☆ 店頭屋として復活! ―――――――――――――― 2008/02/01
by 老玩童 OJIN
イケドンイケドンの頃、何かの拍子で営業マンが開拓してきた、郊外の集落の
小さな駄菓子屋に、パチンコ機に似たアレンジボールという簡単な機械が残っ
ていて、改めて眺めてみると、売上がジャブジャブあった頃はゴミみたいなも
ので、気にもしていませんでしたが、
こうなってみると、少ないながらも安定した売上を上げてくれているじゃない
か・・・そういう店が何軒かありましたからその中の1軒に試しにピンボール
を置いてみることにしました。
資金繰りに追われることもなくなり、時間はたっぷりある、、在庫で残ってい
たピンボールを丁寧にオーバーホールして、W君と二人で運んでいって設置し
て、
次の日、様子を見に行って金箱を開けてみると、!かなりの10円玉が貯まっ
ているじゃないか!
次の日から、W君が農村の集落の駄菓子屋に設置交渉に回る。在庫の中からそ
ういう店に集まる子供ったちが喜びそうな機械を整備して順番に置いて回る。
それほど大した売上にはなりませんでしたが、ともかく在庫の機械で新規投資
もせず、食べていくぐらいはなんとかなるようになりました。
そんな感じで1年ほどが過ぎて、1976年、大阪のコナミという小さなメー
カーが、新機種を作りましたので試しに使ってみて下さいと、パチンコ機ほど
の大きさの電子ルーレット状の機械を送ってきました。
その機械は、スナックやバーなどで使う目的の、いわゆる賭博機として作られ
たものでした。コインを買って投入して、予想が当るとその倍率の枚数のコイ
ンが機械から打ち出されてくる仕組みです。
これは、賭博機じゃないか・・・ウチは賭博マシンはやらないからムリだな〜
とは思いましたが、せっかくタダで試してくださいと送ってきたんだから、何
か使い途はないものか?ーーーものは試しと、ベニヤで簡単な台を作り、隅に
転がっていた、10円玉で5千円も入れば満タンになってしまうオムロンのタ
イマーボックスを改造した金箱を取り付けて、すぐ近くの集落の駄菓子屋さん
に置いてきて、
次の日の昼頃、「機械が動かなくなったから直してちょうだいよ」と電話がか
かってきました。??あんな電子式のゲーム機がそんなに簡単に故障するか?
行ってみるとたしかに動かない・・・クビをひねりながら台に取り付けた金箱
を開けてみると、、!!10円玉がイッパイで、金箱から溢れて、それが上の
コインシュート=硬貨選別器)の中まで詰まって動かなくなっていたのです。
このオムロンのボックスは、たしか5千円ぐらい入るんじゃなかったかな??
それが1日でイッパイになっちゃったの?!慌てて戻って、メーカーのコナミ
に電話して聞いてみると、この機械「ピカデリーサーカス」は、12万円だと
のこと。
それからは毎日集金に回って、しかし毎日毎日ほぼイッパイは変わりません。
こんな小さな集落で、どこからこんなに10円玉が涌いてくるんだい??
こういう駄菓子屋さんとの売上分配比率は、8:2で決めていましたから、と
いうことは、
1日5千円×30日=15万円×80%=12万円
ーーーということは1ヶ月でモトが取れて後は丸儲け!?
急いで5台を追加注文して、さすがに毎日は集金して回れませんから、鉄工所
に飛んでいって10万円ぐらい入る金箱を大至急製作してもらって、大急ぎで
組み立てて設置して回って、さらに10台を追加注文して、
そうしているうちに、またイケイケドンドンの虫がムクムクと頭をもたげてま
いりました。ーーーこんなもの、5台10台でやっていたんではカットロイ、
普通の駄菓子屋なんだから、設置店なんてそれこそ無限に近くある。トロトロ
やっていたんでは他の業者も気がついて、乱立競争になったらウマミがなくな
る、100台200台単位でいかなきゃダメだ!
