表上海!裏上海?(上海から見た中国) by 半日半華人さん
☆ 異国の地の北朝鮮初体験 ―――――――――――― 2007/05/02
我が家からさほど離れていないデパートの中に北朝鮮レストランがある。レス
トラン街なのだが…Nippon居酒屋のお隣というロケーションが「皮肉」を感じ
る。
店頭では、(Nippon)居酒屋は威勢と愛嬌の良い異国小姐が着物衣装で「いらっ
しゃいませ〜!」に対し、北朝鮮店はチョゴリ女性が物静かなお出迎えで何故
か○○組を連想する私。

商魂が座っているとも厚顔無恥ともとれる、Nipponが「拉致問題」「核実験」
に揺れる際も平常営業に、あの将軍様にてこの店舗ありと感じた事があった。

然し(国際)政治の事より我が家大事(=家族の胃袋)の我が奥様(=異国妻)は、
店前を通る度に…(妻)「北朝鮮料理ってどんなかしら?」と質問されるが答え
ようがない私。ただ、ガラス窓越しに見える光景に「韓国と同じかな?」と答
えるだけ。

でもひとつだけ顕[あきら]かに「韓国」焼肉店との違いがあるように思える。

それは、何度も覗いているが、白人の姿をいまだかつて一度も目撃した事がな
い点だ。アジア系のお客は見掛けるが、中国系・朝鮮系・そして好奇心旺盛な
Nippon人を識別するのは難しい。

ではなぜここが「北朝鮮」と一般人にも分かるのかだが、堂々と英語&中国語
で国名が表示されているからだ。人間の先入観念は恐ろしい。「北朝鮮」の文
字に、店内に働く女性は○○組、そして男性は秘密工作員に見えてしまうのは
偏見?ーーー不思議だ。

さて、接近はすれど決して入店しなかった私達だが、或る休日に家族四人で利
用する事になる。――――好奇心旺盛な私達は、入口近くまで進むが…やはり
躊躇…
(私)「やっぱり安全な店に…」ーーーまさかとは思うが‥‥睡眠薬で‥‥気が
つけば歓迎光臨北朝鮮♪は困る。妻も否定せず「そうよねぇ〜」。

笑顔のチョゴリ女性を振り切って、スパイダーマン3を上映中の映画館の前ま
で退避した。いつもならばここで「では何処へ行こうか?」と相談するところ
だが、本日は(妻の)買い物に散々付き合わされた餓えた子供達が「疲れた!」
「お腹空いた〜!」と騒ぎ始めるーーー。

(妻)「どうする?」
(私)「う〜ん…やっぱり行ってみるか‥‥」

刻は夕食時、今更どのレストランも混雑予想で子供達を宥める自信などない。
覚悟を決めて再び店先も、中国系人が先に入店したのを確認し、何故かホッと
するのであった。

店内ではテーブル席を通過し、(和式?)ホリ炬燵席へと向う…「逃げられない
よ」「外から見えないよ」〜〜〜の心の声は異国妻へは届かなかった。仕方が
ない、イザとなったら戦闘モード、と、入口付近に陣取り周囲の様子を窺う。

(何が書いてあるか解らぬ)達筆な掛け軸に将軍様の銘はなかった。店内に似合
わぬ虎を描いた水墨画にも..北朝鮮を感じる事はない。しかし壁の液晶ディス
プレィには、古いとも新しいともいえぬ不気味な映像が流れていて、、洗脳を
恐れた私は直ぐに眼をそむける。

早速注文となるが、メニューを眺め、
(妻)「あなた、この神仙鍋が名物だって…」
(私)「ヤメナサイ!」
ただでさえ不気味なところで、摩訶不思議な料理となれば後が恐い。

そこで、韓国料理でお馴染の焼肉にすることにしたのだが、注文段階で中・朝
(異国妻vsチョゴリ女性)の攻防戦が展開されるとは予想もしなかった。物静か
な対応だが、実にネチッコク料金アップを画策するチョゴリ女性に対し、若い
が財布の紐は堅い我が家の財政担当合理主義の異国妻は、

(北)「こちらの焼肉セットのほうがお得ですよ」
(妻)「そんなに要らないわよ」
(北)「これもこれも入っていますから」
‥‥何故か牛肉より豚バラの誘惑に弱い異国妻‥‥。

続けての客単価アップ作戦は、

(北)「お飲み物は北朝鮮名物の…」とアルコール勧誘に、
(妻)「コーラで良いわよ、ね、あなた」
ーーーこうした心理戦が延々と10分以上も続いたのだった。

劣勢となるチョゴリ女性は、「救いの手」を私に求め、笑顔のお薦めとなるが
(心の中)「ああ〜、あなたは異国妻の実態を知らないのネ〜。旦那に主導権な
どごじゃりませ〜〜ん♪」〜〜〜中国語が解らぬ振りで押し通すことにした。

