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戦争に負けた国 ―――――――― by やせ我慢さん |
☆ ならばどんな日本が望みなのか? ―――――――― 2009/02/02
ーーー政治系のニュース等を基に批判や意見を書く人は星の数ほどあります。
しかし、批判や個別なニュースへの意見も良いのですが、では、どんな日本を
政治で作って欲しいのか、それをはっきり書いたものは意外に少ないのです。
冷蔵庫を買う時に、あれこれ細かい機能に文句を付けるばかりで、肝心のどう
いう目的で使うかを言わない客は困った客です。
大家族だが、週に二度ぐらいの買い物で済ませたいとなれば、大型で冷凍庫の
容量も必要になるでしょう。あるいは寝室に置く寝酒用の冷蔵庫が欲しなら、
小型で値段の安いもの、ワインや日本酒を冷やしたいなら棚毎の温度調整がで
きるものなど、
目的がはっきりしていれば、自ずと商品に求める要素やレベルが決まります。
ーーー政治だって同じはずです。
こんな日本になって欲しいという具体的な目標があってこそ、政策や考え方を
批判したり、注文を付けたりできるのではないでしょうか。ただ目の前の事柄
に文句を言うだけなら、それは何も生み出さないでしょうし、目指す目標のな
い文句や批判は、人間の精神を腐らせるだけのような気がします。
祖国日本に、こんな国・社会になって欲しい、なるように努めたい。
ずっとそれを書きたいと考えていたのですが、なにしろテーマが大き過ぎます
し、知識や情報が足りなさ過ぎて、なかなか書けないでいました。
でも、そんなことを気にしていたら一生書けない気がしてきたので、稚拙では
ありますが思い切って書いてみます。
例によって、裏付けとなるような根拠や数字・データの類はありません。ただ
こんな社会、こんな日本になって欲しいという目標です。
まず、基本的な思いは、大多数の人々(国民)が幸せだと思える社会を目指して
欲しいと考えています。幸せって何?と考え出すとまたややこしくなりますが
私は以下のように考えています。
安心して働け、通常の量と質の仕事をすれば、普通の衣食住に不安を感じず子
供を育てられ、その将来を楽しみにできる。ーーー大多数の人がこうした生活
が出来る状態を、とりあえず「幸せ」としておきます。
では、上記のような幸せを大多数の人が得るには、どんな社会・日本になれば
良いのでしょう。
当然それを実現するには、安全保障・外交・経済・社会制度・教育などなど、
幅広い要素が全て絡んでくるのですが、ここでは身近な社会制度だけを取り上
げてみます。
まず、誕生から葬式までの人生に対して、社会制度の在り方をどう考えるかで
大きく二つの選択肢があります。
A.国が可能な限りケアする方法=大きな政府。
B.国のケアは必要最小限とし個人の自力を重視する=小さな政府。
私は基本的には、Bの自力優先の社会を望みます。
ーーーただし、その為には条件があります。
また喩え話で申し訳ないのですが、子供が初めて一人で外に遊びに行く時のこ
とを想像して下さい。特に最初の子供なら、親はとても心配するものです。
家の前で事故に遭わないか、公園でブランコから落ちないか、誰かに苛められ
ないか…、そんな心配が募ると、いっそ随いて歩きたくなったりします。
そんな気持ちのように、政府が手取り足取り面倒を見てくれるのが大きな政府
でしょう。
逆に、多少の怪我は良い経験だ、一人でどんどん遊びに出せ、というのが小さ
な政府でしょうか。もちろん、危ない場所の注意はしっかり与え、バンドエイ
ドも持たせます。
大きな政府の行き着く先は、国民は全員公務員で国家が給与や福利厚生を与え
てくれる共産主義国家です。そうした理想的な国家が、実際にはどれほど悲惨
な結果を生んだかは、ごく近い歴史を見るだけで充分でしょう。
小さな政府の究極は、政情の安定しない後進国のように、国民を放置する国家
でしょうが、少なくとも先進国で民主主義国家であるなら、そこまで極端には
成り得ないと考えます。
なぜなら、政権を選択できる有権者が政府による必要最小限の介入やサポート
を求めるからです。
