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硬派的題目 ――――――――― by 老玩童 OJIN

☆ 中国経済崩壊の足音! ――――――――――――― 2008/01/04
世の中にはスゴイ奴がいるもので、永年旧ソ連=現在のロシアに住んでいて、
ロシアからの視点で世界を眺め、時代予測をピタリピタリと当てている人がい
ます。
この前の号のあとがきでも書きましたけれど、「ロシア政治経済ジャーナル」
の北野幸伯[よしのり]氏。―→ http://blog.mag2.com/m/log/0000012950/

彼のメルマガを愛読していていつも感じることは、「このヤロー、どういう立
脚点に拠ればこういう結論になるのかな〜〜」と、感嘆させられるところでご
ざいます――――。

でも、そんなスゴイ奴でも、やっぱり疎漏はあるもので、こと中国情報に関し
てならば「???」と感じさせられるところが時々ありました。んで、メール
を書きました。

ーーー如下。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

北野先生は、アメリカ一極支配体制が終焉を迎え、アメリカ・ロシア・EU・
中国による四極体制時代が来ると予告されておられます――――。

基本的にはそうなるであろうと同感できるのですが、一点だけ、そりゃ違って
るぜい!と感じるのは、多極の中の一極に中国が座を占める、という点です。

この中国が、世界新多極体制の一極??

大所高所からの高説は措いときまして、市井下世話な長屋のご隠居と八っつあ
ん熊さん的視点からの見方になりますけれど、まずは以下のこの記事をご覧く
ださい。

┌──────────「大紀元日本の記事」

中国で、かつて最も好景気で活況を呈していた広東省南部の珠江デルタ地区が
深刻な不況に見舞われている。

ここ数年、人手不足、電力不足、石油恐慌、また土地、労働力、エネルギー源
価格が大幅に上昇、更に人民元の上昇と外国貿易保護の煽りを受け、1000
を超す工場が倒産した。「世界の工場」といわれる同地区から、多くの企業が
転出している。

中央電視台の番組「経済半小時」で放送されたこの件についての調査で、珠江
デルタ地区では、当地の加工製造業の生き残りはますます難しくなってきてい
ることが明らかになった。

アジア靴業協会秘書長・李鵬氏の話では、広東省の靴工場総数は約5000〜
6000で、閉鎖した大中規模の工場は1000以上。例えば惠東のように、
靴工場が3000ほどの地域では、2、3ヶ月の内に中小規模の工場が400
〜500も閉鎖しているそうだ。

報道では、珠江デルタ地区で苦しい状況にあるのは、靴製造業だけではなく、
衣服製造、玩具加工、電子加工などの労働密集型の業界でも同じ状況にあると
のこと。

これらの加工製造業が集中した地区では、各工場の入口に常に人員募集の広告
が貼られている。2002年東莞の最低賃金は450元、5年経った現在では
690元だが、実際の賃金は約1000〜1500元とまちまちだ。しかし、
たとえ賃金を上げたとしても企業の人員募集は困難なようである。

安い労働力を同地区で獲得するのは容易ではない上、人手不足以外にも原材料
の価格上昇、水、電気費用、賃貸料などの負担もかかっている。

ある作業衣を着た責任者に聞いたところ、銅製ボタンの材料である銅は200
4年初め1トン2万元強だったのが、現在6万元強と3倍以上に上昇。しかし
コスト上昇はしているが、製品価格を同じ率で上げられるわけではないとの話
だった。

企業の移転先は、北上して内陸の省、南下して東南アジアの国などであり、同
協会の統計によれば、広東省の靴製造業の25%前後はベトナム、インド、ビ
ルマなどに移り、50%前後が国内の湖南、江西、広西、河南省といった内陸
省に移っている。残り25%前後の企業は現在様子をみているという状況。

内陸に移転した広東省の企業についていえば、同じように当地の産業設備も不
完全で、物流コストの増加などの問題が出ており、多くの靴製造業者はどこへ
行っても集燥感があるようだ。

