校舎 16000平米
職員 110人
教師 40人
クラス 17組
生徒 750人
17組のクラスの中、2組だけ日本語を勉強するクラスがある。他は全部英語
のクラス。ここで私が日本語の教師を担当することになった。生徒は三年生。
皆18才前後のかわいい娘さんばかりである。
ここ瀋陽には、各学校等で日本語を教えている人が、青年海外協力隊の若者を
含め元教員の方々、シルバーボランティアの人など全部で20数名居る。
学校が私に具体的に期待していることは、学生の日本語能力の向上は勿論だが
日本との交流の窓口である。もう少し具体的に言うと、日本の学校と姉妹校関
係を結び相互に研修出来ないか。将来的に卒業生を研修生として日本に派遣出
来ないかである。
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┃宿┃舎は、学校から一キロ余り離れた所にある、工業大学の外人教師及び留
┗━┛学生宿舎の一室を準備して呉れた。24平米程の中にシャワートイレの
衛生設備空間がある。
学校での私の部屋は、書記と同室。副校長なみの待遇が、期待の大きさを物語
っている。書記が「貴方には給料面では十分の事をしていないから、その他の
ことで私達が出来ることがあったら、何でも遠慮無く申し出て欲しい」と嬉し
いことを言って呉れる。事実通勤用の自転車を買って呉れるし、学校の車の便
宜を図って呉れるし、冷蔵庫は備えて呉れるし至れり尽くせり。何より優しい
心遣いが有り難い。
給料1000元(日本円15000円弱)は確かに多くないが、これでも額面
は校長より多い。それに週にたったの二時間の授業では、贅沢は言えない。こ
れ以上私の授業を増やすと、元々日本語の授業は少ないから中国人日本語教師
の生活を脅かしてしまう。では何故私が招かれたか。繰り返しになるが、日本
との交流のチャンネル探しである。
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┃授┃業第一日。
┗━┛型どおり自己紹介から始まる。これは又彼女達の会話能力を知るのにも
良い方法でもある。クラス委員の可愛いい子に、
「わたし せんせいに あいしています」
といきなり言われてドキッとした。この子はさっき校長室にお茶を持って来て
くれた。正確に翻訳すると「私は先生と既にお会いしています」となる。
彼女達が実際に日本人と話しをするのは初めてである。それにしてはしっかり
した日本語を話す。とにかく分る。
視聴覚教育用のビデオが有って、テレビの日本語講座を録画し補助教材にして
いる。これが良く出来ていて文法面は助かる。教壇に立った経験の無い私は、
文法はどうしても苦手なので、もっぱら会話方面が重点の授業になる。
最初、日本語だけでの授業を試みたのだが、38名の生徒数、生徒の能力のば
らつき、そして何より私自身の経験不足から、無理だと悟った。
生徒は皆十八才から十九才。よく笑う。ある日、順番に指名していて中国語で
「あなたは終わりましたね」と言うと一斉にどっと笑われた。
「何が可笑しいの?」
と尋ねたら、この言い方は「あなたは終わった」、つまり死んでしまったとい
う意味になるのだそうだ。
正しくは「あなたは言い終わりましたね」と言うべきとのこと。こんなの北京
語言学院でも教えてくれなかった。
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┃授┃業の終わりに、聞き取り練習の為五分程簡単に、結婚式や祝祭日等日本
┗━┛の風俗習慣について「日本紹介」をする。これは評判がよかった。
まずゆっくり日本語で喋った後、中国語で言い直すのだが、私にとっての中国
語勉強にもなった。
その他、家族や趣味などについて作文を宿題に出し、それを題材にお互いに会
話練習をする。作文の添削を通して文法等は後でゆっくり直せる。添削は又彼
女達との文通交流にもなる。自分が書いた台本なので、彼女達にとっても比較
的喋り易いようだし、この方法はヒットだった。
ある日一人の生徒が「友人の紹介」をして呉れた。彼女歌が上手で可愛いい。
「貴女に恋人が居ますか」という質問が来た。彼女答えようとしないから
「居るよね」と促したら
「うん」と頷く。続いて
「名前を教えて下さい」
と第二弾が来る。今度は彼女どうしても答えない。あげく
「皆知っているのに意地が悪い。後で先生にだけ教えて上げる」
と私の耳もとで囁いて自席に帰ってしまった。
餃子が好きで、一斤(500グラム約30個)を食べるという生徒がいたので、
「餃子お嬢さん」とあだ名をあげたら、「包子先生」(饅頭先生)とお返しを
頂いた。
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┃体┃操の時間、近所のローラースケート場に行くことがある。
┗━┛私も連れて行って貰ったが、彼女達が次々に手を引いて呉れる。
これぞ教師冥利か。
中国の学校は全寮制の所が多いのだが、この学校はいま新校舎の建築が行き詰
まっていて寮が無く、全員通学している。中には自転車で一時間半の子、或い
はバスを幾つか乗り換えて二時間掛かる子もいる。しかし皆真面目だ。
「これまで何回」という言い回しの練習をしていたときのこと。
「これまで何回学校を休みましたか」と質問したら、モジモジして答が無い。
「あの、一回も無いというのは日本語でどう言うのですか」と問返されて驚い
た。殆どの生徒が皆勤なのだ。その上学校は朝の八時に始まるのだが、七時に
全員が出てきて自習をする。バスで二時間掛かる子などは、毎朝四時に起きる
と聞いて、またまた驚いた。
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┃少┃しでも多くの日本人と接する機会を持つために、宿舎の日本人留学生と
┗━┛の交流パーティー等を企画する。
そのうち、ひとりの日本人若者が彼女達のひとりにいかれてしまった。買い物
に付き合って欲しいと、デートまでは上手くいった。ところが彼が言うには
「私達学校で恋愛は許されていないの。ずっとお友達でいましょうと言われま
した。先生どうしたらいいでしょう。振られたのでようか?」
「そんなこと知るか、自分で勝手にしろ」
とは答えたものの、あくる日
「おい、あいつ君の電話を待っているぞ」
と言ったら、彼女は、はにかみもせずに
「はい」
と明るく答えた。
若者達の未来が明るいことを祈る。そして私が皆に期待されていること、それ
はまた私自身の願いでもある彼女達が日本に自由に来られる日の近いことを祈
る。
= つづく =
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┃★┃ 読後感アンケート結果。
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◇ 面白かった (^○^) -------------------------------- 28人 (100%)
◇ ふつう (゜.゜) -------------------------------- 0人 ( 0%)
◇ ツマラナかった(-_-) -------------------------------- 0人 ( 0%)
┏━━━━━━━━━━「けんさんから」
看護婦学校の教え子の中で、たった一人ですが、日本に留学してくれました。
他にも囲碁の仲間等、縁あって数人の中国の若者を保証人としてお世話させて
頂いています。
「一粒の麦」が、いつの日か大地に芽生えることを願って。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。

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