中国語故事(物語)と..小話と..お遊び ―― by OJIN
☆ 炙る」の文字考 ―――――――――――――――― 2008/01/30

別のメルマガで「北京ダック」を紹介した記事中で、「これを搾炉と呼ぶかま
ど(竈)の中につるし」という誤字があり、それに読者がこれは間違いですよ〜
と指摘してきて、
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×これを搾炉と呼ぶかまど(竈)の中につるして
◎これを「火偏に考」炉と呼ぶかまど(竈)の中につるして
└--------

ところがそのメルマガの発行者は、「平凡社の世界大百科事典のCDの記述を
そのままコピペしたらこうなってしまいました。とほほほ」ということで、別
の読者からさらに以下の意見も寄せられて、
┌--------
2)北京ダックの件の、平凡社大百科事典の過ちの件ですが、私も日頃から国
語辞典、英和・和英辞典の定義の、納得いかぬ点を自分のホームページを使っ
て指摘しています。

特に広辞苑とオンラインのアルク社ホームページで無料使用できるとして提供
している英和・和英辞典の「英辞郎」について記述しています。

そこで今回話題となっています平凡社の世界大百科事典で「北京ダック」を検
索してみました。それを丸ごと複写して Outlook Expressの「メールの作成」
ページに貼り付けてみました。

CD−ROM世界大百科事典で検索結果を見ると、まったく正しい表示になっ
ています(誤植はありません)。しかし、Outlook Express のメール作成ページ
に貼り付けると、主宰者さんが読者の方からご指摘を受けられたように、漢字
の表示が変わってしまいます。平凡社の世界大百科事典の名誉のため、今回は
この事典には文字の間違いはなかったことを念のため申し上げます。

漢字コードに問題があるのではないでしょうか。
└--------
┌--------
3)当家には27年前(昭和56年)に購入した平凡社の世界百科事典がありま
す。索引で“北京ダック”を探してもないんです。中国料理の項を丹念に見て
ゆくと、調理法で“?”は「直火にあぶる」とあり、例として“?鴨子”があ
りました。
逆に索引で“?鴨子”を探したら当該ページにありました。“北京ダック”な
る日本語は当時はなかったんでしょうね。

この百科事典は、初版昭和56年とあります。CDの百科事典は最近編集され
たものでしょうが、日本には中国学者は居ても漢学者は少なくなった、亮次郎
さん曰く“いまだ未完成”の部類でしょうか。

百科事典というと、我々は無条件に信頼し、引用しても間違い無いものと思っ
ていましたが、ITという現代の利器を潜り抜けると、途端に胡散臭いものに
変ってしまうという事なのですね。

ところで文中の“?”ですが、これは「火偏に考」という字です。IMEパッ
ドで火偏を出し、39字目に出てきますが変換できないのです。これよりもっ
と画数の多い爆・營・燐等は変換可能、且つ、この字も火に考えるというあり
きたりの字なのに変換できないのは何故でしょう。 大いに疑問が残ります。
└--------

ふ〜〜ん、

ならばということで、その化けた「[ kao 3∨]」の文字考をしてみることに
いたしました。まずは、

「」は、日本語の「炙[あぶ]る」と同じ意味で、元は同じ漢字じゃないのか
な?と考えて、中国で680元≒1万円もした現代漢日辞海(上・下巻)という
大辞典を引っ張り出して覗いてみました。
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現代漢日辞海(上・下巻) 日本語書名「中国語大辞典」
編著:大東文化大学中国語大辞典編纂室
出版発行:北京大学出版社(日本では角川書店)
└--------

日本の漢字には「」は無い、中国の漢字には「炙」が無いことがこのゴチャ
ゴチャの大元なんじゃないかな、と考えて、軽い気持で現代漢日辞海の「」
のところに辿りついて、文字の意味を眺めてから単語を追っていったら、

あれれ??

「炙」という単語がある!?
┌--------
「炙」の意)動詞:(強い太陽の熱・高温で)焼く
「炎夏的太陽〜着大地=炎のような夏の日差しが大地を焼いている」
└--------

ということは、中国には「炙 [zhi 4\]」という漢字があるわけだ‥‥こりゃ
知らんかったわいと下巻のほうで「炙 [zhi 4\]」をひいてみると確かにある
‥‥中国語の「炙[zhi 4\]」の文字の意味。
┌--------
1.あぶる
「〜手可熱=手をあぶれば熱さを感じる=転じて、高貴な人のあたるべからざ
る権勢の例え。気炎が盛んで権勢の大きい例え」
「親〜=直接人から教えを受けたり伝授されたりする」
「〜衣服=火にかざして衣服を乾かす」
「白雲散布四方、白日〜人背上如春天=白雲は四方に散らばり、白日は人の背
を焼き、春の如しである」
「日〜風吹=日が照り付けて風が吹く」

