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硬派的題目 ―――――――――――――― by OJIN
| ☆ これは精神洗脳ではないのか? ――――――――― 2003/10/10
他人に対して自分の意とするところを正確に伝えるというのはなかなか難しい
ものです。会話であれば、言い方や目つき物腰も含めて判断されますし、文章
で伝えようとすれば言葉遣いや文字使い、文章全体の構成なども判断材料の中
に含まれます。
いくら立派な事柄を述べていても、誤字や脱字が多かったり、言葉遣いが稚拙
であったりすると、書かれている内容の信憑性まで疑問に感じてしまうもので
す。また読みにくい文章構成であれば途中で投げ出されてしまいかねません。
それが映画やドラマなどの場合であれば、内容や筋立て役者の巧拙は言うに及
ばず、その内容に即した確りした考証が為されていなければ、同じく内容の信
憑性にまで疑問を感じてしまうことになります。
もしもそれが公共放送であった場合には、結果として多くの視聴者に、誤った
イメージや情報を垂れ流すことになり、社会に害毒を広めていると誹られても
仕方のないことだと思います。
ただ、では視聴者側にその事柄についての知識が無かった場合はどうなるか。
視聴者は誤った内容を見させられても、そんなものかと受け止めて記憶の中へ
と沈めていく。
そんなことが何年も何年も続いたらどうなるでしょうか?
そしてそこに何らかの意図が持ち込まれているとしたら?
ーー立派に精神(志操)洗脳を完成させることができます。
意識的な意図を含ませているのか、知らずやったことなのかは分かりませんが
そんな危険を多分に含んでいるひとつの事例を見かけましたので、みなさんに
お届けしてご意見を伺ってみようと考えました。賛否いずれであっても、感じ
たままの忌憚のないご意見を頂けますと幸甚でございます。
メルマガ「軍事情報別冊・ひらやんのブツクサ独り言(8)」2003年10月08日号
より転載させて頂きました。
┏━━━━━━━━━━「転載記事ここから」
【番外編】〜さとうきび畑の歌〜
去る9月29日にTBS系列で放映されたドラマ「さとうきび畑の歌」は、皆
さんご覧になられましたか?
たしかに、"ひめゆり"とか"鉄血勤皇隊"のエピソードは悲惨だと思います。
しかし、ドラマに登場する日本軍は、なぜか極悪人ばかり。洞窟から民間人を
追い出したり、民間人の治療をないがしろにする軍医がいるかと思えば、捕虜
を殺せと命じた上官に逆らった兵士(明石家さんま)をその場で射殺した士官が
いたり。
挙句には、仲間由紀江が憲兵に逮捕されたりと、よくもまあこれだけデタラメ
な筋書きを考えるものだと怒りを通り越して可笑しくさえありました。
上官の命令に従わない行為が抗命罪か否かを決定するのは軍法会議であって、
命令に背かれた士官本人ではないのです。したがって勝手に抗命罪と決め付け
自分の判断で部下の兵士を射殺した士官こそが軍法会議にかけられるべきなの
です。(判決はおそらく銃殺でしょう)
また、以前にも機会を与えられて書きましたが、憲兵には民間人に対する逮捕
権はおろか、捜査権さえありませんでした。占領地域で警察が置かれていない
場合には、治安維持のために憲兵が警察業務を兼務することがありました。
しかし、あのドラマの舞台は沖縄です。沖縄は日本軍の占領地域でしょうか?