しかし、100台なら1200万、200台なら2400万、、どうする??
1度は1敗地にまみれたとはいいながら、以前の実績の印象は忘れられていな
かったようで、中村製作所に相談すると、もう関西方面ではピカデリーサーカ
スを子供用に使う動きが始まっていて、台も金箱も一体となったものの製造が
開始されていて、それは定価17万円らしいーーーということでした。
で、どうなんですか?とりあえず200台ほどウチにまわしてもらえますか?
:
実際の稼動実績を聞いて安心したのか、65%の卸値でやってもらえることに
なりました。 !!さあ!こうなったらもうイケイケドンドン!!
営業といっても駄菓子屋のおじーちゃんおばーちゃんが相手ですし、関東では
競争相手はまだ現われていませんでしたから、無人の荒野を驀進するが如く、
新しく雇った数人の社員で、小田原から拡大していって神奈川全域。
人気に火がついたらユニバーサル社他何社かがコピー品を製造しだしたので、
オリジナルだけでは間に合わずそれらコピー品も4トントラックに満載で続々
と届けられてくる。毎日毎日、10円硬貨が10万円入る袋が10本以上も上
がってくる。
1年ほどした頃、あまりの盛況に目の眩んだ数人の社員が、語らって退職し、
同じ仕事を始めたので、多少ブレーキがかかった、ということもありましたが
そんなものは大して問題にもならないほどの、沸き立つような勢いでした。
しかしこの頃、セガ熱海営業所顧客三羽烏の一人で、「バルジ大作戦」を設置
させてもらってからすっかり仲良しになっていた箱根駒ケ岳頂上スケートセン
ターゲーム場のI氏が、
「オレも結婚して子供もできたし、駒ケ岳の冬の稼ぎで1年暮らせるとはいい
ながら、ブラブラしてても仕方がないからオタクで開拓営業で使ってくれない
かな。オレはそういう能力あるから役に立つと思うよ〜」
たしかに彼は開拓営業能力抜群でした。メーカーからいくら機械がドカドカ届
いても間に合わないぐらい設置店を開拓してくれました。小さなところだけで
はなく、ドライブインとかボーリング場内のゲームコーナーとか。
しかし、いくら先駆け独占快進撃とはいっても、全部丸々を独り占めにするの
は物理的にムリ・・・・
前回挫折した時に、伊東方面のロケーションを買い取ってくれた置屋の息子の
E氏と、厚木、伊勢原方面の細々したロケーションを買い取ってくれたS氏と
K氏に、
「どうですか、営業も簡単だし、バカスカ儲かりますからやってみませんか」
と声をかけたら乗ってくれて、E氏・S氏・K氏に中卸売りする分も調達しな
ければならない・・・噂を聞きつけて箱根湯本の富士屋ホテルと宮ノ下の富士
屋ホテルの娯楽場を受託経営しているK氏も取次ぎを依頼してくる・・・・
もうその頃には、神奈川県内をしらみつぶしに展開しながら、東京都との境の
多摩川べりにまでロケーション網が及んでいて、さてでは東京へ、先ずは世田
谷区を!、と、ある日戻ってきた開拓営業のI君が、
「社長、今日世田谷を営業していて、初めて別の業者が設置したピカデリーを
見ました」
「そうか、いよいよその時がきたか。前から言っているように、他の業者が置
いてあるのを見たんならもうピカデリーはお終いにしよう。これからは喫茶店
ロケの開拓に力を注いでいこう」
ピカデリーサーカスの新規開拓営業はストップして、それまでも平行して進め
ていた、ブレイクアウトのテーブル型から始まった喫茶店に対するTVゲーム
機設置のシェア獲り合戦へと突入していくのでした。
社員も十数名に増え、技術部門も営業部門も優秀人材が揃ってる!そ〜れイケ
ドン!や〜れイケドン!------経理部門を疎かにしたまま (-ε- )------
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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