報道では、珠江デルタ危機は、中国製造業の現状を映し出しており、低コスト
で低利益、自社ブランドと技術のない企業には核心となる競争力がなく、一旦
コスト高になれば単なる生産危機に直面するだけでなく、生き残りも危うくな
ると伝えている。

└──────────

ご当地江蘇省南通の貿易会社や製造会社にしても、広東省の状況の一歩手前ぐ
らいの状態で、既にベトナムやミャンマーへ転出を済ませた工場もあります。

何故転出するのかといいますと、もちろん人件費コスト問題が最大の要因では
ありますが、もうひとつ見逃すことのできない要因は「メイドインチャイナ」
から逃れること。

ベトナムで生産すれば「メイドインベトナム」、インドで生産すれば「メイド
インインド」。いまや世界中に広まっている嫌中・倦中感の対象たる「メイド
インチャイナ」ではなくなることができます。当然輸出先の国での売れ行きに
も明らかな違いが期待できます。

加えて、在中国で生産する場合、別の重い課題が目前に迫ってきています。

中国の労働法が改正されて、08年から施工されます。

この新労働法では、労働者の権利が大幅に強化されます。

今までは、雇用契約を結んでいる労働者は別として、そうではない臨時工は、
いつでも解雇することができましたし、雇用保険に加入させなくてもなんとか
なりました。=中国の賃金は安いですから、相対的に雇用保険料はかなり大き
な比重になります。

いままでは、雇用契約を結ばない臨時工ということで、雇用保険料も払わず、
ちょっと注文が減ったらいつでもクビを切って経費の調整をすることが可能で
した。ところが、

改正労働法では、臨時工であっても1年以上の就業歴のある者は、雇用契約の
ある者と同等とみなされるようになり、簡単に解雇もできない、雇用保険にも
必ず加入させて保険料を負担しなければならない。

この雇用保険料がどのぐらいの割合なのかご存知でしょうか?

手取り賃金を100とすれば「70」!!

企業にとっては、いままで1000元支払って、しかも受注状況次第でいつで
もクビを切って経費調整できていたものが、必ず1700元を支出しなければ
ならなくなり、しかもちょっとやそっとのことではクビ切りができなくなる。

ーーー即ち人件費コストは確実に70%アップすることになります。

まあ、「上有政策下有対策」で多少の対策は可能ですが、しかし所詮は焼け石
に水。
そして、大紀元日本の記事では、海外からの受注が減った原因をコストアップ
の側面からだけ論じておりますが、海外需要減少原因はそれだけではないので
す。

ーーー中国産品に対する信用力の喪失。

ペットフードだ薬だオモチャだ歯磨き粉だ食材だ・・・もう何であっても中国
産なら不良品でも危険品でも不思議ではない、そう世界中の人々に認識される
ようになって、商品を裏返してみてそこに「メイドインチャイナ」の文字があ
れば、それは買わずに別の「メイドイン***」を探す――――。

今までは「わたしは悪くない」「わたしも被害者だ」「この次には必ず」----

ーーー仏の顔も三度、という言葉があります。あなたは確かに被害者なのかも
しれません。けれど、知りませんでした、で許してもらえるんだったら警察は
いらないということで、

日本にも「日本の常識世界の非常識」がたくさんあるように、中国にも「中国
の常識世界の非常識」が山ほどあります。言い訳や言い逃れ、屁理屈コジツケ
でなんとかなる商売って、世界中で認めてくれるのは?ーーー中国国内だけ。

そして、

「メイドインチャイナ」では売れないから「メイドインチャイナ」のつくとこ
ろには誰も注文しなくなる――――。

ーーーその結果が外国からの受注激減ーーー

ここ江蘇省南通でも、今まで海外からの受注によってウハウハを享受してきた
たいていの企業は、今やアップアップ、犬掻きでかろうじて浮かんでいるよう
な状態です。

けれど、だからといって中国の税法では、「赤字でも黒字でも」企業は税金を
納めなければなりません。――――まさに踏んだり蹴ったり殴ったり――――

だから東南アジアなどに移転して「メイドインチャイナ」を別の「メイドイン
***」に替え、中国の労働法と税法の頚木からも逃れ、併せてコストダウン
を実現して競争力をつけて、、、。

