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┃ 重慶熱線 (重慶で見た中国): by 重慶出稼ぎ人のちゅーさん

1−家庭崩壊への道−「外大から商社へ」5.入社試験

いよいよ就職活動が始まりました。

学生課の掲示板で中国学科を指定した求人表を見ると、殆どが商社でした。
わたしはその中で、当時中国学科の一番優秀な学生が行くといわれていたC社
への応募を申請しました。
C社は就職活動が始まるまでは、名前も聞いたことのない会社です。

大手の有名な商社からも求人が来ていたのですが、わたしはC社にしか興味が
持てなかったのです。
なぜならここは台湾と取引が無く、中華人民共和国1本に絞って取引をしてお
り、文化大革命の影響を少なからず受けていた純真なハートには、C社以外は
みな悪の商社に見えたからです。

思うに、この心情が家庭崩壊への道へ迷い込む原因になったのです。

C社の入社試験は内容豊富で、4年生で履修する予定の商業中国語まで出題さ
れました。その時はまだ「単拠=書類)ですら分からなかったのです。
それに集団面接で、人見知りをして、非常に緊張するタイプのわたしは、投げ
かけられ質問に暫く答えられす、パニック状態になりました。
なんとか答えを見つけるまで、何分かかったでしょうか。
そういう自分を、横で見ている同級生の冷ややかな視線を、今でも覚えていま
す。

応募した4人は結局みな不合格でした。

就職そのものに興味がなかったわたしは、C社を含めて、会社訪問をしたこと
がありません。
何気なく、ぼ〜んやりと求人票をながめただけです。
商社が駄目なら他にないだろうか。
ありました、下着のトップメーカーからの求人が。
思わず生唾を飲み込んだのですが、隣の友人に聞かれなかったか心配になりま
した。

本社は京都にありました。地元です。
うれしがって入社試験の話を母親にしていると、偶然にもお隣の娘さんが社員
だとわかりました。製造現場で働いているとのことでした。

さて試験当日は風邪を引きずったまま面接に望みました。
自己ピーアールをせよとのことでしたが、風邪をひいているので出来ない、と
答えました。ようするに同社をなめていたのです。
俺みたいな優秀な人間はいない、と半ば本気で思っていたものですから、困っ
たものです。

筆記試験の項目に「あなたは女性の下着に興味がありますか」というのがあっ
て、心の中の回答は「大いにある」でした。
しかし手は「いいえ」をマルしていたのです。
女性の下着に興味がある人は、変態と思われるやろ。

わたしの不合格は確定していたようなものです。
しかし1次試験くらい通るわいと高をくくっていたところ、当たり前ですが、

不合格。。

自分からみてあまり優秀でない同級生がパスしていたのは、少しショックでし
た。。
そのあと暫く積極的な就職活動はしなかったのですが、ある日学生課から呼び
出しを受けました。
「もう一度C社を受けてみないか」というのです。

4人とも不合格にしたものの、わたしには再度チャンスをあたえようという。
今でも理由は分かりません。
ひょっとすると、集団面接でパニックに陥った状態が好印象を与えたかもしれ
ません。
それは、自分が人様を面接するようになって初めて分かったことです。
調子のいい人間より、緊張気味の人間の方が好印象を与えます。
これから就職活動をする読者がおられたら、一言アドバイスします。

@相手の目を見ること

A笑顔を見せる事

B声は大きく
これに羞恥心を加えたらベストです。
わたしの場合は羞恥心だけでしたが。

返事の内容なんて、余程印象に残るもの以外、記録していません。
相手は人を見る専門家。いくら飾っても無意味です。
自分の本心を述べること。

わたしを含めて4人がC社の試験を受けました。
こちらはベテランですから今度は集団面接にもあがりません。
そしてわたし1人が合格しました。
7人の中で選ばれた者。俺はやっぱり優秀や。

これが道にしかけられた落とし穴であったと気づくまで、30年近くかかりま
した。

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2−道で出会った仏と閻魔

C社の試験担当者は人事部のOさん。

高校野球出身で、富山県から出て来た人でした。
当時は高卒の人と学卒の人を採用していたのですが、そのうち男子は全て学卒
の採用になりました。その中で、Oさんは運輸部の部長までなったのですから
実力があったのでしょう。
わたしが入社できたのには多分に野球も関係していたと思います。

商社というのは、管理部門に優秀な人間を配置するのでしょうか。出世するの
は管理部門出身が多いのです。
人事、総務、審査、経理。
営業はハイリスク、ハイリターンの、大変な仕事です。
やる気のある人が新しい事に挑戦する。失敗するとラインからはず(さ)れる。
何もしない人間は失敗もないから残っていく。

