☆ セガ&ナムコと業者契約を交わす ―――――――― 2008/01/30
by 老玩童 OJIN
さて、ゲームセンターを始めてから1年半ほどが過ぎて、両隣の片方が大家さ
んと話がついたらしく立ち退くことになりました。およよ、こりゃもう片方も
そんなに長いことはないだろう、、別の場所を見つけないとヤバイな〜
そんなところに、「バルジ大作戦」の中村製作所の営業マンがまたやってきて
「ウチに業者登録だけでもしてもらえませんか」
業者登録というのは、ゲーム機の販売やレンタルの専業者として、メーカーが
販売している定価の70〜75%の価格に値引して卸してもらえる契約を取り
交わすことです。そういう業者をオペレーターと呼びます。
もちろんオペレーターにもランクがあって、例えばセガと中村製作所の場合、
中村製作所は自社でゲーム機を製造もしていますが、自分の傘下の業者に販売
したり、自社直営のデパート屋上遊園やゲームセンターなども経営しています
から、セガからも大量のゲーム機を買い入れます。
こういう大購入業者は、当然割引率も大きく60〜65%が卸値になります。
それまでの我々のように、セガの現地営業所から買う場合は、こういう割引は
一切なく、その代わりに集金を助けてもらったりメンテナンスの面倒をみても
らったり、ロケーションを譲ってもらったりという便宜をはかってもらえてい
たわけです。
例えばこの少し前頃から、セガが「グランプリ」という機械式のレースシュミ
レーションゲームを製造して、これが凄い人気で売上も、----初期の製品は金
箱が直ぐにイッパイになってしまって頻繁に巡回しなけりゃならん!という嬉
しい苦情が続いて、直ぐに大型の金箱に仕様変更されたというぐらい人気があ
りました。
その頃にはウチでももう営業所から回してもらって、10数台を稼動させてい
ました。こういう人気機種の場合は、その機械のメーカーの営業所から買うほ
うが有利なんです。――――何故かといえば、オペレーターに安い卸値で販売
するよりも、営業所から定価で売ったほうが儲かる、、当たり前の理屈で、
セガの販売体制は一応販売部=オペレーター販売担当)と営業部=自社営業所
の販売・レンタル部門)とに分かれてはおりましたが、社内での人間関係と力
関係で、特に当時のセガの熱海営業所長は、ボストンバッグ札束ギッシリとい
うぐらいの業績を上げていたので、セガの社内でかなりの無理でも押し通せる
チカラがありましたから、
こんな人気機種でも、販売部や他の営業所は割り当てが少なくても、強引にさ
らってきて回してくれました。ただ、値段はもちろん定価でした。この「グラ
ンプリ」は、定価が42万円でした。70%の卸価格で買うことができれば、
294000円、ーーー約30万円で買うことができます。
とはいっても、毎月20万円ほども売上のあるこんな人気機種の場合は、高く
ても先にもらった者の勝ち!20万円の売上で分配比率7:3とすれば14万
円ですから、12万円安い卸価格で1ヶ月も2ヶ月も順番待ちさせられたら、
はて、どちらがお徳でしょう?
それに、設置施設側にしても、設置業者が人気機種をなかなか持ってこないと
しびれを切らして、え〜〜人気機種はいかがですか〜♪とやってきた別の業者
にスペースを開けて入れさせてしまうという危険もありました。
しかし、そんな人気機種が出るのはそうしょっちゅうあることではなく、卸値
で購入できるということは魅力的でした。さて、どうしたものか・・・・
ヨソのメーカーとオペレーター契約するのに、セガの営業マンに相談するとい
うのも変な話かもしれませんが、例のセガの調子のいい凄腕営業マンに相談し
ました。ら、
「そうだな〜、ユーももうセガタイトー以外では、箱根園のOさんを超えて、
熱海のAMIジュークのSさんに迫る規模になってるんだから、もうウチの営
業所だけの客ってわけにもいかないわな〜。じゃあ、セガの販売部に紹介する
から、セガともオペレーター契約をしてよ。で、ウチの営業所とも今までどお
り仲良く付き合っていきましょ〜〜♪」
またまた瓢箪から駒!
