☆ 清美ちゃんとの熱い愛と挫折 ―――――――――― 2008/01/10
by 老玩童 OJIN
そんな楽しい(アブナイ?)環境で、お前は石部金吉だったのか?
ーーーんなワケございませんですよ。(^^;
昼間の休み時間には、ホテルのいろんな職務の人たちが娯楽室に遊びに来まし
た。温泉ホテルの女中さんは、だいたい男で失敗して、逃げてきたか食えなく
てきたか、、そんな感じですからほとんどが20代の後半から30代40代、
そんな中に、卓球がとても上手い、年齢も20才ちょっとの、この人は絶対男
絡みでここにきたんじゃないな、、という感じの、安子ちゃんという女中さん
がおりました。ーーー他の女中さんからは「安子は絶対まだ男をしらないね」
とか囁かれていました。
陰日向なくクルクルとよく働く人で、仲良くしていたんですが、ある日5人組
の秋子さんから「安子はあんたのことが好きなんだよ。あの娘はいい娘だから
相手をしてあげればいいじゃない」と言われました。
?!安っちゃんがオレのことを好き?!
その頃、安子ちゃんと同じぐらいの年齢の清美ちゃんという女中さんと、お互
いにちょっといい感じになっていました。ーーーでも本人同士以外はまだ誰も
知りません。 ----遊びの達人のクラブのオッチャンは知ってたかな?----
清美は小柄で細く色白で、目尻が切れ上がっていて涼しく、エラが張り気味な
のにそれが却って貌全体をキリッとさせている。細い身体に女中さんの制服の
和服をピシッときめた姿は、、絵になる女・・・でした。
二人のことは秋子さんは知りません。
クラブのオッチャンに相談すると「女房にするならやっぱり安子だけど、しか
しオンナとしては絶対に清美だなぁ」と、相談のクズの意見しか言ってくれま
せん。ーーーやっぱり清美とイイ感じなんだから、そのほうがいいかな・・・
秋子さんに打ち明けて、「安っちゃんが傷つかないように上手に話してくれま
せんか」「傷つかないなんてわけにはいかないだろうけど、そういうことなら
仕方ないわね」「さすが男体験豊富な秋子さん、ヨロシクお願いいたします」
「どっ、どーゆう意味じゃッ!」
それから、清美との仲はホテル中に公然となって、ラブラブの幸せな日々が過
ぎ・・・二人の気持はハッキリしているし、結婚を前提にとも言ってあるし、
彼女も完全に女房のつもりでいるし、、いいかげんで関係を結ばないとマズイ
じゃないかな?でもいつ、どう誘うかな〜〜
と悩んでいたある日、以前の娯楽室担任で社長の親戚の能天気ボーイがやって
きて、
「清美と結婚するんだって?お前あいつの過去を知ってんのか?今まで何人も
の男と恋愛してヤリまくってき女なんだぞ〜。最後の男となんてな〜、まあ男
のほうが悪いんだけど、男が別のオンナに心変わりしてよ〜、
で、あいつな、まだ男の部屋の鍵を持ってたから、男を刺して自分も死のうと
夜中に男の部屋へ行って、だけど酔っ払って寝てる男の顔を眺めているうちに
いろいろな想い出がこみあげてきて結局刺せなくて、男の首の横に突き立てて
いた出刃包丁を布団にぐりぐり突っこんで帰ってきた・・・・
・
そういう恐ろしい女なんだぞ〜、お前は友達だから教えてやるけどよ〜」
なにが友達だからだッ!クソッタレ野郎ッ!
