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坂の上の雲を! ――――――――――― by 紋起さん
☆ 負けないために(3) ―――――――――――――― 2006/12/04
私にとっての大東亜戦争は反面教師である。この経緯の中に、私たちの、今も
克服されていない弱点が多々存在する。それらを取り出して、再発防止をしな
くてはならないのに、皇軍賛美の論調が多く、弱点など無視の状態である。

たしかに最近までは、日本軍が悪いという説が主流であり、その否定形として
の「日本軍は悪くない」論は必要ではあった。しかし、今はそれから先に進ま
ねばならない時に至っているのではなかろうか。今、大東亜戦争の負け戦の原
因を究明しておかなければ、

戦いに勝利する手段もないということになる。

小室直樹氏は、大東亜戦争の敗因に、[軍]という官僚制度の劣化を挙げている
が、私も納得するところである。満州事変以降、軍隊という官僚はその価値観
を変えたのではなかろうか。ーーー根本は、石原莞爾の、天皇を無視した独断
専行が許され、出世という褒賞を与えられたことにある。

確かに、時代は、世界的な恐慌の中で資源のない日本が生きていくべき領域の
狭さはあったが、軍がその暴力的パワーを用いて勝手に政治を専断し、それが
成功であったという認知を日本国がおこなったのである。

それ以来、軍人は私欲の手柄至上主義となり、功を焦るようになる。私益あっ
ても国益なしが規範ではなかったのだろうか――――。

満州事変以降、515、226のクーデター事件による政党政治の終焉、陸海
軍大臣現役制に負[たの]む倒閣運動による軍部の意思貫徹、等々から、政治が
常に戦線拡大という既成事実の追認、に至るまでの軍部官僚の専横が続いた果
ての結果がハルノートに繋がっていったのではなかったのか。

この形は、バブルの勃発とその崩壊の経過での無責任体制、官製談合や天下り
による利権確保の狂奔、社会保険庁や警察・検察に至るまでの公費横領行為、
地方自治体に於ける厚遇問題、カラ出張などの公金横領にみられる官僚の劣化
と軌を一にしているようにみえる。私益あっても国益なしの状態そのものであ
る。

そして残念なことに、それを止める手立てを今日でも持てていない。日本は、
科挙の制度を輸入しなかった分だけ良かったという論者もいるが、日本の官僚
制度も、東大を窓口とした科挙の制度であり、官僚の専横を防ぐシステムがい
まだに組み込まれていない。

個々の歴史的事実から、大東亜戦争の意味合いを論じることも重要ではあるが
再び負けないためには何をすべきか、という視点からの議論が今一番必要なの
ではなかろうか。例えば、別冊正論で渡部昇一氏と日下公人氏が対談している
中でリーダー論に至るが、「日本にはそういうリーダーが生まれなかったので
すね」で終わりにしてもらいたくないのである。

明治にはそういうリーダーが誕生したのに、昭和には出てこなかったのは何か
原因があるはずだ、という視点での議論が望まれる。――――そこにこそ戦争
と経済と、2度にわたる敗戦の根本原因があるのに、日本は悪くなかった論で
終始する視点は、歴史から何も学ばない立場でしかない。

大東亜戦争は義戦であったとか、謀略に嵌められた戦争であった=日本は悪く
ない)という論では、感情的には満足できるかもしれないが、そのようなカタ
ルシスに終る論は、日本の欠点を全て隠すだけの論であり、サヨクの日本悪者
論と同様、あるいはそれ以上に日本を駄目にしてしまう論であろう。

最後にもう一言。

兵は、市民生活に於いては5割を超える軍事予算下の耐乏生活に耐え、戦地で
は理のない戦闘に耐えてよく戦ったと思う。マスコミの煽り報道に騙されて、
欧米との戦争を支持していた錯はあるものの、その自己犠牲と忍耐力と民族を
愛する心には、――尊敬と感謝―― 以外のなにものもない――――。

                      = 3回連載の3/3 =
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
▽
「せいろん談話室」の、テーマ「あなたにとって『大東亜戦争』とは何ですか」より、紋起さんの投稿「123〜125」を転載させて 頂きました。
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