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┃ 重慶熱線 (重慶で見た中国): by 重慶出稼ぎ人のちゅーさん

1−家庭崩壊への道−「代表団受け入れ」その3.また事件

災難はいつふりかかるかわかりません。
横浜で国旗事件があってまもなく、またまた事件がおこりました。
それもあろう事かわたしが案内した工場で。

わたし自身は会議室でその工場の人と打ち合わせをしていたので、事件の現場
には立ち会っていませんが、もし自分で案内していても、避けられない事件だ
ったでしょう。

その事件が起こったのは、工場の技術者が中国からの代表団を案内して、中国
の建設現場へ出荷するコンプレッサー製造の状況を見学した時です。
その製造現場までは工場内の曲がりくねった通路を通って行くのですが、その
通路に台湾へ出荷すべき設備が積んであったのです。

それを見た代表団、具体的には団長のM先生が、クレームを付けて来ました。
「台湾向けと書かれた設備に、故意に我々を案内した」と。
これが事件かと皆さんは思われるでしょうが、れっきとした事件なんです。

なぜなら受け入れ先の大メーカーの常務と、当社の専務がホテルへ飛んで来た
のですから。
不注意にも台湾向けと書かれた設備の前まで代表団を案内してしまい、まこと
に申し訳ない。今後は十分注意するのでご容赦願いたい、という主旨の詫びを
いれて、何とかおさまりました。

今とは隔世の感があります。
ことほど左様に、中国と台湾の関係、それに日本とも確固とした信頼関係はま
だなかったのです。
日本からひとりで来て、中国人の家に泊まったり、お友達を呼び込んで一緒に
泊まれる時代が来るなんて、その頃想像した人は殆どいなかったでしょう。
わたしもまた、ああいう異常な関係が未来永劫続くものと思っていました。

そして中国人のことを、どうしようもない難物だと、心の底では思っていたの
です。
大人風の面の皮の下に、子供の顔が隠れている、そういう印象も当時から持っ
ていましたが、これは今でも変わりません。
中華思想から来る傲慢さもあります。

しかし今の中国には、この傲慢さがなければ、またもや諸外国の餌食になりか
ねないでしょう。
外国に侵略を許したのは、自国の脆弱さが大きな原因であったことを、中国人
自身が一番強く認識しています。

工場での事件の後、代表団が帰国するまで、幸い事件が起こることはありませ
んでした。
われわれは代表団に、余計なサービスをして問題を起こすことを嫌うように
なりました。最低必要限のつき合いに徹底しました。

もし代表団が国旗のことや台湾向け設備の事を問題視しなければ、もっと色ん
な状況を知識として持ち帰れたでしょう。

彼らが取った反応は、無知と恐怖からくるものでした。
それに対してわれわれも、徐々に中国人とつきあう困難さと、恐ろしさそれに
煩わしさを感じていき、さわらぬ神に祟りなしと思うようになりました。

その気持ちが溶解し、中国人と友達になりたいと思うようになるまで、またそ
ういう気持ちを中国人が受け入れるまで、それから二十年以上の年月が必要だ
ったのです。

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2−道で出会った仏と閻魔

代表団のMさんは、筋金入りの党員という感じでした。
自分の物差しを持っており、それに合わないものは全て不合格の烙印を押す。

要するに話をしていても面白くない人物でした。
技術者のYさんは、何事にも興味を持ち、まるで幼稚園児がどうしてどうして
と聞くように、わたしを捕まえるので閉口しました。

なかにはひょうきんな人がいて、小柄で、表情も愛嬌のある人でした。
こういう人が仲間の人気者になるのは、日本も中国も同じようです。

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3−重慶短信

小学校の先生の葬式が、ある村で行われ、多くの人の涙に見送られました。

その先生は、予算のない学校のため、自宅の壁板や瓦を剥がして、トイレを
作ったりしたそうです。
よく氾濫する小川が通学を妨げるので、一時間前から川の前で学生を待ち、
背負って川を渡ったこともあったそうです。

こういう人が中国にはまだいるし、美談にもなります。
日本では、もうこういう美談は生まれないのでしょうか..

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4−外大では教えない中国語

「(過馬路)拉胡子」(guo4 ma3 lu4 la1 hu2 zi0)。
ヒゲを引っ張って(道を渡る)と言う意味ですが、別の意味があります。

「拉」は引っ張るという意味の別の字、「牽」(qian1)に通じ、
「胡子」は同じ意味の「須」(xu1)に通じます。

牽と須を並べると、(qian1 xu1)という発音になり、
これは「謙虚」と同じ発音です。
この言葉は、会話であなたは謙虚ですねと言うかわりに使うしゃれ言葉です。

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5−おまけ

健康診断と休暇で、二週間一時帰国しました。
久しぶりに見る重慶は、何となく小綺麗に感じました。
青空に白雲も浮かんでいる。

そろそろ直轄市の面目躍如ということでしょうか。
本来山有り川有り、自転車なしの素晴らしい所なので、
空気がよくなれば、こんな好い所は滅多に有りません。

それでは「下周一、見」(来週の月曜日にお会いしましょう)。

                           <(_ _)ちゅー>
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││お便りで頂きました感想。
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┏━━━━━━━━━━「上野駅さん」男性@六十代@無職@福岡

いつも面白く読ませていただいています。ありがとう。

昔、横浜の国旗事件、台湾向け製品が見えた事でクレームをつけた団長さん、
自分の国でちゃんと沿岸警備をしているから日本に対する密入国者が少ない
感謝せよ!と言ったトップもいましたけれど、大変な国ですね!

日本に対してはすぐ覇権主義とか何とか文句をつけるけれど、自分の国は近隣
諸国への侵略?で領土拡張等、いただけない国ではないでしょうか?

台湾問題なども、誰の目にも別の国と写ります。
台湾のほうがはるかに民主化された国だと思います。

一日も早く、外国から尊敬され信用される、
民主化された国になる事を祈っています。

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┏━━━━━━━━━━「重慶出稼ぎ人のちゅーさんから」

お便り有り難うございました。

一旦その対象を嫌いになると、坊主憎けりゃ袈裟まで憎い、
という事になりがちです。
中国も理不尽な所も一杯ありますが、それはいずれの国も同じであり、
アメリカなどはその最たるものかも知れません。

逆にその対象に惚れ込んでしまうと、あばたもえくぼ、になってしまいます。
わたしのように、中国との取引一本で来た人間にとって、
バランス感覚を維持することは非常に重要です。
そうでないと、真実が見えなくなってしまいます。

中国が世界から尊敬される国になることを、
また日本もそうなることを、切望しています。
これからも感想などお寄せ下さるよう、よろしくお願い致します。

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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 

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