☆ 他人様のお財布の勘定(^^; ――――――――――― 2008/01/25
by 老玩童 OJIN
ところで、どうしてセが(の営業所)は自社ロケをこうやって売り払って手離し
てしまうのか?と、疑問を持たれたんじゃないかと思います。ーーーここでそ
の種明かしをいたしますと、
わたしのような形でセガの営業所からロケ付で機械を購入する、当時、三羽烏
と称されていたのは、わたしと、箱根駒ケ岳頂上のスケートセンターや伊豆箱
根鉄道系列の各種施設の娯楽関係部門を独占していたI氏、熱海ニューフジヤ
ホテルのゲーム場担当をベースに、熱海の他のホテル旅館に手を広げつつあっ
たO氏の3人でした。
他にも何人も、もっと規模の小さい同じようなサブオペレータがたくさんいて
セがは、ネームバリューを利して各ホテルなどの観光施設に食い込んでいく、
そしてそれらを順次こうしたサブオペレーターに販売する――――。
セガの本社から営業所長に支払われる販売コミッションが何%なのかは知りま
せんでしたが、----その当時はまだ一万円札は発行されていませんでした----
毎月の販売コミッションは、千円札の現金札束で本社から営業所に運ばれてき
ていましたが、
本社からの(現金輸送の)乗用車が営業所に着いて、後ろのトランクが開けられ
て、重そうに持ち上げた大きめのボストンバッグ、、中には、千円札の札束が
パンパンに詰まっていました――――。
もちろん販売分だけではなく、レンタルの売上に対するコミッションも含まれ
てはいたんでしょうが、それにしても、「大きめのボストンバッグに千円札の
札束がギッシリ」で、レンタルなんかまるで眼中にないように売り払っていた
わけですから、販売のコミッションがいかにオイシイものだったのか、想像が
つこうというものです。
まあ、
他人様のお財布をいくら覗いても、自分の腹が膨れるわけではございません。
毎日通って、ホテルの時のようにいろいろな工夫を凝らしているうちに、伊東
オークラボウルの売上はジリジリと伸びて、小田原のゲームセンターを抜き、
元のホテルの売上も抜いて、手持ちロケーションの中ではトップの成績を上げ
るまでになりました。
夏休み期間は毎日というほどではありませんでしたが、お正月などは、1日で
キャッシュボックスがイッパイになって詰まってしまうので、途中で1回開け
て、中の10円玉を袋に詰め替えて事務所の金庫に預けなければならない状態
でした。
さて、これだけ順調に回りだしたんだから、いつまでもセガの集金員の手を煩
わせているわけにはいかない、、最初の計画どおり、車を買って、誰か助手に
運転させながら巡回して、小さなロケーションも、もっと開拓しなくちゃいけ
ない。
そんなことを考えていてハッと思い出したのは、同じ御徒町駅前のビアガーデ
ンでアルバイトしていた予備校生のSH君・・・彼はたしか、目指す大学に志
し叶わず、悶々としているはず、、それに運転免許も持っている、、、。
電話してみると、やってみようかな、という返事が返ってきました。
ゲームセンターが開店してから少し経った頃、私鉄沿線のアパートから、ひと
つ手前の駅の、駅前の酒屋さんが大家さんの、ちょっと奥まったところにある
古い一戸建ての家に引っ越していましたから、SH君も同居してもらって、
カローラを購入して、SH君が運転して2人で各ロケーション=設置店を巡回
保守しながら、箱根地区や熱海伊東方面の小さな旅館や保養所に安く手に入れ
た機械を1台2台と置かせてもらう開拓営業に精を出せるようになりました。
箱根を回っていたときからそうでしたが、ゲーム機が置かれているところには
たいてい、小さな、18インチのTVぐらいの大きさの機械が設置されていて
ときどきその機械の集金をしている業者さんと重なることがありましたが、
こちらは10円玉をチョボチョボ計算しているのに、あちらさんは100円玉
を、ザ、ザーーッ!!――――今ではもう全国に広まってどこにでもあります
が、その頃は伊豆箱根地区だけだったと思います。我々は覗きマシンと呼んで
いましたが、
機械の正面にレンズの嵌まった丸い穴がふたつ並んでいて、そこに目を近づけ
て100円玉を投入すると‥‥‥中がパッと明るくなって‥‥‥ヌードの美女
の様々な肢体が次々と現われる‥‥‥男女のカラミの画像ではありません。た
だ様々な美女がいろんなポーズをしているだけ。
男って、野次馬覗きスケベ根性旺盛なんですね〜〜、ひと通り見終るのに4〜
5個の100円玉を投入しなければならず、そんな客が1日に何人もいるわけ
ですから、こっちは10円玉チョボチョボ、あっちは100円玉ザ、ザーッ!
となるわけです。
これを発明(?)して、伊豆箱根地区のホテルや旅館に片っ端から設置して回っ
て、独占商売でウハウハ稼ぎまくっていたW氏は、ーーー東京で事業に失敗し
て、有名な熱海の錦ヶ浦で、飛び込んで自殺しようと熱海にやってきて、
錦ヶ浦の横の観光施設「熱海城」の展望台に上がって、設置されていた観光望
遠鏡=固定据付式で、硬貨を投入すると遥か遠くの景色がよく見える)を覗い
て沖合いの初島なんかを眺めながら「あ〜、この向うに美女でも見えたら楽し
いのにな〜」
かなりスケベな方だったようで、しかし何が幸いするか分かりません。その時
!!ピカピカッ!!と閃いたのは、そういう機械を作って、この観光望遠鏡み
たいに硬貨投入式にして、あちこちに置いて回れば、男はみんなスケベ!お金
がジャブジャブ間違いなし!
一文なしですから、 OJIN と同じように三食寝床付の旅館にもぐりこんで、勤
めのかたわら、美女覗きマシンの試作に挑戦。なんとか出来上がったものを近
くのホテルに置かせてもらったら、、予想どおり100円玉がジャブジャブ!
喜び勇んで改良を加えながら2台目3台目4台目と増やしていって、ある程度
の台数まで増えたところで旅館を辞めて独立専業。なにしろそれまでそんな機
械はありませんし、当然やっている業者もないわけですから、以後は独占破竹
の勢い!
おそらく毎月何百万単位で100円玉が集まっていたと思います。しかも人手
はほとんどかからない。こんな簡単な機械ですから故障もほとんどない。東京
でどんな事業で失敗したのかは知りませんが、そんなもの軽く返済してロール
スロイス、だったでしょう。ーーー巡回していたのは普通の小型トラックでし
たけど。
また、100円玉がザラザラーー!というゲーム機で大流行したのは、ドイツ
のパチンコ(?)「ロタミント」という、まあ、これは賭博機です。パチンコよ
り少し小さ目の筐体で、スロットマシンが平面になったような盤面で、3つの
平面リールがあり、
100円玉を投入すると平面リールが回りだし、ストップボタンで順番に止め
ていき、当りの組み合せでその枚数の100円玉がバチバチバチと打ち出され
てくるというシロモノで、バーやスナック、ドライブインなどに設置されて、
御殿場のドライブインでも、こちらは僅かな10円玉を数えているのに、むこ
うは100円玉をド、ドーーッとあけて数えているのを眺めながら、羨ましい
な〜と指をくわえていたものでした。
まあ、
他人様のお財布をいくら覗いても、自分の腹が膨れるわけではございません。
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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