そんな流れからでしょうが、ベトナムで新しく作られる工業団地は、既に開所
前から満員売切れの盛況だそうです。

今はまだ先見性のある連中だけがそんな動きをはじめている程度ですけれど、
新労働法が厳格に執行され始めたら、どうしようかと迷っているノンビリして
いた連中も、尻に火がついて動かざるをえなくなるでしょう。

さらには、ヒタヒタと確実に迫ってきている人民元の切り上げ。

日本が1$360円から、あれよあれよという間に120円にまでなったとき
の骨身を削ぐような経営努力の時代をご記憶されておられるでしょうか?----
中国は当時の日本ほどの力はありませんから、3倍になるなんてことは、まあ
ないでしょうけれども、

それでも、それは確実にやってきます。

中国人は機をみるに敏です。そして、金魚のウンコ的にみんなが流れる方向に
ドドーッと一斉に流れる性癖を強く持っています。さらに、他人≒国家も)の
迷惑になど一切頓着しません。

そして、さらに大所高所から申すならば官僚の腐敗。

日本が、リーダーに誰がなっても曲がりなりにでも進んでいけるのは、官僚が
確りしていて機能しているから、ではないでしょうか。ロシアにしてもKGB
の組織が崩れなかったので迅速に現在の状況を現出できたのではないでしょう
か。

しからば中国は?

ご存知のようにいまだに共産党独裁。共産党政権が続いているのは、もし共産
党という団体がなければ、国を維持できずバラバラに分裂してしまうことと、

共産党員といっても、そのほとんどは「思想」とはなんの関係もありません。
┌--------
「あなたは○○党員ですけれど、あなたにとっての○○党というのは、どんな
位置付けになるんですか?」

十数年前....ある親しくしていた国営工場幹部に尋ねたことがありました。

内面はともかく表面的には....お前さん、看板に偽りありじゃないのかい?
まあ、腐敗幹部とまではいいませんが、清廉潔白..とは言い難い彼の答えは、

「まあ、、、、その、、、、まあ、、、、
まあ何と言えばいいか、、、1種の宗教のようなもの、、、ですかね、、、」

文化大革命期に少年時代を過ごした彼の..たぶん正直な心情の吐露..。

数年後、貪汚罪(=汚職罪)で逮捕されたという噂を仄聞しました....。
:
ーーー真冬の日、暖房など何もない工場の1室で、唯一温かい茶杯でこごえる
手を温めながら語っていた....壮年も後半にかかろうかという頃の彼の姿を、
思い出しますーーー。
└--------

貧しさを克服して向上したい!これは人間誰しもが持っている欲求です。しか
しそれが庶民ならばともかく、権力を握る立場にある共産党幹部=官僚)が、
立場を利用してその欲求を実現したのでは、、、澱んだ水は腐ります、、、。

けれど、現在がそうでも、しかし次に続く世代には期待できるんじゃないか?

一人っ子政策の後果がどんな人間を育てたのか、さすが賢明なる北野先生にし
ても想像できないと思います。日本は一人っ子政策は布いていませんけれど、
実際的には子供をつくらない、実質的には少子化一人っ子時代になって、現在
どうなっているかを眺めて頂ければ一目瞭然かと思います。

それでも、衰えたりとはいえ日本には、大和魂というか日本魂の残滓がありま
すが、オレがワレがが強烈な中国ではさて、如何なものでございましょうか。

先日配信されたJMM(Japan Mail Media)では、北京在住のフリーランスライ
ターふるまいよしこ氏が、「穏やかな春へ」と題する記事の中で、
┌--------
ただ、一部でも指摘されているが、福田氏は「燃え盛るような夏入りするより
も穏やかな春が長く続けばよい」とも語ったそうで、その思いを汲んでか否か
安倍訪中の時のような強烈な反響や期待感も、その後中国側には出現していな
い。

