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戦争に負けた国 ―――――――― by やせ我慢さん |
☆ 歴史を誇ることと守旧とは違うのだ ――――――― 2009/08/31
過去の日本は悪くなかった。少なくとも、戦後に言われるような一方的な悪で
はなかった。
過去の日本は立派だった。少なくとも、他国、特に欧米に較べれば遥かにマシ
な国だった。
そして、戦後も奇跡の復興と成功を遂げた。世界にも稀な、安全で豊かな国を
作り上げ、1千年を越える皇室も続いている。
ーーーその通りですし、私も過去に何度も取り上げてきました。
日本人が、日本の過去と現在を誇るのは当然の事です。また、そうあるべきで
すし、そうやって子供たちを育てるべきだとも思います。
しかし、
祖国の歴史と文化を誇ることと、社会の仕組みや制度を過去のまま守り続ける
事とは違うのです。
全てのものが移り変わるのは諸行無常の理であり、日本も世界も日々変わって
いく世の中で、それに対応できるかどうかという検証もなしに「今まで通り」
を続けて良い筈がありません。
あらゆる生物は、環境の変化に対応しながら進化し、生き延びてきたのです。
ーーー環境の変化に鈍感であるならば、ただ淘汰されるのを待つだけです。
古き良き日本を守りたい、日本の伝統文化を守りたい…。
私もそう思いますし、忘れてはいけない日本の心があると考えています。
しかし、その気持に便乗して、日本の伝統文化を拡大解釈している人が多くは
ないでしょうか? 環境に合わなくなった仕組みや既得権益の構造を、日本の
伝統文化だなどと騙されてはいないでしょうか?
典型的な例では、自由経済というものに対して日本の伝統的な経営を守ろう、
という意見です。日本的経営の特徴は終身雇用と年功序列といいますが、本当
にそれは日本の伝統的なものなのでしょうか?
wikipedia によれば、年功序列や終身雇用は、明治時代の末から大正時代の初
めにかけて、大企業や官営工場が熟練工の足止め策として定期昇給制度や退職
金制度を導入し、年功序列を重視する雇用制度を築いたことに起源を持つそう
です。→ http://ja.wikipedia.org/wiki/ 終身雇用
池田信夫氏のブログには、年功序列の起源について以下のように書かれていま
す。
http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/73e3c4eb679bde621cbd302b980b8255
┌--------
つまり年功序列は、日本の伝統でも儒教の影響でもなく、官僚制度によって原
型がつくられ、戦後の労使紛争の中で、両者の妥協として大企業で成立した雇
用慣行なのである。
これは、結果としては若い労働者に「強制貯蓄」させることによってその忠誠
心を高めて、モラルハザードを防ぐ役割を果たした。
しかし、老人に生産性以上の賃金を払い続けることができるのは企業が成長し
若者が増え続けるときだけである。賃金原資が減り始めると、ノンワーキング
リッチに「配当」を払うことはできなくなる。
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年功序列は、明治の官僚制度構築の時に生まれ、ほんの100年足らず前に、
大企業や官営工場が一定の能力を持つ人を前提にして広げたものです。それが
一般の中小企業にまで広まったのはずっと後で、おそらく昭和もだいぶ過ぎた
あたりでしょう。
つまり、一般的なサラリーマンの終身雇用や年功序列は、どう長くみても70
年程度しか続いていない制度なのです。
また、それらの時代を見てみると、国家が一丸となって生き延びる努力をしな
くてはならない時期であり、また出生率も一定以上にあった時代です。
その時代の環境で最も効果的だったからこそ生き残った制度であり、決して日
本の伝統的な経営手法ではありません。
洋食の定番であるオムライスは、大正の終わりに大阪で生まれたそうですが、
オムライスを日本の伝統的な料理だと言うでしょうか? たしかに日本人に合
う素晴らしい料理ですが、日本の伝統料理といえばやっぱり和食でしょう。
また、伝統文化の典型である日本刀は、明治以降のものを「現代刀」と呼んで
います。昭和の初めに流行し定着したセーラー服を、日本の伝統的衣装という
人はいないでしょう。〜〜〜※一部マニアを除き^^)
自由競争を批判している人たちの多くが、日本の伝統的経営=終身雇用や年功
序列)を守れと言いますが、そんなものは日本の伝統でもなんでもなく、ごく
最近に生まれ、短い特殊な期間だけ有効だったというものに過ぎません。
本当の日本の伝統的な経営や社会を知りたいならば、江戸時代という長い鎖国
と安定の時代をみるしかありません。江戸時代には、商人や普通の働く庶民は
どんな制度や仕組みの中にいたのか、それを調べずに日本的な経営などという
のは違うのではないでしょうか。
その安定した江戸時代ですら、国内の経済システムが大きく変ることに対応で
きず、また国外の情勢変化にも対応できずに崩壊していったのです。
環境の変化に対応して制度や社会の仕組みを変えるのは、生き延びる為に当然
であり、それは伝統文化を破壊することとイコールではありません。
大事なのは、形ではなく本質です。
形は時代と環境によって変わっていけば良いし、変わらざるを得ないのです。
和服から洋服になったからといって、日本人は伝統文化を捨てたでしょうか?
