ーーー私達の子や孫の時代の日本がどうなっているかを考えてみた。
人口と人口構成がどうなっているかは、かなり明確に分かる。一人の女性が生
涯で何人子供を産むかを示す合計特殊出生率に、ありそうな仮定を入れて計算
された約40年後の2050年のデータを見ると、
総人口1億2百万人、
┌--------
14歳以下の子供約1100万人、
構成比率=2005年:13.8%→2050年:10.9%
生産年齢(15歳〜64歳)5300万人
構成比率=同上、66.1%→52.2%
老年(65歳以上)約3800万人
構成比率=同上、20.2%→36.9%
└--------
となると推定されている。2050年では85歳あたりの人数が一番多い国と
なっている。国の平均年齢は目分量で65歳あたりだろう。
「国立社会保障・人口問題研究所」
http://www.ipss.go.jp/
生産に携わる人口は、現在の約8400万人から5300万人に減少する。
37%も減る。
総人口は21%の減であるが、生産人口はその倍近い比率で減ることになる。
意味するのは、生産人口一人当たりの扶養する人数が増える、ということであ
る。仮に、生産人口一人当たり、現在のGDPと同じだけを産出するとしたと
き、机上の計算では国民一人当たりのGDPは現在より2割強低下する。
ーーーそれだけ貧しくなるのである。
しかもこの数字は、生活に必要な物資を生産する仕事に従事する人数を現在と
同じ比率と仮定したときのGDPだから、老年人口の増に対応してその世話の
仕事に従事する人を増やさねばならず、
また、間接業務である役人の人数はそう減らないだろうから、生活に使えるお
金は、先述の現GDPの8割から更にかなり下がると見たほうが良いだろう。
国際的な経済環境はどうなっているかといえば、確実なのは、石油の価格は今
から考えれば暴騰しているであろうし、鉱物資源も高騰しているに違いない。
また食糧は、世界人口増の影響で高くなっているだろうし、肥料の原料である
リン及びカリが高騰しているに違いない。
肥料を、自然由来の有機肥料だけで育てると面積当りの収量が大きく低下し、
国内で食糧生産をするも生産性は今よりかなり落ちると見なければならないだ
ろう。食糧高騰対応策として食糧自給率を高めると、そこに生産人口から人を
振り向けねばならないから、
ーーーまたそれだけ日本は貧しくなる。
日本の自動車産業の平均賃金時給換算は4900円/Hと言われているが、農
家の時給換算では、07年度で256円/Hだと農林省は計算している。した
がって、農家の19倍の付加価値を自動車産業の労働者はつけていることにな
る。
現在日本は、自動車や機械を生産して輸出し、石油や食糧を輸入しているのだ
が、他国と比較劣位である食糧を、比較優位である自動車等と交換しているこ
とで、このように豊かな生活になっているのである。
だから、もし食糧自給率を上げるために、自動車生産に従事している労働者を
農業に振り向けなければならないとき、その人の稼ぎ=GDPは19分の1と
なる。
したがって、食糧自給率を上げる時には、国としては生産性が低下し貧しくな
るから、農業の生産性を著しく向上させることを考えなくてはならないことは
自明の理である。
ついでながら申し上げると、食糧自給率39%というのは、カロリーベースの
計算だが、金額ベースの食糧自給率では70%である。ーーー国内で自給して
いるのは、野菜等のカロリーの低いもの主体になっているから40%を切る数
字になっている訳である。
2005年では、老人1人を支える生産年齢者3.3人だが、2050年では
1.4人となる。夫婦共働きで子供3人とすると、支える扶養家族は5.8人
となる勘定だ。
鈴木亘氏によれば、生涯の年金・健康保険などの給付と負担の差が、1940
年生まれではプラス4850万円であるに対して、2005年生まれの人は、
その差がマイナス3490万円になると推定されている。
その差額は8340万円の巨額なものとなるのである。こういう世代間会計に
ついては、最近研究がなされるようになったようだが、
「世代会計の国際比較」
http://www.imes.boj.or.jp/japanese/zenbun98/kk17-6-1.pdf
日本が一番酷い。それは、老齢化が激しく、少子化も凄い勢いだからである。
加えて1千兆円の国の借金があるのだから、生まれながらにして1千万円の負
債を背負わされるのである。
しかし、この国の若者は、ーー自分たちの未来を何も知らされていないのであ
ろうか、ーー考えていないのであろうか、
今の状態が自動的に続くと思って、極めて楽天的に生きているように見える。
フランスの若者のように暴れろとは言わないが、もう少し反抗の意思表示をし
て、老い先のそう長くない連中から政権を奪ってもいいのに、ーーーと思って
しまうのである。
= この稿つづく =
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┃●┃ 読後アンケートの結果。
┗━┛
