☆ 引取機の引き受けに活路を求め ――――――――― 2008/01/20
by 老玩童 OJIN
それからは大きなことは考えず、というよりこの失敗でそれまでの蓄えも使い
果たしていましたから、ーーーどうしようか??
目をつけたのは、タイトーがホテルに販売した機械の買い替えで下取りするも
のを譲ってもらう。――――伊豆箱根地区に最初に進出したタイトーは、競争
相手のいない独壇場の強みで、各ホテルに対して、娯楽機械は買取りにしてく
れなければ納めない、という超強気の営業策で臨みました。
ホテル側は、ライバルのホテルが娯楽設備を揃えたのに、自分のところにはな
いということになると誘客栄業にも差し障りますから、ほとんど全部のホテル
が仕方なく買取りで導入していました。
しかし、先にも述べましたように、当時の遊戯機は、後のテレビゲームのよう
に中のPCB=ゲームソフトを交換すれば、外側の本体は同じでもまったく別
のゲームに生まれ変る、なんてことはなく、1台のゲーム機はいつまで経って
も同じゲーム内容で、ーーーいつまでも同じゲーム機では飽きられてきて売上
が落ちてきます。
また、年月が経ってきますと、当然故障も多くなってきて、そうするとメンテ
ナンス費用も嵩むようになる。――――ちょうどそんな頃に、遅ればせのセガ
が進出してきて、、しかし、市場はタイトーがガッチリと握りこんでいて、新
しい機種ですから買ってくださいと売り込みに行っても、ハイそうですかと応
じてくれるホテルはありません。そこでセがでは、
ある程度以上の規模のホテルに対して、ホテルが投資しなくても、新しい機種
を設置し、メンテナンス費用も自分達がもち、キャッシュボックスに入った売
上をホテルと分配します。というレンタル制で切り崩しを図ったわけです。
ところが、娯楽室の面積は決まっていますから、新しく1台入れると、古い機
械を1台外さなければ物理的に入れることができません。まさか捨てて下さい
というわけにもいかず、ではいくらかで引き取りましょうということになりま
す。
ピンボールは、タイトーが「ゴットリーブ社」、セガが「ウイリアムズ社」と
「バリー社」のものを扱っていると書きましたが、今までタイトーが独占して
いた市場ですから、当然設置されている機種は=引き取るのは「ゴットリーブ
社」のものばかり。
これが「ウイリアムズ社」や「バリー社」のものならば本社に送り返して整備
し直して、再販売でも自社レンタル用にでも使うことはできますが、競争相手
の会社の機種ではそうはいきません。
セガの、調子のいい凄腕営業マンから相談を受けました。
「タイトーの機械を置いてるホテルから引き取り中古のピンボールを買ってく
れないかな〜。な〜に、大抵は故障してるやつだから、値段なんか二束三文だ
し、故障っていったって大した故障じゃないから、ユーなら大丈夫!修理でき
るよ!」
「ウチの営業所に置いとくから、休みの日に来て直せばいいし、時間が取れな
いようなら、ちょっとお小遣いをあげて、ウチの修理屋さんに直してもらえば
いい」
セガが引き取ってくる値段は、大体数万円程度でした。
そんなのを1台、また1台と手に入れて預かってもらっていましたが、さすが
に3台4台と増えてくると、置く場所が狭くなってきたので、運んであげるか
らどこか設置するところを決めてちょうだいよ、といわれました。
そりゃそうだ、第一、預かってもらっているばかりじゃ1銭の稼ぎにもならな
いから意味がない、、しかし、どこかといってもどこに設置できるだろうか?
考えて、小さな、ホテルというより旅館、を狙うことにしました。
そういう旅館は、娯楽機を買うには償却するだけの売上が見込めないのでムリ
だし、レンタル業者も売上が見込めないから相手にしない、、けれど、数万円
で入手した機械ならば、1ヶ月に何万円なんて売上がなくても、1万円でも、
いや、例え数千円であっても、台数を増やしていけば商売になる、、、。
小さな旅館はほとんど娯楽室などなく、あっても卓球台とビリヤードが1台ず
つ置いてあるだけとかでしたから、それほど開拓営業に苦労せず置かせてもら
うことができました。また、開拓営業していて思わぬ拾い物にめぐり合うこと
もありました。ーーー官公庁や大会社の保養所。
最初はレンタルで置かせてもらいますが、こういう施設はその組織の厚生施設
ですから、利用料金=宿泊料)がべらぼうに安く、したがって、小さな旅館な
ど足元にも及ばない高い稼働率を上げていました。
宿泊料金はべらぼうに安くても、ゲーム機のプレー料金は他と同じですから、
ちょっとしたホテル並みの売上が上がりました。また、レンタルで通っている
うちに当然管理人=ホテルなら支配人)と親しく話しをするようになりますか
ら、売上の悪い保養所の場合は、
「管理人さ〜ん、今月はこれだけですよ〜、ウチも置かしてもらって感謝して
るんですが、機械が高いもんで苦しいところなんです〜。半分ぐらいの機械を
買取りにしてもらうわけにはいきませんでしょうか〜」
「そうだね〜、君んところも大変だろうから、、う〜〜ん、今期はもう予算が
決まっちゃってるからムリだけど、来期に予算が取れるように稟議を上げてみ
よう。君んとこの見積書と、それから、それより少し高目の、どこかの会社の
相見積書を持ってきなさい」
ーーーこういうのは「談合」とは言わないですよね。(^^;
毎年1回なので「ボーナス」と称していましたが、数万円で手に入れて、少な
いとはいえレンタルで既にいくらか稼いだ機械が、20数万円で買ってもらえ
るわけですから、大変ありがたい存在でございました。
は?それじゃサギみたいなもんじゃないか?
わたしが手に入れたのは、たしかに故障した引取機だったから数万円なんです
が、タイトーの正式プライスリストには、同じ機種の整備済のものが同じ価格
で載せられているんです。流通経路はともかくとして、真っ当な商売でござい
ましょ?(^○^)
= つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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