☆ 日本で最後の恋人とパキスタン弥次喜多旅行 ――― 2008/11/08
by 老玩童 OJIN
1985年にセガがUFOキャッチャーという
ヌイグルミを掴み揚げるゲーム機を売り出しま
した。
現在でもゲームセンターの店頭に何台も並べれ
ている、あれの元始型でございます。
このゲームは人気があり、瞬く間に全国に普及
していきました。機械が普及すれば景品のヌイ
グルミも大量に必要となる道理。ヌイグルミ、
というか景品物全般を供給いたします、という
卸売業者が続々と誕生しました。
その中に、社長と事務員が一人という小所帯で
したが、女性の社長が切り盛りしている異色の
会社が大阪にありました。
広告を見ました〜から電話がかかってくるよう
になって、こんな中古ゲーム基板はないでしょ
うか、こんなのがありますけどいりませんか〜
そんな感じで取り引きするようになりましたが、電話で聞くこの社長の声が素
晴らしい!ーーー涼やかで甘く、多少鼻にかかったような‥‥言葉で表現する
のは難しいですが、珠をころがすような声ってこんな感じなのかな??
一度も会ったことがないのに、その声だけで、どんな人かな?と想像を膨らま
せておりました――――。
そして毎年恒例の「アミューズメントマシンショー」が東京で開かれる時期に
なり、「あなたもいらっしゃるんですか?」「勿論まいります。会場でお会い
したいですね〜」「それは願ったり叶ったり!」というヤリトリがありまして
当日、
この当時は携帯電話なんてありませんから、約束した時間にナムコのブースの
受付の前、、え〜〜と、女性..女性はと・・・お!あの人かな?
「失礼ですが、P社のAY社長ではございませんか?」
「はいそうです!ACの社長さんですか〜〜♪」
いつも電話で聞いている珠をころがすような声!‥実物はこんな人なのか〜〜
そのときは休憩処でお茶を飲みながら四方山話をしただけで分かれました。
その次の年の6月、「輸出商談がきたんですが、金額が大き過ぎるので、相手
の調査のためにパキスタンへ行ってこようと思うんですよ」と言ったところ、
「え〜〜、それならわたしも行きたい!一緒に連れてってください!」
そりゃかまわないけど、6月だからもの凄く暑いだろうし、かなりハードスケ
ジュールですよ、と言うのもかまわず、行きた〜い!イクイク!
ーーー結局同行することになりました。
その時の予定は、まず上海へ行き、福建省の福州へ行って仕事を済ませ、そこ
から北京、そしてチベットを飛び越えてパキスタンの首都イスラマバードとい
うスケジュールでした。ーーー彼女とは北京空港でおち合うことにしました。
彼女が、生まれも育ちも日本で、日本語と英語しか話せないけれど、実は在日
韓国人であるということはこのときに初めて知りました。
さてイスラマバードに着いて、ガイド君の案内でホテルに落ち着いて、先ずは
イスラマバードの商談相手の事務所を訪ね、それから街を見物。ーーーその頃
に気がつきました。ーーー道行く男がみんなジロジロシゲシゲと彼女を見る?
そうこうするうちに夕闇迫って暗くなってきて、ガイド君が、郊外の丘の上が
公園になっていて、そこに登ると向こうにラワルピンジの夜景が見えてとても
綺麗ですよ〜〜♪ ではそこへ行ってみようじゃないか!
旅行社の車で到着して、目の前が広場になっていてベンチがたくさん置かれて
いて、たくさんの人々が(全部男)涼んでいました、が、、彼女が車から降りた
途端、!?ほぼ全員が彼女を見て「オーッ!!」というどよめきを上げた!!
公園の中を散歩していても、みんなの視線が彼女に突き刺さってきます?!
「ねえねえ、みんながあなたを見てるけど、そりゃあなたはカワイイけど、で
もこんなにみんなが振り返るほどじゃないでしょ〜〜。それともパキスタンで
は、あなたみたいな感じが美女の条件なのかな?」
クビを傾げながらもその日は帰って、次の日、
またまた全ての人々の視線が彼女に突き刺さる!!
「どう考えても変ですよ。えーと、こっちの女性とあなたの違うところ・・・
ん?服装が違う!」
早速傍の衣料品店に飛び込んで、パキスタン風?アラビア風?----そんなのし
か売っていませんでした----の衣装を選ぶ。彼女が、ド派手な薄ピンクのを、
カワイ〜〜イ♪とかいって選んだので、それじゃ〜かえって目立っちゃうじゃ
ないかよ〜〜
それでも着替えて表に出てみると・・・誰も見向きもしなくなった!?!?
後で分かったことですが、ジロジロ眺められていた時の彼女の服装は、膝上ぐ
らいのスカートとノースリーブのTシャツ・・・イスラム世界パキスタンでは
女性が肌の一部を曝すということは、日本人の感覚からすればオールヌードで
いる、のと同じような意味なんだということでした――――。
ーーー同時に目を白黒させられたのは、
イスラム衣装を買い求め、当然、代金を支払わなければなりませんが、二人と
もまだパキスタンのお金に両替していませんでした。あら困った‥‥仕方がな
いので日本円を取り出して支払おうとしましたら、、これはダメです!
ダメッたって、、世界に冠たる日本円、国際通貨ですよ?
ダメなものはダメッ!
----その時はたまたま彼女が米ドルを少し持っていました。
じゃあこれは?
OK♪OK〜♪
その時は、まあ街中の一般庶民だから日本円なんか見たこともないんだろうぐ
らいでさして気にもしませんでした。が、さてホテルに戻って、ヤッパリ両替
をしとかないとなにかと不便だな。換えましょう、とフロントへ。そしたら、
「日本円は両替できません」
‥ ‥な‥な?なんでですか??ここは五つ星のホテルでしょう?ジョーダン
言わないで下さいよ〜
「両替できる通貨は米ドルとドイツマルクだけです。日本円はできません」
!!‥‥‥‥‥‥ さあたいへん!!
