Mail-Magazine 08 Library
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┃ ┌─────┐ ┌──────────────────┐ + ☆
┃ ☆ 月 曜 版 ☆  ≪ WEB 熱線 第991号 ≫2008/03/10_Mon  ++++ ☆
┃ │ (*^−^*) │ ├──────────────────┤ +☆
┃ ☆ WEB 熱線 ☆ ―― アジアの街角から:亜洲街巷信息 ―― ++++ ☆
┃ └─────┘ └──────────────────┘ + ☆
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┌―――――――――――☆☆ 今号の目次 ☆☆―――――――――――┐

│・異聞抑留記 ------ 終戦のドサクサ ----------------- by 江藤一市さん

│・紅いチャイドレ -- サボり中。<(_ _)>

│・ラオスからの手紙 餅米 ------------------------- by 桜ちゃんのパパ

│・わたしの主張 ---- 自給率低下プロセス、回復には覚悟を - by 紋起さん

│・読者の広場 ------ トッポリーノさん。

│・あとがき -------- すちゃらかシベリア抑留記」(^^;

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◇―――――― 新しい読者の皆様、ようこそ!! (^o^)丿 ――――――◇

│1.週3回・月水金のお届けですが、月→水→金 という流れではなく、
│  「月→月」「水→水」「金→金」というサイクルになっています。

│2.タイトルは同じですが、月曜日号・水曜日号・金曜日号は、それぞれ
│  別々のマガジン、と理解してもらったほうが分かり易いと思います。

│3.ライター兼編集発行の私 OJIN とライターさん数人で執筆しています。

│4.内容の転載や引用は自由ですが、必ず「出典元の名称とURL」を併記
│  して下さい。一報頂ければこちらも案内リンクを架けさせて頂きます。

◇―――――――――――――――――――――――――――――――――◇
 
┏━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━┓
┃▼▽ 異聞抑留記 ▽▼               by 江藤一市さん
 
┌──────────「序言」
 
今までに、多くの人がシベリヤ抑留の記録を残している。そのどれも悲惨、苦
難の記録であるが、こんな体験をさせられたのも戦争があったからである。
 
戦争が罪悪の最たるものであるということに些かの異論もない。私も、23年
12月復員までの三年有余を、祖国から何千キロと離れたシベリヤの地で過ご
した一人である。辛い事、悲しい事、惨めな事、苦しい事、それらの事は沢山
あった。
 
私はそれらは措いて、その悲惨な暮らしの中にもあった、明るさ、楽しさ、笑
い、喜びなど、感じた一コマ一コマを拾い上げて綴ってみようと思い立った。
 
勿論何の記録も有るでなく、五十年前の消えかけた記憶を掘り起こしながら辿
るのであるから、日時の不正確、取違い思い込みなどで記述の後先はあると思
うが、それはご寛恕願いたい。
 
後日、同じ収容所に居た延岡市出身の喜多健二氏の著書に接する機会があり、
了解を得て、日時、地名等を参考にした部分もある。
 
下の経過日時は喜多氏の著書から引用した。私の記憶とは少々のずれがあるが
この記録のほうが正しいのは間違いないが、記述の事柄、内容に余り支障はな
いので私の記憶どおりに書き進める。
 
昭和20年 8月15日 満州奉天近くの「新民屯」にて終戦
      8月20日 頃、奉天工業大学に移駐、武装解除
      8月29日 奉天北陵東北大学に移動。ソ連軍に収容される
      9月15日 奉天出発・皇姑屯駅にて乗車
     10月13日 黒河到着
     10月17日 ブラゴエシチェンスクに移動
     10月22日 幕舎生活。出発
     11月21日 カラカンダ到着
     11月21日 カラカンダ出発。アナール到着
昭和21年11月    アナールよりジョロンベッドへ
昭和22年11月    アクモリンスク収容所へ移動
            自動車・農耕機械センターへ行く
昭和23年 6月    ボゴンバイ金坑に入る
      9月    ジョロンベッドに帰る
     11月 5日 帰還、ジョロンベッド出発
     11月22日 ナホトカ着
     11月30日 乗船
     12月 3日 舞鶴上陸
     12月 8日 復員
 