子供は、手取り足取り保護するよりも、責任と自由を与える方が逞しく成長し
思わぬ才能までみせるものです。社会も同じように、活力と発展を望むなら、
政府による規制や保護は最小であるべきだと思います。
そうした意味で、私は条件付きで「小さい政府」という考え方を選択します。
条件とは、つまり何を必要最小限のサポートと考えるかということです。
先にお断りしておきますが、「小さな政府」とは、政府の介入やサポートを必
要最小限であるべきだという考え方を指し、実際に使われる税金の額や人員が
小さいという意味ではないと思っています。
では、どんなものを必要最小限のサポートと考えるかですが、先の喩えで言う
なら、自由に一人で遊びに行かせても、怪我した時に帰れる家、陽が暮れたら
帰れる家を用意するということです。
人生の中で、自力だけでは困難であり、不安を解消できない急所がいくつかあ
ります。そうした急所を政府がしっかりサポートし、後は自分で頑張りましょ
うという社会を私は望みます。
帰れる家と、両親という安心があってこそ、子供が自由に思いっきり遊べるよ
うに、どんなに大変でも急所部分はサポートしてくれる安心があれば、自由で
活力のある人生を歩めます。
人生に於いて、政府によるサポートが必要な急所とは何でしょう。
これを考える時、原則を押さえておかないとズルズル拡大して、結局は「大き
な政府」思考になってしまいます。
原則とは、先に書いたように「自助努力」「最大多数の幸福」です。
この原則に照らしてみれば、大多数の人にとって自助努力だけでは苦しいと思
えるところが、政府によるサポートが必要な急所ではないでしょうか。
逆に言えば、大多数の人ができているのに、特別な理由もなくできない=しな
いでいる人を、国が救う必要はないということです。そんな人には自助努力を
厳しく求めて当然ですし、それがどうしても嫌という人がホームレスという生
き方を選ぶのも凍死するのも、一つの自由な選択だと思います。
また、政府によるサポートが必要な急所であろうと、それは無限大の援助を意
味するのではなく、大多数にとっての幸せという観点から、自ずと限度が設定
される必要があると思います。
以下に、今現在私が考える政府によるサポートが必要な急所を箇条書きにして
みます。最初に要約しておくと「18歳から65歳までは自力で生きなさい。
生活面での政府支援は、原則として働ける環境作りと医療・教育のみに限定し
ます」ということです。
・就業機会
まず、生活の糧を得る仕事がなければ話になりません。それは個人の努力では
不可能で、政府が活気ある経済状態を作る必要があります。
といっても、民間は利益を求めているのですから、それを邪魔する余計な規制
や許認可を無くす事が主体になるでしょう。一方で、新しい産業や起業を促す
ようなサポートも必要です。
とにかく、どんどん経済活動が活発にダイナミックになるように、そうした方
向性で政府は環境作りをすべきでしょう。
もちろん、社会全体への悪影響が出るような(つまり大多数の人に不利益や迷
惑を与えるような)ものにはそれなりの規制が必要です。そうした悪影響の排
除は、できるだけ原理・原則部分に適用し、個々の細かな問題を規制する方法
は避けるべきだと思います。
・妊娠、出産、幼児期の子育て
人口拡大か安定かは別にして、一定数の子供が生まれないと社会は成り立ちま
せん。そして「妊娠、出産、幼児期の子育て」という二、三年の期間を、大多
数の人が夫婦だけでできているという状態ではないように思えます。
核家族化が進み、都市への人口集中、共稼ぎの増加、地域社会の崩壊など「妊
娠、出産、幼児期の子育て」に関する環境は悪化しています。少し昔なら簡単
に得られた周囲の助けが、都会の核家族では不可能になっていますし、共稼ぎ
で成り立っていた家計なら経済的な問題も出てきます。
実際にそうした悩みや不安を抱える人は多く、出生率の低下にも影響を与えて
いるのではないでしょうか。そうであれば、これは大多数の人が自助努力でで
きる問題ではなくなりつつあり、公的なサポートが必要だと思います。
具体的にどんなサポートが必要かは、専門的な検討が必要でしょうが、ここで
も原則が大事です。つまり、大多数の人が可能な自助努力を基礎とし、そのサ
