☆ 新会社のスタート! ―――――――――――――― 2008/11/08
by 老玩童 OJIN
「いつまでも倒産した会社の名前のままでは、いろいろ都合も悪いでしょう。
少し良くなってきたようですから、心機一転、新しい会社をスタートさせては
どうですか」ーーーナムコの担当者から言われました。
それもそうだな〜、よし、そうするか!
その少し前から、元T社のM君の紹介で、同じく元T社の技術者のFM氏が来
てくれていたので彼も取締役にして、昭和62(1987)年4月21日、新会社の
設立登記が完了しました。
その頃、多大の利益をもたらしてくれるオイシイ話が、続けて飛び込んできま
した ♪♪
ひとつは、どういう繋がりからだったのか記憶が霞んで思い出せませんが、某
両替機メーカーの有力販売代理店から、
「パチンコ店などに両替機や玉貸機を売ると、必ず今まで使っていた古いのを
引き取らされるんだけど、ウチの製品はまさか中古で流せないから自社で壊す
んだけど、他社製品は壊す手間も面倒くさい。
おたくは技術があるんだから再生したら売れるでしょ。運び賃だけ払ってくれ
れば、他社製品を全部流すけど、どう?」
こりゃ願ったり適ったり!ウエルカム!ウエルカム!全部ください!
当時、パチンコ屋さんの両替機や玉貸機は、ほとんどが1万円札も使えるタイ
プになっていました。かたやゲーム場のほうの両替機は、都心の余程の大型店
でもない限り、千円札以下が両替できるタイプばかり。
しかし、ゲーム場の世界でも、ぼちぼち万札も5千円札も替えられる両替機が
必要だな〜というムードに変わりつつあるときでした。けれど、万券両替機の
新品となると百数十万円もしますから、おいそれと決められる代物ではありま
せん。そこで!
再生済みの中古がございますよ〜♪新品の半値ですよ〜♪
ーーー飛ぶように売れるわけでございます。
パチンコ屋が中古で出して新品を入れるぐらいだから、相当使い込まれたガタ
ガタのものじゃないのか?ーーーそうなんです、たしかに相当使い込まれて、
ドロドロに汚れ、傷んでおりました。
けれど、汚れは洗えば問題ありません。それと、両替機で一番ヘタばる部分は
どこだと思いますか?ーーー紙幣識別装置なんです。で、紙幣識別装置はその
メーカーへオーバーホールに出す。
何万円か掛かりますが売値に比べれば僅かなものですし、1年間のメーカー保
証付になります。それに、OEMとはチョット違うか?両替機のメーカーはた
くさんありましたが、紙幣識別装置自体のメーカーとなるとそれほど多くはあ
りません。両替機メーカーは、紙幣識別装置メーカーから買って自社の両替機
に取り付けるのです。
しかし、両替機は分かったけど、玉貸機なんて貰っても仕方がないんじゃない
のかい?
へへへ、
実は、両替機と玉貸機との違いというのは、基本的な構造は全く同じで、ただ
玉貸機のほうには玉貸機構が余分に付いていることと、看板が違うだけ・・・
なんでございます〜〜〜
なので、玉貸機構部分をそっくり取り外して、看板を両替機用に取り替えれば
たちまち、どこからどう見ても万券両替機のできあがり〜〜♪となるのでござ
います。おっと!ソフトの変更も必要ですが、そんなのはお茶の子さいさい♪
さて、
そしてもうひとつのオイシイ話は、
セガの営業所と親密な関係にあったことは前に書きましたけれど、以前は若い
営業マンだった連中も、年が経てばだんだん出世して各営業所の所長とか地区
部長になっておりました。
地区の営業所は、当然ゲームセンターを何ヶ所も運営していますし、その他の
細かいロケーションも数多い。そういうロケで使われた機械は、ある程度経っ
て償却年限が過ぎたものは、廃棄処分にして新規の設備に入れ替えたほうが、
税務対策上もロケの競争力強化の面からも有利。
ということで各営業所の倉庫には、伝票上は既に廃棄処分済で、しかし実際は
打ち壊し待ちの機械が山のように溜まっている・・・今はもっと厳しくなりま
したが、当時でも状況は似たようなもの・・・これはいわば粗大ゴミ、産業廃
棄物ですから、叩き壊してもその残骸をその辺に放り投げるわけにはいきませ
ん・・・・
「書類はこっちでうまく作るから、タバコ銭ぐらいくれればいいから、これを
そっちで処分してくれないかな?」
長い付き合いで気心の知れた所長から、そんな相談を持ちかけられました。
これまた渡りに船!!
セガが償却期限切れで廃棄処分にしたものでも、さすがに東京大阪のような都
会の一流ゲームセンターでは通用しませんが、地方都市の2流のゲーム場では
引く手あまたの垂涎商品!
引き取って、故障しているものは修理して、きれいに磨き上げれば、新品価格
の三分の二でも羽が生えているように売れていく!
ーーーこの2つを利益の中心として、全国的に知られる中古業者へと成長して
いくことができたのでした。
両替機ではその他にも、セガが20年ぐらい前から販売していた、100円玉
を10円玉に両替する小振りな両替機が、ゲーム機がだんだん20円30円の
プレー料金から、1プレー50円や100円に変わっていったために使われな
くなり、どこの業者の物置でもホコリをかぶっている、という状態になってい
ました。
これを何とかできないだろうか??
両替機なんていかにも御大層なもの、と思われていますが、要は、投入される
通貨の識別装置と、それに見合うだけの小額通貨の排出装置、それを制御する
部分、と、あとは箱、ーーー原理的にはこれだけのものです。
で、このセガの100円玉両替機は、20年も前の設計なので、制御する部分
がリレー式でした。それでも使って使えなくはありませんが、故障も多い。
よし、この部分はPCB=IC基板にしてしまおう。排出装置はそのままのも
のを100円玉が出るように改造して、千円紙幣識別機は新品を取り付けて、
試作したものを試してみるとすこぶる具合がいい!
よし、これを全国の業者から二束三文で買い集めて、改造して売ろう!!
2流3流の小さなゲーム場では、まだまだ千円札の両替機すら置いていない店
が山ほどありました。
物置に眠らせていたゴミが、二束三文でも売れる!全国から続々と送られてき
ました。かたや千円札5百円玉の両替機が10万円もしない低価格で買える!
ということで、原料が入って改造するそばから売れていきました。
こうして、中古のゲーム機売買業者としてだんだん知られていくようになりま
したが、両替機を中心に扱っているというイメージを持たれたようで、両替機
を扱っているということは、普通のゲーム機だけを扱っている業者よりも技術
力が高い、と認識されるというプラス効果も生んでくれました。
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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