カードはありましたが、そんなものホテルの支払いやかなりの高級店で使える
ぐらいで、街中の交通機関でも、買物にも見物にもなんにも使えません。早い
話が、ネグラだけは大丈夫な無一文の外人二人組・・・さて、額を寄せて相談
して、、こうなったら先ず、日本大使館へ行こうーじゃないかとなりました。
行きました。門に鉄砲持った守衛(警備兵?)がいてパスポートを提示、難なく
中へ。
で、日本人の大使館員に実は斯く斯く然然で、領事館で両替、、ダメですか?
当たり前に断られて、でも、ローカルスタッフにあちこち問い合わせさせてく
れました。そしたら、
なんとか銀行のなんとか支店なら換えてくれる!(らしい)という情報を掴んで
くれました。あー、ヤッパリ異国で頼りになるのは我が同胞!
喜び勇んで教えられた銀行へ・・・ところが、
できません!‥‥情報は間違っていたようでした。
もう大使館は頼れないな‥‥どうしよう?
その時、ガイド君が(旅行社のガイドが随いてきていました)、隣の市の最高級
ホテルなら或いは・・・(旅行社の車で)行くことにしました。行きました。
できません!
万策尽きてほとほと困り抜いている時、またもガイド君が、「日本と貿易をし
ているお金持がいる!あの人ならたぶん」・・・行きました。古ぼけた、でも
ちゃんとしたビルの中の事務所・・・留守でした・・・・
目の前真っ暗、頭ク〜ラクラ〜〜、どうしよう?
どうしたと思いますか?
もう一度、前とは違う別の市の最高級ホテルへ。滑った転んだと粘りに粘って
支配人と直談判、拝みます頼みます宜しくお願いいたします、ご恩は一生・・
最後にやっと、「じゃー五万円だけなら」 やったー!無一文脱出ーーッ!
ーーーその次にマイッタのは、酒がないッ!!
パキスタンへ回る前に寄った福州の取引先のオヤジさんから、これはウマイ紹
興酒ですよ〜と言われて大きな壺2つを貰って、北京まで持っていったのです
が、北京で会った悪友が、
「そんなもの持ってったって、パキスタンは禁酒の国なんだから、空港で没収
されて棄てられるだけなんだから、勿体無いから1つ置いてきなさいよ」
と甘言に乗せられて置いてきて、でも空港では没収もされず持ち込んだのを飲
んでいましたが、いくら大きな壺でもこの呑兵衛でございます。3日目にして
呑み尽くし、その後はイライラウロウロ・・・ホテルのレストランでメニュー
にビールの文字を見つけ、喜び勇んで注文したら‥ノンアルコールビール‥‥
彼女と二人で部屋にいて、ふとテレビの上に置かれていた小さな紙片を眺める
ともなく眺めたら、!?なんか、ビールとかウィスキーとか書かれているよう
な?!ーーー全部英語でしたから、英語ペラペラの彼女に「これなんて書いて
ある?」
「えーと、ノットモスレム=非イスラム教徒の外国人は、パスポートを提示す
れば酒類の提供を受けられる‥‥」
なに!!
どうしてそういうことを早く教えてくれないんだい!!
ウィスキー・ブランディー・ワイン・ビール、、ひと通り書かれていましたの
で全部頼んだら、全部グラスで持ってきた? まあいいやとウィスキーのグラ
スをとって飲もうとしたら、!!飲めない!!ーーーウィスキーといえばたし
かにウィスキーなんでしょうけれど・・・モロクソのアルコールの臭いでとて
も口にできない!ーーーウィスキー以外も似たようなものでしたーーー
仕方ないので、まず冷蔵庫に放り込んで、しっかり冷して----そうすると多少
アルコール臭さが緩和される----先ずビールを飲んで少しだけ酔って、次に比
較的匂いのましなワインを飲み、ブランディー→ウィスキーと飲み進んでいっ
たのでした。
---いやしかし、多分パキスタン産なんでしょうが、世界一マズイ酒でした。
ーーーそして次なる訪問先はラホール。
目指す相手のところへ行きましょうとタクシーに乗ったら、ドンドンドンドン
田舎のほうへ行く。ガイド君が助手席に座り、わたし達は後部座席。お天気は
カンカン照りで外は四十数度、エアコンはかけているけど効くのは前だけで、
後ろの窓からモロ陽射しが差し込むので後部座席は温室状態・・・・
そんなんで走り続けてお昼の時間、道端のうす汚れたドライブインでお昼・・
ヘタヘタと席に着いたら、テーブルの上に氷タップリの水のジョッキ!!♪♪
やれウレシヤと手を伸ばしたらガイド君が「先生達は飲んではいけません!」
「お腹をこわします!これはわたし達用です。先生達は、ハイこれです」
目の前には、全然冷えてない温ったいミネラルウオーターのペットボトル‥‥
ーーーそんな苦労を重ねてようやく辿り着いた、最終目的地のカラチ。
彼女の友達が、カラチ領事館の書記官の奥さんで、カラチに来たら絶対寄って
ね〜と言われているということで、書記官のご自宅を訪問させて頂きました。
書記官もご在宅で、「いやいや遠路はるばるとようこそいらっしゃいました。
冷たいビールでも飲みますか?」
な、なにッ!今なんと仰いました!?冷たいビールとか聞えたような?!
「あはは、わたしたち外交官は大丈夫なんですよ。日本から送らせてます」
いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッツ!!!!
!!その冷えたビールの旨かったこと!!
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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