└──────────
 
☆ 終戦のドサクサ ―――――――――――――――――― 2008/03/10
 

終戦を知ったのは、旧満州の奉天(現在の瀋陽)近くの新民屯という村落で、
 
丁度、第十一遊撃隊という、所謂艇身斬り込み隊を編成中であった。鉄道・発
電所・道路・橋梁などの破壊・爆破、司令部・通信設備など、中枢施設への潜
入・襲撃などの特殊教育を受けた。
 
将校、下士官百名ほどが基幹要員となって、五百人ほどの現地召集兵とで一個
大隊を編成予定で、既に司令部からは召集令状が発令され、八月十六日には入
隊予定であった。兵器、弾薬、被服、糧秣の受領も完了、入隊兵の到着を待つ
ばかりであった。
 
ところが思いも寄らぬ終戦。若し入隊兵が来たら即時召集解除、各自帰郷させ
よとの上層部からの達示があった。その際には、被服、糧秣は自由に持ち帰ら
せて良いとの指示があった。
 
なにしろ六百名が優に一ヶ月は保てるだけの物資。それは膨大な量で、接収し
ていた小学校の校庭に野積みにされていた。終戦を知らずに応召してきた者、
知ってはいたがとても信じられず確かめに来た者など様々。三百人ぐらいは来
た。
 
――【召集解除】
 
達示どおり、各人持てるだけの被服、食料を与えて帰らせることにした。さて
そうなると人間の欲とは恐ろしいもの。勝手に持って帰って良いというので、
誰も彼も着れるだけ着込む、持てるだけの物を持つ。
 
如何に満州とはいえ、八月は未だ暑さの真っ最中。それにも拘らず冬物まで着
込むのだからその苦しさは並大抵ではない。毛布など二枚も三枚も畳んで背負
う。
 
無理もない、内地ほどではなかったにせよ、満州といえども物資の欠乏は甚だ
しく、殊に砂糖などは、余程でなければ手に入らないような状況だったのだか
ら・・・。
 
――【荷物強奪】
 
そんな風にして除隊。これで無事帰宅できたら良かったのだが、世の中そう旨
くはいかない。既にその時には、日本軍の敗戦を知った満州国軍の蜂起、中共
軍の進入、朝鮮居留民は大韓民国の旗を立てての暴動化、奉天市内などは大混
乱に陥っていた。各地方の住民も既に暴徒と化していた。
 
その中に、持ち切れぬほどの荷物を持った日本人が出ていったのだからただで
済むわけがない。忽ち荷物は強奪され、身ぐるみ剥がれて放り出される。それ
はまだ良いほうで、中には抵抗して大事な命を落とした者、重傷を負った者、
拉致されてどうなったか判らない人も多数いたという。
 
これは、略奪に遭い、パンツ一枚でほうほうの態で逃げ帰って救いを求めてき
た人達の話だった。逃げ帰った人達は、もう二度と部隊を離れる勇気もなく、
ずっと行動を共にすることになった。
 
――【逃亡計画】
 
さあ、こんな事態になったらお先真っ暗。私は仲の良かった経理下士官二人と
相談、三人で逃亡の計画を立てた。私が入隊前に住んでいた鞍山[あんざん]=
昭和製鋼所という製鉄会社があった)があまり遠くなく、そこまでなら三人行
動を共にすれば何とか行き着けるだろうという自信があった。----中の一人は
満州語が頗る堪能だった。
 
鞍山まで行けば、兄、姉も居るし、知人も沢山居るので何とかなると考えた。
 
さて、そうなると何よりも金。何とかして逃走資金を各人五千円ぐらいは準備
せねばと申し合わせた。しかしその頃の下士官の俸給が三十円程度。ひと口に
五千円というが容易な額ではない。
 
――【逃亡資金】
 
そこで我々は、野積みしてある物資を持ち出して金に換えることにした。それ
が悪い事だなどとは別に思わなかった。
 
この物資をこのまま置いておいも、どうせ暴徒化した住民に持ち去られるのだ
し「金の作れるのはその人の才覚だ」ぐらいにしか思わなかった。
 
太車[ターチョ]と呼ぶ大型の二輪車に、米、砂糖、味噌、醤油、被服類などを
積み、馬に挽かせ、各人拳銃を腰に、小銃には弾丸を込めた完全武装で村へ向
かった。現地でも物資の窮乏が甚だしいので、すぐ人が集まって来た。
 