さて注文が一段落し、
(妻)「まったくシツッコイわネ〜」
(私)「貧しい国だから外貨獲得に必死なのかも」(笑)となる。

しかしさすが「北朝鮮」の尖兵チョゴリは諦めが悪く(もしかしたら密命?歩
合?国民性?)再び北朝鮮酒の現物持込セールスにやってくる。些か不機嫌な
異国妻と、北朝鮮酒など初めて見る私は興味津々だが、酒は酒、食後飲酒運転
は異国の地でも牢屋行きゆえ遠慮する事とする。

チョゴリ女性は「大丈夫!低アルコール度数」とおっしゃるが…平穣銘柄の透
明な焼酎(アルコール度数25)と「飲み易い」と薦める褐色の果実酒は15度
(記念限定酒というが何の記念か聞く勇気はない)。

ここで異国妻も黙ってはおらず、負けずに「ジンロは?OBビールは?」無理
難題の韓国酒を訊ねるのだった。(もしかしたら本当に南北問題を知らない?)

「ビールぐらい…」と思うが、メニューには青島(中国製)と敵対国のバドワイ
ザーの2種類しかない。異国市場には多数日系も諸外国系も(輸入&現地生産)
あるのに、何故最も対立する国の?と思うのだった。

考えてみればコーラも敵対国製品だが、ここにも北朝鮮的な品揃え、コーラは

Coca-Cola 社だが、スプライトはなくペプシの7UPとはどういう組合せ?謎
は深まるばかり。

最初に登場したキムチは、(個人的感覚では)韓国モノに比べ酸っぱ味増し辛さ
控え目は悪くはなかった。ーーー問題はサービス小鉢で、「味見が重要」と学
ぶ天国と地獄の別れ道…5〜6小鉢の1つは実に苦みばしった、良い男ならぬ
料理で思わず絶句。

続いて海鮮チヂミ(韓国風お好み焼)は、ボリューム&味の面で(家族全員が)大
満足だったが、冷麺は「遺憾」ーーー国民性の違い?「食べ易くする」という
理由は解るが目の前の椀の中にハサミ挿入&ちょん切られた時には一気に食欲
減退ーーー。

しかも本場北朝鮮料理を知らぬ故の失敗?冷麺中にキムチとは別に、お酢と和
ガラシが添えられていて大混乱する私。そのまま食べるべきか?酢&カラシを
加えるべきか?ーーー結局3段階にして食べてみたが、最後は物凄い味となり
ギブアップ----北朝鮮の方々の味覚を疑うのだった。

(妻)「北朝鮮ではこんなモノを食べてるのかしら?」
(私)「う〜ん…どうかな〜、食糧不足だっていうしな〜?」

さて焼肉だが、テーブルの横でチョゴリ女性が焼加減を聞きながら丁寧に焼い
てくれるのだが、(妻)「お肉は美味しいけどタレが〜…」
これは北朝鮮のみならず、日系焼肉店以外では通常二種類----1つは胡麻油に
塩胡椒はタン用、と、オリジナルの味噌ダレ----に、Nippon式焼肉の味を知る
者にはちと悲しい。

次から次に出される焼肉で腹も膨れる頃…店内の動きに眼をやる余裕が…男性
従業員の(女性に対する)偉そうな態度と鋭い視線が「やっぱり秘密工作員?」
と再び疑惑。

同時に、チョゴリ女性服務員も必要以上の(客)接近で、鼻先をかすめる「良い
香り」に○○組との確信を強めるのだった。ーーーだが私には、○○より恐い
奥様が目の前ゆえ、イケナイ妄想はなく、隣のお子チャマに絶えず餌を与える
義務も忙しかった。

経済的な奥様は、大量に残った料理を「持帰り」としお勘定となるが、味から
予想した金額を遥かに越える請求額に「次回からは日系焼肉屋へ行く!」とな
る。ーーーこの料金には、多分にチョゴリ女性のご奉仕代も含まれているのだ
な…と思う私だった。

こうして我が家の北朝鮮初体験は終るのだが、出口に向う我々をチョゴリ女性
達は笑顔で送るのだが、何故か子供達の身体に触るのである。ーーーどうせ触
るなら「俺に!」と思いつつ、アレは北朝鮮の方々か?異国在住の朝鮮族?と
意味のないことを考えていたのだった――――。

                        = この稿おわり =
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