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坂の上の雲を! ――――――――――― by 紋起さん
☆ 短慮と不覚の路(中) ―――――――――――――― 2009/01/21
現在の官僚の行動をして「省益あれど国益なし」と評される。すなわち自分た
ちの属する組織の利益は必死で考えるが、国民全体の利益は考慮外であるとい
う意味であるが、官僚の世界では、同様のことは普通にみられることである。

大正から昭和にかけての軍部も、全く同じ状態であった。

日清・日露戦争時代は、政治と軍に明治の元勲である長老が絶対的なカリスマ
を持っていたから、政治と軍事のバランスも取ることができたが、

長老が亡くなると、国民生活を圧迫する軍事予算が要求され、なおかつ陸海軍
間での軍備予算の獲得合戦となり、それを拒む政治家をテロで殺害しようとす
る右翼まで出てくるようになる。

宇垣一成や加藤友三郎のように、軍縮を行う一方で軍備の質の転換を図ったり
する軍人もいたが、出身組織内の評判は極めて悪く、思いを完遂することなく
失脚させられている。

官僚組織は常に自己保存的であり、国益をも忘れて組織の利益を追求するもの
なのだ。

陸軍、海軍間で予算の分捕り合戦は、陸主海従か、海主陸従かの主導権争いで
あり、妥協すれば属する組織内での評判が悪化し、最悪の場合には組織外に放
逐されることになるのだから、妥協し辛い争いになる。

陛下以外に行司役のいない陸軍と海軍の勢力争いは、結局両方に面子を立てる
玉虫色の決着しかなかった。これは予算だけではなく、もっと重要な国策の策
定でも同じ争いが生じている。

陸軍はソ連が仮想敵国であり、北に勢力伸張を図るべく諸準備をしており、海
軍は伝統的にアメリカが仮想敵国であり、南に進むのを自分たちの領域と考え
ていた。

本来、国力の無い日本は、どちらか1方に国の努力を集中して資源を獲得し、
総力戦を戦えるようにすることが必須なのに、結局両方の顔を立てて北と南に
同時に進むというイリュージョンの国策にせざるを得なかった。

戦略というのは、努力の集中点を明示する、すなわち諦めるものは何かを示す
ものでないと意味がないのだが、玉虫色の国策は、結局混乱の原因にしかなら
ない代物となる。

大正12年以来、久方ぶりの国策の改定をおこなった昭和11年でも、陸軍・
海軍の両論併記でなされた。

満州国が出来た後だから、まず満州国の安定、が優先されるべき国家の課題で
あったはずなのに、海軍は陸主海従の形は海軍の組織として耐えられないと、
頑として受け入れなかった。したがって、国としては一致協力して何かをなす
のではなく、てんでんバラバラの方向に拡散することとなったのである。

満州国の安定と活用が国策なら、外交方針としては、日本の実質支配地域が増
えたことで生ずるアメリカの利権との軋轢を緩和する施策を施すことになった
であろう。

米国と事を構えることは、戦えば消耗戦に引き込まれ、小資源で工業能力でも
圧倒的に劣勢である日本は必敗であるのだから、全く得策でない訳で、米国を
刺激しないような配慮をしつつ国力を涵養すべし、という方針が軍部内からも
出されても不思議ではないのだが、

国策が拡散しているのだから、そのような思想も生まれようがなかった。

統帥権の独立が軍部専断の軍事行動を招いたのは確かであるが、陸軍・海軍の
統合なき並立も国策の発散ということで多大なる迷走を起こしており、対米戦
争開戦の大きな原因となっている。

