支配者階級が被支配者階級と衝突する。支配民族が被支配民族と衝突する。
ーーー何度も何度も繰り返されている、中国の日常である。
今回は規模が大きかった事とネットの発達のお陰で、ほぼリアルタイムに世界
へ、その様子が伝わった。
時事通信によれば、少なくとも140人が死亡、828人が負傷し、車両26
1台や商店203軒が焼かれ壊されたという。
同自治区内の4地域に、3万人を超える軍・武装警察部隊が投入され、主要道
路の入口で車両の検問を徹底。装甲車も配備された。
ーーー3万人といえば、どう考えても尋常な事態ではないだろう。
中国からの報道によれば、これはウイグル人による暴動であり、漢民族市民が
殺害されたり商店が破壊されているという。そしてこの暴動は、ウイグル人在
外組織によって扇動されたものであり、漢民族は被害者であるようだ。
今回の騒動の発端となった事件の写真は、以下のエントリーにあります。
「流された血こそが、百万の理屈を越えた現実です」
http://datefile.iza.ne.jp/blog/entry/1106175/
同じようなストーリーを何度も聞いた。そして今度も、それを確かめることは
できないだろう。ーーー人道でもなければ、道徳の問題でもない。
日本の隣にある強大な国家に存在する現実であり、嫌でも付き合わざるを得な
い国の、一つの実相なのだ。
ジャーナリストという名に誇りを感じるならば、まさにその本領を発揮すべき
時だと思うのだが・・・ああ、それでも知事選による麻生内閣への打撃のほう
が大事か…。
さて、チベット問題の時に何度も書いたのですが、チベットやウイグルに対し
て日本人は人権問題だとか同情だとかだけではダメではないかと思うのです。
そうしたものを基盤に置くなら、世界中の悲劇に声を挙げる必要が出てきてし
まいます。
日本人が中国とその周辺で起きている事象について考えるならば、まず日本の
利害を基盤におくべきです。ーーー自国の利益に直接関わると考えるからこそ
真剣に考え、意味のある行動が可能になります。
----今の日本の政治では難しいかもしれませんが----
かつて日本が、アジアやロシア・ヨーロッパで独立派や反体制派を支援し、後
に感謝されたりした事も、すべては日本の利益が基本にあって為されたことで
す。
同情や正義だけでは、組織的かつ実態を伴った支援はできなかったでしょう。
では、チベットやウイグルの抵抗運動、あるいは漢民族自身の暴動などの事柄
は、日本の利害にとってどんな意味を持つのでしょう。ーーー端的に言えば、
中国に対する国際的な不信は、日本の利益だということです。
中国が常に一定の不安材料を抱え、その対処を強権によって行えば行うほど、
先進諸国、あるいは周辺諸国からの信用を失っていきます。----あまりに大き
過ぎる混乱は逆にマイナスですが----
その結果として、東アジアに於いて、信頼できるパートナーは日本しかないと
いう状況を維持できるのです。
もしも日本の存在が、欧米列強とアジア諸国にとって複数ある選択肢の一つに
転落したら、決定的な軍事力も強い政治力も持たない日本にとって、それは死
活問題になります。
本来ならば、そうした利益を基盤に据えて、政府もマスコミもチベットやウイ
グルを支援し、あるいは追い詰められた漢族の下層階級を支援すべきです。
まぁ、日本政府としては、表立ってはできないでしょうから、あくまで人道・
人権を根拠にするしかありませんが。
そうした大きな方向性の上で、同情や人道問題として取り上げることが、結局
は相手にとっても良いのではないでしょうか。
チベットやウイグルの人の気持は判りませんが、もし私ならば、単なる同情や
理想論で応援してくれるよりも、利害の一致があって支援してくれるほうが、
よほど心強く、信用できると考えます。
= おわり =
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┃●┃ 読後アンケートの結果。
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◇ この意見に賛成 -------------------------------------- 76人 (76%)
◇ どちらかというと賛成 -------------------------------- 18人 (18%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------- 4人 ( 4%)
◇ どちらかというと反対 -------------------------------- 1人 ( 1%)
◇ この意見に反対 -------------------------------------- 1人 ( 1%)
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┃●┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
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┌──────────「JTさん」
現在ウイグルで起こっていることは、アメリカの力が落ち中国が日本に覆い被
さって来た時に、日本でも起こりえないとは言えない事だと思います。----漢
民族の大量流入による侵略や民族浄化----
世界経済が中国の発展と消費を必要としている現状では、中国が日本にとって
都合の良い方向へ行く可能性は低いのかも知れませんが、少しでも日本にとっ
て良い方向に、或いはプラスとなる方向に進んでくれればと思います。
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┌──────────「やせ我慢さんから」
できれば他人任せでなく、自らそのように導ける国でありたいですね。
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┌──────────「橋本裕さん」
どちらかというと賛成、にした理由は《大きな声で言うな》です。
欧米先進民主主義国は皆そうしています。
└──────────
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┌──────────「やせ我慢さんから」
いや、こんなことは当たり前ですから隠すまでもありません。
それよりも、そうした普通の感覚を忘れている一部の日本人、に伝えるほうが
意味があるかと。
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┌──────────「神奈川・鈴さん」
中共への不信は日本へのメリットと思う。但し、国益優先を強調し過ぎると、
超大国?の中共とは事を構えないほうが得策との見方も出てくる。
やはり、国家基本問題では、国益と同等以上に「理念」も重視すべきと思う。
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┌──────────「やせ我慢さんから」
理念はもちろん重要です。問題は、それを実現する為に戦略が必要だというこ
とです。
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┌──────────「ta-ku-miさん」
現在上海に在住しています。この件で、会社の同僚の中国人(中産階級的な人)
に聞いたら、「少数民族が独立したいことは知っているけど、良く分からない
し、政府のする事だから私には関係ない」と言っていました。
私の周りだけかもしれませんがこんな中国人って案外多いのかなと思います。
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┌──────────「やせ我慢さんから」
普通の人はそんなものじゃないでしょうか。
でも、同じ人が、状況によっては鉄パイプを持って少数民族狩りをするのも、
やはり事実ではないかと思います。
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この記事はブログ「戦争に負けた国」より転載させていただきました。