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┃ 中国ひとりぼっち: ―――――――――― by ブーザンさん                ブーザンのホームページ(中国ひとりぼっち)

☆ 桂林の5日(1) ―――――――――――――――――― 1995/05/記

−1

(誤認)逮捕事件の興奮も覚めぬまま、例の白タク兄弟に成都空港まで送っても
らった。
「送ってもらった」というより、彼等は私を送らざるを得ない理由があった。
それは何故か!

彼等の話を全面的に信用して要求通りの報酬を支払う、
‥‥つもりが始めからなかったからである。
こう書くと読者の中には「中国人虐待!」という声もあるかもしれないが・・

もうじき成都空港というあたりで、彼等の報酬の残り1800元の話を切り出
した。1800元を彼等に数えて見せてから、
「いろいろ考えてみたが・・・」

−2

「貴方の兄さんは、ガイド役という名目で無理無理同乗していただけだ。ただ
乗っているだけで、観光地に着いても車の中で寝ているだけ」
「これではガイドの仕事とは言えない!半額というのも気の毒だから・・・」
と、
理由をつけ彼等に1000元を渡そうとしたところ、兄貴がこう切り出した。

「それでは話しが違う!私が同行することに貴方も同意したではないか!」
私は「1000元が嫌なら一銭も払わない!1000元か?無しか?どっちが
いい!」

今度は弟が、
「1000元でいいですヨ。兄貴に話しをした私が悪いですから・・」
私も「その方が得策だね!弟の方が頭が良い!」
と、800元を抜いて手渡した。

−3

成都から予定通りの時間にフライトした。
1995年当時、成都空港15:20発、桂林空港17:20着であった。

上空から見た桂林は、一面レンガ色のように見えた。
水墨画でよく見る風景があちこちにあって、とても幻想的な感じを受けた。
桂林は、かねてから一度は行ってみたいところだと思っていたので、成都では
迷わず桂林行きチケットを購入した。

1995年当時の桂林空港は“ただの広場”であった。
他に飛行機がない。
滑走路にも雑草が元気良く生えていた。

−4

飛行機を降りてから平屋造りのオンボロ小屋まで歩いて行く。
ふと後を見ると、一面に桂林の山並が見えた。
私はカメラを取りだし、シャッターを切った。感動の瞬間である。

景色に見とれていると、後方から早くして下さいと大声で叫ばれてしまった。
残っているのは私ひとり!?
カメラをしまって慌てて駆け出した。

係官が「桂林は初めてですか?」と聞く。
「いや〜景色が実に素晴らしい!」
「まだまだこれからですよ!感動されるのは・・・。」

再び、窓越しに見える桂林の山並みに見とれた。

−5

うしろから声がしたので振り返ってみると、「タクシーは要らないか?」
すぐさま成都のタクシーの事が脳裏に浮かんだ。
「成都の教訓を生かさなければ・・・」

「タクシーは要るのか?要らないのか?」しつこく聞いてくるので、
「他の人達に聞いて、それでも客が無かったらもう1度私の所へ来なさい!」

彼は去りながら、変な人だな〜というような顔をして私の方を振りかえって見
ていた。

−6

外に出たところ、人影はまばらである。
違うタクシーの運転手が声を掛けてくる。
「車はあるから要らない!」と彼等をはねのけた。

ひとりぽっちで立っていると、さっきの運転手が来た。
「車はどうですか?」
「お客は拾えなかったのか?」

「近頃の人は、皆迎えの車が有るからダメだ!」などと話をしているうちに、
廻りに6人もタクシー運転手が集まってしまった。

−7

最初に声を掛けてきた運転手に、
「心の中では貴方の車に乗る予定だ、だが、高ければ乗らない!」
と小声で耳打ちし、他の運転手達に向って、
「私は5日間車を借りる予定だ!」
「今からひとりずつ聞いて行くから、1日当たりいくらか言ってくれ!」

ひとりづつ指さして聞いていった。
「650元!」
「600元!」
「580元!」
といろいろ声があがった。

「皆高過ぎる!」
私は、後ろに待たしておいた運転手を振りかえり、、

                           = つづく =
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