我が人生三分の二故事
☆ 純ちゃん..朴念仁でゴメンね ―――――――――― 2008/02/10
                         by 老玩童 OJIN

基本的にこういう商売は、なにしろ寝ていても機械がガチャポンガチャポンと
お金を稼ぎ出してくれます。不人気機種を押し付けられたり、人気機種は制限
されたりで、資金繰りはそれほど楽でもありませんでしたが、ロケーション=
設置店)も一応安定していて、勝手にお金が流れ込んできていました。

決算書が残っていないのでウロ覚えですが、30才前後のこの頃の年商は30
億から40億の間ぐらいだったでしょうか・・・その頃はただのオペレーター
=賃貸専門業者)ではなくディストリビューター=大卸を兼ねた賃貸業者)で
したから、前の説明のような丸儲けみたいな内容ではありませんけれど、、。

まあ、結局は倒産させてしまったんですから、何十億やっていたなんていって
みても、何の自慢にもならないわけでございます・・・・(-ε- )

ーーーではその、倒産への道程というか、以後の展開を・・・・

前の凄艶美女和子さんの話の、もっと以前まで遡ります。

中村製作所の本社は東京都大田区矢口、国電蒲田から目蒲線で1つ目の矢口渡
駅から徒歩15分ぐらい、また、セガの本社も大田区羽田1丁目、京浜蒲田駅
から京急空港線で2つ目の大鳥居駅の傍でしたから、何れの本社を訪問しても
食事も遊ぶのも蒲田近辺でした。

会社で商談が済んだらだいたい夕方で、「じゃ〜メシにしましょ〜♪」

ナムコだと、最寄の矢口渡駅へ向かう途中の食堂で食事を済ませ、駅の直ぐ傍
にあった、ナムコの社員が主な客筋の「純」という小さなスナックで飲むのが
通常のコースでした。

そこは、純ちゃんという、当時24?25?----忘れました----とアルバイト
の女の子が一人か二人、女の子がいないときは純ちゃんのお母さんかお姉さん
が手伝ったりしている、カウンターに6、7人掛ければイッパイ、カウンター
の後ろに小さなテーブル席はありましたが、ほとんど利用されず、

純ちゃんは身長160ちょっとで大きくはありませんでしたが、均整のとれた
グラマラスな肢体と、しもぶくれのカワイイ+ちょっぴり色っぽい貌立ち、
ちょっと甘ったるい喋り方&明るい性格で人気があって、お店はかなり繁盛し
ていました。

毎週1回ぐらいの割でナムコへ行っていましたから、打上げは必ず「純」で、

蒲田で飲んだ後の遅い時間に一人で矢口まで戻って寄ったりもしていました。

女として意識はしていませんでしたが、気持よく飲める店なので気に入ってい
て、純ちゃんの誕生日と聞けば、持ち前のサービス精神(?)、いろいろな花で
イッパイにした花篭を幾つも贈って店中を花園にしてあげたりもしました。

でも、寛いで楽しく飲める飲み屋のおねーさん、という以上の気持になること
はありませんでした。

もうお馴染みさん以上、になってから、遅い時間で他のお客さんもおらず二人
きりのときなど「この間ナムコの人が、次の新製品はけっこうイケそうだって
話してたよ。あれ、たくさん注文したほうがいいみたいよ」と企業秘密(?)を
教えてくれたり、自分の身の上話をしてくれたりするようになって、

ーーーいつか、遅い時間で二人きり、

「Iさんはナムコさんと蒲田でも飲むんでしょ?好きな女がいるんでしょ〜」
「え?!いませんよ。もしいたら、こんな時間にここには来ないでしょうよ」

「あはは、それもそうだね。ねえIさん、わたしのことどう思ってる?」
「純ちゃん?そーね〜、すごくステキな、大人の匂いのするオンナだよ」

「そりゃ分かってるわよ。そうじゃなくて..わたしのこと好きか嫌いか」
「好きじゃなかったらこんな遅くに来ないでしょ。大好きですよ〜〜♪」

「‥‥なんか違う‥‥わたしをオンナとして考えたことがありますか?」
「女?あなたはすごくステキな、メスの匂いのする素晴らしい女ですよ」

「チ・ガ・ウ・のッ!‥‥ねえ、隣に座って飲んでもいい?‥‥」
「おっ!純ちゃんの匂いを間近に嗅ぎながら飲めるなんて幸せ!」

「ねえ、今度いつ来るの?・・・そのとき..外でデートしようか」
「そりゃ嬉しいね〜、どういう風の吹きまわしかな〜、今度は来週の*曜」

「じゃー**プリンスホテルのロビーで午後2時、いい?」
「OK♪OK♪」

・・・約束の日の約束の時間、指定されたホテルのロビー、純ちゃんは..店の
感じとはまったく違う、普通の娘っぽい服装と化粧で待っていました・・・・

「オッ!昼間の純ちゃんもステキなオンナッ!じゃ〜行こうか〜♪」
「‥‥どこ行くの‥‥」

「デートなんですからそりゃやっぱりボーリングするとか映画を見るとか♪」
「‥‥‥‥‥‥‥‥‥」

ボーリングをしたのか映画を見たのかは忘れましたが、夕食を食べてから店で
飲んで帰って・・・・

次の週に「純」に顔を出したら、お母さんが一人っきりでやっておりました。

「あれ?純ちゃんはどうしたんですか?」
「純は失恋して、ションボリして寝込んじゃって..お休みッ!」

「あら?純ちゃんみたいないいオンナをフルなんて、なんておバカな男なんで
しょう!?」

「‥‥‥そのバカ男は目の前にいるわい! この大バカ男!」

「えっ?わたしのこと!?」

「素人娘じゃないオンナがね〜、待ち合わせ場所をホテルのロビーにした意味
を、あんたはなんにも分かんないのかね? そんな女の心ぐらい読めないよう
なドン[鈍]じゃー、あんたの商売も長かーないよ!」

「・・・・・・・・」ーーー正にお母さんの仰るとおりでございました・・・

その次の週にまた寄ってみると、純ちゃんがお店に出ていました。
‥‥ 少しやつれたみたいだな ‥‥
「先週来たときは純ちゃんが休みで、つまんなかったよ〜」

「ごめんなさいね〜、大好きな男に肘鉄くらっちゃって、仕事する気になれな
くて寝てばっかりいたの。でも‥‥‥もうフッ切れたの..もう大丈夫‥‥‥」

フッ切れた純ちゃんが自分で笑い話で話したのか、それともお母さんが誰かに
愚痴ったのか、、この1件は間もなくナムコの社内に知れ渡るようになって、

「みんなのアイドルの心を攫って、しかもその心を踏みにじった鬼悪魔め!」

と、非難と憎悪の目に曝されたのでございました――――。(-ε- )

                           = つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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