満州語の達者な彼が交渉に当たったが、足許を見透かされて買い叩かれる。是
が非でも金に換えたい我々、結局それだけの品物で千五百円。各人の分け前は
五百円。目標の五千円には程遠い。
 
後に聞いた話では、馬三頭を五千円で売った者もいたとか、そんなことなら挽
かせて行った馬も車ごと売れば良かったと口惜しがったものだった。
 
――【物資を換金】
 
また、軽機関銃を持出して一万円で売り払った豪の者もいたとのことだった。
 
私も医務室に保管してあった薬品類に目を着けた。今は市中ではとても手に入
らないサルバルサン=梅毒治療薬、所謂606号)・スルファミン剤=化膿防
止、創傷治療剤)モルヒネ・コカイン・パピナールなど麻酔剤を相当量保管し
ていた。
 
それらの薬品を鞄に詰め、拳銃二挺を左右の腰につけ奉天まで出掛けた。正に
命懸けだった。何軒かの病院、薬店を回り、持って行った薬品を全部売り払い
千五百円ほどの金を手にした。
 
それ以後も何かと売り払い、結局各人三千円ほどの資金ができた。
 
――【逃亡を保留】
 
ところがそのうちに、何処か一ヶ所に集結して軍隊を解散、日本に帰るように
なるという噂が流れた。そうなると逃亡の計画も揺らぎ始めた。
 
三人で話し合って、ひとまず見合わせることにした。逃亡を決行しても果たし
て成功しただろうか? 逃亡していれば、その後に遭遇した抑留という事実は
なかった訳だが、果たしてどちらが良かったのだろうか?
 
「人間万事塞翁が馬」
 
今でもどちらが良かったという結論は持たない。
 

                        = この稿つづく =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘

 感想やご意見をお待ちしています。 ojindesu@hotmail.com
 http://form1.fc2.com/form/?id=273573
 
┌─┬───────────────────────────────┘
│●│「世界がどうなるか予想してみる」読後アンケート結果。
└─┘
◇ そうだこのとおり!(^○^) ---------------------------- 58人 (68%)
◇ そんなことはない (゜.゜) ---------------------------- 15人 (18%)
◇ よく分からない‥‥ ---------------------------------- 10人 (12%)
◇ どっちだって関係ない --------------------------------  2人 ( 2%)
 
┌─┬───────────────────────────────┘
│●│ コメントボードに頂きました感想。
└─┘
┌──────────「Jan さん」
 
そうあって欲しいと思うので「そのとおり」に入れました。しかし現実は厳し
いですね。
 
現在働き盛りのほとんどの人々は、バブル時代に育ったためか、いつかここで
紹介されたように、ほとんど「ブタドリ」になっていますし、しっかり日教組
から教育されて反日日本人になった人が多いので、近隣の反日国に食べられて
しまうでしょうね。
 
第一政治家が「ブタドリ」そのもので、人間としては最低のサラリーマン首相
を選ぶような大衆が存在していること自体が斜陽の真っ只中にいるのですね。
 
みんな、ちゃんと選挙に行ってますか。
 
投票率40〜50%になるから、こんな冷酷で事なかれ主義の口先だけお利口
なウソつきが選ばれるんですよ。政治に興味ないなんて言っていたら、そんな
奴に支配されてみんな死んでしまうんですよ。
 
└──────────
 ▼
┌──────────「日本のお姉さんから」
 
日本人は危機感を持つと団結するからなんとかなるような気がします。危機感
を持って、政治家をみんなが選ぶようになればですが。
 
明治維新でも日本人は団結した。太平洋の島々や他のアジアの地域のように、
西洋の国に日本が植民地にされることを恐れたのです。日本人が恐れて団結し
たら物事がさっさと進みます。
 
恐いのは、新聞とテレビしか見ないでメディアに洗脳されたお婆ちゃんやオバ
チャンです。ちゃんとネットでいろんな情報を調べてくれたらいいけど。この
間の選挙でも。マニュフェストなど読まないで民主党に入れた女性は多かった
と思います。
 
