ーーーたとえば木を切る道具といっても、いろいろと種類があります。
手で挽くノコギリから、電動ノコギリ、丸太を切るチェーンソー、細かく分け
ればもっと沢山の種類があるでしょう。
木を切る道具なら何でもいいといって、具体的な用途も考えずに買う人はいま
せん。ーーーそんな、ごく当たり前の事が、なぜか国防という重大な議論の中
では無視されています。
・敵基地攻撃能力の保有打ち出す 防衛大綱で自民
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/261902/
提言案は敵基地=ミサイル策源地攻撃について「専守防衛の範囲で、ミサイル
策源地攻撃能力を保有し、米軍の情報、打撃力とあいまった、より強固な日米
協力体制を確立することが必要」とし海上発射型巡航ミサイル導入を挙げた。
周辺諸国の軍拡が続く中、日本だけが予算削減を続けている状況を変更しよう
という方向性や、敵基地攻撃能力や集団的自衛権の容認など、この大綱の方向
性には大賛成です。
できるなら、麻生総理大臣にはこの大綱を確固としたものとし、集団自衛権の
容認を成し遂げて、他のことはしないで、歴史に名を残して欲しいものです。
ただ気になるのは、敵基地攻撃能力に関しても、その目的が明確にされていな
いことです。
それは大綱に書くような性格ではないのかもしれませんが、議員やマスコミの
論を見ていても、具体的な目的を明確にしたものが少ないようです。
そこで、敵基地攻撃能力の具体的な目的を、素人なりに考えてみました。
自衛を基本とした場合、敵基地への攻撃能力を保持することは、以下のような
三つの具体的効果を期待する為ではないでしょうか。
・抑止=相手に対して攻撃能力を明示することで、攻撃を思い止まらせる
・防止=相手が攻撃を決断したら、その施設や武器を破壊して攻撃を止める
・停止=攻撃が行われた時、その施設や武器、他の目標に被害を与え、攻撃の
継続を不可能にする
―― 抑止
冷静に考えれば、誰の血も流れない「抑止」という目的を達成するのがベスト
です。ところが、この最も平和的な方法がなぜか日本では絶対のタブーになっ
ています。
ーーー自称平和主義者たちは、よほど血に飢えているようです。
日本に武力攻撃をしたらそれ以上の報復を行う…、少なくとも、危険性のある
周辺国へそう誇示することが、最も平和的な方法です。
日本が攻撃能力を持つと、軍国主義になり他国を侵略するかもしれない…そん
なことを言う人がいますし、漠然とそんな不安を持つ人は少なくありません。
しかし、日本周辺だけでも、中国・ロシア・北朝鮮・韓国・台湾が、他国への
攻撃能力を持っています。
なぜ日本の軍国主義化を心配する人たちは、それらの国が他国を侵略するかも
しれないと怖れないのでしょう?ーーーそれどころか、「どこの国が日本に攻
めて来るというのか!」と吼えたバカ党首すらいるのです。
マスコミの誘導する内向きな思考に囚われず、普通に周りを見渡せば、他の国
が侵略国家になっていないのに日本だけが侵略国家になる、と案じるのは滑稽
というか異常だとしか言いようがありません。
―― 防止
抑止が効果を発揮せず、相手が攻撃を決断したなら、ミサイルなどによる攻撃
が行われる前にそれを破壊して防止するしかありません。
しかしそれがいかに困難であるかは、湾岸戦争時にイラクがイスラエル、サウ
ジアラビア、バーレーンへ弾道ミサイル攻撃をした時の経験から明らかです。
圧倒的な兵力を持つ米軍が制空権を完全に確保し、さらに地上での探索を行っ
ても、100発以上のミサイル発射を許してしまったのです。
つまり、世界最高の軍事力を以っても、弾道ミサイルによる攻撃を完全に防止
することは不可能なのです。
もちろん、まったく無駄ということではなく、一定の意味を持ちますが、決定
的な防止にはならないという意味です。
おそらく今議論になっている「敵基地攻撃能力」とは、この防止を目的とした
意味合いだと思いますが、以上のように大きな期待はできそうにありません。
詳しくは以下のサイトをご覧下さい。
「週刊オブイェクト」
敵基地攻撃能力だけでは弾道ミサイルを防ぐ事はできない。
http://obiekt.seesaa.net/article/120450148.html
※MDなどのミサイル防衛も、この防止の範疇に入ると思います。
―― 停止
抑止が効かず防止にも失敗したら、もはや攻撃を一旦受けるしかありません。
ミサイルの数や弾頭の種類によるでしょうが、とにかく日本人の誰かが死に、
あるいは怪我をするのです。
この時点になると、明白な正当防衛になります。つまり、自分の生存権を守る
ために、攻撃してくる相手に打撃を与えるわけです。
ミサイルの発射台を破壊するのは、先に書いたようにかなり困難ですから、相
手の攻撃を止めさせる為には、軍の施設や支配者の居住地、主要都市、インフ
ラなどの重要施設を攻撃して、これ以上の続けるなら自国の破滅につながると
理解させるしかありません。
もちろん、私たちの国でも相手の国でも、人が死に怪我を負います。
こうした段階で報復攻撃をせずに話し合いだとか、国連だとか言っていると、
その間も同胞が死んでいく事になります。
どの目的を最重視するかによって、揃える兵器やその数・バランスなどが違っ
てくるでしょう。