                        = この稿つづく =
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┌──────────「Jan さん」 紋起さん「短慮と不覚の路(中)」を拝読させていただきました。 よく分析されておられます。まったく同感です。 ただ、天皇陛下について書かれておられませんね。明治維新後の政治を論ずる には、天皇陛下について述べることをタブーにするわけにはまいらないと思い ます。 今の天皇陛下は象徴であって政治には口出しできませんが、明治維新から大東 亜戦争で負けるまでは、天皇陛下が直接政務を行う組織になっていました。 しかも、明治天皇は国の独裁者でもあったので、陸海ともちゃんと国事につい て同じ方向を向いていました。 しかし、明治天皇崩御後、大正天皇には政務能力が欠けていたので陸海がバラ バラになってしまった、という論をどこかで読んだ記憶があります。 したがって、惜しむらくは昭和天皇が、きちんと制御すべきだったと思います が、天皇陛下も若かったし、手をつけるにはもう遅かったのでは、と―――別 に検証したわけではないので勝手に想像しています。 いずれにしても、江戸時代からずっと日本を支配しているのはバカな政治屋ど もではなく、官僚であり、不幸なことに官僚の組織は一元的ではなく、それぞ れの部門が独立して運営されているのでバラバラのままということです。 また、政治屋が官僚組織の上にいても、国会は、頭が悪い議員が、理解もしな いで官僚どもの作成した原稿を読み、それがオーソライズされる場と化してい るわけですね。 その政治屋どもの長(総理大臣)も、別に優れた人でもないので、日本という国 が一本化されることなくバラバラのまま、ということになるわけですね。 人間の生死を決めるのは医者ですが、頭の悪い奴が医者になると大変ですから ちゃんと国家試験がありますね。人を裁く役割の裁判官や弁護士や検事も頭の 悪い奴がなると困るので国家試験があります。 なぜ、国の生死を決める政治家に国家試験がないのでしょうか。 エリート官僚はそれなりに頭のいい奴が揃っていますので、ヤクザに毛が生え たような奴とか、タレントだとか、政治家のドラ息子とかが政治屋になった手 合いは、徹底的に官僚に馬鹿にされていますね。 私の提案は「議員になるための国家試験を設定すること」です。 そうすれば、バラバラの官僚組織も束ねる能力がある政治家が出現する可能性 が出てくるのではと思います。ーーーそうすると日本も生き返ると思います。 もっとも、そんな法案なんかバカな政治屋どもが通すわけもないし、第一、マ スメディアが大陸と半島の工作員に押さえられているので実現はまず100% 「ありえねぇー」ですね。 これは、暴力に訴える最低手段の革命か、ヒットラーみたいな奴とかが出てこ ないと無理でしょうね。(=∵=) 小泉さんは何となくヒットラーみたいでした ね。ーーーもっとも。ハゲタカ強欲資本主義を信奉する竹中なぞを仲間に引き 入れたのは失敗でしたね。(^^;
└────────── ┌──────────「紋起さんから」
陸軍と海軍とがバラバラであったのは、設立時からといってよいと思います。 ーーー日本で、別組織になって仲良くやれることはまずあり得ません。 企業でも、営業と生産だとか、人事と総務、会計、仲良くやれるのは、起業し て潰れるかどうかの期間だけで、安定期に入ると勢力争いが日常茶飯事ではな いでしょうか。 明治天皇が陸海軍を統御されていた面もあるかも知れませんが、大きいのは元 老です。ーーー陸軍にあっては、山縣有朋、大山巌、海軍にあっては山本権兵 衛、政界にあっては、伊藤博文、桂太郎らが、 その出身の薩長の個人的コミュニケーションと、激変の時代を生き抜いてきた 人間性で、政・陸・海を纏め上げてきましたが、彼らが亡くなると組織の悪さ がそのまま出てしまうようになります。 それがちょうど大正時代でして、山縣が大正11年に没しています。 天皇陛下が大東亜戦争で果たされた役割は「天皇機関説」どおりでして=昭和 天皇陛下ご自身が、天皇は機関でよいではないかと仰っておられたそうです) 下から上がってきた案件に、質問はされますが、そのまま裁可されるのが殆ど だったと記述されてます。 ご自身の意思を示されたのは、 ※2・26事件の時に「我が股肱の臣を殺害せしめる将校に、許すべきものが あるというのか!」と鎮圧を指示されたこと、 ※張作霖爆殺事件の責任者を処分しなかった、と田中義一首相を叱責、内閣総 辞職し、その後田中義一は死去してしまったこと、 ※昭和16年9月2日の御前会議で対米開戦の決定をした時、明治天皇の御製 を読上げられ、日米交渉の継続と平和的解決を暗示されたこと、 ※昭和20年8月9日の政府会議でも、ポツダム宣言受諾可否の結論が出ず、 鈴木首相が陛下に最終判断を伺いに行き終戦の聖断が下されたこと、 この5つぐらいしかないように思います。したがって、大東亜戦争に至る過程 で昭和天皇陛下が加担された部分はないと思っています。 ーーー政治家に資格試験が必要だというご主張は、大変興味深いことです。 しかし、 反論になって恐縮ですが、大東亜戦争に至る愚挙を行ったのはエリート中のエ リート達で、戦争をうまくやった明治の元勲は、例えば伊藤博文などは、 必ずしも頭脳明晰であったわけでなく、志士の時代には自ら暗殺を実行するよ うな人でしたが、大久保利通が倒れた後を受けて辣腕を振るって政界の大立者 として名を残しています。 私は、日本の学力試験制度に基づく、出身学校で能力を測定する考えが日本を 悪くしてきたと思っている人間です。それは、 中国で、科挙という試験制度で宰相を決めるような時代がありましたが、初め は良いのですが、途中からは禄でもない人間が宰相になり国を亡ぼしました。 政治は、頭もそれなりに大事だとは思いますが、それ以上に、赤心が大事では ないでしょうか。そして異質を許容する人物の大きさ、人を見抜く目、そして 大局観があれば言うことなしです。 試験上手の賢い人は、単に小賢しい場合が結構ございますよね。それを見抜け ないことが多いです。 └──────────
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