気が付けば政治家が全員元外国人だったら、恐い。元外国人でもいいから、心
が日本人でないと困ります。
 
日本は環境立国にならないと生き残れないし、石油以外のエネルギーでなんと
かしないと、今後も石油を順調に輸入できるのか疑問です。それに、食料自給
率が低すぎる。危機感を持って生き抜かないといけないのです。
 
だから、チュウゴクが隣から嫌なことばかりしてくるのは、日本国民が危機感
を持つのにちょうどいいですわ!チュウゴク人は反日だと、はっきり分かった
から。
 
今は、明治維新を起したような人々が必要です。坂本や、大久保みたいな人が
出てきてほしい。
 
└──────────
 
┌─┬───────────────────────────────┘
│●│ お便りで頂きました感想。
└─┘
┌──────────「kaz さん」40代@男性@会社役員@四国
 
個人的には「将来日本国がヘンプ油で走る車の開発」というところが気に入り
ました。4年前、旧満州の農村を走り回ったとき、ヘンプ、即ち大麻をさんざ
ん見て、たいそうよい気持ちになりました。
 
そういえば瀋陽郊外にも、あちこちにヘンプが生えてました。回教寺院などに
は、明らかに栽培しているヘンプがございました。すばらしい!いっそのこと
薬用ヘンプを栽培してシンセミアなどを量産し、タバコにかわるソフトドラッ
グとして大産業となる可能性すらあるのでは、ーーーと思った次第です。
 
それは冗談として、私、いつも感じる疑問があるのです。
 
それは、人口が増えるから食糧生産を増やさねばならない、という議論です。
 
生物学的に考えれば、というか、ごく常識的に考えるのならば、食糧があるか
ら人口が増える、じゃないですか?人口が増えるにはそれに必要な食糧があっ
てはじめてそうなるのでは?
 
食糧不足なら、人口なんて増えるはずないじゃないか、と思うのですが、皆さ
ん、如何お考えでしょう?次世代を再生産することができるのであれば、それ
なりに食糧は足りていると考えるのが当たり前なのでは?
 
これは、鶏が先か、卵が先か、という類の議論ではございません。
 
人口が増える大前提として、それを支えるだけの食糧供給(自給、援助は問わ
ない)があるのです。饑餓状態では子供ができない、できても育たない、育っ
ても次世代を残せない、これって、当たり前のことだと思うのですが。
 
ですから、増え続ける人口を支える為に更なる食糧増産が必要なのではなく、
中途半端に食糧を増産するから人口が増えてしまう、乃至は余剰となった食糧
を分配してしまうから人口が増えてしまう地域がある、と私は考えざるをえな
いのです。
 
└──────────
 
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
 
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┃▼▽ ラオスからの手紙 ▽▼           by 桜ちゃんのパパ

 
☆ 餅米 ――――――――――――――――――――――― 2008/03/10
 
 
ノーンカイの病院に入院しているニアンちゃんの子供のお見舞いに行った話。
 
フランスから帰省している秋霜[チューシア]も一緒に行く。チューシアは10
番目で、淑珍は9番目なので1才下になる。友好橋までは私の車で行く事にす
る。
 
ニアンちゃんにもち米を買って行きたいとのこと。蒸したもち米はブアサワン
の傍でいつも売っているのだが、その日に限って売っていない。それなら別に
ラオスで買うことないのに。ノンカーイで買ってもいいわけだから。
 
ところが淑珍が、ラオスのもち米のほうが美味しいからビエンチャンで買いま
しょう、と言いだす。さて、ビエンチャンでもち米を買い、病院へ行く。
 
お医者さんや看護婦さんの診断や検査でも原因がよくわからない。病院の人が
言うには「異常なし」だけである。そこで登場したのが蒸した餅米。
 
これをビニールの袋から取り出して、指で丸めてちぎってニアンちゃんの子供
の身体にくっつける。これを「チャム・カオ」という。つまり子供の身体に精
霊が取りついていて、お腹をすかして悪いことをする。
 
