我が人生三分の二故事
☆ 天然真珠プレゼント屋の企業秘密 ―――――――― 2008/01/10
                         by 老玩童 OJIN

「おめでとうございます!こんな大きな天然真珠を獲得されました!お嬢様は
美しいだけじゃなくて、幸運の星もお持ちなんですね!」

嬉しそうにはにかむ女性買物客ーーー。天然真珠の粒を取り出して、小袋に入
れて、ではどうぞ、と手渡してくれる若いハンサムな係員、、、そのとき、

「お嬢様、せっかくこんな大粒のいい真珠が当ったんですから、このまま粒の
ままでお持ち帰りになられて納っておくだけでは勿体無いですよ。本日は特別
に、加工代無料で指輪やペンダントやイヤリングにさせて頂いているんです。

せっかくこんな大きないい天然真珠を当てられたんですから、ぜひ加工なさっ
て、ご近所の皆さんやお友達に自慢なさって下さい。金製品もございますが、
お手頃な銀製品もございますから、お買物のおつり銭でお求め頂けますよ」

あらそうなの?と、若いハンサムな係員の指し示す手の先に目を向けると、金
銀プラチナのいろいろな装飾品が区分けされて燦然と輝いている‥‥‥

「そうね〜、いくら天然真珠でも粒だけ持ってても仕方ないわね〜、でも、高
いんじゃないの?」

「お嬢様がお当てになったのは大粒ですけれど、真珠ですから合せる台は金色
よりも白色がいいと思いますけれど、でもプラチナでは石のほうが位負けして
しまうかもしれませんしね〜。銀製品ならお手頃です。何になさいますか?」

「そうね〜、じゃ〜指輪にしようかしら‥‥」

「やっぱり美しい方はご聡明でいらっしゃいます。ではサイズを測らせて頂き
ます」

!いっちょう上がりッ!

こうして次々に獲物を料理(?)していきますが、お客さんが多い日などは、デ
パートが閉店しても延々と列が続いていて、夜の9時10時まで営業を続けな
ければなりませんでした。ーーーで、皆さんはこの一日の上がりはいくらぐら
いになると想像されますか?----参考までに----並べられている銀製品は数百
円から数千円程度のものです。

どんなに少なくても数十万円、多ければ数百万という日も珍しくありませんで
した――――。営業時間中はお金を受けとったらダンボールに投げ込み、終っ
て宿に帰ってから数える――――なんでしたっけ?「濡れ手で泡‥」ちょうど
そんな感じでした。

営業マンが次々に次のスケジュールを決めていましたから、1つの都市で数日
間のセールが終ると次のスケジュールの町へ移動して、東京に戻ることはあり
ませんでした。原料のアコヤ貝は鉄道便で行く先々の町の駅に届けられてきま
した。

そしてしかも、そんなセールス部隊は我々のグループだけではなく、他にもい
くつものパーティがあって、同じように各都市を巡回している、、、。如何で
すか?この会社の社長が「リムジンのロールスロイス」ーーーそれでも使い切
れなかっただろうと思います。

でも、本物の天然真珠は上げちゃうわけだから、それで儲かるのか?

当然の疑問ですーーー。

実はそこに、この商売の企業秘密がひそんでいるのですーーー。

若いハンサムな係員は、買物客が選んだホンモノのアコヤ貝を、果物ナイフ状
の小刀でこじ開ける‥‥‥そのアコヤ貝の真ん中には‥‥‥本当にホンモノの
真珠が燦然と輝いている。ーーーこれはウソではありません、本当にホンモノ
の真珠なんです。

ーーーけれど、ただその品質がーーー

養殖の天然真珠は普通、アコヤ貝の中に、核と呼ばれる貝の殻を加工して丸く
した小さな玉を入れて、何年もかけて、その小さな玉が真珠質の層で包まれて
ある程度の大きさになるまで待ってから取り出して市場に出します。

しかしこの商売で使われていた本物の天然真珠は、、何度もいうように偽造品
ではない本物なんですが、、“小さな核”を入れるんじゃなくて“大きな核”
を入れる、、そして1年で引上げて使う、、当然コストはバカ安、、でも表面
を巻いているのはホンモノの真珠質ですから見た目では何も変わらない、、。

                           = つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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