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┃ Chinese Puzzle ―世界から見た中国― :by FROMFAST007
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[Chinese Puzzle 号外 (サックス教授北京大学講演)] ――― 2001/05/27
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2001年5月26日、ハーバード大学のJeffrey Sachs 経済学教授が北京大
学経済研究中心で講演しました。
土曜日の午後7時という時間帯にもかかわらず、講堂の座席数の2倍近い学生
がやってきて熱気にあふれていました。
以下、講演の内容を簡単にまとめてお送りします。
今回は、私の考えは全く加えていません。
<ポイント>
(1)
経済発展の要因として従来の経済学であまり重要視されて来なかった要素が、
開発経済においては非常に重要であることが分かってきている。
それは、地理的要因、気候、社会慣習、発展戦略のコンセンサスなどである。
しかしこれらのなかで最も重要かつ政策によって改善できる要素は技術進歩で
ある。
(2)技術進歩には二つの段階がある。
すなわち、外国からの技術学習と自力による技術革新(Innovation)である。
ここ20年間の中国は前者において世界で最も成功を納めたが、後者ではまだ成
果が出ていない。
中国は外国からの技術学習の段階から自力による技術革新で生産性を向上すべ
き段階に到達しつつある。
従って、教育、法制度、金融、公的投資などの資源を技術開発のためにより積
極的に活用、改善すべきである。
<本文>
(1)近代経済学で重要視されてこなかった発展要因
なぜある国が経済発展していく一方で取り残される途上国があるのかという問
いは、近代経済学の重要なテーマの一つである。しかし、以下のような要素は
経済学の枠組みではあまり考えられることがなかった。
i)地理的要因
スイスやルクセンブルグなどの欧州の小国を除き、国境を全て陸地に囲まれた
国は著しく経済発展が遅れる。
その理由は、外国から投資するには輸送、通信コストが非常に高くつくため。
こうしたコストの高さは投資の誘致と技術導入に大きな悪影響を及ぼす。
こういう国は、天然資源にでも恵まれない限り、いかに正しい経済政策を行っ
ても経済発展は難しい。
中国の内陸部は、政治的なコストはないものの、沿海部からは物理的に極めて
遠いので開発が成功する保証はない。
ii)気候的要因
一般に、熱帯地域では経済発展が阻害される。
例外は、シンガポールと香港。
理由(仮説)としては、熱帯では伝染病が蔓延しているため健康状態に問題があ
ることと肥沃な土地が極めて少ないため農業生産性が低く、農村に人口の大部
分が集中し固定してしまうことが考えられる。
iii)社会習慣
例えばインドのカースト制度(の名残り)や南米諸国における白人と原住民との
対立は、産業間の人口移動や平等かつ高水準の教育を行う障害になっている。
iv)発展戦略のコンセンサス
発展戦略について、あるべき姿を明確に示して実行するためにコンセンサス形
成が重要。
中国ではトウ小平や華僑が市場経済化のあるべき姿を示す役割を果たしたが、
ロシアにはそれが欠けていたため、市場経済化の方法に関するコンセンサスが
存在しなかった。
v)技術進歩
ここまで挙げた要素のなかで最も重要。
かつ経済政策で充分効果を与えることが出来る。
(例えば地理的要因は、外国侵略でもしない限り変えることができない!)
(2)技術進歩と中国経済
技術進歩には二つの段階がある。
一つは外国の先進技術を模倣して取り入れていくこと(学習)であり、もう一
つは自ら技術革新(Innovation)を行うことである。
発展途上国は技術革新のための膨大な初期投資を行えないので、最初は外国か
ら学習する必要がある。
20世紀後半でそれに最も成功したのは中国。
その理由は、地理的要素、気候的要素、社会習慣、発展戦略のコンセンサスと
いう面で問題がなかったうえに対外開放による外国商品の輸入と海外直接投資
の積極的受入という正しい経済政策を採ったため。
しかし、今後発展途上国から更に1ランク上の経済を目指すためには、自力の
技術革新が欠かせない。
先進国の技術を模倣するだけでは先進国との格差を縮めることは出来ない。
ここで、技術革新の程度を示す1つの指標として、アメリカで2000年度に
取得した特許の数を国別に挙げると、
アメリカ:約 85,000件
日本 :約 31,000件
韓国 :約 3,300件
中国 : 119件
となり、中国の課題が浮き彫りになる。
技術革新は、科学研究が基礎になるがそれだけでは不十分で、その成果をビジ
ネスに生かすための仕組みが欠かせない。
そのためには、産学協同の研究や研究開発への大胆な政府投資は当然ながら、
ベンチャーキャピタルを初めとする民間セクターの活用や、知的財産権の法的
保護などのインフラも必要になる。
中国では既に世界水準の科学研究が行われており、その成果をビジネスに生か
すための基盤整備が非常に重要である。
例えばアメリカではGDPの2.6%、日本では2.8%が研究開発費に投入さ
れているが、中国では0.6%に過ぎない。
この課題に意識的に取り組めば、中国経済は今後も順調に発展していく。
参考資料:Prof. Sachsのホームページa>
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