したがって子供がひきつけ・痙攣をおこしたりする。この精霊にご飯を食べて
もらい機嫌をなおしてもらうということらしい。
 
そして、痙攣のショックで魂「クアン」が逃げてしまったので、「クアン」が
戻ってくるようにバーシーをする。
 
例によって木綿の糸を巻きつけて、クアンが戻ってくるように祝詞を唱える。
 
ラオスの場合は、各家庭に家の神さんがいる。知らない人が家に来ると、その
「神さん」に挨拶しないといけない。それを怠ると災いがおこる。
 
また、その「神さん」が食べるために御飯を置いておくらしい。
 

                        = この稿おわり =
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 感想やご意見をお待ちしています。 ojindesu@hotmail.com
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┃▼▽ わたしの主張 ▽▼                by 紋起さん

 
☆ 自給率低下プロセス、回復には覚悟を ―――――――― 2008/03/10
 
 
中国に進出する企業が悪いだとか、志が低い(売国的)ような投稿が多くあるが
企業のトップの一存で進出する、しないが決まっているかのごとき前提の話に
経済の実体を知らないとはいえ、マスコミに汚染されている度合いの酷さに愕
然としてしまった。
 
中国に進出したのは、日本の消費者が行なう商品選択が源になって、普遍的経
済原則にさえ述べられている通り、当然起こるべくして起こった結果でしかな
い。(本当は責められるべきだとは思わないが)責められるべきは消費者であっ
て、企業の経営者は生き残る為の必然の道を選んだだけのことである。
 
極めて古い経済原則に、デビッド・リカードが1810年頃に展開した「比較
生産費説」があるが、その通りに展開したのである。
Wikipediaを引用すれば、
 
┌──────────
 
たとえばワインと毛織物という商品があったとして、小国と大国がそれぞれど
ちらの商品も生産していたとする。
 
小国:労働者一人当たりでワイン2単位、毛織物4単位生産できるとする。
大国:労働者一人当たりでワイン10単位毛織物30単位生産できるとする。
 
小国はどちらの商品生産においても大国より生産性が低いということになる。
 
いいかえれば、大国は小国よりも毛織物およびワインの生産性が高いため絶対
優位となる。では小国は大国に対してどちらも競争力がないのであろうか。
 
ーーー答えはノーである。
 
小国はワイン生産において比較優位なのである。なぜかというと、小国ではワ
イン1単位と毛織物2単位が等価、大国はワイン1単位と毛織物3単位が等価
であるからだ。つまり、小国のほうがワインを割安に作れるのである。
 
したがって、小国がワイン造り、大国が毛織物造りに専念して貿易で交換する
と、双方豊かになれる。すなわち、比較優位な産業に特化することによって、
全体的なアウトプットは増大するため、自由貿易を前提した場合、両国ともに
消費を増大させることができることを示している。
 
└──────────(詳しくはWikipediaの「比較優位」をお読み下さい)
 
日本はこの原理で豊かになってきたのである。
 
農業と工業の、労働時間当たりの産出量は日本でも大きく異なっている。農水
省の算定によれば、06年の農家の時給は256円だという。工業の平均を車
などの輸出企業の平均賃金とすれば、時給4千円ぐらいだと推されるので、約
16倍となる。
 
それに対して、農業が主で、工業が申し訳程度あるだけの国では、農業の時給
と工業の時給との比は、日本のそれよりももっと接近しているだろう。
 
こういう場合、日本では工業が比較優位であり、農業が比較劣位、その農業主
体の国では農業が比較優位、工業が比較劣位である。こういう場合、自由貿易
の体制の中では、日本が工業に専念し、農産物を輸入することが両国にとって
豊かになる道であり、国際的な分業が進んできた原理なのである。
 
したがって、自由貿易の中で、経済原理が示すとおりに、日本は工業に専念し
農業から工業に人が移動し、その結果日本全体が豊かになった。----現在でも
農業から工業に職種を変えると16倍の時給になり得る可能性がある。
 
この流れは決して政治の問題や企業の問題でなく、純然たる経済の問題であっ
た。----当然その流れを滑らかにする支援の立法などはあったと思われるが。
 
しかしながら現在においては、日本は対中国やアジア諸国と比べると、農業の
みならず、組立て産業も比較劣位になっており、このことが日本にあった工場
が中国に移転している原因となっている。
 
中国に移転した企業の経営者を批難する論を展開しておられる方がおられるが
 
もし移転しない場合は、欧米等の企業が中国に進出して、進出しない日本企業
は世界の市場から駆逐されていたであろう。そして、日本の国内市場にも海外
企業が製品を輸出してくるから、中国に進出しなかった日本企業は倒産するこ
とになる。
 