ドラマのモチーフになった元歌の内容が内容だけに、制作サイドの意図は始め
から見えていました。それにしてもあそこまで酷いとは全くの予想外でした。
誤解を恐れずに申し上げるなら、私は反戦歌・反戦運動の類は大嫌いです。
ーーこう書くと好戦的な奴と思われそうですが、そうではありません。
"反戦"を標榜する行為または活動の類[たぐい]は、たとえその目的が別のとこ
ろにあっても、表立って批判しにくいのです。いわゆる活動家と呼ばれる輩た
ちもそのことはよく知っていて、さながら"反戦"というキーワードを、何かの
免罪符のように扱っていることが許せないのです。
┗━━━━━━━━━━「転載記事ここまで」
ドタバタコメディーやピンクドラマならば受け取るほうもそれなりの心構えで
臨みますからまあ、目くじらを立てるほうが不自然ですが、やはりこうしたド
ラマの場合であれば、転載文中で筆者が
「元歌の内容が内容なだけに、制作サイドの意図は始めから見えていました」
と書かれているように、たくさんの人々も同じような気持ちで観賞されたであ
ろうとは思います。しかしまた、より多くの人々はそんな意識のカケラも持た
ずに見たであろうと思います。
また、例え制作サイドの意図なるものを意識した人でも、"抗命罪"や"憲兵"の
捜査権、逮捕権までの知識のある視聴者は何%あったでしょうか。
おそらく、限りなくゼロに近い比率ではなかろうかと思われます。
さらには、
ことさらに暴虐日本軍という描きかたが為されていたようですが、これはどこ
の国が作ったドラマなんじゃ〜!!・・・・という論は措いときまして、(^^;
OJIN は、(現在の自衛隊もそうですが)大日本帝国時代の陸海軍は、世界でも
トップクラスの、統制のとれた節度ある軍であったと認識しています。
今次の大戦においては武運つたなくも敗れてしまった為、心ある元軍人の多く
が心を閉ざし口を閉ざして何も語らず、シベリア抑留で洗脳された扇動者や、
勝者に媚び迎合する知識人などが声高広範に流布させた捏造されたイメージが
蔓延していますが、
自分の父親から聞いたり、当地(中国江蘇省)や中国各地で、当時まだ生まれて
いなかった若者は別として、普通の庶民と話し合ってきた中から得られた感触
です。
何百万の軍人がいた訳ですから、勿論全てとはいえないと思いますが、自分の
父や祖父が、いかに戦地に在ったからとはいえ、謂われるような無道暴虐を為
してきたと思えますか?あなたは観客でもなければ第三者でもありません。
あなたのお父さんやお爺さんが、その(暴虐?)皇軍のなかに存在していたので
す。いかに時代が違うとはいえ、"キュウリの蔓にナスビが生った"わけではあ
りません。自分の性格を考えてみれば、自ずと真実は見えてくるはずです。
ーーマスコミ関係の方々には猛省をお願いいたしたく希望します。
皆様のご意見をお待ちいたしております。
―――― ▼ 転載元。
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┃●┃ お便りで頂きました感想。
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┌──────────「м.мさん」
こんにちは。
いつも楽しく読ませていただいております。
今は、戦後、繊維関係で中国貿易をされた方の体験記を拝見しております。
このような苦労をされた方の積み重ねで、今日の盛大な中国貿易があるのだと
思います。もっとも、私にとりましては生業がだんだん中国に浸食されている
という悲しい立場に立っているのですが(笑)
まぁ、かつて日本とアメリカの関係が立場を変えて今日の姿があるのかなとも
思います。
今週の記事の中に憲兵の職分のことが出ておりました。その通りであればよい
のですが、「ホントかいな?」という思いが先に立ちます。
中国で子供の頃見た憲兵の姿。民間人、中国人、特に中国人には威張り散らし
ておりました。記憶違いかとも思い父にも尋ねましたが、横暴さ加減は目に余
った、と今でも怒っております。
一般兵隊に対しては「兵隊さん」と、とても頼もしく、優しく、中国の子供達
(=私の友達)にも分け隔てなかったように記憶します。
そうでないと、こんな感情は残っていないでしょう。
メルマガが配信されるのを楽しみにしております。今後とも頑張って下さい。
└──────────
┌──────────「TAKAさん」
お世話になっております。 TAKAです。
「これは精神洗脳ではないのか?」とってもよかったです。
「〜さとうきび畑の歌〜」の話もありましたが、