◇ この意見に賛成 -------------------------------------- 52人 (64%)
◇ どちらかといえば賛成 -------------------------------- 16人 (20%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------- 8人 (10%)
◇ どちらかといえば反対 -------------------------------- 2人 ( 2%)
◇ この意見に反対 -------------------------------------- 3人 ( 4%)
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┃●┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
┗━┛
┌──────────「内田さん」
その通りですね、10年前には、既に統計上見えていました。
外資系医療機器企業で将来市場を出したのですが、この人口構成に愕然として
その後はずっと海外に機会を求めていました。
└──────────
▼
┌──────────「紋起さんから」
┌--------
この人口構成に愕然としてその後はずっと海外に機会を求めていました。
└--------
すごいですね。正解です。
大前研一氏が、日本国内で伸びる産業は葬儀関係しかないと言っておられまし
た。市場原理主義などとグローバル化を批判する人達は、一体どこに市場を求
めるのでしょうか。
鎖国的なことでは生きていけないことを認識して、その対策を速くやったとこ
ろが時代に適合できるのだと思うのですが。
└──────────
┌──────────「Jan さん」
紋起さんの文章を読んでくら〜くなりました。ーーーしかも本当のことですか
らなおのことです。
昔、小松左京のSFに未来の地球が出ていて、昔の都市のゴミ捨て場が貴重な
資源供給地になっていました。今のフィリピンのゴミ山みたいなものよりも、
もっともっと価値あるものが得られているのです。
その時代にない貴重な文明の遺物や、その時代に既になくなった化石燃料の供
給地になっていました。現代人よ!
未来のために、ゴミは焼却しないで埋めることにしましょう!\(^o^)/☆ミ
‥‥‥ってか、これはお笑いですね。
└──────────
▼
┌──────────「紋起さんから」
┌--------
未来のために、ゴミは焼却しないで埋めることにしましょう。
└--------
私も同種の意見です。いま何をすべきかといえば、海外の優良企業を買うこと
です。それも資源関連を買うことです。
今は円高で、海外の企業が安値の極みにあるのですから、日本が助けますなど
と衣の下の鎧を見せないようにしてM&Aするのが世界経済にも貢献できるの
ですが、ーーー誰もやらないでしょうね。(涙)
└──────────
┌──────────「りょうさん」
「反抗の意思表示をして、老い先のそう長くない連中から政権を奪う」ぐらい
ではすまなくなると思います。
なんといっても、若い人のエネルギーは計り知れないものがありますから、息
子が成長するぐらいの時期に大きな変動があるでしょう。その時、私を含む老
人は皆..姥捨て山に捨てられるのでしょう。
ーーーそうなっても自業自得だと諦めています。
なんといっても、この借金は一生懸命努力した結果残ってしまった借金ではな
く、自らのエゴのために残したものですから、孫が自分のことだけ考えて老人
を蔑ろにしても仕方ないと思います。
└──────────
▼
┌──────────「紋起さんから」
┌--------
孫が自分のことだけ考えて、老人を蔑ろにしても仕方ないと思います。
└--------
経済評論家として有名な三原淳雄氏が、ご自分のブログで1500兆円を動か
せという論の後に、こんなことを言っておられます。
┌--------
頑張ってほしい企業の株を、孫の名義で買ってやるのも一法だろう。
孫名義で長期保有をするのなら、その分相続税をゼロにするとか、なんとか眠
れる失業中のカネを動かす方法を考えるべきだろう。
株が上がれば企業のバランスシートも改善され、銀行もカネを貸し易くなる。
相続税ゼロなんて言うと、すぐ金持優遇だと目を吊り上げるのがこの国の悪い
癖で、株が上がってくれば金持以外の人にもメリットが及ぶ。
└--------
これなら、お孫さんに蔑ろにはされないものと思うのですが。税制改定を要求
しましょう!
└──────────
┌──────────「無知蒙昧さん」
30年近く前、我々が子供だった頃から、学校の授業でも「このままでは支え
きれない」と教わりました。子供心にも、「払った人が払った分をもらう」で
なければ無理と思った記憶があります。
何故そうできないのでしょう? 分かる方がいたら教えて下さい――――。
└──────────
▼
┌──────────「紋起さんから」
┌--------
なぜ「払った人が払った分をもらう=積立方式で」できないのでしょう?
