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┃ 中国ひとりぼっち: ―――――――――― by ブーザンさん
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☆ 成都の7日間(3) ――――――――――――――――― 1995/05/21
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翌朝はロビーで待つように言ってあったが、7時30分に私の部屋をノックし
て、ドタドタッと兄弟が入ってきた。
私はまだ身支度が出来ていなかったので、彼達には外で待つよう言おうとした
が、結局なにも言わずにドライヤーで髪を整えていた。
8時5分前に身支度も整い、ロビーに行くよう促したが、彼達は「この部屋で
私の車の費用と私の1日の給料を決めよう」と言い出した。
話しが決まった時、時計の針は9時を指していた。
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どうしてこんな事態になったのか?
車に乗りながらいろいろと考えてみたが、考えれば考えるほど私の馬鹿さ加減
に腹が立ち考える事をやめた。
話しはこうである。
「成都滞在7日間の内、4日間の案内を彼に頼んだ。
1日=600元(7800円)
観光するところは、私が日本のガイドブックを見て決める」
しかし、兄貴が一緒に来ているので、ハッキリと言った。
「1人分の給料は払うが、兄貴の分の給料までは、払えない!」と。
これにはさすがの兄貴も言葉を失った様子、彼は自分の給料もこのバカ正直な
日本人からもらえると・・・。
兄貴は下を向きながら考えていた。
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そして急に「じゃー二人合わせて800元って事でどうでしょう」
私は仕方なく、1日800元(10400円)の道案内料金で承諾した。
4日間で成都中を廻らなければならなかった。
昼の食事や夜の食事にも、必ず彼のお兄さんがついてきた。
その度に一流の料亭に入り高い料理を注文した。
確かに食べるものは美味しいが、四川料理特有の辛い鍋料理には閉口した。
彼らは、真っ赤に染まった海鮮鍋料理を、久ぶりという感じでむしゃぶりつい
て食べているが、私は箸が進まなかった。
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それに気付いた二人は「こんな美味しい料理を、勿体無い早く食べて下さい」
と言うが、真っ赤に染まった唐辛子の効いた鍋料理はとても食べられない。
付き出しのピーナッツや、漬物類を食べていた所、支配人が来て「何か料理に
ご不満でも・・・?」と私に聞くが、その言葉におしかぶせるように、兄弟が
支配人に向って言った。
「この人は日本から来た人で、辛いものが食べられないようである。普通の鍋
料理を用意して、すぐに持ってくるように・・・」
どうして彼らの言っている事が理解できたか・・・
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この支配人は別の省から来た人で、中国普通話しか通じないため、彼らも支配
人に対しては普通話を話していたから理解できた。
新しい鍋料理の海鮮セットを持ってきたが、ゆうに3人分は有る海鮮類に、
「こんなには1人で食べられないから、減らして下さい。」と言ったところ、
横に座っていた兄弟が「折角持ってきたのに持って行く事は無い。我々の方に
全部置いてくれれば良い」と口を挟んだ。
中国の料理は、日本のようにほど好い加減では無く、大きなお皿に山盛りにし
てくる習慣がある。
私が94年に中国へ来て一番困ったことは、ホテルの料理をどのように注文す
ればよいか分からなかった事であった。
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メニューを見せられても、何も分からない。
仕方なくメニュー項目の右側に書かれている金額で決めた。
日本では一般的には、1人前1000円前後である。
ホテルなどでは1人前5000円くらいになる。
それを基準に考えて食事を選んだ。
料理が出てくるまでのあいだ中国語の勉強をしていたところ、ビールでも持っ
てきましょうか?と中国語で問われ、直ぐにビールを頼んだ。
出てきたビールを、ウェイトレスはグラスの淵にビール瓶の口をつけ、ゆっく
りゆっくりと注いでいる。
やっとグラスの半分くらい注がれたところで堪りかねて自分で注いだところ、
ビール瓶が生暖かかった。
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それよりも日本の方法で注ぐと、グラスからビールの泡が、テーブルの上に流
れ出た。それを見ていたウェイトレスは、口を抑えて笑った。
飲んでみるが、これほど生ぬるく、これほどまずいビールを今迄飲んだことが
無かった為、冷えたビールが有るか?聞いてみたが、おかしな顔で私を見る。
「冷えたビールなんてありませんよ!これって冷やすんですか?」
私は支配人を呼び事の仔細を話したが、その支配人は「最近外国のお客さんが
増えてきて冷えたビールの要求が多くなりました。今日は有りませんので、氷
でももって来させましょうか?」
私は氷と聞いて・・・
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ためらった理由は、氷をどのような水で作ったかである。
ミネラルウォーターで作った氷ならば問題無いが、水道水から作った氷ならば
問題があるからであった。
中国では一般に水道の水は飲めない。
飲んでも良いが肝炎になり易いと聞いていたからである。
その水で作った氷ならば止めた方がよいので断わった。
生ぬるいビールを飲みながら中国語の本を見ていたら、料理が運ばれてきた。
青い野菜を油で炒めたものが出てきたが、大きな器に山盛り盛ってあった。
おもむろに箸でつまんだが、青野菜でも日本では食べやすい様に切ってあるが
出てきた野菜は切ってなく、25センチくらいの長さのを取って口に入れたも
のの、口の中がいっぱいでどうにも食べ難い。
まだその野菜を一口食べただけの所へ、注文した料理が丸いガラスで作られた
ターンテーブルの上に所狭しと並べられた。
=つづく=
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