☆ 離島に有望なマーケットが!(1) ―――――――― 2008/11/08
by 老玩童 OJIN
中古ゲーム機の場合、需要があるからといって、新品のように増産して供給す
るということができません。中古の両替機やセガの償却廃棄品のような都合の
いいものばかりであれば儲かって笑いが止まらないのですが、何商売もそうは
うまく問屋が卸してくれません――――。
欲しいものだけではなく、いらないものも一緒に引き取らされる・・・いつの
間にかそんな売れない在庫品が倉庫の半分以上を占めている、状態になってい
ました。ーーーこれをなんとかしなければならないな。
と、悩んでいたところに、思わぬ福の神が舞い込みました。
「こちらは奄美大島からです。名瀬市のスーパーマーケットが、現在奄美には
小さな子供が遊べる施設が何もないので、店の中にそういう施設を設けたいと
希望していますが、新品では高過ぎて無理なので、中古品でいいものがあるで
しょうか?」
あるどころではございません!在庫の山を見上げて嘆息しておりましたッ!!
とは言いませんでしたが、(^^; 早速在庫品のカタログを揃えて、鹿児島経由
で奄美空港。空港には紹介者のS氏が待っていて、一緒に名瀬市郊外の目的の
スーパーへ。
社長は一代でここまでのし上がったという女性で、他にも美容院や健康食品販
売会社などを経営しているとのこと、ーーー信用力はまず大丈夫だな・・・・
カタログを見せて、ではこれとこれとこれをと、在庫の山になっていた子供用
の乗り物遊具類やお菓子などをとる景品機などなど、総額で2千数百万の機械
を選んで、----中古屋にとって1度に2千数百万の商いは大きなものです----
「ところで、お話してあったと思いますけど、支払いは現金ではなく手形とい
うことでよろしいのですよね」
「お話は伺っておりますから結構ですが、何回ぐらいの分割でしょうか?」
「ここは小さな島で商圏も小さいですし、スーパーも利の薄い商売ですから、
24回分割でお願いしたいんです」
に、24回分割!?二年払いかよ〜〜〜
10回分割ぐらいかな?と覚悟はしていましたが、まさかの24回払い・・・
----まあしかし、どうせ不良在庫同然になっていたものがほとんどだし、今更
仕入資金が必要なわけじゃない・・・このぐらい長くても、ナムコが旧債務の
返済ということでなら受けるだろうし、そうすれば毎月現金で返済している分
だけでも浮く勘定・・・・
「分かりました、それで結構です。では納品時にまた伺いますからその時に」
とんで帰ってオーバーホール。準備ができたところでコンテナに詰めて送り出
して、到着予定日に合わせて技術者と一緒に名瀬市へ。
全台稼動状態にして、約束どおりの手形を受け取って帰って、
いや〜〜〜、離島相手だといい商売ができるんだな〜。まだ1台もゲーム機が
入っていない地域があるなんて、知らんかったな〜〜〜
ーーーすっかり味をしめて、
それからは、伊豆大島・石垣島・宮古島・五島列島と、片っ端からセールスに
飛んで歩きましたが、、まあ、そうそうウマイ話が転がっているわけもなく、
ーーー徒労に終ってしまいました。
さて、そんなことをしながら数ヶ月が過ぎた頃、
「名瀬のスーパーが不渡りを出して、社長は行方が分からなくなった!」
という電話が、紹介者のS氏からかかってきました。
倒産のドサクサは遅れをとったら負け。横浜のT社の倒産や、その他にも不渡
り直後の修羅場は経験していましたから、とるものも取敢えず直ぐに飛行機に
飛び乗り、その日の薄暗くなる頃には奄美空港に到着しました。
空港で待っていたS氏と名瀬へ向かう車中で、
「一体どういうことなんですか?どうして突然に?」
「一代で急激に伸ばしてきたので金繰りは厳しかったようで、街金にも手を出
していて、そことの話がこじれたみたいで」
「で、店の状況はどうなってるんですか?」
「今日の昼間、那覇の卸問屋が来て、自分とこが納めた商品だけコンテナに詰
めて持ち去りました。もう港を出てしまってます」
どうやら機械類はまだ無事のようだと分かり一安心。しかし、街金も絡んでい
たとなると当然ヤクザ者も関係あるだろうから、こりゃ早いとこ手を打たなく
ちゃならん・・・・
店に着いてみると、商品が空になった棚がたくさんあるものの、店の責任者が
いるぐらいで静かなもの??ーーー不渡りの話が伝われば、納入業者や金貸し
などが押しかけて、手当たり次第に商品や備品を持去ろうと争うものですが、
----奄美の人たちは大人しいのか? こういうことに慣れていないのか?
ーーーどっちにしてもこちらにしてみればモッケの幸い。しかし直ぐに動かす
人手も、置いておく場所もない・・・仕方ない、効果があるかどうか・・・
「当該機器は、割賦販売契約の、債務完済まで所有権留保の条項に基き、所有
権者であるAC社の所有物である。所有者に断りなく占有を犯す場合は、刑事
問題として対処する」ーーーという張り紙を各機械に貼り付けていると、
「あの〜〜、わたしはここに事務用品を納めていた者なんですけど、売掛分の
商品を持っていってもいいでしょうか?」ーーー小さな債権者がおそるおそる
声をかけてきました。
「わたしも債権者で店の者じゃないけど、まあ問題ないでしょう。ただ、何処
の誰兵衛さんが何々を持っていくという伝票を書いて置いていかないと、後で
警察に捕まりますよ〜」
「ありがとうございます。そうします」----普通の商人は純朴でございます。
その後からも何人かの小さな納入業者が来て、同じようにしていました。
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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