自由貿易を認める限り、人件費の安さ等から生じる中国の比較優位は、そこに
進出して活用する以外に防ぐ方法は少ない。唯一あるのは、
 
他国では作れない技術水準の高さだとか、スイスの時計のようなデザインだと
か、フランスやイタリアのようなブランドとか、特許に守られているだとかの
製品を持つことだが、残念ながら日本全体が食っていけるほどの規模でそのよ
うな優位な製品、ブランド、技術を持つ企業群は育っていないし、育つ気配も
薄い。
 
餃子をなぜ中国で製造するのか、との疑問も、工場の仕組みをみれば簡単であ
る。餃子を包む自動機械は確かに存在する。しかし、餃子の中味を準備したり
餃子の皮を製造し、それらを合体させて製造した餃子の蒸し工程、冷凍、パッ
ケージへの包装、箱詰め、などの工程全体を考えると、餃子に包み込む工程の
人数は5%ぐらいではなかろうか。
 
しかもその国の人件費が安ければ、包装資材(段ボールも包装フィルム)も安く
工場の間接費も安いので、トータルのコストは格段に安くなるだろうと思う。
餃子を皮で包む工程を機械化しても、コストには大きな影響ではない。従って
餃子生産を中国でやることに、私には何の不思議も感じない。
 
このプロセスを認識すれば、食糧自給率を現状より高めるためには、比較優位
の工業の仕事から、比較劣位の農業の仕事に人を動かせるようにする方策が必
要である。これは、経済原理の逆をやるのだから、やる人がまず貧しくなる訳
で、通常の環境下では進行するはずもない。
 
もし強制力が使えたとしても、先述のように時給レベルで16分の1の仕事に
転職して貰わねばならないのだから、随分大きな補償をしないと労働意欲すら
なくなるだろう。その補償は国内販売の食料の値段で回収する以外になかろう
から、食料の値段は暴騰といえる程上昇するだろう。
 
そして日本全体を考えると、農業に転職する人数のGDPの93%分だけ日本
のGDPは落ちる、すなわち貧しくなるのである。
 
仮に、食糧自給率の高かった1960年では、農業就業人数は1200万人で
あったので、同じ人数を投入した場合には、----不可能は承知の上で数字上の
シュミレーション----1人当たりのGDPは約23%程低下するので、シンガ
ポールと同じ程度である25位ぐらいの一人当たりのGDPとなるだろう。
 
このように、食糧自給率を高めろの論はあるが、高めることによって日本全体
が貧乏になることを想定していないのがほとんどである。
 
貧しくなることは覚悟の上だという方も、そうなれば軍備も粗末にせざるを得
ないし、世界に於ける交渉力は、もっと目も当てられない状況になることまで
想定していないのではなかろうか。
 
そして全体が平均して貧しくなる時は、貧しい人から先に貧しくなり始めるの
が通例である。すなわち、誰でもできる仕事しかできない人の給与はすごく低
下するし、職もなくなる。やれる人が少ない付加価値の高い仕事のできる人の
給与は下がらないだろう。つまるところ格差は非常に大きくなるに違いない。
 
私は、自給率を高めることに反対して述べているのではない。私は、以前から
主張しているように、食糧危機対応が今後の日本の極めて大きな課題であると
思っている。しかし、
 
自給率を高めることは、誰かが号令を掛ければ動き出すようなものではない。
「損をするのは嫌だ、得することは好きだ」という、普通の人の集まりである
社会では、逆の流れになるテーマだから制度の設計は極めて難しい。
 
もし、自由貿易の制度から脱退して鎖国をするのなら、食糧に大幅な補助金を
つけることも可能だが、GATTの加盟国であるかぎり不可能である。では、
GATTから脱退することを真剣に考えたら可能性があるのか。
 
鉱石、石油や天然ガス等がなしでは日本国は成り立たず、それらが国内で産出
しない以上、海外に商品を売って外貨を稼ぎ、不足の資源を買わねばならない
ので、自由貿易を脱退することはかなりの餓死者を出したりする選択だからあ
りえない道である。ということは、
 
