・この経済危機に際して、アメリカは日本の金を狙っている…。
・中川大臣の失態は、言い訳の余地はなく、辞任して当然だ…。
二つの事柄は、まったく別な出来事なのですが、その反応に何か同じようなも
のを感じました。
アメリカが日本の金を狙っている…、今回に限らずよく出てくる話題ですが、
その度に一部の人は感情的に反発し、またそれを煽る人が出てきます。
私が不思議に思うのは、アメリカが日本の金を狙っているなら、それはチャン
スだとなぜ捉えないのかということです。ーーー相手がこちらに必要性を感じ
ているなら、それは交渉と駆け引きのチャンスだと考えるのが普通ではないで
しょうか。
いや、属国日本には断るという選択肢がない以上、交渉なんてできるはずがな
い…。
本当にそうでしょうか? そんなに単純なものでしょうか?ーーー最終的には
断れないとしても、いくらでも嫌がらせやサボタージュは可能です。
相手だって、トラブルよりはスムーズに進むことを願うはずですから、可能な
交渉を頭から拒否する理由もメリットもありません。
交渉の方法や可能性を考えることなく、いきなり感情的な拒否論が出たり、逆
に、属国だからどうせ断れないという諦めの言葉を聞くのが不思議でならない
のです。
そこには、日本側の一方的なコンプレックスがあるのではないでしょうか。
これが普通の商売なら、たとえ最後は受けるしかないと判っていても、できる
だけメリットを作り出すように交渉をするでしょう。そうした独立企業として
の強かさや戦う姿勢が、こうした反応からは全く感じられないのです。
同じように、独立した立場として他社と渡り合うという意識がないと感じたの
が中川大臣に関する騒動です。
中川氏の行動の是非は別の問題として、このことに対する日本の反応の素直さ
が気になりました。
失態を演じた、悪い事をした、だから謝って当然だし責任をとって辞任するの
も、あるいは連日の批判報道も当然だ…。ほら、海外メディアもこんなに批判
している、笑っている、とんでもない国の恥だ…。
なんて善良で素直な考え方なんだろうと思います。
日本国内の普通の社会なら、その善良さは褒め称えられるべき美徳です。
しかし、ヤクザが利益を争うような国際社会では、この素直さは余りに間抜け
ではないかと思います。
ーーー自分が悪くても相手に謝らせる。
ロシア・米・欧・中・特ア…多くの国々の行動と歴史を見れば、それが国際社
会では普通ではないでしょうか。
創作でしょうが、西郷隆盛にこんなエピソードがあります。
ある英国人との約束に遅刻した西郷は、英国人から遅刻を指摘されても平然と
し、貴国製の懐中時計が遅れているからだと、その時計を床に叩きつけた…。
国の利害を争う舞台に立つなら、演技だろうがなんだろうが、自分に非があろ
うと口実をつけて、逆に相手に謝らせるぐらいの強かさと気概が必要です。
まして、今回の日本は世界へ巨額の貢献をしたのであり、誰に迷惑も不利益も
与えていません。胸を張って誇るのが当然であり、一つの失態で全てを自ら否
定するのは余りに異常だと思います。
一つの非があったからといって素直に頭を下げていたら、寄ってたかって袋叩
きにされる世界です。まず貢献を声高に強調し、その陰で目立たぬよう隙を見
せずに問題を処理する、ーーーそれが普通ではないでしょうか。
仮に、今回の騒動が、日本メディア発でなく、会場にいた欧米人が話題にして
ニュースになったとしても、それを大きく取り上げ日本を笑うような国があっ
たら、それこそこちらが笑うべきです。
この危機に対する日本の貢献を無視して些事を笑うような国だから、今のよう
な厳しい状況になったのだろうと、その愚かさを笑うべきです。或いはそうし
た国々へ支援する意味があるのか、と、メディアが問うことがあっても不思議
ではありません。
そんなことをすれば、表面的には貢献に感謝しても、本心は日本を軽蔑するだ
ろうし、憎んで不信感が生まれるかもしれない…。
ーーーいいえ、何もしなくてもそうなのです。
そもそも日本の孤独は宿命です。
どんなに真似ても、誠実で素直であっても、あるいは高い技術や知能を披露し
ても、彼ら欧米国家の家族にはなれません。
そんなことは、明治以来の長い歴史で明らかです。欧米だけではなく、アジア
でもどこでも、日本人が家族になれる国はないのです。
日本は、独りの独立した存在として、独自の価値観と基軸を持つべきです。
欧米の顔色やご機嫌を伺うのではなく、中国の知恵を盲信するのでもなく、そ
れらすべては利用する対象に過ぎないと考えるべきです。
誤解のないように付記すれば、欧米人が世界の多くを支配し、彼らの価値観が
世界の基準であることを無視しろというのではありません。また、中国という
巨大国家の存在を小さく見ろというのでもありません。
それらを熟知した上で利用するという意識を持つ必要があるということです。
決してそれらの価値観を本気で信じ、気に入って貰おうと素直に従ってはいけ
ないということです。
なぜなら、どれほどその価値観の世界で優等生となろうと、日本を家族として
迎える国はないからです。
だからこそ、独立した精神と、他人の中で生き抜く強かさが必要なのです。
いつまで、コンプレックスを持ったり、奇妙なまでの素直さで相手に判って貰
おうとか気に入って貰おうなんて期待しているのでしょう。
嫌でも認めさせる、という気概と方策こそが、私たちには必要なのではではな
いでしょうか。
= おわり =
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┃●┃ 読後アンケートの結果。
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◇ この意見に賛成 --------------------------------------131人 (85%)
◇ どちらかといえば賛成 -------------------------------- 20人 (13%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------- 2人 ( 1%)
◇ どちらかといえば反対 -------------------------------- 1人 ( 1%)
◇ この意見に反対 -------------------------------------- 1人 ( 1%)
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┃●┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
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┌──────────「トーモンさん」
なんか、もやもやしていたものがすっきりしました。日本は独自の道を行くべ
きであり、他国に迎合するべきではない。特に近隣諸国に迎合するのは、日本
人の覇気ををなくすと思う。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
現実の状況を基盤とした戦略なら、迎合でもなんでもすれば良いと思います。
ただ、それはあくまで相手を利用する為であって、精神まで迎合してはいけな
いでしょう。
└──────────
┌──────────「ゆきさん」
外交とは干戈交えない戦争です。
日本の善で測るべきではないでしょう。
狡さも必要かと愚考いたします。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
善悪よりも、日本は独自の価値観を持つべきだという趣旨です。
そうでなければ、自分の立ち位置が曖昧なまま戦うことになります。
└──────────
┌──────────「俵頭秀長さん」
まさにおっしゃる通り。このような態度行動は、日本人の素直さに付け込んだ
アメリカ主導の戦後教育の大成果。やせ我慢さん、ますます絶好調ですね。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
日本は独自の価値観を持ち、その上で、現実を見極めた冷徹な対応が必要だと
思います。
└──────────
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この記事はブログ「戦争に負けた国」より転載させていただきました。