2.焼き肉・よくあぶった肉
「膾〜人口=人口に膾炙[かいしゃ]する:なますと焼き肉が万人に好まれるよ
うに、よい詩や文章が人々の賞賛を受け口ずさまれることの例え」
「刀而為〜=刀で切ってあぶり肉にする」

3.名詞:北京方言「〜子=(肉をあぶるのに用いる)鉄の串」
└--------

では、日本語の「炙[あぶ]る」の文字の意味は?「明治書院版新釈漢和辞典」
┌--------
1.あぶる・焼く
2.あぶり物・焼いた肉
3.火あぶりにする・焼き殺す
4.親しみ近づく
└--------

中国語のほうには日本語の3・4の意味はないようですが、まあ、だいたい同
じような意味でした。

では中国語の「[kao 3∨]」の文字の意味は?
┌--------
1.動詞:あぶる・焼く
「〜面包=トースト」

2.動詞:火で暖をとる
「〜手=手をあぶる」
「圍炉〜火=炉を囲んで暖をとる」

3.方言(四川雲南)動詞:(酒を)醸造する
「暗里却家家都在〜酒=こっそりとどの家も酒を造っている」
└--------

中国語では、厳密にはたぶん微妙な違いがあるのでしょうが、辞書からでは、
「 [kao 3∨]」も「炙 [zhi 4\]」もまったくというぐらい同じ意味としか
受けとれませんでした。

で、今回の騒ぎの元になりました「北京ダック」ですが、
┌--------
「鴨(子)」アヒルの内臓を取り去り、表面に麦芽糖液を塗って、ナツメヤシ
の木の薪で照り焼きにしたもの。北京鴨は有名。
└--------
と説明されていました。

で、ついでに調べました以下の単語。(〜の部分は「[kao 3∨]」の文字)

〜羊肉=ジンギスカン料理。〜羊肉串=マトンの串刺焼、シシ・カバブ。

〜羊腿=ロースト・マトン。

〜油鶏=ロースト・チキン。〜鶏でも同じ意味。

〜蕃薯=火にあぶって焼いたサツマイモ、ヤキイモの事です。〜白薯も同じ。

で、「〜箱」というのがあったんですが、さて、これは何のことだかお分かり
になりますでしょうか?〜〜〜食べられるものではございません。

と、ここまで書いてきて気がついたんですが、

「 [kao 3∨]」の字を使った単語には、そうじゃない使い方も多いですが
「食べ物」に関する使い方が、上に掲げた以外にもたくさんあります。一方、

「炙 [zhi 4\]」の字のほうには「炙肉=あぶり肉」と「炙薫=(魚などを)燻
製にする」という2つしか食べ物に関係する単語はありません。

で、遊びに来た中国娘に聞いてみましたら、しばらく考えていましたが、

「[kao 3∨]」は料理のときに使われる言葉で、

「炙[zhi 4\]」は天気に関する場合に使う言葉、

ーーーということでございました。

日本では「炙る」といったらほとんどが料理の場合に使われる言葉で、他では
「(火にかざして)手をあぶる」のがこの「炙る」だったでしょうか? 天気に
関してこういう感じの使い方といったらなんでしょう?

「ジリジリと太陽に焼かれる」かな?「陽に照らされる」では暑い感じではな
いですよね?

まあ英語でも、イギリス英語とアメリカ英語では、同じ単語でも意味の違って
いるものがありますし、 OJIN は知りませんがインド英語とかオーストラリア
の英語にも、かなりの違いがあるんでしょうね〜。

同じ漢字を使って意味が異なる場合がある、、注意が必要でございます。

                        = この稿おわり =
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┃┃ [kao 3∨]箱[xiang 1―]」の意味は?の結果。
┗━┛
◇ 焼餃子を焼く鍋 --------------------------------------  5人 (19%)
◇ 電気ストーブ ----------------------------------------  2人 ( 8%)
◇ オーブン -------------------------------------------- 15人 (58%)
◇ 電子レンジ ------------------------------------------  4人 (15%)
※ 正解は「オーブン」

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┃┃ コメントボードに頂きました愚痴。
┗━┛
┌──────────「プーさん」

6年前ローカルスーパーにて400元で買ったうちの『微波炉』(電子レンジ)

〜〜〜“焼[火考]”機能のメモリも一応アリ。でも、

グラタンはホワイトソースが生ぬるくなるだけ、トースト入れて“焼[火考]”
すると、バリンバリンの所々黒焦げセンベイが出来上がります。オーブンメモ
リは、オシャレな飾りだったらしい。

ちゃんとお仕事してくれる『[火考]箱』が欲しいな〜。
└────────── ┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
あっはっは〜!、って、、笑い事じゃないんですけれども、ウチのも同じ機能 付なんですが、今まで一度も焼[火考]機能は使ったことがありません。いや、 機能を信用してないというわけではなくて、次に使うときにウッカリ焼[火考] メモリのままにしてスイッチを入れてしまったらヤバイ、という、自分の不注 意癖に対する用心からなんです‥‥‥ └────────── ┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘ └→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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