数年前には、妹尾河童氏の「少年H」がベストセラーになり、
TVドラマ化されましたよね。
古くは、毎日新聞(東京日日新聞)浅海一男記者の「100人斬りの記事」
とか、朝日新聞の本多勝一氏による「中国の旅」とか、数えれあげれば枚挙
にいとまがない・・・
OJIN さん・ひらやんさんのおっしゃる通りで、さきの戦争に関して日本人は
「同じ感想を持つ」ように「洗脳」されてますよね。一部の力のある人間達が
「被害者」という「絶対神」の旗印の下に「共感」を押し付け、「自分の社会
正義」に酔いしれ、狂気の沙汰に走っている・・・。
そして、そういう事実に関心を示さない人、元から何も知らない人がドンドン
増えていって、更に被害を拡大している・・・。
そうなんですよね。
「我々は観客でもなければ、第三者でもない」
まさにその通りなんですよね・・・。
こんなことばっかりやってるから「世代間の断絶」が起こって、若者が真実を
知るチャンスが益々減っているような気がします。
└──────────
┌──────────「爺さん」
教育というのは今更ながら恐ろしくもあり重要なものですね。
外から見ている北朝鮮の軍隊行進や国民の対金将軍、イラク戦争以前のイラク
民衆の対フセイン。ーー60年以前の、軍国教育を受けた我々自身を見ている
ようです。
戦後その反動で、日本が、軍隊が、すべてあるまじき行為をしたと思い込まさ
れた人が大勢いる。ーーそこに、かっての非占領地区の人々が被害を訴える。
「今日本は金持ちだ」と訴える人も日本国民も思っている。チャンス!!
シベリア抑留のことなど、日本はロシアに訴えたのでしょうか?
” 戦後 ”日本各地で占領軍から理由無き暴行や虐待を蒙った人たちの訴訟
はしているのでしょうが、私には聞こえてこない....。
└──────────
┌───────「気分は情報無限さん」男性@三十代@大阪 2003/10/16
私自身も勉強不足気味なので確かな事は言えないのですが、第二次世界大戦中
に各戦線へ展開していた日本軍の憲兵隊に関してひと言申し上げたい事があり
ます。
それは、日本軍の憲兵は補助憲兵という制度があり、この憲兵隊の人員不足を
補う為の補助憲兵が横暴であったように聞いております。
おまけに、急激な戦線の拡大に対して、各種防諜や対便衣隊作戦を実行しなけ
ればならなかった個々の憲兵が、人道的な職務執行を出来た筈もないと思いま
すが如何でしょうか?
└──────────
┌────────「よしさん温泉さん」男性@三十代@秋田 2005/04/14
はじめまして。
これは精神洗脳ではないのか? 2003/10/10 で元ネタとされていたひらやんと
いうライターの文章についてですが、はっきり言ってすべて間違っています。
まず軍法会議ですが、もともと日本軍は、憲兵を政治警察として民間に対して
使用することが多かったので、肝心の、前線における軍規維持には将校による
『処断』が非常に大きなウエートを占めていました。
特に沖縄戦では、無茶苦茶な現地動員が行われた挙句に、兵器の不足や指揮す
る将校の経験不足なども手伝って、将兵に対するリンチや『処断』が多かった
ことは史実として明らかになっています。これは、沖縄人側の証言だけではな
く、本土側の将兵からも多数の証言があります。
それから憲兵についてですが、民間人に対する捜査権・逮捕権を持っていまし
た。―――日本陸軍は、建軍の際には仏(フランス)式陸軍で出発しましたが、
後に独(ドイツ)式に切り替えます。しかし、憲兵は仏式のままだったのです。
ドイツの憲兵はいわゆる野戦憲兵で純粋に軍内の警察でした。対してフランス
は、現在でも憲兵が民間に対する捜査権を持っています。
前述しましたが、日本陸軍は憲兵を政治警察として利用したので民間では憲兵
が忌み嫌われていました。これについては戦前戦中の軍閥史を調べた事のある
者であれば普通に知っていることです。特に、東条英機が憲兵を濫用したとい
うことは非常に有名なんですが。
ーーちなみに、私の住んでいる秋田では、TBSは視聴できませんので、件の
ドラマは拝見しておりません。
なおこの問題は当該メルマガ(軍事情報)のHPに当時あった掲示板でも槍玉に
挙げられましたが、その掲示板が無くなりましたので現在は参照出来ません。
└──────────
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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