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┃ 重慶熱線 (重慶で見た中国): by 重慶出稼ぎ人のちゅーさん

1−家庭崩壊への道−「商務商談」その3.スープ

いつ帰れるともわからず、精神を拘束される生活が続いていました。
中国の生活環境がわたしを責めるだけでなく、一緒にいた上司がわたしの精神
的苦痛の一番の原因になっていました。

突然ノックもせずに、ドアを開けて入るなり、用事をいいつけるのです。
彼は、以前にも紹介しましたが、元は中国系学校の先生をしており、30代で
商社に転身したのです。
父親が中国人、母親が日本人のハーフなので、中国語が出来るのは当然と思っ
ていたのですが、彼に言わせると、中国語は大きくなってから自分で勉強した
そうです。

彼の中国語は上手いという評判でした。
日中友好業界でも、一目置かれる存在でしたし、わたしの当時の語学力では、
世間の評判を鵜呑みにするしかありませんでした。
しかし何年か経ち、わたしもそこそこ中国語を話せるようになってから、彼の
通訳に立ち会ったことがありましたが、発言者が言っていないことまで、くど
くど中国語にしていました。

日本語が下手なのに、外国語がそれ以上に上手くなるはずがありません。
彼の日本語は、それはくどくて評判だったのです。


そんな上司にこき使われ、愚痴をこぼすような相手もなく、わたしの気持ちは
ますます落ち込んで行きました。
多分彼は、わたしを憂さの履け口にしていたのでしょう。
ことあるごとに、辛くあたりました。

彼の人間性を徹底的に理解した事件がありました。
食事の時は、わたしが皆の希望を聞いて注文するのですが、その注文の仕方の
些細な部分を咎めて叱咤するのです。
冷たいビールが欲しいというのを、「要冷的[口卑]酒」と言えば、横から大き
な声で「氷的[口卑]酒!」と言い直すのです。

当時のわたしは「冷」が「熱」に対比したものであることを知らずに、直訳し
たので、「冷やした」ものなら、彼の中国語の方が正しいのです。
しかし彼のやり方は、部下を教育するというより、部下の欠点をあげつらって
恥をかかせて楽しんでいるものでした。

こんな事もありました。
スープは大きなお椀で出てくるのですが、それを皆のお椀に分けるよう指示さ
れました。
いつか嫌気がさして、知らん顔をしていたことがあったのですが、なんと彼は
わたしの足を蹴って催促したのです。


当時外国人駐在員は、新僑飯店というホテルに集められていたのですが、会議
か何かの理由で、わたしが凍死しそうになった前門飯店へ移され、その後そこ
も追い出されて、われわれと同じ友誼賓館に移って来ました。

日本人駐在員同士が集まって、食卓を囲んでいました。
当社の駐在員もそのテーブルにいました。
わたしはその食卓に醤油があるのを見て、貸してもらおうと何気なく手を延ば
した時です、他社の駐在員から「だめだ」とクレームを付けられました。

数ヶ月、下手をすると1年以上も帰国出来ない彼らからすると、醤油は大変に
貴重なものだったのでしょう。
しかし、彼の心が荒んでなければ、醤油の数滴くらい、何ほどの事でもなかっ
たはずです。

当社のモスクワ事務所では、キュウリ1本で駐在員同士が喧嘩をしたという噂
もありました。
食べ物の恨みは底深いようですが、それ以上に生活環境がいかに人間性を劣化
させるかの好い見本を、当時の中国やソ連では常時陳列されていました。

商務商談は進んでいましたが、対抗する外国社が数社あるようで、最終結論が
いつでるか予断を許さない状況でした。
わたしの帰国予定は、まだ決まりません。

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2−道で出会った仏と閻魔

食卓で上司に虐められている小生を見ては、いつも取りなしてくれる人がいま
した。大メーカーの工場長でしたが、人間が出来ていました。
名前が中国の革命聖地と同じ発音で、中国側にも受けのいい人でした。
こういう人の下で働ければ幸せだと感じました。

しかし中国語科を出て商社以外に就職するのは、非常に難しい時代でした。
いまはあらゆる業界で、中国語を必要としています。
羨ましいと思う反面、入学する時の倍率も上がっているので、昔でよかったの
かなとも思っています。

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3−重慶短信

蛙を食べたことがありますか。

食用ガエルは一般的に、北アメリカ原産のウシガエルですが、
中国語でも「牛蛙」(niu2 wa1)と言います。
しかし蛙なら何でもいいだろうというのは、誰でも持つ発想です。

重慶では青蛙の密売が横行しており、先日も700キロもの青蛙を満載した軽
トラックが摘発されました。
蛙料理で一番美味しいのは、唐揚げです。
メニューには無いことが多いのですが、説明すればOKです。
是非一度試して下さい。

「油炸牛蛙」(you2 zha2 niu2 wa1)
炸は(zha4)と発音されることもあるようです。

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4−外大では教えない中国語

「喫醋」(chi1 cu4)、ヤキモチを焼く。

「喫他的醋」(chi1 ta1 de0 cu4)
といえば、彼にヤキモチを焼くということです。

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5−おまけ

初めての中国で、わたしを虐めた上司。

神様はかみさんの手を借りて、復讐をしてくれました。
彼が唐三彩の馬を土産に買って帰りました。

もちろん模造品なので、リアリティーを出すように、掘り出したまま泥のつい
た状態を表現しています。
彼が翌日会社から帰ると、唐三彩の馬がどこか変です。
泥が洗い落とされて、ぴかぴかに磨かれていたのでした。

それでは「下周一、見」(来週の月曜日にお会いしましょう)。

                           <(_ _)ちゅー>
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