その密度が濃くなって、会社の生命力を失墜させていく。
いい会社は「失敗を恐れさせない雰囲気」があるのではないでしょうか。
そうでない会社は、いつか滅びて行くような気がします。
親会社から天下る老人が、血管を詰まらせて、子会社を死に追いやるケースも
多いでしょう。

わたしの上にはそんなクズが一杯いました。
‥‥‥‥‥‥‥‥。
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3−重慶短信

前号は飛行機の話題でした。
ソフトは当分日本には追いつきそうもないと申し上げました。
今回はいかにソフトが重要かのお話です。

成都にイトーヨーカ堂があります。中国語では伊藤洋華堂といいます。
ここの商品は、他の地場の店に比べると品質はいいと思いますが、値段設定は
高めです。
それでも客は押し掛けて来ます。平日の午前でも、大変な人出です。
どうしてだかわかりますか。

ソフトにおいて、地場店とは歴然とした差があるからです。
レジでは「歓迎光臨=いらっしゃいませ)。
支払いをすませると「歓迎再来=またお越し下さい)。
店員が頭を下げるんですよ。

これって、日本では当たり前ですね。ところが中国では異常現象。
少し高く支払っても、気持ちのいい買い物をしたい。皆そう思っています。
近くにある太平洋百貨店や王府井百貨店がこれを見習わない限り、当分伊藤洋
華堂の一人勝ちでしょう。

日本企業が中国に進出して成功する方法は、なんでしょう。
色々考えずに、とりあえず「日本と同じにする」ことだと思います。
ただし現地雇員を罵倒したり、打擲するのは御法度ですよ。
そういう企業は、海外進出の資格がないといえるでしょう。

重慶には日本系のショップがありません。
イトーヨーカ堂関係者の方がこれをご覧になっておられたら、次は是非重慶に
出店して下さい。

たまには火鍋ではなく、寿司などつまんでみたいので。

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4−外大では教えない中国語

牛と熊......これは英語の直訳です。牛は上げ相場、熊は下げ相場。
どうしてかって‥‥

牛は角を下から上へ突き上げるでしょう。
熊は手を上から下へ振りおろすからです。

当社で新人を採用しました。女性ですが、名前は熊さん。
彼女のことを日本語で「クマサン」と呼んでいます。
なぜかそれだけで、楽しい気分になって来ます。

「わたしは楚国皇帝の末裔なるぞ」

と自分で言っていますが、中国人民12億強、すべてが何々国皇帝の末裔かも
知れません。

中国では結婚しても女性の姓がかわりません。
お母さんの姓を名乗ることもあるらしいですが、普通子供はみなお父さんの姓
を名乗ります。
彼女は熊ですから、お父さんも熊です。

「あなたのお母さんはどういうの」と聞いたところ、牛だそうです。
牛と熊。作ったような話しですが、実話です。
事実は小説より奇なり。
家の中では毎日上や下へのバトルが繰り広げられているかもしれません。

それとも仲良くベッドの上で......。

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5−おまけ

酒飲みの事を、中国語でどういうでしょう。
酒鬼.....酒飲みですが、よくない酒飲みです。のんだくれですね。

それでは風格のある酒飲み、酒豪といいますか、それはどういうでしょう。
酒仙.....酒の仙人。一目おかれた酒豪です。

でも、それ以上の酒豪がいます。それはどういうでしょう。
酒聖.....酒を飲んでも聖人の風格。普通人ではマネができませんね。

このほか、酒の量をもとにした表現もあります。
海量.....海ほども酒を飲む。考えるだにおそろしいです。
無底井....底なし井戸。これも恐ろしい。

皆さんの中で、白酒を飲まれた方はおられますか。
「はぁ〜い、わたし飲みました。おひな祭りに。」
ちがいます。大間違い。

中国の白酒は、60度近い烈酒ですよ。殆ど燃料。

昔はこんなこともありました。
宴会で余った酒を部屋へ持ち帰り、魔法瓶の蓋にそそぐ。
そのころの魔法瓶は、アルミ製の、コップみたいな蓋がついており、なかの栓
はコルクです。今のものより、遙かに性能がよかった。
それはさておき、蓋に入れた白酒に火を付けます。

それでどうするか‥‥

めざしを焼くんです。するめでもいいのですが、こちらは臭いが強烈で、文句
を言われる確率が高いです。
でも部屋で火を使うのは御法度です。
いい子は決してマネしないで下さい。

※ この文章を載せたのはOJINさんです。
もし火災事故が起こっても、わたしは一切関知しません。(^○^)

それでは「下周一、見」(来週の月曜日にお会いしましょう)。

                           <(_ _)ちゅー>
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││お便りで頂きました感想。
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┏━━━━━━━━━━「Yoshieさん」

> ◆面白かった  (^○^)

これでいいでしょうか。
やり方がよくわかりませんが、とてもとてもおもしろかったです。

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