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┃ 南京生活 ― ある日のニュース ― ―――― by YUKAさん
┃ YUKAさんのホームページ「南京生活」
▼▽ 黒月餅 ▽▼
2001年10月1日は旧暦の8月15日です。
国慶節と中秋節、中国の大きな行事が2つ重なり
まさに“団園”(団欒)にふさわしい日になりそうです。
中秋節に欠かせないのが“月餅”です。
日本の中華街では一年中手に入りますが、中国では中秋節に合わせて製造され
販売されます。
ーーよって中秋節に月餅を食べないと来年まで食べ損ねてしまいます。
南京の街では9月に入った頃から街の百貨店や商店、スーパー等では特設コー
ナーを設け、中国国内各地の有名な月餅が並べられました。
安価なばら売りの1元程の物から、箱入りは40元くらいから。
中国の月餅市場は、年々豪華になっています。
年々奇麗になる包装は市民の気を引きますが、包装が良くなっていくに連れて
値段は勿論上昇します。
更にお酒や煙草、高麗人参等が添えられたセットも多く出て、まるでどっちが
主役かわからない状態です。
私が今年見た一番高い月餅セットは2988元でした。銀で作られた小さな入
れ物に月餅が一つ一つ入っています。これらはほとんどが贈答用です。
ーーこの時期に南京市民を驚かせるニュースが放送されました。
南京でも老舗で有名な冠生園というメーカーが、なんと去年売れ残った月餅の
餡を今年の月餅に使用しているというのです。ニュースレポーターが冠生園の
工場で盗撮した映像が9月4日のニュース番組で放送されました。
この放送は南京市民に大きなショックを与えました。
冠生園のような大きな会社でさえこのような“黒月餅”を売るとは、、、
いったいどの月餅を買ったらいいのか?それとも買わない方がいいのか??
このニュースの翌日、街の百貨店や商店、スーパーから冠生園の月餅が一斉に
姿を消しました。
すでに売り出された冠生園の“黒月餅”は回収され料金は返還されます。
後日冠生園の社長は一方の手に今年生産の月餅、もう一方の手に商品合格証を
持って必死にアピールしていましたが、一度失った信用はそう簡単に戻るわけ
はありません。目先の利益に心奪われ、老舗のブランドが地に落ちました。
黒月餅”の報道後、街の市場ではその場で焼き立てを売る“現場作成月餅”が
市民の反響を呼びました。販売員は“今年作った餡”をアピールしながら試食
品を配っています。ーー売れ行きは好調のようです。
この“黒月餅”事件に関わらず、月餅市場は年々衰退傾向にあります。
包装華美に伴う価格上昇は贈呈用に購入しても自宅用に買う人は多くありませ
ん。 家族に送るには、高い月餅よりも新鮮な果物や栄養剤等を選ぶ人が増え
つつあります。
月の満ちる頃月餅を食べるのは、中国に古くからある習慣です。月に似せ丸い
形をした月餅は家族の団欒を意味します。しかし、現在月餅は“一年に一度の
格好な商売商品”化され本来の家族団欒の意味を失ってしまいました。
中国の歴史から月餅がなくならない為には、本来の意味を取り戻す必要がある
と思います。
= この稿おわり =
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