悪くいえば、ぬらりくらりと春を待つ、そんな状態、あるいは福田氏的にいえ
ば「穏やかな」状態だ。そこから見えるのは、中国側にとっても今回の訪中は
歓迎できるものだったということだ。

この「歓迎」とは、どこかのメディアがいうような「国交回復に匹敵する」な
どという「大歓迎」「熱烈歓迎」の大喜びではなく、「好ましい」とでもいっ
たような現実的なものという意味だ。これまで数年間の大波小波の繰り返しか
らすれば、それは至極もっとも当然なことなのだが、中国にとってはそれ以上
の意味があるようだ。

冒頭でも述べたように中国には、今年オリンピックが控えている。実は「大喜
び」が出現しなかったのは福田訪中に対してだけではなく、オリンピック年を
迎えた中国の、政府系メディアでもそうだった。

胡錦濤主席の新年のあいさつでも、最後の最後に一言「我々は最大の情熱と最
大の努力で、今回のオリンピックとパラリンピックを、中国と世界各国の人々
の相互理解、友好的な協力を促進する盛会としていきます」と触れただけだっ
た。
それは、喜怒哀楽を激しく「国の方向性」と結び付けてきたこれまでの中国政
府の高揚したスタイルとは大きく違う。――――これまでなら、

どの新聞も元旦の一面に「オリンピック」と数段ぶち抜きで刷っても不思議で
はないほどの熱気でオリンピックが語られてきているのに、胡氏に代表される
中央政府系ばかりではなく、多くのメディアでも、新年の最初の一歩をオリン
ピックと結びつけることをわざわざ避けている。

政府は間違いなく、オリンピックに向けて加熱する社会情勢を危惧している。
そのために、お祝い騒ぎのトーンを抑えているのだ。
└--------

と書かれていますが、この雰囲気の意味するところはなんなのか。

ドドッと一斉に一方向に疾って過激に熱狂加熱する国民性、既に超加熱バブル
の真っ只中にある中国経済を、なんとかしてソフトランディングさせるように
もっていきたい、ーーーそういう思惑が窺い見えると感じるのはわたしだけで
はないでしょう。

最後に、

この国の人々は散砂の民です。

中国人は一人一人は竜だけれど、まとまると豚になる。
日本人は一人一人は豚だけれど、まとまると竜になる。

これは紛れもない真実です――――。

ひとりひとりの中国人は本当にスゴイ!と感じさせられる人物が少なくありま
せんが、しかしまとまることができません。3人寄れば文殊の知恵どころか、
オレが!ワレが!

日本で組織に馴染んでいるように見える中国人でも、ただ擬態を装っているだ
けです。----けれど華僑の、在日2、3世代を経た人々は本当に日本人と同じ
に変わっています。

まとまって竜になれない散砂の民の国民が何億人居ろうと、それはただの豚の
集団でしかありません。――――私が何年も前から、中国が日本を越える?!
:
2、3世代後でならば‥‥‥かもしれない‥‥‥しかしそれでもたぶん‥‥‥
と、言い続けてきたのはそういう意味からでございます。

一旦崩れだしたらこの国は・・・ロシアは中ロ国境に万遍なく大部隊を張り付
けて波及を防がなければならない、そんな状態になるような予感がして仕方が
ありません――――。

現在、中国に住み暮らしている身としては、そうならないことを、切に、切に
願ってはいるのですけれども・・・・

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
 企画連携:「ロシア政治経済ジャーナル」
 http://blog.mag2.com/m/log/0000012950/

                           = おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
この記事は、メールマガジン「頂門の一針」2008年1月6日発行第1049号に掲載して頂きました。 「NHKらしくない蝮のNHK政治記者」として日本の高度経済成長期を見つめ、その後は外務大臣と厚生大臣の秘書官として 国際化時代を体験してきた渡部亮次郎氏が日刊で発行している無料の情報マガジンです。購読される場合はここをクリックして下さい。(←新しいウインドウで開きます)
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