└--------
自信はありませんが、こういう感じかなと思っています。簡単化した例で申し
ますと、
過去の10人ぐらいで1人の老人を支えている時代は、20万円/月の年金支
給を、現役の2万/人・月×10人の賦課方式による保険料でやることができ
ました。----本当は企業負担分とか税金がありますが無視します----
現役時代に払った保険料2万/人・月を、もし積立方式で計算したら、40年
保険料を払っていたとして、10分の1の4年間だけ20万/月の年金支給は
可能でしょう。(実際は利子が付くので年数は少し伸びますが簡略化します)
しかし、長寿と少子化が重なり、少人数で年金支給を賦課方式で支えるとなる
と大変です。
上記の例でいえば、老人1人を1.4人の現役世代で支えるとすれば、
14.3万円/月・人の保険料となります。
こうなったら、積み立て方式でやったほうがすっきりします。
しかし、積立方式を始めたとすると、その時の老人にはどのような財源で年金
を支払うのでしょうか。積立の金を横流しすると、先々大問題が起こるでしょ
うし。ーーーそこが一番分からないところです。
└──────────
┌──────────「AWさん」
┌--------
机上の計算では国民一人当たりのGDPは現在より2割強低下する。
ーーーそれだけ貧しくなるのである。
└--------
高齢化社会や労働力不足を移民で乗り切ろうとしたヨーロッパは大きな問題を
抱えています。たった2割のGDP低下なら、将来の世代の為に我慢すべきで
しょう。ーーー民族を失い、国が無くなるより、貧しいほうがより幸せです。
経済は単純計算ではありません。労働集約型の産業を持ってきてもうまくいか
ないでしょう。人口の少ない小国のほうが技術立国には向いています。国家と
してはむしろ人口減少をさまざまなチャンスと考えて取り組むべきでしょう。
日本人の収入を維持するために、安い労働力を仕入れるのは、200%格差社
会を生み、治安問題などの社会問題を発生させます。
大量の余剰人口を抱え、人口侵略の意図を持った中国があり、日本のマスコミ
と産業界と政界は既に制御下におかれている日本で、移民を受け入れようもの
なら、20年もあれば日本を消滅させるには十分でしょう。
└──────────
▼
┌──────────「kinny さん」
AWさん、横入り失礼。
┌--------
たった2割のGDP低下なら、将来の世代の為に我慢すべきでしょう。
民族を失い、国が無くなるより、貧しいほうがより幸せです。
└--------
貧しい日本が国際的な権益と安全保障を維持できると考えているとしたら、ま
さにガクセーの議論だと思うぞ。2割のGDP低下といっても、相対的には日
本の国力は半分以下になるのだ、ということが見えていないのではないか。
小生は、国家の政策に関わったことのない人の議論を、けして軽蔑するもので
はないが、全方位的に非対称戦をのべつまくなし展開するのは好ましくないと
考えている。
スキルの上で絶対に適わないことが続けば、力づくで他者を従わせようとする
テロ攻撃を指向するようになるケースが多いからだ。
ーーー背伸びは、たまにやるから成長するのだ。
┌--------
大量の余剰人口を抱え、人口侵略の意図を持った中国がおり、日本のマスコミ
と産業界と政界は既に制御下におかれている日本で、移民を受け入れようもの
なら、20年もあれば日本を消滅させるには十分でしょう。
└--------
小生も、現状の移民受入には反対なんだけど、、それはそれとして、いったい
誰が、どういう根拠でかかるムチャクチャを言っているの? 正直、マジメな
反対論者にとって、かかる粗雑な論はかえって迷惑かもよ?
ーーー観念論以外の根拠を示さなきゃ、、見ていて痛々しいよ。
└──────────
▼
┌──────────「紋起さんから」
Kinny さんのご指摘は、的確なところを突いておられます。
国家のベースは「富国強兵」なんですね。富国でなければ、外国からの圧迫で
言うことをきかされる国になるということです。明治の人はそれが分かってい
て、三国干渉でも涙を呑んで引きましたが、臥薪嘗胆で日露戦争に見事勝利し
ました。
今度の政府は、おかしな党を引き込んでの連立なので、本当に気をつけないと
いけないですね。
2割低いGDPでもいいじゃないかという論ですが、これなども、失礼ながら
具体的なことを考えておられないと思います。GDPが2割減ることは、税収
も少なくとも同率減るわけで、42兆が34兆になります。
いま国債の利払いだけで約22兆円です、どうするのですか。だからGDPを
増やして、税収が60兆円だとかになるようにしていかなければ、子孫の時代
は悲惨だけです。
移民の騒動も好まないですが、国力が落ちて軍備もできず、恫喝に屈して属国
になり、その国の連中が我が物顔でのさばられるのはもっと嫌です。その相手
は中国だけではないのです。
2割減ってもひっそりと安穏に暮らせればいいじゃないか、という雰囲気が強
いようですが、安穏に暮らせるという前提が間違っているのではないでしょう
か。
└──────────