☆ フィリピン進出に失敗した取引先が倒産! ―――― 2008/11/15
by 老玩童 OJIN
奄美大島と取り引きが始まる時期と相前後して、茨城県水戸市に本社を置く、
A商会という会社が、中古の中型子供用乗り物機や体感型ゲーム機をたくさん
買いたいという引き合いを入れてきました。
ともかくいらっしゃって、ご覧になられて決めていただけませんか。
間を開けず、クレーン付の10トントラックで乗り付けてきて、イッパイにし
て帰っていきました。ーーーほう、これはかなりの大業者だな。しかし、あん
なにたくさん買ってどうするのか?
その後も時々やって来て、同じように買っていきました。そして何回か取り引
きした頃、現金じゃなく手形にしてもらいたいと申し入れられました。
それまでに、茨城県下一帯のショッピングセンターにゲームコーナーを展開し
ている有力オペレーターである、ということが分かっていましたから、イチも
ニもなく承知して、しかしそれにしてもお買い上げの数が多いですけど、そん
なに新規開店が多いんですか?
いや、新規開店もそれなりにあることはあるけど、それよりウチはフィリピン
に特別のコネがあって、あの国は現在はゲームは禁止なんだけど、
特別にマニラのデパートやショッピングセンターにゲーム場開設の許可がもら
えることになっているので、ウチの店で古くなったものと、他からも中古機を
集めて、フィリピンに送り込んでるんですよ。おたくから買ったものも、半分
ぐらいはもうフィリピンへいってますよ。
ふぇーーー、そうなんですか。ではウチも支払いの面でいろいろ便宜を計らせ
ていただきますので、もっともっとお買上げいただけますよう!
ほう、そりゃありがたい、それじゃ今後は、予定機種を予めお知らせしておい
て、揃い次第、フィリピン向けのコンテナを回しますから、直接積み込んでい
ただけませんか。
OKOKと話がまとまって、それからも機械は順調に流れていきました。
支払いも、約束どおり手形や、リース物件で通るものはリース会社を通して。
そして、
マニラのどこそこデパートでオープンした!どこそこショッピングセンターも
オープンした!ーーー技術者が修理で出張中とかの状況を眺めながら、おお、
ようやくフィリピン事業が順調に動き出したな、と安心して眺めておりました
が、ーーー??社長の顔色がどうもパッとしない??
「どうしたんですか?フィリピンもようやく動き出して、これからは前途洋々
でしょう?なんか元気がないように見えますけど?」
「いやー、ようやく動き出して、売上も悪くはないんだが、フィリピンの外為
法で、上がった利益を日本に送金できないんだよ。仕方がないから出張で行く
度に、何百万かずつフトコロに入れてくるんだけど、これじゃ〜しょうがない
んだよ」
「あいや〜、ちゃんと外為法まで調べなかったんですか!?」
「いや、むこうで話をもってきた奴が、外為法は外為法だけど問題は無いって
言うもんで信用してたんだよ」
「むこうでいくら売上が上がったって、こっちに持ってこれなけりゃ決済が難
しくなるじゃないですか」
「そうなんだよな〜〜」
いくら発展途上国で何でもありとはいえ、どうにもならない部分もあるようで
した――――。いついっかオープンして、売上がいつ頃から入金されるように
なって、資金繰りはこうなる、と、企業家なら計算して事業を進めるのが当た
り前。その流れの片肺が止まったら・・・・
ーーー案の定、それから暫くして手形のジャンプ依頼を申し入れてきました。
自分の失敗の経験がありましたから、すぐ飛んでいって、全部の債務額を洗い
出し、資金繰りの見通しをたててみると、
「うーーむ、社長、今回は越えても、すぐまたこのへんでショートになります
し、ウチもそんなに余裕があるわけじゃないですから長いジャンプはのめませ
んし、フィリピンからの入金が見込めないとすると、このあたりで完全に行き
詰まります」
「今まで無理をして高利金融業者からもかなりの借入がありますし、ジャンプ
で凌ぎ切れるような状態ではないようですから、直近に迫っている手形は取敢
えずジャンプで不渡りを回避して、至急債権者に集まってもらって、皆さんで
再建策を練らないと無理ですよ。まずこの高利金融債務をなんとかしないと」
整理してみて驚いたのは、リース会社は別格として、納入業者としては筆頭の
債権額になっていたことでした――――。2番目は横浜の遊園地用乗り物メー
カーのA社。
その後、2転も3転もありましたが、それまで順風万帆、失敗を知らずに成長
を続けてきた社長には、もうひと踏ん張りの堪え性がなく、とうとう不渡りを
出して倒産させてしまいました。
ーーーその当日、飛んで行ってみれば社長は雲隠れ、、為す術もなく、同じく
飛んできていた納入業者債権額2位の横浜のA社の社長と、
「ねえ、こうなったらもう仕方ないから、他のほとんどの債権者はフィリピン
の物件には気がついていないみたいだから、あれを処分して二人で山分けしよ
うか」
「うーーん、あれはしかし、むこうの奴がこのドサクサを利用して変な動きを
してるようだから、そうとうモメた揚句、アブハチ取らずになるような気がす
るよ、やるだけ無駄だと思うけどね〜〜」
ーーー結局この数千万のコゲつきが、その後の経営に重く圧し掛かってくるの
でした・・・・
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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