また、事前にどんな準備や情報収集が必要かとか、どの時点でどういう行動を
起こすのかという計画も違ってくるはずです。
三つの段階を考えれば、誰が考えても血の流れない「抑止」を選ぶのではない
でしょうか。
そして、どのステップを想定するにしても、相手の戦意を失わせるということ
がポイントになります。ーーーそれは、一般のモラルとは相容れない、残酷で
非情な考え方や判断が必要になります。
しかし、現実の悲劇を避け、あるいは悲惨な被害を最小に抑える為にも、それ
を考え準備する必要があります。
つまり、誰も考えたくないし見たくもないという現実を、それでも直視して考
えるしかないのです。ーーーそんな判りきった事を、政治家もマスコミも言葉
にしないのは、大衆がそれを嫌い批難すると思っているからです。
まるで、お肉は美味しいから好きだけど、それが屠殺されているという現実か
ら目を逸らすようなものです。
政治家やマスコミを批難するのは当然ですが、一方で、見たくない現実から目
を逸らし、嫌だけれどもやらざるを得ない判断を逃げている国民のほうにも、
大きな責任があるのではないでしょうか。
たとえ他国や後世の人々になんと言われようと、自分たちと子供たちの命を守
る為に最善の事をする、という覚悟が、私たち一人一人に必要だと私は思うの
です。
= おわり =
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┃●┃ 読後アンケートの結果。
┗━┛
◇ この意見に賛成 -------------------------------------- 97人 (87%)
◇ どちらかというと賛成 -------------------------------- 7人 ( 6%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------- 3人 ( 3%)
◇ どちらかというと反対 -------------------------------- 2人 ( 2%)
◇ この意見に反対 -------------------------------------- 2人 ( 2%)
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┃●┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
┗━┛
┌──────────「hitmanさん」
この問題は、もしやるなら相手国の人・もの・金総てを消し去る攻撃力をもつ
ことが必要です。生半可な兵力保持は国益に反します。
筆者のご意見はポピリズムでしかありません。地球が崩壊して我々自身の生命
が消し飛ぶ破壊能力を持つことが必要です。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
そんな能力を持っているのは、米露だけです。中国やイギリス・フランスなど
他の国々の戦力は、抑制や報復には無意味だと仰っているのでしょうか。
└──────────
┌──────────「茶々丸さん」
hitmanさん、そうですよね。究極は総てを消し去る攻撃力、地球が崩壊するよ
うな攻撃力を持つことが、筆者のご意見でしょうね。それだけの攻撃力があれ
ば、抑止、防止、停止ということに対して効果的でしょうね。非常に効果的か
どうかは何とも言えないと思いますが。
筆者の言われるように、抑止で終われば言うことなしだと思います。
津波なんて今までなかったから、これからもそんなこと気にしなくても全然問
題無し・・・で、大きな被害が出て、今ではTSUNAMIという国際語がで
き上がってしまいました。
ーーー総ては“危機管理”に尽きると思います。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
まったく違います。
皆さんは、米露以外の国は抑止力を持っていないと考えているのでしょうか?
自国と周辺国、そして同盟関係、それらの中で有効な一定の戦力を持てば抑止
力になります。
地球を壊す力なんて、必要ありませんよ。
└──────────
┌──────────「LuLuさん」
現代の戦争は、武器商人の罠にはまって巻きこまれるもの。戦争を回避する国
際センスが全くない象徴的な意見でしょう。小泉時代、対中・対露に対して、
米国の罠にはまってましたから。
満州帝国でも、米国と共同経営にしていたら、太平洋戦争にはならなかったと
思っています。集団的自衛権は、罠に入っていく一歩と見てます。
今時ミサイルをドンドン撃って戦争を起こそうとするのは、武器商人の考え方
ですから。ーーー今回のインフルエンザを見れば分かると思います。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
あなたの仰る国際センスって、どこの世界の?
└──────────
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
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この記事はブログ「戦争に負けた国」より転載させていただきました。