ポートに徹するという考え方です。
個人的には、お金を配るよりも、昔と違ってきた部分、つまり人的なサポート
体制を作るべきだろうと思います。子守をしてくれた祖父・祖母、ご近所の人
の代わりになる人的な公的サービスをイメージしています。
・教育
教育は個人にとっても国家にとっても礎です。そこで問題になるのが、費用と
期間・目的です。
期間は高校までで充分だと思いますが、現在のような大学進学を前提としたカ
リキュラムではなく、高校卒業時点で働く準備が整っていることを目的とした
形が必要だと思います。
大学はあくまで専門性を追及する場であり、高度な専門職に就く為の特殊な教
育機関という位置づけに戻すべきでしょう。もちろん、それに値しない大学へ
の助成や奨学金も不要ですし、そうした金を少数の大学に集中させることで、
より良い環境作りができると思います。
現在のように、専門性が希薄な大卒者が大半であるなら、高卒者でも変わりは
ないのではないでしょうか。
最後に費用の問題は、義務教育を高校卒業まで延長すべきでしょう。すでに現
実的にはそうなっているのですから。
・医療
健康な時には忘れていますが、怪我や病気になれば簡単なことすらできないこ
とがあります。そんな時の為に自助努力で貯金すべきだという考え方もあるで
しょうが、私は一定の医療は全国民に提供されるべきだと思っています。
ただし、あくまで一定のです。現在のように、誰もが最高の治療をどこでも受
けられることを目的にしては、どんなにお金があっても足りませんし、それを
国民は負担し切れないでしょう。
どこまでを一定とするのか、またその方法は?
それは専門家の領域になるでしょうが、イギリスのようにシステムで篩い分け
る、現在のシステムのまま保険対象で分ける、などの方法が有り得ると思いま
す。もちろん、そうした制限をされたくない人が、自己資金で最高の医療を選
べる道も必要です。
こうした問題になると、では金がない人は制限以上の治療は受けられずに死ね
というのか…、という批判が必ず起こります。
有体に言えばその通りです。そして、過去も現在もそうなのです。家族の感情
としてはそんな事を許せない気持は良く分かりますが、人が神でない以上、何
事にも限度があるのです。
どんなものにも限度があり、限度がなければいけないのだと思います。システ
ム全体を考えるなら、そうした事実から目を背けるべきではないと考えます。
・老後
これは前も書きましたが、一定年齢以上の国民に毎月給付金を支給し、必要で
あれば住居も用意すべきだと思います。
多くの人が老後に備えた貯蓄をし、その為にも安定した仕事を重視します。し
かし人生には何があるか判らないもので、順調にきたものが高齢になって全て
を失うことも珍しくありません。
また、原則に立ち返ってみると、大多数の人が自助努力によって充分な老後生
活を送れる状況であるようにも思えません。今現在の老人層はかなり裕福だ、
というデータがあるそうですが、今の中年層が老人層になる頃にはどうでしょ
う。
さらに、貯蓄や安定志向は良いことですが、一方で経済や社会の活性化を阻害
していないでしょうか。
たとえ老後に公的な給付や住居が用意されていても、もっと良い老後を望んで
貯蓄する人もいるでしょうが、逆に最後の安心があるなら大胆に生きる人もい
るでしょう。
働けなくなった老後の安心が有るというのは、精神的にも非常に大きいことだ
と思います。将来の不安に縮こまる社会よりも、活気とチャレンジがある社会
のほうが良いのではないでしょうか。たとえ失敗しても、なんとか生き抜けば
最後に安心できる老後があるわけです。
こうした急所に、社会制度に関わる人材と税を集中的に使い、それ以外の部分
は自助努力を基本とします。
※ただし、公的なサービスの現場で働く人は仕方ありませんが、管理部門の公
務員などは極力減らすべきです。
極端に言うなら、働ける年齢と健康状態の人がホームレスになろうと、自分の
選択として放置するということです。もちろん、働く意思があれば働ける環境
ができているというのが前提条件ですが、それでも働くのが嫌ならホームレス
