┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  迷子になったらここ!(^O^)  ━┓
┃
┃ 中国ひとりぼっち: ―――――――――― by ブーザンさん                ブーザンのホームページ(中国ひとりぼっち)

☆ 香港盗難事件(3) ――――――――――――――――― 1996/04/29
┌--------------------
│サンプルもなにも無く、全くの手ぶらで商社へ行く事が
│なんだか夢の中にいるようで、
│表現しようもないような気持ちだった。
└--------------------
−11

いくら商社の担当者に2時間後と言われても、
商社で待っていれば良かったではないか!

金馬倫道(カメロンロード)寄りの恒生銀行などへ行かなくとも、
商社のあるビルの一階の銀行へ行けば良かったではないか!

道を歩いていて気にいった服が、目に入ったとしても、
商社にサンプルを届けてから買い物をして、
再度、商談に帰れば良かったではないか!

香港へは60回以上来ているくせに、
どうして初心者のような盗難に遭ってしまったのか。
日本の本社にこの事をどう伝えれば良いのか..

それよりも、中国工場のサンプル室で一生懸命縫ってくれた人達に、
何と言えば・・・。
盗られたお金やパスポートの事が全然浮かばなかったのが不思議だった。

−12

そんな事を考えているうちに、商社のあるビルについた。
皮肉な事に、その一階の銀行員が「久しぶりですね」と手を上げた。

エレベーターを待つ時間が、やけに長く感じられた。

商社の中へ入るには、暗証番号を押さなければならないが、
そのメモもカバンごと消えてしまっていた。

ドアのチャイムを押して、中から開けてもらったが
「暗証番号を忘れたんですか?」
とにっこり笑う女性事務員に、
「まー、そんなとこですかね?」
と、笑い返すブーザンの顔はどんな顔だったんだろう?

担当者は予定より商談が長引いているようで、まだ戻っていなかった。
日本人社員に「そこへ腰掛けて待っていて下さい」と言われたが、
とても落ち着いて座ってはおられなかった。

−13

別の日本人社員から、衝立越しに、
「今日はサンプルを持って来られたのですか?」
と声がかかり
「はい、そうです」
と答えると、私の身の回りを眺めて
「あれっ!サンプルは何処にあるんですか?」

「サンプルはちょっと、盗難に遭ってしまって、、いまないんです」
それを聞いていた経理が驚いて寄って来て、私の横に座った。

「何処で盗難に遭ったんですか?」
「ネーザンロードのファッションショップで盗られました」

「あそこはよく狙われるんですよね〜、気をつけないと・・・」
「で、サンプルの他には何を盗られたんですか?」

−14

その頃には、商社内にいた4人が集まってきて聞いていた。
「財布や現金も盗られてしまいました」

「キャシュカード類は入ってましたか?」
カードが2枚入っていた事を告げた。

直ぐに日本のカード会社へ連絡して
取り消しの手続きをしてくれた。

「現金は幾ら入っていたのですか?」
と聞かれて、少々ためらった。
ためらったのは額が多過ぎたからである。

「78000HKドルと日本円20万が入ってました」
と告げると、皆からどよめきが起きた。

−15

質問している日本人社員も慌てて、日本語ではなく英語で問い直してきた。
「英語になってますよ!」と言うと苦笑していた。

その時、ホテルでアメリカ人と商談していた担当者から電話が入った。
「いま電話で聞いたよ!何やってたの!」
「サンプルをもう一度作り直して、2日の間にこちらへ届けて下さい!」
そして、
「今すぐ中国へ引き返して、段取りして下さい」

ブーザンは、
「直ぐに戻りたいんですが、戻れないんです..」
「お金の事なら、ウチで用立てますから心配しなくてもいいです!」
しかし、幾ら金を積んでも帰れない事情があった。

「何か帰れない事情でもあるの?」
「パスポートも盗られてしまったんです..」
と言うと、
「どうしてそれを早く言わないの!」

聞いていた周りの人は、
「まいったな〜、パスポートまで・・・」

電話の向こうでは、
「直ぐに帰るから待ってて下さい」

−16

香港の友人にこの事を連絡してあったので、その時彼は商社に来ていた。
その友人も、
「あれほど忠告したのに、どうして体から離したの?」

商社の人も
「とりあえずは警察に被害届を出したほうが良いですよ」
友人と警察に被害届を出す事になった。

その頃には、担当者から所長まで帰って来た。
所長は、
「いやー、最近に無いヒット話ですよ!」
「貴方には申し訳ないが、当分の間話のネタに不自由はしないな」

そして笑いながら、
「これを使って下さい」と1000HKドルを手渡してくれた。
頂けるのか?と思っていたら
「必ず返して下さいね」と落ちをつけられた。

他の人たちからも合計3000HKドルを借りることができたが、
いずれ返さなければならない。
当たり前の事だ。

自分自身に腹が立ってしようがなかった。


                           = つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 

中国ひとりぼっち目次 アジアの街角から目次 CHINACHIPS 総合トップ




SEO お金 無料レンタルサーバー ブログ SEO