我が人生三分の二故事
☆ 殴られて泣いている喫茶部の娘 ――――――――― 2008/01/20
                         by 老玩童 OJIN

清美と冷戦状態になっていた頃、娯楽室&第二売店は、売上でこそ第一売店に
及びませんでしたが、利益金額ではトップ、売上金額でもクラブを抜いて第二
位、という優良部門になっていましたから、ひとりでは大変だろうと女の子を
配属してもらえることになりました。

配属されてきたのは、、名前は忘れてしまいましたが、丸ポチャの若い女の子
で、その子が来るようになったら、朝から夜中まで張りついていなくても、適
当に抜けて休憩をとったりできるようになりました。

それまでは、朝、お客さんがチェックアウトする前に開けないと売店の朝の売
上を逃してしまいますからなるべく早く、7時ぐらいには開けて、お客さんが
帰ってしまうと掃除をして、昼ぐらいまでは閉めていましたが、

午後からは各職務の従業員さんたちが遊びに来るので----これは売上とは関係
ないサービスでしたけれど、女中さんと親しくなっておくと、その女中さんが
係りのお客さんを、わざわざ第二売店に案内してきてくれるので、欠かせない
一種の販売促進業務(?)----ずっと開けていなければならず、

夕方、お客さんがお着きになる時間になれば、従業員はそれぞれの業務に戻り
ますからいなくなりますが、着くと直ぐに遊びに来る気の早いお客さんがいた
りしましたから閉めることができず、結局夜中の12時1時までかかりっきり
で詰めていなければなりませんでした。

ーーー丸ポチャの女の子がきてからは、適当に抜けて遊びや買物に出ることも
できるようになりました。

そんな頃、ランドリーの若い男の紹介で入社してきたという、ノッポの若い女
の子が遊びに来るようになりました。彼女の仕事は喫茶部のウエイトレスでし
たが、明るい性格でスタイルもよく、貌も十人並み以上の娘でした。

清美とは相変わらず冷戦状態が続いていましたが、だからといって愛情には何
の変化もありませんでしたから、カワイイ娘だな〜とは思いましたけれどそれ
だけで、他の従業員と同じように普通に接しておりました。

ある日、彼女をこのホテルに紹介したというランドリーの若い男と二人でやっ
て来て、隅のほうで話をしていましたが、!?突然!?ランドリーボーイがそ
の娘を殴った!
ーーーそして出て行ってしまいました。殴られた彼女は泣きながら残っていま
したが、そのうちバツが悪そうな顔でこちらを見ながら出て行きました。

何がなんだか分かりませんでしたが、くだんのフロントの能天気ボーイに聞い
てみると「あー、あいつらはデキてるから、多分痴話喧嘩でもしたんじゃない
の」ーーーということでした。まあ、どうせそんなところだろう。ところが、

それから何日かしたら、

また二人でやって来て、また殴られてる!?

いくら何の関係のない他人とはいえ、見ている前で誰かが、それも女の子が殴
られているのを目にするというのは、気分のいいものではありません。それか
らもそんなことが何度かあって・・・・

さすがに何回目かのとき、残って泣いているその娘に近づいてハンカチを差し
出しながら、「事情は知らないけど、どうしていつも殴られるの?」と聞いて
みましたら、「わたしが誰かと親しそうに話していたって言って殴るんです。
わたしは普通に話していただけなのに‥‥」

「あいや〜しょうがない男だね〜、じゃ〜今度来たら俺から注意してあげよう
か?」
「そんなことしたら、あなたとのことを疑って、また殴られますから、しない
でください」

「あなた、俺と清美のことは知ってるでしょう?あいつだって絶対知ってます
よ、だから問題ないでしょう。なんか文句があるんだったら俺がぶちのめして
やるよ!いつもいつも人の仕事場に来て女を泣かして、こっちだって冗談じゃ
ないよ!」
「スミマセン、ご迷惑をおかけして‥‥」

「いや、あなたが悪いわけではないですよ。とにかく今度何かあったらわたし
に相談してください」

それから何日もしないうちにまた来た!!ーーーそしていつもの展開。

「おい!ランドリーボーイ!どうでもいいけど、どうして女を殴るんだよ!」

「い、いや、これは二人の問題で‥‥」

「二人の問題だかなんだか知らないが、オレんとこでやられたんでは迷惑だし
だいたいなんで殴らなきゃいけないのよ!お前は女しか殴れねーのか?オレが
相手んなってやろうか」

「これは二人の問題だから‥‥」

「うるせーよ!これからどこでも、どこかで殴ったなんて話を聞いたらオレが
黙っちゃねーぞ!覚えとけッ!」

中学時代から、上級生相手の相撲でも滅多に負けたことのない隆々たる体格と
少々コワモテのする容貌(^^;でございます。コソコソと出て行きましたーーー

それからは殴られることもなくなったようで、明るい貌でしょっちゅう彼女が
遊びに来るようになりました。ーーーその頃には、最初は同情心だけだった自
分の心の中に‥‥‥同情心とはちょっと違う?‥‥‥感情が芽生え始めている
ことには気付いていませんでした・・・・

                           = つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
我が人生三分の二故事に戻ります







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