という自由を自己責任で選べば良いということです。
ところが、今の日本には驚くほどの数と複雑さで、生活や人生に対する行政の
サポートがあります。ーーーホームレス用の収容施設を作っても、ほとんどの
ホームレスが入所を嫌がるという記事を読んだことがあります。
そうして無駄に使われる税金と労力を可能な限りなくして、急所であるポイン
トに集中させれば、全体としての費用はそんなに変わらない気がします。
つまりメリハリをつけて公的リソースを使うということです。
たぶん、上述のような社会を実現するには、大きな支出が必要でしょう。
しかし「自助努力」「最大多数の幸福」という原則、つまり、大多数の人間が
自助努力では足りない部分だけを、政府がサポートするという原則が守られる
なら、その支出は社会にとって必要なものではないでしょうか。
私は、そんな国・社会になって欲しいと思っています。
その為に税が上がるのであれば、私は受入れられます。
なぜなら、元気な時は自由にチャレンジでき、自分ではどうにもならない時に
は最低限の安心があるわけですから。
= おわり =
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┃●┃ 読後アンケートの結果。
┗━┛ ◇ この意見に賛成 -------------------------------------- 48人 (61%)
◇ どちらかといえば賛成 -------------------------------- 20人 (25%)
◇ どちらともいえない ---------------------------------- 5人 ( 6%)
◇ どちらかといえば反対 -------------------------------- 2人 ( 3%)
◇ この意見に反対 -------------------------------------- 4人 ( 5%)
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┃●┃ お寄せいただきましたご意見や感想。
┗━┛ ┌──────────「細野孝司さん」
ーーー無責任な批判と、相手を見下した文体は止めたのですか。
メールマガジンを発行してください。私は、あなたの意見を否定しているので
はなく、他人の責任でしか意見を言えない姿勢を批判しているだけなのです。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
とりあえず、一度、病院へ行ったほうがいいよ、細野。
└──────────
┌──────────「中島茂忠さん」
基本的には小さい政府に賛成ですが、健康保険に限っては、政府の介入がかな
りのレベルで必要ではないかと思われます。理由は、
アメリカに住んでいて、この国の健康保険制度が、個人の意思を殆ど反映せず
一部の大企業の専横により弊害が酷いと思わざるを得ない為です。
どだい、人の健康状態を商売の基礎にして病人や怪我人から利益を生み出そう
という基本的発想がマズイということです。
健康を損って収入に悪影響が出た時に経済的負担が増加する訳ですから、政府
が適切な舵取りをしないで営利企業に任せていれば、必ず個人には不利な結果
となります。
└──────────
▼
┌──────────「やせ我慢さんから」
ええ、ですから、医療サービスの提供は必要だと書きました。
また、この記事では省いていますが、働けない状態・あるいは充分には働けな
い状態への支援も統一した制度で必要だと思います。
もちろん、今の生活保護のような、不透明で不正と不公平が蔓延る制度ではな
く、大改革が必要ですが。
└──────────
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
▽
この記事はブログ「戦争に負けた国」より転載させていただきました。
┌―――――――――――――――――――――――――――――――――┘
└→ 感想や激励をよろしくお願いいたします。
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