大幅な補助金をつけたりせずに逆のプロセスを進まねばならないことになる。
 
どなたかの投稿で、小沢の提案する農家へのばら撒き補助金が命だと主張して
おられたが、今までの原理から見ても全く役に立つものではなく、自給率改善
は無理な話で、単なる人気取り政策にすぎない。
 
また OJIN 氏の提案される高価な農産物に特化する方法は、高価な農産物の市
場の小ささと、もしそういう市場が大きくなった時の、他国からの競合相手の
参入で、コスト的に安売りされて横取りされるのではなかろうか。日本の農業
でなければできないものは少ないので、そのような市場は限られた規模であろ
う。
 
食糧自給率を高め易くするためには、農業の生産性を高めることが一番重要な
要素となるものと思う。1960年から、日本において農業の生産性は高まっ
ている。約5倍になっているらしいが、これを更に高めることが必要である。
せめて工業の4分の1ぐらいにならないと、農産物の値上がりも大きすぎる。
 
したがって、今の4倍ぐらいの生産性向上が必要ではなかろうか。この面から
考えると、今の農地法が障害になっている点が大きい。
 
農業の生産性を高める方策について語れるほど詳しくはないので、蛇尾で終わ
ることをお許しいただきたいが、一つだけ重要な要素を指摘しておきたい。
 
それは、農地の所有権に関することである。
 
日本の農業の生産性の低さの原因の一つに、規模の小ささが厳然としてある。
また、経営形態が個人の規模から大きくなりにくい点も指摘されているが、そ
れらの根本に農地の所有の問題が深く絡んでいる。
 
今の農地保有には厳しい参入制限があり、また、相続が子供間で平等だから細
分化され、かつ固定化される傾向にある。地方での農家、それも兼業農家の土
地保有の目的は、道路だとかスーパーとか倉庫への売却だと指摘されている。
 
だから、休耕田で荒地にしても保持し続けるのだろう。
(神門義久著「日本の食と農−危機の本質」)
 
農地の保有や貸借に関する法の整備が必要だが、農家の既得権侵害になること
だから抵抗が大きく難しい。しかし、この問題がキーだと思うので、早急な着
手が望まれるところである。
 

                        = この稿おわり =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘

 転載元:せいろん談話室:あらためて食について
 http://ez.st37.arena.ne.jp/cgi-bin/danwa/top_display.cgi
 
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 「自給率低下プロセス、回復には覚悟がいる」
 
 
締切:2008年03月13日18時00分
協力:クリックアンケート http://clickenquete.com/
 
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘

 感想やご意見をお待ちしています。 ojindesu@hotmail.com
 http://form1.fc2.com/form/?id=273573
 
┌─┬───────────────────────────────┘
│●│「一歩一歩改良を積上げれば」読後アンケート結果。
└─┘
◇ これならなんとかなりそうじゃないか!? -------------- 29人 (94%)
◇ そんなに食糧の心配をすることないでしょ --------------  0人 ( 0%)
◇ その他‥‥ ------------------------------------------  2人 ( 6%)
 
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
 
「硬派的題目」収載ページは ▼ こちら!
 http://chinachips.fc2web.com/repo/001000.html#t3
 
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┃▼▽ 読者の広場 ▽▼
 
┌────――────「トッポリーノさん」30代@男性@専門職@近畿
 
ーーー先日のタカヤンさんの感想について
http://chinachips.fc2web.com/repo1/014504.html
 
読んでいて、思わずうなずいちゃいました。
 
そうなんですよね。日中友好の文字が付く人って、議員もだけれど、例外なく
媚中、屈中なんですよね。
 
中国がいかにそういう人たちを作るのが上手かというのは、以前紹介されてた
“中国人の交渉術―CIA秘密研究”という本にも詳しく載ってます。ただ、
この本も圧力かかってて本屋で手に入らないんですよ、信じられないけど。
 
ちなみに、産経新聞が先日出したトウ小平氏の本も圧力かかってます、、、。
信じられない人は、どこの本屋でも(ネットでも)いいので注文してみてくださ
い。驚きますよ。怖くなります。
 
ここまで中国の力は日本に及んでるんですね。
 
中国人の洗脳技術は一級品です。ちなみに英語の「brain wash」は中国語の洗
脳からきてます(^^;
 
