我が人生三分の二故事
☆ 我が神社に神輿を!青少年指導員活動 ―――――― 2008/11/18
                         by 老玩童 OJIN

日本で住んでいた町の神社には神輿がありませんでした。ーーーその神社に神
輿を作ろうじゃないか!という運動を提起、主導して、数年をかけて実現させ
たことがありました。

当時は、地域の公民館に所属する青少年指導員=行政から一応お小遣い程度の
報酬はありますが、まあ限りなくボランティアに近い公職(?)に就いていまし
た。----そんな感じなので、なかなかなり手がおりません。

通常はただ名前だけで、1期2年を過ごして次の人にバトンタッチしていく、
というのが普通なんですが、 OJIN の場合は、どうせやるなら一所懸命!

青少年指導員といのは、本気でやる気ならば、PTA・子供会・自治会・保護
司・地域の小中高校などと連携しながら、相当幅広い活動が可能です。

で、担当地域の青少年関連事情がある程度分かってきたところで、先ず自費で
「青少年指導員便り」というB4版サイズの定期刊行公報(?)を作り、担当地
域の全家庭に配布を始めました。

そうした活動を通じて、地域の様々な人々と知り合いになっていきました。

そんな中、子供会役員をしていたIAさんが元気のいい人で、どこかで祭りが
あると飛んでいって神輿担ぎに加わる、という祭り大好き人間でした。そんな
彼が、ある日一緒に飲みながら、「ウチの神社にも神輿が欲しいな〜」と呟き
ました。

ん?神輿?----それまで、そういう方面のことはまったく知りませんでした。

話を聞いてみると、当時住んでいた町は古い歴史があり、その「ウチの神社」
も由緒正しい歴史ある神社なのに、神輿がない、ということでした。

それじゃー我々の手で神輿を作ろーよ!

で、どうすれば作れるの?

一番の問題は「お金」、そこそこの神輿を作るとなれば、1千万円にほど近い
何百万円は当たり前に必要なんだけれど、この神社の氏子会≒ご当地自治会に
はとてもそんな余裕がない・・・・

ふ〜〜〜ん、でも、実現できなくてもこれは、地域の人たちの気持にも刺激を
与えられるし、もしも実現できれば、落ちこぼれの青少年にも活躍の場を与え
られるじゃないか....。

よし!頑張って、我々の手で神輿作りに挑戦してみようよ!

最初は「青少年指導員便り」に控えめに「我が地域の神社にも神輿があれば」
という記事を書いて、配布して、その次の自治会会合で----自治会役員のほと
んどは神社氏子会の役員を兼ねていました----青少年指導員は地区公民館所属
なので必ず出席します。

何も提案していないのに、役員の一人が、「若い者が神輿とか言い出している
ようだが、理想は結構だけれど、お金はどうするつもりなのか?青少年指導員
ともあろう者が、浮かれて妄言を撒き散らされては困る!」

しかしその頃にはもう、

「我が地域の神社にも神輿があれば」という記事を読んだ地域住民の中から、
賛同してくれる人々が名乗りを上げてくれていましたし、一番心強かったのは
この地域に住んでいた宮大工さんが、

「オレも神輿がないのが寂しくて、寄付するつもりで、実はもう神輿の本体を
勝手に作って家に置いてあるんだ。ただ、飾り(金具を買うお金)にまで手が及
ばなくて誰にも言ってなかったんだ」ーーーと連絡してこられたことでした。

早速、神輿に詳しい仲間と、宮大工さんのお宅にお邪魔して拝見しましたら、

市内の、他地区の神輿と比べても少しも遜色のない、立派な神輿本体でした。

神輿の本体の原料は木材ですが、それを加工してああいう形にするには専門の
技術が必要で、この木でできた神輿の本体だけでも、買うとなれば何百万円?

さあ、これで神輿ができたぞい!

とはなりません――――。

神輿というのは、木材の本体だけあればいいというものではなく、外側を様々
な飾り金具で装飾しなければ神輿と呼べるような神輿にはなりません・・・・

この大きさの神輿なら飾り金具はいくらぐらいになるんだろうか??

神輿期成会の代表が東京のそういう道具街へ行って調べてきたら、

・・・約300万円弱・・・

ーーーそれでも大変な金額であることが分かりましたーーー

さあ、どうするか?同志が集まって鳩首相談・・・氏子会には50万ぐらいの
余裕はあるはずだから、あと250万円弱・・・

お前いくら出せる?あんたは?、、50万円弱か〜、あと200万円ほど‥‥

結局、全区民に寄付をお願いすることになりました。ーーー集まるかな??

「青少年指導員便り」で呼びかける。PTA役員の仲間は学校で呼びかける。
普通の奥さんは隣近所に呼びかける。みんなが手分けして動きました。

しかし、思いがけない障碍がたちはだかった・・・・

「お前らが頑張ってやってることは、ここ(の地域)のためにはとてもいいこと
だ。オレはお前らが集めきれなかった分は全部寄付してやるつもりでいたが、
お前らのやり方が気に入らん。
公民館長たるオレに、いつまで経っても何の相談にもこないで勝手に進めて、
オレをコケにしてる!気に入らんから、オレはこの話には絶対反対する!」

ーーー地区で実力者の公民館長でした。

歴史のある古い地区でした――――。

オレの顔が、オレの功績が・・・そういう部分を考えずに突っ走ってきていま
した・・・・

それからは、

公民館や自治会の会合では、怒鳴り合い、灰皿が飛びかねないような激論・・

こうして2年目も空しく過ぎてゆきました――――。

このままチカラ押ししてたんではダメだ・・・・

まず「青少年指導員便り」で神輿期成の状況報告、それと進め方について反省
すべき点があった、という記事を配布しておいて、

ある日、神輿期成会の主だった者が、揃って公民館長の自宅を訪れ、長老連と
よくすり合わせしながら進めなかったことについて、全員で頭を下げました。

「物事には順序もある、みんなのカオもあるんだ。ーーーよし分かった!で、
集まったのはいくらだ? 150万か..よし、オレも言ったことは守る!足り
ない150万はオレが出す!」

いや、氏子会に50万ぐらいあるはずなので、あと100万だけで‥‥

「ばかやろー、氏子会の銭は、なにかあったときのためのものだ!手をつける
わけにはいかないんだ」

ーーーカオがたてば、竹を割ったような公民館長でした・・・・

しかし、公民館長が旗振り側に加わってくれたことによって、他の役員の間か
ら「いや、公民館長にだけ出させるわけにはいかない。俺も応分の‥」という
声が上がり、必要額はたちまち満額。

集まった寄付金を持って、代表と宮大工さんが道具街へ行き必要な飾り金具を
買ってきて、

イガミ合っている間も、神輿期成会は、神輿と同じ重さにブロックを積んだ練
習用の台を作って、神社の境内で練習を重ねていました。----神輿をキレイに
担ぐのって、そんなに簡単なことではないのです。

ーーーその年の秋祭りに、晴れて我が神社の神輿が町内を練り歩きました!

最初のその年は、実際に神輿を担いでくれる人数がギリギリで、交代要員がほ
とんどおらずヒーヒーしましたが、次の年からは、神輿で練り歩く勇壮さを見
て知った地域の青壮年が続々と参加してくれて、大盛り上がりの行事へと育っ
ていきました。

                           = つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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