我が人生三分の二故事
☆ 日給1万円+歩合の仕事 ―――――――――――― 2008/01/10
                         by 老玩童 OJIN

その会社は、普通のしもた屋にありました――――。

----こんな小さな会社で日給1万円----やっぱり危ない仕事じゃないかな?
でも、ここまで来たんだから一応話だけでも聞いてみようーーー。

その会社の仕事というのは、、今ではもう無い?でしょうが、昭和40年頃、

各都市の大きなデパートが何かのセールをやるときに、お買上げ幾ら幾ら以上
のお客様に“天然真珠をプレゼント!”という謳い文句でセールをやっていま
した。ーーーその天然真珠プレゼント屋さんーーーでした。

天然真珠“プレゼント”屋がどうして“日給1万円”を払っても儲かるのか?

誰だってそう考えると思います。当たり前です。

でその“手口”というか..商売の“企業秘密”はーーー詐欺ではないんです。

デパートは、“天然真珠をプレゼント!”と謳って大々的にチラシを撒いて集
客しますが、この“天然真珠のプレゼント!”に、デパート側は1円1銭のお
金も支出しませんーーー。??ではどうやって??

デパートは「天然真珠のプレゼント屋」に、店頭の(‥‥但し大抵は屋外‥‥)
の事務机2つほどのスペースを無償で提供します。――――という契約が成立
するとデパートは、
お買上げ幾ら幾ら以上のお客様には“天然真珠のプレゼント!”という謳い文
句のチラシを、地元の、市内から農村に至る全戸に大々的にばら撒きます。

今はどうか知りませんが、その当時の家庭の主婦やら娘さん、とにかく女性に
とっては、“天然真珠!”というのは憧れの宝石!お父ちゃんが買ってくれな
いんだからこのチャンスにわたしが自分で手に入れるんだわ!ーーーデパート
には、その幾ら幾ら以上の買物をしましょうと近郷近在の女性買い物客が押し
かける――――。

デパートは何其セールが大成功でホクホクの万万歳!

はて?デパートからは1銭のお金を貰うわけでもなく、ただ店頭の屋外に事務
机2つ分ぐらいのスペースをあてがわれただけの「天然真珠のプレゼント屋」
さんは、幾ら幾ら以上の買物をして「天然真珠引換券」を貰って殺到する女性
買物客に次々と天然真珠をお渡しして破産、、、一巻の終わり、、、。

あはは、、それじゃ商売にはなりません。

なにしろこの、小汚いしもた屋を本社とする「天然真珠のプレゼント」会社の
社長は、営業マンが巡回出張して各地のデパートにセールスをかける営業形態
なので、本社を訪れる顧客=デパート側)なんか誰もいないので、寸毫も見栄
を張り飾る必要がないのでしもた屋を本社にしているだけで、

乗用車はロールスロイス!!それも普通のロールスロイスではなく、あのバカ
長い..何といいましたっけ?..リムジン!!リムジンのロールスロイス!!!

ーーーさてでは、この商売のカラクリはどうなっているのか?

デパートからは1銭のお金も支払われず、店頭の屋外に事務机2つ分ぐらいの
スペースをあてがわれて、行列をつくって次々と差し出される「天然真珠引換
券」・・・しかもテーブルの反対側でその引換券と天然真珠を交換している数
名の係員はみんな「日給1万円+歩合」です!

「天然真珠のプレゼント」会社の社長はどうしてリムジンのロールスロイス?

ーーーこれは詐欺ではありませんーーー

天然真珠引換券を持った買物客が、この店頭屋外の天然真珠引換所のテーブル
の前にやって来て、テーブルの向うの係員に券を提示すると、、係員はおもむ
ろに傍らの「ホンモノのアコヤ貝がギッシリ詰まった大きなケース」の中から
どうぞ1つ選んで下さい、と言います。

女性買物客は(こういうセールの場合は90数%老若の女性でした)オズオズと
中の1個を指差します――――。
「これでよろしいですね?さあ、大きい真珠が出てくるといいですね!お嬢様
に幸運がありますように!」(‥‥どんなお婆ちゃんでもお嬢様なんです‥‥)

とかなんとか口上を囁き(絶対大きな声では言わない、囁く)ながら、若いハン
サムな係員は買物客が選んだホンモノのアコヤ貝を、果物ナイフ状の小刀でこ
じ開ける‥‥‥そのアコヤ貝の真ん中には・・・・

本当にホンモノの真珠が燦然と輝いている!!
                           = つづく = ┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
我が人生三分の二故事に戻ります







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