我が人生三分の二故事
☆ 豚のクソの皮 ――――――――――――――――― 2008/01/13
                         by 老玩童 OJIN
ウチは分家で、親父は何もないところからスタートしました。それでも、爺様
が自分の倅どもと同い年ぐらいの若い後添えを娶れたのも、かなりの地主だっ
たことも関係あるのでしょうが、それよりも、近在に聞えた美男美女一家で、

もうお婆ちゃんになったからバラしてもい大丈夫でしょう----後の話で出てく
る、お医者さんゴッコで犠牲になった従妹なんて、成長してから..ミス足寄だ
かミス十勝だか、、に選ばれたぐらいの美男美女一族でした。

その家系のご多分にもれずウチの親父も男前で、そのお陰?分家してもらって
お金のない貧乏百姓なのに、結構裕福な家からカワイイ嫁さんを迎えることが
できて、3男1女をもうけたのですが、

なにしろ分家した貧乏農家でしたから、そうですね〜、何歳ぐらいまででした
でしょうか、、稲キビと呼んでいましたけれど、たぶん粟[あわ]・稗[ひえ]・
黍[きび]の黍だったんだろうと思います。お米みたいに、噛んでいると甘味が
出てくるんじゃなくて苦味が出てくる・・・それが、ご飯でした。

それが、小学校の低学年ぐらいの頃から、稲キビ7分、押し麦3分になって、
「押し麦」って分かりますか?現在では健康食品とされているようなのでご存
知の方もおられるでしょう。
┌--------
押し麦とは、精白した大麦を蒸気で加熱し、ローラーで圧力をかけて扁平状に
した後、乾燥させたものです。押し麦は食物繊維やタンパク質、ミネラルが多
く含まれ、つるんとした硬めの歯ごたえと麦独特の香りがあります。「とろろ
汁」を米飯にかけると固まって食べにくいですが、白米に押し麦を1〜3割混
ぜた麦飯にすると食べやすくなります。
└--------
「つるんとした硬めの歯ごたえと麦独特の香りがあります」なんてね〜、(^^;

そりゃ「白米に押し麦を1〜3割」混ぜればそうなんでしょうけれど、「稲キ
ビ7分、押し麦3分」のご飯は、稲キビだけのものより苦味は少なくなりまし
たけれど、今ならとても食べられないようなマズイご飯でございました。

それが小学校の高学年の頃には「稲キビ3分、押し麦7分」に替わり、中学生
になる頃に「押し麦7分、米3分」に替わり、やがて「押し麦3分、米7分」
となり、高校に入る頃、ようやく「白米100%」のご飯を食べられるように
なりました。

なので小学校時代は、弁当を他人に見られるのが恥かしくて、勉強しながら食
べているフリをして、教科書を開いて立てて屏風にして、素早くかっ込んでい
たものでございます――――。

食べ物の恨みは恐ろしいとか申しますが、べつに恨んではおりませんけれど、
そんな貧乏農家でしたから、夏の終り頃から秋口にかけては、トウモロコシの
収穫期になるんですが、

北海道のトウモロコシは、内地のものとは比べ物にならないぐらい美味しいん
です!しかも、トウモロコシはもぎたてを、皮を剥いて直ぐにゆでるのが一番
美味しい状態で食べられるんです。

そりゃそうなんですけれど、5町歩しかない畑で、できるだけ換金作物を多く
作付けしなければならない、という制約の中では、いかに美味くない苦い稲キ
ビでも、1年中食べるだけ作付けすることは、割合上できません。

夏の終り頃から秋口にかけての食料は、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日、
トウモロコシばっかり・・・いくら北海道のトウモロコシは内地のものとは比
べ物にならない、トウモロコシはもぎたてを皮を剥いて直ぐにゆでるのが一番
美味しい状態・・・とはいっても、毎日毎日毎日毎日毎日毎日毎日では‥‥‥

そして秋口から冬の間は、

カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪
カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪
カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪カボチャ♪

の、毎日・・・・

毎日カボチャを食べていると、どうなるかご存知でしょうか?

顔とか手の平とかが、黄色くなってくるんです・・・・

ほんとうに、掌をギュッと握り締めて開くと、手の平が真っ黄色・・・嘘でも
誇張でもなくそうなります――――。さすがに弁当はカボチャではなく稲キビ
押し麦飯を持たせてくれましたが、秋から冬にかけて、他人は気にしてなどい
なかったのかもしれませんが、黄色い自分が恥かしいような気がして、絶対に
手を強く握るようなことはしませんでした。

その当時はニシンは一番安い魚で、秋口になると1メートル×50センチほど
の木箱に詰められた箱ごと買って、賞味期限(?)のギリギリまでは焼魚にして
食べて、食べきれない部分は切り身にしてキャベツと一緒に漬け込んで漬け物
にして、これをニシン漬けといっていましたが、キャベツの甘味とニシンの味
がうまくミックスして、いや、美味かったですね〜

食べ物の思い出で忘れられないのは、

冬、豚を1頭殺して、肉は近所にもおすそ分けして、さて内臓。

当時は純真な小学生でございます――――。

今から思えば胃か腸か、、親父が雪の上で捌くと中から、グチャグチャになっ
たクソ状のものが現われ出でました。「とーさんこれはなんだべか?」「うー
これは豚のクソよ」「豚のクソの皮を食うの?!」「んまいから食ってみれ」

それを、かーさんが煮込んで、いま考えればあれは「モツ煮」??

それをこの純真な小学生は学校で「オレは豚のクソの皮を食ったぞ!んまかっ
たぞ〜〜♪」と自慢したものでございます。(-ε- )

それからしばらくの間は「豚のクソの皮」というアダ名を奉られました・・・

                           = つづく =
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。 
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