中村製作所とセガと、ほとんど同時にオペレーター契約を結んで、
その頃、さすがの「グランプリ」人気にも翳りが出始めていました。グランプ
リは平面的な画像画面でしたが、グランプリの後で中村製作所が製造した同じ
ようなレースシュミレーションゲームの「レーサー」は、立体的画像画面。
グランプリは、それまでにもう、腹いっぱいの収益を上げていて儲けのカス、
試しに「レーサー」を1台入れてみると、グランプリの出だしの頃とほぼ同じ
ぐらいの大人気!!それではということで、グランプリは2次ロケーション=
売上がそれほどでもない設置店)に移して、レーサーを一挙に10台導入!!
ーーーこのへんの話は、23〜24才ぐらいの頃のことです。
そうこうしながらも、小田原のゲームセンターの替地探しは続けていましたが
ある日、
元のホテルのフロント長が、ホテルの以前の支配人が、小田原一番の繁華街の
錦通りで大きな喫茶店をやっているが、大き過ぎるので半分ぐらいを区切って
ゲーム場にしてみようかと考えているよ、紹介してあげようか、と声をかけて
くれました。
こりゃ願ったり叶ったり!
しかしこの喫茶店は、ほんとの最繁華街のど真ん中にあり、今までのゲームセ
ンターで使っていた寄せ集めの安物ばかりというわけにはいかないな・・・・
セガの営業所に相談して、こちらが足りないものはセガでレンタルしてもらう
ことにして、あの巨大な3連式ゲーム機「バルジ大作戦」は、セが熱海営業所
顧客三羽烏の一人、箱根駒ケ岳頂上スケートセンターのI氏のところに設置さ
せてもらうことになりました。
設置させてもらうことになりましたが、なにしろ6坪も占有するバカデカイ機
械ですから、当然、上下左右その他と分解して運ぶわけですが、箱根駒ケ岳は
当たり前に「山」で、頂上までの道路なんかありません。
お客さんは中腹までバスか車、そこからのケーブルカーで頂上へ上りますが、
さてこんな大きなものはどうやって上げるの?ーーーケーブルカーの後ろに、
大型荷物運搬用の、トロッコを大型にしたような台車を繋いで、それで運ぶ。
朝から移動を開始したんですが、バラバラにした部分の全部が頂上のスケート
センターの中に揃ったのは午後3時過ぎ、、組み立てを開始しましたが、そこ
はなにしろ冷蔵庫の中より寒い場所ですから、お客さんはスイスイ滑っていま
すから暑いぐらいなんでしょうけれど、こちらは静止しての作業ですからなに
しろ寒い!手がかじかんで痺れるは、機械まで寒さで震え上がったのか素直に
は動いてくれません。とほほほ、
結局ようやく作業が終ったのは夜の9時で、ケーブルカーの運行はとっくの昔
に終ってしまっています。ーーーどうやって帰るのよ?
I氏は慣れたもので「じゃー帰ろう!」、テクテクと歩いてケーブルカー乗り
場の中を通って、通り過ぎて..ケーブルカーの線路の脇のほうへ進んでいく?
ーーー線路の脇に、人一人の幅の階段が延々と下まで続いているのでした。
ケーブルカーで上り下りしていたときはそれほどたいした距離とは感じません
でしたが、いやその長いこと長いこと、、しばらくすると膝かカクッカクッと
なりだして、それがだんだんガクッガクッ、さらにガクッ!ガクッ!
ようやく下の乗り場まで下りきったときには、感覚が無くなっておりました。
いまは都市部に大きなスケートセンターができているのでしょうが、その当時
はそんなもの影も形もなくて、天然冷凍のこの箱根駒ケ岳頂上のスケートセン
ターは、晩秋から早春まで営業できて、しかも連日満員御礼。
そこにゲーム機を置いて独占していたI氏は、冬場の半年の稼ぎで1年を悠々
と暮らせるいいご身分の方でございました――――。
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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