もしそうなら、土方歳三は日本人の心を失った事になりますし、戦後の日本に
は日本人がいない事になってしまいます。
形に拘るのは愚かですし、まして過去の成功例を、その時の環境を考慮に入れ
ずに形だけを盲信するのは、愚かの極みというものでしょう。
人も国も、古き良き時代、ベルエポックには決して戻れないのですから…。
= おわり =
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┃●┃ 読後アンケートの結果。
┗━┛ ◇ この意見に賛成 -------------------------------------- 45人 (73%)
◇ どちらかというと賛成 -------------------------------- 8人 (13%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------- 3人 ( 5%)
◇ どちらかというと反対 -------------------------------- 3人 ( 5%)
◇ この意見に反対 -------------------------------------- 3人 ( 5%)
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┃●┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
┗━┛ ┌──────────「1国民さん」
外国の文化を上手く採り入れて、変化進化を遂げてきたのが日本文化です。
日本人自らの手によって変えられていくのは良いと思いますが、他国の強制力
によって変えられていくのは良いとは思いません。変化のスピードも、日本人
に丁度良い加減というものがあります、
ーーーマイペースを崩したら、ろくなことはありません。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
他国の強制力とは何を指しているのか判りませんが、日本は安全保障も経済も
他国との調整なしには不可能な国です。妥協も話し合いも、必要ならばいくら
でもすれば良いと思います。
ーーー大事なのは国の大目標、「安全と繁栄」です。
└──────────
┌──────────「年金生活者さん」
┌--------
環境の変化に対応して制度や社会の仕組みを変えるのは、生き延びる為に当然
であり、それは伝統文化を破壊することとイコールではありません。大事なの
は、形ではなく本質です。
└--------
おっしゃるとおりです。「少子化」もまた環境の変化であり「定年制」も「年
金制度」もつい最近できた制度にすぎません。
日本人は、神代の昔から勤勉な民族で、死ぬまで働くことを厭いません。意欲
と能力のある人を無理矢理「隠居」させる必要はありません。ゲートボールよ
りも「仕事」に生き甲斐を感じる老人はたくさんいます。
また、日本にとって大量生産の時代は終わりました。そのような産業は中国や
インドに任せ、金持相手に付加価値の高い製品を少量生産する方向に向かうべ
きでしょう。そのような仕事は長年の経験と勘が必要で、これもまた日本人の
民族性にあっています。
勿論3K仕事も社会にとって不可欠なものですが、そのロボット化はこれまで
も日本の得意分野です。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
統計や推計を見る限り、もう高齢者を過剰に保護することは不可能ですし、意
欲と体力のある方には、どんどん働いてもらうべきですよね。
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┌──────────「(^^) OJIN です(^^)」
経済規模が縮小する中で、今の日本国の借金をどうやって消化するんだろう?
税率をばんばん上げる? そんなことをしたら日本人の納税年齢層はおろか、
外国人も外資もドンドン逃げ出すでしょう。ーーーそれでまた経済規模縮小。
以降はこの繰り返しスパイラルの、一直線下降状態になると思うんですけど?
そしてその果てにはハイパーインフレとデフォルト・・・わたしには他の結末
が見えてこないんですけれど、皆様には見えておられますのでしょうか???
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この記事はブログ「戦争に負けた国」より転載させていただきました。
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└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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