ただ、タカヤンさんの言い方は感情的すぎるので反発されますよ? 日本人に
多いんですけど、喧嘩慣れしてない人が激情を抑えられず爆発させたって感じ
です(^^; 言ってることが正しくても、感情的になると人は賛同してくれ
ないみたいです。
 
老婆心ですが。
 
└──────────
 ▼
┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
 
トッポリーノさん、老婆心メールありがとうございます。
 
しかし、「圧力かかってて本屋で手に入らない」「産経新聞が出したトウ小平
氏の本」本当なんでございますかこれは?! トウ小平氏の本は、取材協力者
に贈ろうと北京へ送ったら税関で止められたという話は聞きましたが、日本国
内でもそんな状況なんですか!?
 
とすると、これはもう既に完全な属国ですわな〜〜
 
しかし、どういうメカニズムで本の流通まで妨害をかけられるんでしょうか?
東販とか日販のような流通に媚中、屈中連中がもぐりこんでるんでしょうか?
それにしても、本屋さんから注文がきたら流さないわけにはいかないでしょう
に、なんと口実して断るのかな??
 
当誌でも先般、永住外国人参政権付与推進議員の名前を掲載したら Yahooメル
マガで発行停止にされちゃいましたけれど、あの場合は Yahoo Japanの社長が
(元?)在日韓国人だかららしい、という割と簡単な原因が透けて見えましたけ
ど、
 
マスコミの場合は、
┌--------
本当に日本のTV番組は、殆ど全て、報道局などの左翼思想の一方的な刷込み
で番組を制作しているというのはまず確かですね。在日韓国や中国の左翼系が
局や番組制作会社に大量に採用されているからです。次に、高級幹部、中級管
理者が、全共闘・日教組授業組ですからほとんど確信犯です。
└--------
 
という状況らしいですけども、書籍の流通も似たような状態なんでしょうか?
 
ーーー教育は本当に恐ろしいものでございます。
 
こりゃもう、明後日の水曜日号掲載「戦争が教育を再生する!」いちのへさん
ご主張のようにやるしか、日本再生の途はないんじゃないのかしら?
 
└──────────
 
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│ ○●○ 神話の神様トンデモ物語 ○●○


│人間は古代より「神様」の存在を思い描いていました。そして、神様につい
│ての様々な物語を作りました。
│神様の物語の中から、人間に近い部分や親しみが持てるであろう部分を紹介
│します


└→ この続きはこちらで → http://melten.com/osusume/?m=25197&u=6254
 

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┃▼▽ あとがき ▽▼
 
江藤一市さんの異聞抑留記の開始でございますが、どうして「異聞」なのかは
回が進めば納得されるでしょうが、序言にもありますように「悲惨な暮らしの
中にもあった、明るさ、楽しさ、笑い、喜びなどを拾い上げて」ということで
 
著者の性格によるところ大なんでしょうけれど、まあ言うならば「すちゃらか
シベリア抑留記」(^^;、暗く重いドヨヨ〜〜ンとした「シベリア抑留記」とは
かなり違っております。
 
人間はどんな境遇に在っても、心の持ち方次第で、楽しみを見つけながら逞し
く生きることができるもんだな〜〜と、力が湧いてくるような「異色抑留記」
 

ご愛読いただけますよう!
 
 
 
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軍事知識は、グローバルビジネスには欠かすことのできない常識です。軍事は
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者に提供してくれる、日本でただひとつの軍事「情報」マガジンです。
 
 

┌―――――「国際派日本人養成講座」伊勢雅臣氏主宰

現在の日本は情報鎖国時代。え?情報は溢れていますよ?----情報とはなんで
しょうか?自分が誤りのない道を歩んでいくための栄養素----海外の正確な事
情は?歴史の正しい事実は?これから進むべき方向は?----それが情報です。
 
 

┌―――――「縄文塾通信」中村忠之氏主宰

コップに半分の水。「まだ半分も残っている」と喜ぶ人「もう半分しかない」
と嘆く人。いまの日本は圧倒的に後者が優勢だ。今年は、極力縄文の有り様に
沿って「陽=プラス思考=楽天的」でいくつもりです。乞うご期待を!
 
 

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ではまた、ホントに面白い!水曜日号でお会いいたしましょう!(^o^)丿

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