我が人生三分の二故事
☆ スペースインベーダー登場! ―――――――――― 2008/02/01
                         by 老玩童 OJIN

その頃には、先に書きました「タイム80」ユニバーサル社ともオペレーター
契約を結んでいました。――――ユニバーサルはタイム80の製造販売で大き
く飛躍し、その後は、カジノ疑似体験ゲームセンターの拡大普及に合わせて、
メダルゲーム機の製造に注力するようになり、中堅メーカーへの道を歩んでい
ました。

そのユニバーサルが、小田原市の隣の平塚市駅前の1等地、紅谷町通りに、2
階式のゲームセンターをオープンしました。中二階は普通のゲーム機、半地下
の階はカジノ疑似体験型メダルゲーム機。

しかし、セガやタイトーのように自社の営業所網を持たないユニバーサルが、
こんな遠隔地に直営のゲームセンターを作ってどうやって管理するんだろう?

と注目しておりましたので、ユニバーサルの担当営業マンのM氏がセールスに
来社した時「平塚はどうやって管理してるんですか?問題はないんですか?」
と水を向けてみると、

「まったくウチの社長も、昔のクセが抜けなくてあんな離れた場所でも出店し
たけど、ウチはもうメーカーなんだから、あんな遠隔地の直営なんかやらない
で、地元の業者に任せておけばいいんだよな〜」

「そうですね〜わたしが逆の立場で、もしも宇都宮とか前橋とかから話があっ
たら、近くの業者の方に相応の値段で買ってもらうようにするでしょうね〜」

「普通はそうですよ。ところで、この辺であそこを買える力があるのはお宅ぐ
らいしかないんだけど、どう、考えてみる気はない?」

「わたしも見に行って知ってますけど、メダル機の高そうなのがズラーーッと
並べてありましたから、かなりの金額になるでしょう。幾らぐらいなら手離し
ますか?」

「そうね〜〜、機械はもう新品ってわけじゃないし、ある程度モトも取ってる
から、、定価の5掛けでどう?」

「といっても、それでも数千万円にはなるでしょう〜、検討させて下さいな」

後日、結局、従業員込みで引き受けることになったのですが、これが大失敗!

店長に真面目な男を送り込んで、責任を持たせてやらせましたが、成績がまる
でふるわない??ーーー他の店の平均水準から考えても、あの立地とあの機種
レベルでこんな売上は、あり得ないんじゃないか?しかし売上は上がらない。

後で判ったことですが、店長以外の従業員のほとんどが共謀して「売上をチョ
ロマカシしてポケットに入れていた!」

現金商売ですから、それまでも様々な方法で売上のチョロマカシはありました
けれど、その度に防止策を講じてきていましたが、メダルゲーム場というのは
初めてで、メダル自動販売機の売上は管理可能ですが、カウンターでメダルを
買う客の売上を、店長が留守のときにレジを打たないようにされたらアウト。

ここはその後、資金繰りの重い足枷となっていくのでした――――。

ただ、全体の業績はさらに伸張を続け、当時の中村製作所=現在のナムコ)の
年間売上が、たしか30億円ぐらいだったように記憶していますが、ウチの伸
び率からすると、あと1年ぐらいで中村製作所なんか追い越しちゃうな〜、な
どと豪語するほどの勢いをとり戻していました。

----突然ですが、ゲーム屋の売上について、注釈というか自慢話をば----

ゲームの商売って、今のコンピューターソフト屋さんもそうですが、原価がな
いんです。そりゃ人件費光熱費とかはもちろんかかりますけれど、販売する商
品自体には仕入値というものがありません。?でもゲーム機は買うんでしょ?

ゲーム機は買うんですが、あれは「償却資産」で、税法上は「減価償却費」で
処理します。お客さんが1ゲーム20円で遊んでくれる1ゲーム20円には、
例えば食堂でカツ丼を頼んだら、豚肉玉ねぎ玉子米の飯などの、化粧品屋さん
が資生堂の化粧品を売るんだったらその資生堂の化粧品の仕入値=原価があり
ます。

そういう商売の売上金額というのは、そういう原価を含めたもの、、食堂なら
カツ丼が500円なら売上は500円で、豚肉玉ねぎ玉子米の飯などの原材料
の値段を差引いたものではありません。

ですからゲーム屋の「20ン億」の売上は、普通の会社でいうならば「40ン
億」か「50ン億」ぐらいに相当するでしょうか、、、。(^^)

----以上、自慢話でございます。ご静聴、お疲れ様でございました〜(^^;----

直ぐに続けて、昭和53(1978)年の2月には、秦野市渋沢のパチンコ店「後楽
園パチンコ」店内にゲーム場を開設。そしてその頃、あのエポックメーキング
なビッグヒットゲーム機、タイトーの「スペースインベーダー」が出現したの
でした。

セガ本社販売部の営業マンU氏がやってきて、「今度タイトーが出したスペー
スインベーダーっていうのは面白いよ。あれは絶対にヒットするから大量に予
約しておいたほうがいいよ」とアドバイス(?)してくれました。

どこか近くにそれの現物が設置されていないかな‥‥‥すぐ隣の大井町の、国
道沿いのレストセンターに置かれていることが分かり、早速行ってみると、こ
の施設自体は大して繁盛している施設ではありませんでしたからその機械に客
が群がるという状態ではありませんでしたが、自分でプレーしてみると確かに
面白い。ーーーU氏の直感はアタリだなーーー

その頃、以前にちょっとした確執があって、タイトーとはオペレーター契約を
交わしていませんでした。

ナムコはピカデリーサーカスで与信枠いっぱいになってるし、どうするか‥‥

ボーリング場が続々とオープンしたボウリングブームの頃に合わせるように、
ボーリングマシンでAMFと市場を二分していたブランズウィック社が「エア
ホッケー」という、水平卓球とでもいうべきゲーム機を出してこれが大ヒット
し、そのときにブランズウィックともオペレーター契約を交わしていたので、

でもこの頃はもうボーリングブームも去って、ブームで腐るほど儲けたブラン
ズウィックはその潤沢な資金を活かして、ゲーム機業界の商社的なビジネスを
活動を行っていました。早速電話して50台の予約を入れて、

50台ともなると納期が1ヶ月ぐらいかかります。ハイ分かりました。

入荷を待つていたある日、スペースインベーダー情報を教えてくれたセガの営
業マンU氏が、「ウチでも同じ物を作ることになって、もう直ぐできるから、
ブランズウィックのほうをキャンセルしてウチのを買って!」といってきまし
た。

それまでも、例えばアタリが「ポン」を出すとセガが「ポントロン」タイトー
が「エレポン」、ブランズウィックが「エアホッケー」を出すと、タイトーが
「エアロジェットホッケー」セガが「スピードホッケー」などというように、
コピー品紛いの類似商品を出すのが常でしたから、ああまたかいなと、納入が
目前に迫っていたブランズウィックの予約注文を、ゴメンナサイと取り消して

さてしかし、「もう直ぐできるから」というそのセガの類似商品は、なかなか
出来上がってきません。ーーーこれじゃ商機に遅れをとってしまうーーーさす
がにシビレを切らして、もう一度ブランズウィックに予約を入れる。また納期
は1ヶ月。ーーーハイ分かりました。

                           = つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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