ーーー今の年齢で考えれば、
なんて純情で一途な、こんな可愛い愛しい女は、鐘太鼓で探したってなかなか
見つけられるものではありません。しかしそのときは、まさかに処女とは思っ
てはおりませんでしたが、こんなにあからさまに彼女を侮辱されたのが口惜し
くて、
その日は娯楽室にくるお客さんが少なかったので早めに閉めて、
一直線に地下のクラブ。ーーーカウンターに掛けてクラブのオッチャンに、
「一番強い酒を‥‥瓶ごと‥‥お願いします‥‥」
さすがに男と女のことも含めて遊び百般を尽くしてきたオッチャンは、黙って
ドライジンの瓶をスッと出してくれました。それを、水割りグラスにイッパイ
注いで、イッキに流し込む・・・続いて2杯目、3杯目、4杯目・・・・
どのへんで意識がなくなったのかは覚えていませんが、イスから滑り落ちて、
床で丸まってオイオイ泣いていたそうです――――。誰が知らせたのか、仕事
が終って寮で休んでいた清美が飛んできて、----後から聞いた状況です----
「どうしたの?しっかりしてッ!」
----ワアワア泣きながら----「お前は、、お前は、、お前は、、お前は、、」
「どうしたの?わたしがあなたになんか悪いことしたの?言ってッ!」
「清美ぃぃ、清美ぃぃ、清美ぃぃ、清美ぃぃ、清美ぃぃぃぃぃいッ!」
----昔の男の首筋に包丁を突き立てて、も言ったそうです----
「今のわたしはあなただけなのよ!昔のことはもう直せないでしょ!」
「ウワァァァァァァツ!清美ぃぃ、清美ぃぃ、清美ぃぃぃぃいッ!」
「わたしを信じて!今のわたしにはあなただけよ!分からないの!」
そんな修羅場に、同室のフロント長とフロント見習の若い男の子が駆けつけて
きて、足腰の立たないグニャフニャを二人で両側から抱えて一番上の部屋まで
担ぎ上げてくれて、
翌朝、
当たり前にこの話はホテル中に広まっていて、自分の言ったことが原因と感じ
た能天気ボーイが誰かに事情を話したのか、それも清美の耳にも届いたようで
それまでは毎日必ず何回も顔を見せていたのが、ピタリと来なくなって、廊下
やパントリー=女中さんの控室)で顔を合わせてもプイッ!と顔を背けて知ら
ん振り・・・取り付くしまもありません・・・
さすがにみんな心配してくれて、クラブのオッチャンや秋子さんやフロント長
などが清美に話してくれたようでしたが、「昔のことでグダグダ悩んで、今の
わたしを信じてくれないバカ男なんていらないわ!」
----仰るとおりでございます----
そして二人の仲はジ・エンド‥‥ とはならなかったのでございます ‥‥
・
・
この安子ちゃんや清美とのことがある前に、実は一方的に好きになってしまっ
た女性がいました。それは、30代も半ば過ぎのこのホテルの女中頭・・・。
細面のうりざね貌、細くスラリとした肢体にビシッときめた和服姿、凛とした
中にも30代のオンナの色香が薫っている、ほんとうにいいオンナ・・・でし
た。仕事のことで娯楽室に来たり、パントリーを訪ねた時に顔を合わせたりす
る度に胸が高鳴り、顔が赤くなるのが自分でも分かりました。
もちろん、女が30代半ばで、ひとりで温泉旅館で女中稼業、の長をやってい
る、水もしたたるイイ女で、芸者を張ったってトップクラスになれる・・・ど
んな過去があったのかは知る由もありませんでしたけれど、男とのいろいろが
無かったなんてことがありえるはずもない・・・・
ーーーただ、このホテルでは浮いた話のひとつもありませんでした。
どうして二人だけでそういう場所に居たのかはもう覚えていませんが、どこか
の池のほとり、、、月の明るい夜でした、、、。
あんたがわたしのことを好いてくれているのは分かってるぉ、、、。あんたは
頭もいいし、働き者だし、あんたのことはわたしも好きだよ ‥‥‥
ぁぁぁぁ あんたと一緒になれる女はホントに幸せだろうね〜
でも、わたしはもうすぐ40になるんだ、、もしもあんたと一緒んなったら、
あと何年もしないうちにお婆さんになっちまうんだ、、オンナはね〜、好きな
オトコに、、崩れていく自分を見られるのは、、‥‥‥‥辛いんだよ‥‥‥‥
それに..わたしがどんなオンナで、、どんな昔があったか・・・・
あんたみたいな坊やには理解できっこない、、あんたが..いくらそれを分かろ
うとしたってムリ、、、ムリだ、、、わたしを....好きになっちゃダメだよ。
あんたはまだ若いんだから、若い、、自分に合った女の子を好きにならなきゃ
ダメだよ........
‥‥‥月の明るい夜でした‥‥‥
池の、ほとりに大きな自然石が並べられていて、、その傍らで..背中を向けて
‥‥ひとり言のように小さな声で呟きながら..佇んでいた‥‥‥オンナ‥‥‥
十何歳も年上で、けれど..そのときの彼女は、、どんな誰よりも、、たおやげ
でカワイイ、、、オンナ、、、でした、、、。
= つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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